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 ご存知だろうか、ロシアなどから成るユーラシア経済連合は、一応、『ユーラシア経済連合加盟諸国統計年鑑』という、立派な統計集を発行しているのである。ご興味のある方は、こちらのページから丸ごと無料でダウンロードできるので(だいぶ重いが)、Государства - члены Евразийского экономического союза в цифрах 2015 というところをクリックしてみてください。その統計年鑑の中から、同諸国の経済の特質を端的に示すような図をちょっと紹介してみたい。

 ユーラシア諸国の鉱工業生産構造を、鉱業(青)、製造業(茶色)、電力・ガス・水道業(緑)という大きな3分類で示したのが、上図である。左からアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシア、そしてユーラシア経済連合の平均値、と並んでいる(ロシアの規模が突出して大きいので、平均値はどうしてもロシアに近くなる)。特徴が表れるのが青の鉱業(マイニング)の規模であり、石油ガスに加え金属鉱物にも恵まれたカザフでやはり鉱業の比率が大きい。一方、地下を掘っても泥炭しか出てこないという悲しい国がベラルーシであり、ゆえに鉱業の比率は1.5%止まりで(唯一カリ塩だけは豊富だが)、完全なる製造業立国となっている。キルギスでは、唯一のドル箱産業が金採掘のはずなのだが、その割には鉱業の比率が3.3%と大きくない。

 鉱工業の中でも、製造業にフォーカスして、その内訳を見たのが下図である。アルメニアで食品産業(一番下の青い部分)が多いのは、やはりブランデー生産によるものかな。キルギスでは、冶金産業が57.7%にも上っている。ということは、金の産業が、鉱業というよりも、製造業としてカウントされている部分が大きいということかな。ベラルーシのカリ肥料産業も、採掘の部分よりも、製造業としてカウントされてる部分が大きいのかもしれない。

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