Виробництво_цукрових_буряків

 先日のウクライナ現地調査で中西部のヴィンニツァ州を訪問し、認識を新たにするところがあった。実はヴィンニツャ州の鉱工業生産は、2013年:プラス10.4%、2014年:プラス5.4%、2015年:プラス4.1%と、伸び続けているのである。2015年の伸び率は、ジトーミル州の9.8%に次いで、全国で2番目に高かった。

 ウクライナ経済が全般的に絶不調でも、ヴィンニツァ州の鉱工業生産が伸びているのには、産業構造の秘密がある。実は、2014年の時点で、同州の鉱工業生産に占める食品産業の割合が56.3%にも上っているのである。農産物の生産とその加工こそが同州の生業ということになり、そうした分野が現下ウクライナで成長産業になっているからこそ、ヴィンニツァ州の経済指標は良好となっているわけである。

 上の地図は、こちらからお借りしたもので、ウクライナにおけるテンサイ(サトウダイコン)の栽培が盛んな地域を示している。生産が特に盛んであることを示す緑色は、ヴィンニツァ州、フメリニツィキー州、テルノピリ州の3地域となっている。ヴィンニツァ州にあっては、テンサイ栽培→砂糖精製産業→製菓産業という垂直的な産業連関が成立しており、ポロシェンコ大統領のロシェン社も当地に工場を構えている。最高会議議長で現体制のキーパーソンの一人であるV.フロイスマンもヴィンニツァ出身であり、ウクライナの地域権力構造のシフトをもうかがわせる。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ