20150707mukanshin

 以前から何度か論じてきたが、ロシア国民のサッカー熱というものは、元々決して高いものではなかった。それが、最近になってますます下落しているという、衝撃的な調査結果が発表された。全ロシア世論調査センター(VTsIOM)が2015年6月20~21日にロシア全国の1,600人を対象に実施したサッカーに関する国民の意識調査結果が、こちらに掲載されている。それによれば、ロシア国民のサッカーへの関心度は、上図のように推移している。現時点で、自分は常にサッカーファンであると答えている向きは8%止まりで、時々関心を持つという回答者も19%しかおらず、残りの実に73%がサッカーに関心がないと答えているのである。しかも、図を見て分かるとおり、サッカーへの関心度は、明らかに趨勢的に低下している。まあ、たかが玉蹴りにロシア国民がどんな態度を示そうが、先方の勝手と言ってしまえばそれまでだが、3年後にサッカー・ワールドカップのホスト国になろうという国で、このサッカー熱の低下は、かなり気になる現象である。

 こちらによれば、この世論調査結果について、V.ムトコ・スポーツ大臣がコメントし、国民の間でサッカーの人気が低下している原因は、国内リーグが盛り上がっていないこと、ロシア代表の戦い振りが冴えないこと、サッカー界のスキャンダル(注:最近のFIFAスキャンダルというよりは国内の様々な問題のことを言っている模様)ばかりが取り上げられることであると指摘している。

 ムトコ大臣の言い分の中で、確かに、ロシア代表の弱さがサッカー熱の低さに繋がっているのは、そのとおりだろう。上図に見るとおり、2014年6月から7月にかけてサッカー人気が下がったのは、ブラジル・ワールドカップにおけるロシア代表のグループステージ敗退が原因だろう。そして、最新の調査は2015年6月20~21日に実施されたものであり、これには明らかに直前のユーロ予選でオーストリアに負けたことが響いている。

 ちなみに、同じ6月の調査で、ロシア代表のカペッロ監督の続投について尋ねたところ(回答したのはサッカーに関心があるという回答者だけ)、どちらかと言うと続投すべき:19%、どちらかと言うと続投すべきでない:53%、どうでもいい:22%、回答困難6%、という結果が出た。


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