20120321timofti

 モルドバは議院内閣制の国であり、大統領に実権はないが、ヴォローニン前大統領の退陣後、大統領の空位(917日に及んだ)が続いてきたことは、当国の政治的混乱を象徴していた。しかし、こちらのニュースなどが伝えるところによると、3月16日にモルドバ議会は、8度目の試みで、ようやく新大統領を選出した。与党連合の「欧州統合連盟(AEI)」の擁立した候補ニコラエ・ティモフティ氏(写真)が、第4代モルドバ大統領に選出されたもの。ティモフティ氏は1948年12月モルドバのチュトゥレシティ村生まれで、これまでは司法関係の要職を歴任してきた人物。必要票数61のところ、AEIの58名に加え、共産党から離脱したI.ドドン氏のグループ3名と、会派に属さないM.ゴジャ議員の、計62名が賛成した。野党の共産党(39議席)は投票は不当なものだとしてこれに参加しなかった。

 ドドン・グループがティモフティ支持を表明したことで、ティモフティ氏の大統領選出は確実な情勢となっていた。しかし、与党連合は念には念を入れ、第1に、投票手続きを直前に微修正、何も記しを付けていない投票用紙は唯一の候補たるティモフティへの賛成であるとすることにした(反対票を投じたい者がバツ印を付ける)。第2に、各会派は投票用紙にそれぞれマークを入れて、造反議員が出ないようにした。

 なお、ドドン・グループは、自分たちがティモフティに賛成票を投じたのは政治危機克服のためであり、自分たちが政権参加をすることを意味するわけではなく、これからも野党として与党連合の政策を批判していく、との立場を明らかにしている。

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