昨日の続きで、3月11日付の『コメルサント』紙に掲載された、来たるプーチン新政権の下で形成される政権幹部の陣容に関する観測記事の、後半部分をお届けする。

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 大統領府の新体制に関してはすでに、政府のそれよりもずっと明確になっている。3月7日プーチンは、自分はS.イヴァノフとは旧知の仲で、彼は経験もあるので、大統領府長官に残ることになると言明した。プーチンの選挙戦略の作者の一人と言われるV.ヴォロジンは、大統領府第一副長官のポストを保持し、国内政策局の改革に取り組み続ける可能性が高い。地域政策局には、統一ロシアでプーチンの広報担当を務めたA.ロマノフが起用された。これらの組織では組織改革が予想される。

 現在行われている組閣作業の重要な要素が、メドヴェージェフが「公開政府」を作ろうとしていることであり、これが2004年の行政機構改革に匹敵する目玉となっている。想定によれば、公開政府は新しい方式で活動し専門家、市民、団体等との相互関係を組織化する役割を与えられる。他国におけるこうしたシステムの例では(クラウドソーシング)、理念的には納税者の支援により国家行政の効率を高め、官僚主義や汚職を克服するということが想定される。その主たる手段はいわゆる電子政府だが、それは単に市民向けの行政サービスを電子形態で提供するということだけでなく、専門家や市民が国家政策の形成とその実施の管理に参加するということである。

 首相が不意に、このようなシステムを自発的に作ることを表明したので、イヴァノフ大統領府長官の下にそれに向けた作業グループが設置された。過去2週間の活動の様子からすると、作業グループ自体がすでに一種の公開政府として機能しているかのようである。広範な参加を得て10設けられた小委員会が、公開政府の制度に向けた提案だけでなく、新首相の政策プログラムも含め、国家管理システム全般の改善に関する提案を示している。

 その小委員会の1つに、人材の問題が委ねられているところから見て、プーチンとメドヴェージェフは政府の顔ぶれを大幅に刷新する意向を有していると考えられる。第1に、閣僚のうち何人かは、別のポストに移る用意を示している(V.フリスチェンコはすでに移動した)。第2に、表明されている公開政府の構想を実現すると、新しいメンタリティを持った人々が政府に入ってくる。しかも、上述の人材小委員会が他の小委員会に対し、それぞれの分野にかんがみ、公務員制度のあり方についての提言を提出するよう求めている。すでに電子政府小委員会が当該の提言を提出しており、コンピュータの技能を義務付けるといったことを求めているという。

 いずれにせよ、3月14日にメドヴェージェフに人材に関する総合報告が提出されることになっており、それが政府人事に影響する可能性がある。作業グループのメンバーが入閣する可能性もある。

 公開政府自体の形成に関しては、その機能メカニズムに関する暫定案が4月15日にメドヴェージェフに提出される。それを準備する「市民の権利擁護小委員会」の3月7日の会合でM.アブィゾフは、公開政府とは単に政府の機能の問題ではなく、権力全体と市民社会の機能の問題であると指摘、これを単にフィードバックのメカニズムではなく、広い意味での共同行動と呼ぶべきだと述べた。公開政府の提唱者であるズベルバンクのA.シトニコフも、それに賛意を表した。