20140805Tiraspol

 そんでもって、昨日取り上げた沿ドニエストル・モルドバ共和国の首都が、このチラスポリ(ロシア語ではТирасполь、ルーマニア語ではTiraspol)である。人口13万人。私も一度だけ行ったことがある。その紋章が上掲のものなのだけど、これは見るからにソビエト・テイストで、1978年に制定されたものだ。真ん中の線がドニエストル川を表しており、左岸(川の流れに対してという意味)に機械の歯車が、右岸に葡萄が配されていて、当地の産業面での成り立ちを表している。まあ、沿ドニエストル・モルドバ共和国の国土はほとんどがドニエストル左岸であり、そこの重工業を失ったことでモルドバは農業と出稼ぎだけの国になっちゃたという意味で、なかなかイミシンな図柄である。

 ところで、チラスポリには帝政ロシア時代の1868年に制定された下のような紋章が、かつてはあったらしい。旧ソ連の各都市は、社会主義体制が崩壊すると、ソ連時代の紋章を放棄し、伝統的な紋章(←だいたい、その方がデザイン的にカッコ良いので)を復活させるところが多かった。チラスポリがかたくなにソ連時代の紋章を守っているということは、そのこと自体がこの街の立ち位置を物語っている。

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