20140412mova

 先日お伝えしたように、東京外国語大学のオープンアカデミーで、「ウクライナ語初級1」というのを受けることになり、昨晩その第1回の講義があった。何年か前に買って放ってあった中澤先生のテキストを、いよいよ紐解く時が来たわけである。どんな感じの授業なのか、想像がつかなかったけど、ビックリするくらい普通の語学のレッスンで、外語に入学した当時のことを懐かしく思い出した。

 初回から、興味深い事実を知ることができた。たとえば、ウクライナにKirovohradという街があって、ロシア語であれば語尾の読み方が「ド」ではなく「ト」と無声子音化するのだけれど、ウクライナ語では「ド」と有声子音のままでいいのだそうだ。いや~、知らなかった。あと、ロシア語では力点のない「o」は発音上は「a」で読むのだけれど(ベラルーシ語に至っては綴りまで「a」に変わってしまう)、ウクライナ語の発音は「o」のままだそうで、それも知りませんでしたわ。

 しかし、アレですなー。私は何年か前に、ある方から、ウクライナ独立から20年近くが経ち、唯一の国家言語としてのウクライナ語も定着しているのだから、ウクライナの固有名詞をロシア語風に表記するのはどうかとたしなめられ、それまでのロシア語表記を改め、ウクライナ語表記を用いるようになった。ウクライナ語の知識も乏しい中で、統一するのは非常に苦しいのだが、それでも苦労してやってきた。しかし、昨今の日本のマスコミ報道は、見事なまでにロシア語表記一色で、「ドネツク・ハリコフ・ルガンスク」の3点セットになっている。個人的には、二階に上がって梯子を外されたような感じである。それだけ、ロシア畑の記者がウクライナ報道に従事しているということなのだろうが、内容的にウクライナの民族主義的主張の肩を持つような報道で、それでいて固有名詞がロシア語読みというのに接すると、非常にちぐはぐな印象を受ける。私の場合それとは逆で、国民理念とはあまり関係ないビジネスの話とかを取り扱うことが多いのに、固有名詞はウクライナ語読みにしていると、そんなところかな。

 さすがに、最近、クリミアの固有名詞だけは、ウクライナ語読みをやめてロシア語に変えたというのは、内緒の話である。


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