こちらの記事によれば、「ペテルブルグ政治財団」というシンクタンクが、「2012年5月の内閣の顔触れ」と題し、現在の閣僚のうち来たる新プーチン政権で生き残れるのは誰かを占った報告書を作成したとのことである。

 これによれば、まず退任が確実なのはA.アヴデエフ文化相で、同氏の場合は自らが退任の意向を示しているうえに、一連の文化関係機関との対立もある。すでに内閣文化・教育局長のD.モルチャノフ、モスフィルムのK.シャフナザロフ、大統領顧問のYu.ラプチェフなど、後任候補の名前も挙がっている。

 次に退任の可能性が高いのは、V.バサルギン地域発展相だ。彼は再三大統領から激しく批判されており、もう何年も解任が語られてきた。彼がモスクワ州知事またはスヴェルドロフスク州知事に転身するという噂も聞かれる。ただし、本紙が得た情報によれば、モスクワ州知事の候補はB.グルィズロフ前下院議長、I.レヴィチン運輸相の2人ということだが。なお、レヴィチン運輸相に関し、ペテルブルグ政治財団では退任の可能性を中程度としている。仮に地域発展省が地域、建設、民族問題など2~3の機能に分割されるようなことがあれば、本紙の情報によると、前カリーニングラード州知事のG.ボースがそのうちの1つの大臣になる可能性があるという(現在ボースは、「公開政府」創設のための大統領府作業グループで、権力の分権化の問題を担当している)。

 もう一人、財団が「退任確実」としているのが、Ye.スクルィンニク農相。同女史は長らく、省の執行規律、2013~2020年の農業発展国家プログラムの準備状況の悪さなどで、V.ズプコフ第一副首相から批判を受けているうえに、大臣の座を狙う他派閥も多い。

 S.シマトコ・エネルギー相も、やはり「退任確実」とされている。ガソリン危機と、電力部門で相次いでいる事故がその原因。

 庁や連邦局のレベルでは、消費市場監督局のG.オニシチェンコ長官が退任確実という。もっとも、その原因は、省庁間の対立や、外資大手の不満(ネスレ、ペプシコ、ヴァリオなどがI.シュヴァロフ第一副首相に不満を訴えていた)ゆえというよりは、同局を廃止しその権限を他のところに移す計画があるから、ということである(権限を地域レベルに移すか、あるいは関税同盟またはユーラシア連合という超国家機構に移す)。もう一人、退任が確実視されているのがV.ヤケメンコ青年庁長官で、同市はV.スルコフが大統領府を後にしてから退任が取りざたされていた。

 次のグループが、「退任の可能性がかなり高い」というカテゴリーで、こちらの方が数が多い。具体的には、T.ゴリコヴァ保健相、A.フルセンコ教育相、Yu.トルトネフ天然資源省、S.ショイグ非常事態相、R.ヌルガリエフ内相、A.セルジュコフ国防相らが該当する。トルトネフは大統領府への移動、ショイグは東シベリア・極東開発公社への転身が想定されている。一方、ゴリコヴァ、フルセンコらの立場は危うい。セルジュコフ国防相も失敗続きで、ロゴジン副首相からも批判されている。

 その他の大臣に関しては、財団は「退任の可能性が中程度」「小さい程度」「最小の程度」に区分している。この報告ではE.ナビウリナ経済発展相が中程度とされているが、その他の専門家はその可能性は高くないとみている。ただ、財団の報告書では、小程度または最小程度とされているのは、庁および連邦局のトップだけである。

 財団のM.ヴィノグラドフ理事長によれば、すべての大臣に退任のリスクがあることは、9月のタンデムによる表明からも確認でき、このように政府が全面的に入れ替えられる可能性は1991年秋以来なかったことで、ゆえに多くの政府高官は職探しの必要に迫られているが、もっともプーチンは政府の刷新が上手くいかなかった場合への予防線を張るために、12月5日に現チームの骨格は保持すると述べた、ということである。

 財団の報告は副首相レベルには触れておらず、I.セーチンおよびD.コザクに関しては留任論が出てくる可能性があると指摘するにとどまっている。本誌の情報によれば、I.シュヴァロフ第一副首相、N.パトルシェフ安全保障会議書記の退任の可能性もある。安全保障会議の権限が強化される可能性もある。プーチンが2月6日に評論家らに表明したように、大統領選の投票前に政権幹部の顔ぶれが発表される可能性も否定できない。