こちらのニュースによると、メドヴェージェフ大統領のブレーンの一人がメドヴェージェフ氏に、来たるプーチン政権で首相に就任することを取り止めるよう、進言したとのことである。

 記事によると、「現代発展研究所」のイーゴリ・ユルゲンス所長は過去4年間、メドヴェージェフ大統領の知恵袋の役割を務めてきた。そのユルゲンス所長が今般、Bloomberg通信とのインタビューで、メドヴェージェフ氏はプーチン大統領の下で首相に就任すべきではないとの見解を示した。ユルゲンスによれば、クドリンの方が専門家としての定評があり、またプーチンにも信頼されているので、過渡期の首相としては理想的である。

 ユルゲンスの進言は、少なくとも3つの意味で衝撃的である。第1に、首相ポストはプーチンにより、統一ロシアの党大会で提示された。プーチンはそれ以来、一度も立場を変えておらず、メドヴェージェフも実質的に「拡大政府」での活動を始めている。今から首相職を断るとすれば、プーチンへの対応として不適切だし、メドヴェージェフが拡大政府に招いた人々に至ってはなおさらである。効率政治基金のG.パヴロフスキー所長は、メドヴェージェフは公の場で首相職を約束されたのであり、もしもそのポストを断ったら、メドヴェージェフに対する圧迫が強まり、職務をこなせなくなると指摘している。第2に、国家権力体系で首相に匹敵するポストはなく、仮に首相に就かないとなると、では何の仕事をするのかという問題が生じる。第3に、ユルゲンスはメドヴェージェフが首相職をクドリンに譲ることを提案しているが、両者の関係は2011年9月に損なわれ、それ以来悪化を続けている。

 ユルゲンスによれば、問題は首相としての能力ではなく、メドヴェージェフが大統領から退任したあとの、今後の政治的キャリアである。ユルゲンスはこれまでも、メドヴェージェフの大統領再選を支持する旨公言しており、メドヴェージェフが自立した政治家としてとどまるためには、プーチンによって任命されるのではなく国民に選出される必要があると訴えていた。ユルゲンスにとって決定的だったのは、プーチンが新聞紙上で発表している政策論文であり、これらはメドヴェージェフの立場と合致せず、メドヴェージェフが首相になったらロゴジン、セーチン、スルコフらの起草したこれらのプログラムを実施しなければならないことだったという。

 ただし、ユルゲンスが現在の政府の顔ぶれを問題視していることは、説得力が乏しい。2008年に大統領選に勝利したメドヴェージェフが、首相に就任するプーチンと、政府・大統領府の人事について双方納得行くように調整したように、現在も同じような調整が可能なわけで、メドヴェージェフが首相職を拒否したらむしろ人事に関与できなくなる。

 あるいは、政治家のB.ナジェジンが指摘しているように、現在は誰が首相に就いても不人気な政策を実施せざるをえず、ユルゲンスはそのことを問題視しているのかもしれない。評論家のYe.ミンチェンコも、メドヴェージェフは国民の支持率が下がることが請け合いの首相ではなく、別の形で政界に戻ってくるかもしれないと指摘している。一方、ヤブロコのS.イヴァネンコは、すべての指令は遂行される、あるのは1つのチームであり、現政権に多様な理念潮流があるというような幻想を抱くべきではない、3週間後には明らかになるように、メドヴェージェフはきっと首相になる、と述べている。