UEFAチャンピオンズリーグ2011/2012シーズンの決勝トーナメントが始まり、CSKAモスクワは2月21日、ホームにレアル・マドリッドを迎えた。結果は1対1のドロー。得点源のヴァグネル・ラヴが抜けて得点力低下が懸念され、また長いウィンターブレークで試合勘が鈍っていることが心配されたたCSKAだったが、見た感じ、良い準備ができているようだった。ただ、相手陣までボールを運ぶことはできても、アタッキングサードに入るとレアルの強固な守備に跳ね返され、試合を通じて決定的なチャンスはほとんど作れなかった。対するレアルは、氷点下の人工芝の上で(大寒波が続いていたモスクワだったが、この夜はマイナス5℃くらいだったらしい)、本領を発揮するには程遠かったものの、スイッチが入った時の攻撃の鋭さは、やはりCSKAの比ではないなという印象だ。

 レアルが前半に挙げた1点を守りきるかと思われたが、後半23分に本田が投入されるとCSKAにビルドアップのリズムが生まれ、サイドからの攻撃がレアルを脅かし始める。結局、ロスタイムのラストプレーでCSKAに劇的な同点ゴールが生まれ、試合はドローに終わった。

 レアルにとっては、試合終了間際に同点弾を喫したのは精神的にショックだろうが、客観的に考えれば、アウェーゴール1つを奪っての引き分けは、2レグに向けて圧倒的に有利な状況。正直、スルツキー監督のチームに、これ以上の伸び代はなく、マドリッドではレアルが本領を発揮して完勝する可能性が高い。CSKAが波乱を起こせるとすれば、これは日本人としての贔屓目で言うのではなく、本田が完全復調して大活躍するようなケースに限られるだろう。

 テレビで観ていて、印象に残ったのは、モスクワのサポたちが随分行儀良くしているなということ。グループステージではロケット花火をピッチに向けて打ち込むような愚か者もいたが、UEFAから相当強力な指導が入ったのではないか。この日は、ルジニキ・スタジアムがほぼ満員の7万人の観衆で埋まったが、こちらのニュースによると、治安維持のために3,000人の警官隊が投入され、試合中に秩序を乱した観客が70人以上拘束されたということだ。