このところのロシア政官界の動きを見ていると、プーチンが新聞で論文を発表したり演説したりするたびに、それに機敏に反応し、それを政策として肉付けし前倒しで実行していこうとする動きが目立つ。何やら、もう新政権が発足したみたいであり、政府・与党一体となって「プーチン公約すぐやる隊」として動いているかのようだ。HPロシア・コーナーのNo.0171で紹介したニュースなども、その一環であろう。

 No.0166で整理したように、プーチンは政策論文シリーズの第5弾として、「公正の確立。ロシアの社会政策」という論文を2月13日に発表したわけだが、社会問題は国民の直接的な関心事であるだけに、プーチン公約の推進がとりわけ急がれているのではないかと推察される。こちらのニュースによれば、シルアノフ蔵相は記者団に対し、プーチン氏が社会問題論文で主張した政策を実施しても、他の財政歳出をカットすれば、財政バランスを崩してしまうほどの歳出の大幅な増大につながらないという認識を示した。また、こちらのニュースによれば、シルアノフ蔵相はプーチンが提唱している「贅沢税」につき、おそらくそれは不動産に対する課税になり、高級車については車両税の馬力当たりの税率を引き上げることによって対処することになる旨発言した。