こちらの記事によると、ロシアの民主野党の諸勢力の間で、大同団結の動きがあるようだ。以下、記事の要旨を紹介する。

 「国民自由党」の共同議長であるM.カシヤノフ、B.ネムツォフ、V.ルィシコフは、新たな民主連合ないし政党の設立をめざして動き出した。「ヤブロコ」、旧「右派連合」の一部、A.クドリン前副首相・蔵相、大統領候補の富豪M.プロホロフ、人気ブロガーのA.ナヴァリヌィーが加わる可能性があり、交渉が進められている。当事者たちは、もしもメガ政党の結成に成功したら、下院選で30%の得票が可能で、ロシアは違う国になる、としている。

 カシヤノフによると、国民自由党の幹部らは、すべてのリベラル民主派を広範な連合に束ねることを主導していくと、決定した。ネムツォフによれば、もしも政党登録に関する法律が簡素化されれば、プーチンは民主派政党を小党分立させて、仲間割れを生じさせえようとすると考えられ、そうなれば各党は2%を得票するのが精一杯なので、何とかしてスーパー政党を作らなければならないという結論に至った、ということである。

 リーダーたちが想定しているシナリオには、2通りがある。第1に、国民自由党とヤブロコがそれぞれのブランドを取り下げたうえで、すべての民主派が参加する新たな組織を作る。第2に、単一の政党への合流がならなかった場合、対等な参加者による連合体を結成し、候補者名簿の策定は選挙向けに最大の効果を挙げうるように決定する。資金拠出も対等の条件でなされ、たとえばプロホロフ1人が拠出するといったことがないようにする。カシヤノフ、ネムツォフともに、連合体の結成に向けた交渉は大統領選後に取り掛かるべきということを強調した。

 現在のところ、潜在的な参加者とのコンタクトは、「ロシアの政治状況に関する意見交換」という形で進められている。カシヤノフは、「プロホロフとクドリンは、野党の側に立つのかどうか、態度を決めなければならない。プロホロフはプーチンの下の政府で働く用意があると言っているし、クドリンの政治的立場も曖昧だ」と指摘。また、ナヴァリヌィーについても、政治家になるのか、社会活動家にとどまるのか、はっきりしないと指摘した。

 しかしながら、ヤブロコのリーダーの1人S.ミトロヒンは、挙がっている名前はあまりにも雑多であり、イデオロギーがどんなものになるのかさっぱり分からず、政党など作れるはずがない、連合体はまた別だが、新法はそうした連合を禁止することになるとして、懐疑的な見解を示した。プロホロフのYu.スラシチェフ顧問は、プロホロフとクドリンは定期的に連絡をとり、相互理解があり、新たな右派政党の結成の可能性についても話しているが、具体的な決定はないとコメント。ナヴァリヌィーは、民主連合の結成については聞いていないとして、ノーコメントだった。