ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、今週20位で、最終的には12位まで上がるのが、「二人だけのデート」の邦題でお馴染み、Dusty Springfield - I Only Want To Be With Youである。ただ、日本ではベイ・シティ・ローラーズの1976年のカバーで知ったという人が多いか(かく言う私もそう)。

その頃ソ連では
1964年2月22日:有名なソ連映画「怒りと響きの戦場(Живые и мёртвые)」が公開される。

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 「中欧班列」とは、中国と欧州の間を、カザフスタン・ロシア・ベラルーシ領等を経由して、コンテナ貨物列車で結ぶプロジェクトである。実は習近平が一帯一路政策を発表する前から始まっていたのだが、輸送量の順調な拡大ゆえ、一帯一路の代表的な成功例とされることが多い。一応、2023年の輸送量が判明したので、恒例により上図のとおりグラフを更新した(ただし、年々、概数の雑な発表になっている印象である)。

 2023年の中欧班列の輸送実績に関しては、中国国鉄の発表にもとづき、こちらの記事などが伝えている。中欧班列のスキームにより、2023年には1.7万便の列車が運行され、これは前年比6%増だった。また、190万TEUのコンテナが輸送され、これは前年比18%増だった。

 しかし、以前もお伝えしたかと思うが、EUによる対ロシアおよびベラルーシ制裁を受け、欧州の顧客離れが起きており、中欧班列と言いながら、カザフ・ロシア・ベラルーシが中国⇔欧州間のコンテナをトランジット輸送する量は、急減している。それでも中欧班列の数字が拡大を続けているのは、中国国鉄では中国⇔ロシア間のコンテナ輸送もそれにカウントしており、中露貿易の拡大につれてその利用が増えているからにすぎない。かくして、中欧班列は中~欧間の輸送回廊の構築という当初の理念からかけ離れ、単に中露の貿易ルートに変貌しつつある。


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 このほど、ロシア税関が2023年のロシアの貿易概況を発表した。しかし、「ないよりはマシ」という程度の、甚だ不充分なものである。

 2023年の途中から、ロシア税関が発表し始めたのは、①大陸別の輸出入額、②ごく大まかな分類の商品内訳、だけである。下に私が日本語にしたものを掲載するが、これが今のところロシア税関発表値のすべてである。

 2023年のロシアの商品輸出額は4,251億ドル(前年比28.3%減)、輸入は2,851億ドル(11.7%増)、収支は1,400億ドルの黒字であった。輸出の大幅減、貿易黒字の縮小が目を引くが、資源高で輸出額が膨らんだ2022年がむしろ異常であり、2022年にはむしろ輸入したくでもできないことが問題だったわけで、輸出入額としては「割と普通の状態に戻った」という印象が強い。

 とはいえ、貿易相手地域の変動は急激に進んでおり、それを示すため冒頭のグラフを作成した。欧州との貿易がほぼ半減し、その分アジアとの取引が増える構図である。ただ、アジアと言っても、アジア非友好国との取引は減っているわけで、現状では中国、インド、トルコといった一部のアジア新興大国との取引だけが増えているのが実情だろう。

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*表の単位が間違っていたので、修正して再掲載。


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 またまた告知で恐縮です。2月21日にオンライン講演会「侵攻2年を経て変容するロシアとウクライナ」を開催いたします。ロシアによる侵攻から2年という節目を捉えた企画であり、時節柄、同じような企画が乱立しているとは思いますが、今回の我々の講演会は戦争そのものというよりも、大串さんが政治、服部が経済という形で分担し、戦争により変容しつつある両国の国の姿に迫ろうとする点に独自性があります。オンラインで無料で参加できますので、ぜひチェックしてみてください。


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 私は以前はウクライナ港湾管理局発表の統計にもとづきウクライナの港湾取扱貨物量のデータを整理することを習慣として続けていた(誰も見向きもしないような仕事ではあったが)。ロシアとの戦争が始まって、ウクライナの港湾データはにわかに重要性を増す一方、ウクライナ港湾管理局が以前のようにまとまった統計を出さなくなってしまった。断片的な数字が飛び交うばかりであり、私自身このブログなどでもそうした数字を引用したりはしていたものの、もうちょっときちんとした全体像は得られないものかと思っていた。

 そうしたところ、依然断片的ではあるが、ウクライナ港湾管理局によるまあまあ使えるデータを見付けたので、それを使って上掲のようなグラフを作成してみた。2022年の数字はこちら、2023年の数字はこちらからとったものである。

 ウクライナの港湾の柱は、ピウデンヌィ(旧ユジネ)、チョルノモルシク(旧イリチウシク)、(狭義の)オデーサの3港であり、これら3港を総称して大オデーサ港と呼ぶ。グラフではそれを青系で示したが、侵攻前まではそれが全体の3分の2くらいを占めていた(2021年の場合は66.1%)。2021年までは「その他」もそれなりに大きく、具体的には食料輸出を担うミコライウ港、SCM財閥御用達のマリウポリ港などが重要だった。他方、2021年まではドナウ川港湾(グラフで赤系で示した3港)は吹けば飛ぶような存在であり、2021年にはシェアわずか5.5%にすぎなかった。それが、2023年には、大オデーサ港が48.2%、ドナウ川3港が51.5%と、様相が様変わりした。

 ただ、2023年7月に暗礁に乗り上げた黒海穀物イニシアティブに代わり、同年8月からウクライナ独自の輸送回廊が開設され、それがかなり機能するようになってきたので、黒海の制海権に大きな変化さえなければ、2024年は大オデーサ港完全復活の年になるかもしれない。

 なお、ウクライナの港湾配置図に関しては、とりあえずこちらのサイトに出ていた下図を参照。

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 先日、「見る影もなくなった日ロ貿易」というエントリーをお伝えしたが、函館税関が2023年の北海道の貿易概況を発表したので、日本全体と北海道の対露輸出入額を用いて、下のようなグラフを作成した。

 これに見るとおり、もともと日本全体の対露輸出入に占める北海道のそれは必ずしも大きなものではなく、特に輸出は微々たる規模だった(小樽港からの中古車輸出が少しあったくらい)。ただ、日本の対露輸入においては、北海道も一定のシェアがあった。魚介類、LNG、石炭、鉄鋼(具体的には室蘭製鉄所で使われるフェロアロイではないかと思う)などが、その主な中味だった。

 それが、2023年の北海道の対露輸入では、石炭が縮小し、LNGもなぜか大幅減となり、鉄鋼に至ってはほぼゼロに近くなった。一方、魚介類の輸入額は、前年から12.8%減に留まったため、輸入全体の6割近くを魚介類が占める形となった。そして、2023年の日本の対露魚介類輸入のうち、32.5%が北海道に入ってきたようである。

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 明日から東京に出向き、2月13日(火)15:00~18:00には、北極域研究セミナー「シベリアとアラスカ―北極圏の好敵手同士の経済と社会―」を開催する。私はその中で、「北太平洋でしのぎを削るロシアとアラスカの漁業」という報告を行うことになっている。無料かつオンラインで視聴が可能であり、参加登録はまだ間に合うはずなので、ご興味があったらぜひどうぞ。

 さて、その発表に向けて準備を進めているところであり、ベタだけど、ロシアの海域別の漁獲量の推移を、上掲のグラフのとおりまとめてみた。出所は、2022年まではロシア統計局で、2023年はこちらの情報である。2023年の漁獲量は530.4万tで、前年比8.7%増だったということである。492.0万tから530.4万tなら7.8%増のはずだが、まあだいたい合っていると判断した。また、2023年の太平洋・大西洋・その他の内訳は、記事の内容からだいたいこんなもんだろうと推計したものであり、必ずしも厳密ではない。いずれにしても、ロシアも貿易額や石油生産量など、色んな統計を隠すようになってしまっており、漁業の数字はまだこうやって得られるというのは、ちょっと安堵する。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、今週もビートルズの話題に触れざるを得まい。というのも、ちょうど60年前の1964年2月9日、4人は初めてエド・サリヴァン・ショーに出演し、全米7,000万人がそれを目撃したことで、いよいよ人気が大爆発するからだ。それを記念して、その晩も演奏されたというShe Loves You(赤丸急上昇で今週3位)を、今回は推しておくことにする。ただ、スワン・レーベルっていうのが、何とも。。。

その頃ソ連では
1964年2月5日:1964~1969年ソ連・イタリア通商協定締結。

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 こちらに見るとおり、このほどロシア統計局が、2023年のロシアGDPの速報値を発表した。これによれば、2023年の名目GDPは171兆410億ルーブルとなった。前年比、実質3.6%のプラス成長となった。

 上のグラフは、産業部門別の増減率をまとめたものである。増加率が高かったのは、情報・通信、ホテル・外食、金融・保険、商業など、サービス系が目立つ。これらの部門は近年拡大が続いており、ウクライナ情勢や制裁云々は関係なく、単に成長分野ということなのかもしれない。

 直近の国情をより如実に反映しているのが、製造業が大幅に伸び、逆に鉱業がマイナスになったことである。製造業を牽引しているのが、軍需に他ならない。鉱業は、欧米による制裁、特に天然ガスが販路を失ったことが響いているはずだ。穀物輸出は好調だったが、意外にも農林水産業の伸びは0.1%とごくわずかである。

 建設の7.0%という伸びには、国の支援による低利優遇住宅ローンが効いているはずである。優遇ローンを受けられるのは、基本的に新築住宅だけなので、新築住宅バブルの状況となっている。

 戦争経済の割には、公務・国防・社会保障の伸びは3.5%と平凡である。軍事支出は、この項目よりも、むしろ軍需産業を通じて製造業部門を押し上げているということか。


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 ロシア連邦財政の月別歳入・歳出状況を示したこの図は、趣味で作り続けているけれど、昨日2024年1月の執行状況が発表されたので、早速更新してみた。なお、2022~2023年の月別データも若干改定されていることに気付いたので、その修正も行った。クリック・タップし拡大してご利用を。

 2024年1月のロシア連邦財政は、歳入2兆3,960億ルーブル(うち石油・ガス歳入6,750億ルーブル、非石油・ガス歳入1兆7,210億ルーブル)、歳出2兆7,040億ルーブル、収支は3,080億ルーブルの赤字となった。というわけで、2024年も赤字スタートとなったが、破局的な様相を呈していた昨年の同時期よりは、落ち着いた感じもする。


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 ウクライナのGMKセンターというところは、同国の鉱山・冶金産業についての有益な情報源だが、比較的新しいこちらの記事が、ウクライナの製鉄所別の稼働状況というデータを掲載しており、興味深い。

 これによると、2023年時点で各製鉄所の稼働率(銑鉄・粗鋼につき)は、以下のとおりとなっているという。

  • ザポリジスターリ(65~75%):休止していた第2高炉を、2023年3月に再稼働。それ以来、4つの高炉のうち3つが稼働している。2023年には272万tの銑鉄(前年比35.3%増)、247万tの粗鋼(65.4%増)、205万tの鋼材(57.2%増)を生産した。
  • カメトスターリ(65~75%):3つの高炉のうち、2つが稼働している。2023年1~9月の銑鉄生産量は130万t(前年同期比11%増)、粗鋼150万t(17%増)だった。2023年第3四半期には第1高炉の停止により銑鉄生産が低下したが、これは定期修繕のためである。
  • インテルパイプ・スターリ(50~55%):2023年1~9月の粗鋼生産量は53.0万t(前年同期比14.5%増)だったが、これは秋・冬の停電の発生に備えて在庫を積み増した結果とされている。鋼管生産量は30.9万tでほとんど増減なしだった。
  • アルセロールミタル・クリヴィーリフ(20~30%):4つの高炉のうち1つしか稼働していない。2023年上半期の粗鋼生産量は39.0万tで、前年同期比56.2%減だった。
  • ドニプロ冶金工場(データなし):ここでは、粗鋼はカメトスターリから供給されており、圧延工程のみが行われている。2023年1~11月の鋼材生産は10.0万tだったが、本来の年間の生産能力は110万tなので、そこから稼働率を出すとすれば10%程度ということになる。

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 こちらの記事が、ロシアの貿易がいわゆる「友好国」に大きくシフトしている現状につき伝えているので、簡単にまとめておく。

 このほどロシア経済発展省のV.イリイチェフ次官が述べたところによると、2023年にロシアの貿易全体の75%強が、いわゆる「友好国」相手の取引となった。中国、インド、ユーラシア経済連合およびCIS諸国、一連の東南アジア・中南米、中近東およびアフリカ諸国などが有望なパートナーとなっている。中国との間で2024年までに二国間取引を2,000億ドルにまで拡大するとの目標も、前倒し達成された。

 次官によると、ASEANとの貿易は2023年1~11月の時点で2022年通年を上回った。ミャンマーとの取引は167%も、シンガポールとは112%も伸び、ラオスとは17%、カンボジアとは15%、ベトナムとは8%拡大している。ベトナム・ミャンマー・インドネシア向けには穀物の、ベトナム向けには肥料の、輸出制限を撤廃したからである。昨年イランと締結した自由貿易協定も、貿易拡大の弾みとなろうと、次官は述べた。

 なお、私の試算によれば、ロシアの貿易取引における友好国の割合は、2021年には46%、2022年でも56%にすぎなかったはずであり、それが75%に増えたというのは、大変なことである。


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 ロシアではソ連時代以来の伝統で、軍需産業のことを「軍需産業コンプレクス(военно-промышленный комплекс=ВПК)」と呼んでいた。しかし、最近では「防衛産業コンプレクス(оборонно-промышленный комплекс=ОПК)」と呼ぶことが増えていると思う。後者の方が、自国を守るという語感になり、正当化しやすいのだろうか? しかし、ウクライナへの侵攻は、プーチン体制の主張とは異なり、ロシアを防衛するためとは言いがたいだろう。以下では軍需産業という語を使うことにする。

 さて、そのプーチンは選挙キャンペーン中であり、こちらに見るとおり、2月2日にはトゥーラ市の軍需企業を訪れて、「全ロシア国民戦線」の主催する「すべてを勝利のために」というフォーラムに出席した。勝利というのは、プーチンの選挙での勝利と、ウクライナでの勝利と、ダブルミーニング的になっているのだろう。この席でプーチンがロシアの軍需産業について語っているので、主な部分を抜き出してみる。

 プーチンいわく。ロシアで「防衛産業コンプレクス」に属する企業は6,000社あり、350万人を雇用している。膨大な数だ。しかし、これらの純粋な軍需企業とは別に、それと何らかの形で関わりを持ち、軍需の同盟者であり、請負業者を務める企業が1万社もある。この1年半だけでも、軍需産業では52万人の新規雇用を創出した。しかし、これはただ単に人がやってきて給料をもらうというものではない。誰もがそこで懸命に働いている。2交代制、場合によっては3交代制で働いている。ロシアの軍需企業は、高い品質だけでなく、量も確保している。防護服は最も重要なものだが、ロシアの軍需企業はその生産量を10倍に、軍服の生産量を2.5倍に増やした。装甲車、その他の装甲戦闘車両、航空機、高精度・長距離高精度装備を含むミサイル装置の生産は、パーセントというレベルではなく、数倍に伸びている。政府としては、この仕事に必要な手段、とりわけ資金の提供を重視している。国防省の納入業者は、5.5%という優遇金利で融資を受けられる。さらに、国防省は国防発注額の80%ほどを納入業者に前金として支払っている。これは、軍需企業が切れ目なく操業できるようにするためのサポートだ。プーチンは以上のように述べた。


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 このほど発行された月刊『正論』2024年3月号で、「ウクライナ情勢と日本」という特集が組まれている。その中で私が、「プーチンの戦争支える異形のロシア経済」という論考を寄稿しているので、よかったら手に取っていただきたい。

 ところで、今回興味深いと思ったのは、「ロシアの『やり得』にしてはいけない 月刊『正論』3月号読みどころ」と題し、号の読みどころを対話形式で紹介する動画が公開されていることだった。なるほど時代はそう変わっているのかと思った次第。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、ビートルズ・ブームが爆発しようとしていたこの頃、ローリング・ストーンズは米市場では若干遅れを取っていた。そのストーンズが後年カバーすることになるのが、この週44位に位置していたBob & Earl - Harlem Shuffleだった。ハーレムシャッフルというのは、当時あったダンスのパターンらしく、この歌はHarlem Shuffleのみならず、この時代のMonkey Shine、Limbo、Hitch hike、Slide、Ponyといったダンス名を列挙するような歌詞になっている。

その頃ソ連では
1964年2月7日:ウズベク共和国でカシカダリヤ州が再興される。

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 こちらのページに見るとおり、ロシア統計局がこのほど、2023年のロシアの鉱工業生産実績を発表した。上のグラフでオレンジ色が、2020年の月平均値を100とし、その後の生産指数の推移を示している。ただ、ロシアの鉱工業生産は年末に急上昇し、年初にがくんと落ち込むのが通例であり、そうした季節変動要因を除いたのが薄い青、さらにそれを均したトレンドが濃い青となる。

 2023年のロシアの鉱工業生産は、前年比3.5%増だった。うち、鉱業が1.3%減、製造業が7.5%増、電気・ガスが0.2%増、水道・廃棄物処理が2.5%減だった。

 主要部門の前年増減率を見ると、まず鉱業は以下のとおり。なお、石油・ガス部門は発表されなくなっている。

  • 石炭:1.1%増
  • 金属鉱石:2.1%減

 次に、製造業の主要部門の前年比増減率は以下のとおり。

  • 食品:5.9%増
  • 飲料:1.4%増
  • タバコ:10.2%減
  • アパレル:4.1%増
  • 木材加工:0.2%減
  • 製紙:1.4%減
  • 石油製品・コークス:2.6%増
  • 化学:4.6%増
  • 医薬品:1.9%増
  • ゴム・プラスチック製品:9.2%増
  • 建材等:2.6%増
  • 冶金:3.3%増
  • 完成金属製品:27.8%増
  • コンピュータ・電子・光学機器:32.8%増
  • 電気機械:19.0%増
  • 機械・設備:4.5%増
  • 自動車:13.6%増
  • その他の輸送手段:25.5%増
  • 家具:20.7%

 目立つのは、やはり軍需にかかわる部門の伸びであり、輸入代替部門も伸びている。


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 こちらの記事が、ロシアから周辺諸国への個人送金総額が、2013年に前年比12%落ち込んだと伝えられている。ただし、取り上げられているのはアルメニア、キルギス、ジョージア、カザフスタンの4国だけである。労働移民の分野で重要なウズベキスタン、タジキスタンは、対象外となっている(たぶん統計が出るのが遅いからだろうが)。もっとも、以下に見るように、今日のロシアにおける個人送金では、労働移民よりも、ロシア国民自身の国外出国に伴う動きの方が大きいようだ。

 記事によると、ロシアからカザフスタン、ジョージア、アルメニア、キルギスへの個人送金額は、2022年に急増した後、2023年には77億ドルに留まり、前年比12%低下した。国別の状況は上図に見るとおりで、一番上のアルメニアだけが増え、以下のキルギス、ジョージア、カザフスタンは減っている。なお、アルメニアとキルギスは通年ではなく、1~11月。

 ロシアからの送金は、2023年第2四半期から減少に転じた。経緯をまとめると、2022年春、ウクライナで軍事作戦が始まった後、国際決済システムのビザやマスターカードはロシア市場から撤退し、ロシアの銀行が発行したカードは外国で使えなくなった。近隣諸国の銀行がカード開設のための最も簡単な手段となり、送金システムは外国口座に資金を補充するための最も手頃で迅速な方法の一つとなった。

 2022年を通して、ロシア出国者が後を絶たず、他国での定住や生活のため、送金の必要性が劇的に高まった。それが、2023年には、一部の者は外国で資金を調達し、別の者はロシアに戻ることを決め、送金が必要でなくなったと推測される。また、2023年のロシアでは、このような送金の潜在的な利用者である労働移民の流入が最小限であった。2023年上半期にロシアに入国した移民は、2022年上半期の28万人より5万人(15%)少なかった。

 もうひとつの理由は技術的な困難にある。たとえば、2023年5月以降、カザフスタンでの銀行口座開設が難しくなった。さらに、2023年夏には、初めて米国による送金システムに対する制裁が課せられた。国境を越えた取引に積極的に利用されていたユニストリーム社が、その規制下に入ったのだ。その直後から、ジョージアのバンク・オブ・ジョージアやTBCといった外国の銀行が、このシステムとの取引を停止し始めた。

 送金の減少はまた、制裁をより厳格化する西側諸国の政策にも影響された可能性がある。カザフやジョージアはいずれも欧米の制裁に従うことを正式に義務付けられてはいないが、米国の銀行と密接な関係にあるため、米国など欧米の司法管轄区の制限に従う可能性があるという。


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 こちらの記事によると、ロシアに対抗する米国は、2023年に武器輸出を大幅に拡大したということである。以下、主な内容をざっとまとめておく。

 ロシアのウクライナ侵攻を契機に、米防衛関連企業は2023年、新たに810億ドルの米政府仲介による武器輸出を行った。

 最大の取引は、ポーランドとドイツへの攻撃・輸送ヘリ、長距離ミサイル発射装置の輸出で、約300億ドル相当であった。

 ウクライナでの戦争が激化し、ロシアが他国を標的にする懸念が高まっていることが背景にある。バイデン政権は、ヨーロッパとアジアにおいて、各国がロシア製武器の輸入から手を引き、米国製の調達を増加させようとしている。国務省の地域安全保障・武器移転局のミラ・レスニックは、「ロシアの防衛産業は躓き、今も失敗し続けている」とインタビューで語った。

 武器市場でロシアを打ち負かすことは、同国とその製造能力を孤立させ、ウクライナに対抗するロシアの力を弱めようとする、より広範な努力の一環である。ロシアは何十年もの間、米に次ぐ世界2位の武器輸出国であり、主要販路はインド、中国、エジプトであった。しかし、戦略国際問題研究センターの昨年の報告書によれば、ウクライナ戦争によってロシア国防産業が疲弊し、世界の主要な武器供給国としての役割が脅かされている。「ロシアの防衛産業は輸出から得られる資源を失っているため、これが戦場におけるロシアの戦略的失敗を助長している」とレズニックは言う。

 ロシアの防衛産業が制裁の憂き目に遭っていることは、米欧の防衛企業にとってモスクワのシェアを奪う大きなチャンスであると、政権当局者は何年も前から主張してきた。インドが最大の武器供給国であるロシアから距離を置こうとする中、米国は昨年、インドと18億ドルという大きな契約を結んだ。

 米国政府が仲介した810億ドルの売上高は、2022年度の520億ドルから56%増加したことになる。2023年度の総額は、トランプ前大統領が公然と武器商人の役割を果たし、インドネシアがF-15の140億ドルの巨額契約を結んだ2020年以来、最大となる。

 一方、より不透明な傾向にある、政府を介さない企業による直接的な商業売上高は、2023年度には2022年度の1,536億ドルからわずかに増加し、1,575億ドルとなった。


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 告知です。2月13日に東京において、北極域研究セミナー「シベリアとアラスカ ―北極圏の好敵手同士の経済と社会」を開催します。私はこの中で、ロシアとアラスカの漁業を比較する発表を行います。対面参加、オンライン参加、どちらも大歓迎ですので、ぜひHPをチェックの上、事前お申込みをお願いします。


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 2023年のロシアで社会を悩ませた卵騒動。これまでロシアは国産に加えて、主にEUとベラルーシから卵を輸入してきた。統計が不完全なので推測が混じるが、2023年に卵の不足が生じたのは、EUからの輸入に異変が生じたからではなかったのだろうか。その結果、ベラルーシ一国に頼るようになり、供給量が充分でなくなったのではないかという気がする。

 2023年のロシアにおける鶏卵の国内生産は381億個で、前年比1.8%増だった。統計に不備があり判然としないのだが、ロシアは年間だいたい6億~7億個くらいの卵を輸入していたのではないかと思う。

 こちらの記事によると、2023年にロシアはベラルーシから5億1,080万個の鶏卵を輸入した。アゼルバイジャンからの輸入が2023年11月に決定され、12月後半に入荷。トルコからも無関税での輸入が決まった。

 2024年に入ってからは、1月26日現在で計6,070万個の鶏卵が輸入され、うちベラルーシが5,400万個、450万個がアゼルバイジャン、220万個がトルコとなっている。輸入はこの3国からのみである。1月の輸入はすでに前年同月の数字から倍増している。小売価格も沈静化しつつある。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「マイ・ウクライナ10周年」です。よかったらご笑覧ください。


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 こちらに見るとおり(日本からは閲覧不能)、1月24日にロシア農業省で幹部会合が開催され、D.パトルシェフ大臣が2023年のロシア農業・漁業の成果を語ったということなので、抄訳しておく。

 2023年には、農業・漁業のすべての部門が上々の結果を示したと。穀物の収穫量は速報値で約1億4,300万tで、「新領土」を加えれば約1億4,700万tになると予想される。畜産業者は牛乳生産量を50万t、食肉生産量を30万t増加させた。漁業者は過去30年間で最大の漁獲量である530万tを達成した。特にロシアはサケの生産で世界第1位となり、その量は60万tを超えた。

 こうした生産の成果により、ロシアは農産物の純輸出国としての地位を維持することができた。2023年の外国市場への供給による収入は初めて450億ドルを超え、データを精査すればこの数字はさらに高くなるだろう。

 2024年収穫予定の冬作物の栽培面積は2,000万haで、前年より100万ha多い。冬に入る前、96%の作物は良好で満足のいく状態であり、これは前年と同じレベルである。現在の主要課題のひとつは、播種期の質的準備である。各地域はあらゆる資材や物資を完全に準備する必要がある。1月、農業者はすでに約20万tの肥料を購入しているが、これは前年の水準に匹敵する。さらに、機械、農薬、燃料、種子の準備も続いている。

 国内の農業者は必要な穀物種子をすでに90%供給されている。各地域は、他の作物(ヒマワリ、トウモロコシ、テンサイ、野菜)の種子の準備を管理する必要がある。地方で播種計画を立てる際には、国産の種の使用に重点を置くべきである。

 食品市場の価格状況と、国家支援金の交付に関しては、特に「統一」補助金制度の枠内で少なくとも限度額の50%が4月1日までに農民に送られるべきである。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、ついにビートルズの I Want to Hold Your Handが米チャート1位にまで駆け上がった、この週。ただ、同曲は先々週にすでに取り上げてしまったので、今週は別のネタを。Ronettes - Baby, I Love You が24位にいるではないか。Be My Babyほどのメガヒットにはならず、この24位が最高位ではあったが、Baby, I Love You の方が好き、これぞアメリカンオールディーズの最高傑作と見るマニアも多いのではないか。

その頃ソ連では
1964年2月8日:カザフ共和国パヴロダル州でゲルマン・グレフが生誕。後に、ロシア経済発展大臣、ズベルバンク頭取に。

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 先日の「2023年のロシア港湾貨物量、Q4の失速で平凡な伸びに」でお伝えしたとおり、2023年の暮れにかけて、ロシアの石炭輸出が落ち込みを見せたということである。

 こちらの記事によると、2023年暮れにかけてロシアの石炭輸出が低下したのは、もっぱら経済要因によるものだった。生産に問題はなく、国内消費量も変化がなかったが、輸出の収益性が低下したのが問題だった。その原因は、2023年春以降国際的な競争が激化し国際価格が低下したこと、そうした中EUがロシア炭を拒絶したためロシアがアジアにシフトしようとし、西部港湾からアジア諸国への輸送費がかさみ、他方で鉄道による輸送もキャパの限界があったこと、海上運賃や保険料が値上がりしたこと、シフトしようとした新市場で値引きを求められたこと、ロシア石炭産業で設備の輸入代替が進められ生産コストが上昇したこと、ルーブル安で設備および同部品の輸入および輸送費が上昇したこと、などであった。

 こちらの記事によると、2022年から2023年にかけて、一般炭の輸出は1億5,100万tから1億3,330万tに、原料炭の輸出は4,200万tから4,100万tに、それぞれ低下した。やはり痛手となったのは、2022年8月にEUによるロシア産石炭の禁輸が発効したことである。それ以来、ロシアの石炭輸出相手国として、中国、韓国、トルコ、インドが圧倒的になっている。それらの国々の以前のシェアは47%だったが、それが、2022年8月~2023年7月では80%強になった。2024年にも石炭輸出の低下が続く可能性がある。


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 昨年12月14日に開催したシンポジウム「『冬』に立ち向かうロシアと北海道のサッカー」の報告をYouTubeにアップし、アーカイブ視聴できるようにしましたので、ぜひご利用ください。まず上掲が、服部が行った「ロシア・サッカーの蹉跌 ー秋春制失敗とその他の苦悶」と題する報告です。

 そして、こちらが、新著『異端のチェアマン』も絶好調の宇都宮徹壱さんにご披露いただいた「なぜ今、Jリーグ秋春制が議論されているのか?」です。

 最後に、こちらが、BTOP北海道の矢野哲也社長にお話しいただいた「北海道サッカークラブの挑戦一秋春制とその他の課題」になります。


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 昨日、財務省貿易統計の12月分速報値が発表されたので、これにより2023年通年の日本と主要国の貿易額が明らかになった。しかし、日本の貿易統計は、国際的に見てまあまあ速いが、日本円という辺境通貨でしか貿易額を発表しないのが、困ったものである(後日、JETROが米ドル換算値を発表し、私の古巣のロシアNIS貿易会もロシア・NIS諸国との貿易額については詳しいドルデータを発表しているが)。私は色んな国の貿易統計を見ているが、だいたいどの国も米ドルと自国通貨併記か、あるいは米ドルのみとなっているところ、日本は30年くらい前から日本円のみの発表を続けている。落ち目になり始めた時期と、貿易統計を日本円でしか発表しなくなった時期が重なっているというのが、何とも涙を誘う。そんなこんなで、日本とロシアの貿易額を示した上図で、2023年の数字は、私が個人で米ドルに換算したものなので、ひょっとしたら多少の誤差があるかもしれない(そもそも速報値だし)が、とにかくいち早くお目にかけることにする。

 私の換算によると、2023年の日ロ貿易は、往復で103.4億ドル(前年比48.3%減)、日本側の輸出が28.6億ドル(前年比38.9%減)、日本側の輸入が74.8億ドル(前年比51.2%減)、収支は46.2億ドルの日本側の入超となった。輸出においては、主役に躍り出ていた中古車が、8月の制限措置の導入で激減したことが主因だ。輸入においては、主要品目がおしなべて輸入減となり、価格低下も影響した。


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 当ブログでは定期的に取り上げているが、こちらに見るとおり、ロシアの自然独占研究所(IPEM)が2023年第4四半期と通年のロシアの港湾貨物量を発表したので、その概要を見ておくことにする。貿易データが満足に発表されなくなったロシアゆえ、貨物量から物流の流れを捉える作業は、重要である。

 さて、ロシア港湾の取扱貨物量は、2023年第3四半期までは調子が良く、通年では10%くらい伸びるかもと思わせたのだが、第4四半期になり急激に貨物量が落ち込み、結局2023年通年の伸びは前年比5.1%増という平凡なものに終わった。通年の取扱貨物量は8億8,470万tである。

 第4四半期不振の原因は、石油製品と石炭が急減したことである。石油製品は、2022年の第4四半期が制裁発動前の駆け込み需要で膨らんだことの反動ではないか。石炭は、国際価格の低下、市場転換に伴う輸送コストの増大により、2023年末にかけてロシアにとっての輸出収益性が低下したことが原因と考えられる。

 2023年の実績を海域別に見ると、以下のとおりとなっている。それにもとづき、私が2021年以降の海域別貨物水準の変化をグラフ化したのが、上図になる(カスピ海は規模が小さくブレがちなので省略)。

  • 北極海:9,780万t(0.7%減)
  • バルト海2億5,060万t(2.1%増)
  • 黒海:2億9,060万t(10.1%増)
  • カスピ海:780万t(29.5%増)
  • 極東:2万3,790万t(4.4%増)

 また、2023年の貨物別の港湾貨物量は、以下のとおりである。なお、毎度申し上げるとおり、港湾の輸送には輸出・輸入・国内・トランジットとあるわけだが、以下に見る品目は(コンテナを除き)ほぼ全面的に輸出貨物であると理解していい。

  • 原油:2億7,220万t(6.3%増)
  • 石油製品:1億2,310万t(11.5%減)
  • 液化天然ガス:3,410万t(3.2%減)
  • 石炭:2億560万t(0.4%減)
  • 鉱石:980万t(22.3%減)
  • 鉄鋼:2,130万t(12.9%減)
  • 肥料:3,670万t(51.8%増)
  • 穀物:7,030万t(55.6%増)
  • コンテナ貨物:5,010万t(10.5%増)

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 ロシアでは、極北に位置するエリアを「北極域」と指定し、それを対象とした政策を展開している。ただ、そのエリアは割とさじ加減で決まっており、累次拡大されている。上掲地図に見るとおり、一般に北極圏とされる北緯66度33分線(点線)より北に位置するからと言って、必ずロシア政府認定の北極域に分類されるわけではない。また、これは連邦構成主体ごとに決まっているのではなく、サハ共和国のように一部の地区だけが北極域に指定されているというパターンもあれば、ヤマロ・ネネツ自治管区のように北緯66度33分線以南も含め全域が指定されているところもある。

 それで、このほどロシア政府では、北極域の範囲を、これまで埒外だったハンティ・マンシ自治管区にも広げ、その北西に位置するベリョーゾヴォ地区、ベロヤルスク地区を指定する方針を決めた。

 その狙いについては、こちらの記事が参考になるので、以下ざっと抄訳してみる。

 2つの地区には、鉱業や原材料の加工、林業、エネルギー、観光など、大きな投資の可能性がある。また、2地区は、北極圏の地理的・気候的条件に類似している。ロシア連邦の北極域に含まれることは、知識集約型産業の拡大、地質学的研究の発展、新しい鉱床の開発、少数民族の文化遺産や言語の保護と普及にとり有利である。北極域の拡大は、経済と社会の発展にさらなる弾みをつけ、ひいてはこれらの地域の市民の生活の質と水準を向上させると期待される。ベリョーゾヴォ地区は、面積8.8万平方キロメートル、人口2.3万。「チュメニ石油発祥の地」として知られ、西シベリアの資源開発の起点と考えられている。ガスプロムが同地区で生産ライセンスを有する。一方、ベロヤルスキー地区は面積は4.2万平方キロメートル、人口2.9万で、スルグトネフチェガス、ルクオイルが生産を行っている。

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 こちらの記事によると、西側が凍結しているロシア資産2,870億ドルを没収する可能性があるが、ロシアはそれへの報復としてロシアにある外国資産2,880億ドルの没収に動くかもしれないということである。上の図は、左側が凍結されているロシア資産、右がロシアにある外国資産の内訳を示している。

 ただ、上の図を見ても分かるとおり、ロシアに投資されている外国資産のうち、最大の983億ドルは、キプロスの資産である。キプロスはオフショア市場として知られ、ロシア企業や市民が自国に投資する際にも、キプロスを経由するというパターンがあった。つまり、キプロスからの対ロシア投資は、実際にはかなりの部分がロシアマネーではないかと考えられる。ロシアは報復としてロシアマネーを没収することになるのだろうか?


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1708

 こちらのページに見るとおり、ロシア中央銀行が2023年第4四半期の国際収支の概要を速報値として発表し、これにより2023年全体の速報値も明らかになったので、ざっくりと拝見しておくことにする。上のグラフはサイトからそのまま拝借したもので、私が日本語の表に直したのが下表になる。

 何と言っても、最大のトピックは、2022年に2,380億ドルという過去最高の経常黒字を記録したのから一転して、2023年も黒字は維持したものの、黒字幅が502億ドルへと急減したことだろう。ただ、過去の実績と比べれば、502億ドルの黒字というのはごく普通の数字であり、前年が異常だっただけとも言える。むしろ、2022年には「輸入したくてもできない」ことが問題だったわけで、輸入が2023年には多少正常化したということでもある。

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