ロシアが貿易統計を発表しなくなったので、主要相手国の発表する統計をミラーデータとして用い、間接的にロシアの貿易動向を探るという作業を、昨年から続けている。日本の貿易統計も、6月分までが出て上半期の数字が判明したところなので、久し振りにグラフを更新してみた。
以下の図は、侵攻前の2021年の月平均の商品輸出入額を100として、2022年1月~2023年6月までの月別取引額の推移を見たものである。基本的にドルベースだが、EUはユーロ、英国はポンドの増減を示している。いつも思うことだが、東アジアの日中韓の統計が早いのに対し、欧米はだいたい1ヵ月遅れとなっている。
まずは、主要国の対ロシア輸入、つまりロシア側から見れば輸出動向を示したのが、下図となる。ここではとにかくウクライナ戦争後にロシア原油を爆買いしているインドが突出しており、直近の5月に過去最高額をたたき出した。トルコもロシアのガス、石油、石炭、穀物などを旺盛に輸入しているが、ここに来て下降気味なのは価格要因によるものか。非友好国は当然下り坂であり、先行した英米だけでなく、EUの着実な低下も目を引く。
主要国の対ロシア輸出、すなわちロシア側の輸入においても、友好国と非友好国とで状況が分かれている。もっとも、非友好国からの輸入も低位安定の感もあり、消えてなくなる雰囲気はない。ここでも、トルコが一頃の勢いを失いつつあり、トルコ経由の迂回輸出がやや下火になりつつあることをうかがわせる。
なお、2023年上半期の日本の対ロシア輸出は18億387万ドルで前年同期比25.8%減、対ロシア輸入は42億6,412万ドルで前年同期比53.0%減であった。
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