ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 ロシアの『エクスペルト』誌(2019年12月16-22日号、No.51)が、12月9日のノルマンディー方式のウ露仏独首脳会談の結果についての論評記事を掲載している(A.スミルノフ氏署名)。その中から、ウクライナのゼレンスキー大統領の思惑について述べた箇所を中心に、以下で要旨をまとめておく。

 パリにやって来たのは、「公僕」ではなく、反ロシアレトリックに満ち溢れた「ニュー・ポロシェンコ」だった。会談でゼレンスキーは、前任者が結んだミンスク合意を順守することを認めざるをえなかったが、帰国後に、合意されたコミュニケのウクライナ語訳に変更を加え、またミンスク合意を修正していく意欲を示した。

 ゼレンスキーはノルマンディー会合に、米・英を加えることを求めている。仏・独がロシア寄りであると考え、米・英が加わればよりウクライナの立場が強化されるという期待に加えて、国内での政敵を牽制する思惑もある。

 ゼレンスキーという政治家の特質は、八方美人なことである。芸人の性なのか、皆に好かれようとし、両立できないような約束をしてしまうことは、米国の民主党、共和党に矛盾した約束をしたことからも明らかである。

 国民のゼレンスキーに対する支持率は、秋口までは高かったが、11月の調査で52%にまで急減した。また、約半分の国民が、いまだにホンチャルーク首相の存在を認識していない。

 ウクライナの成長率は4%で、先進国なら充分だが、ウクライナにとっては不充分である。ゼレンスキーは大胆な改革には踏み切れず、それでいて個人事業主向けのキャッシュレジスターを導入させるなど、締め付けを強めている。労働力の国外流出は続いており、2019年1~10月の国外から本国への送金額は前年同期比7%増の97億ドルに達した。

 ウクライナの公的対外債務は、上図のとおり推移している。現在のところ、IMFの融資と、米欧の支援、外資によるウクライナ国債の購入で、資金繰りに問題は生じていない。ウクライナは国債の外貨建て利回りを9%から4%に、グリブナ建てを17~19%から12~13%に引き下げることができた。これにより、債務の借り換えや財政赤字の補填が可能になっているが、ウクライナ経済の非効率という根本問題は解決しない。外貨の流入により2019年にはグリブナの対ドル・レートが20%上昇し、輸入および貿易赤字が拡大した。

 支持率が急落したことを受け、ゼレンスキーは光熱費を引き下げることを閣僚らと討議する動画を公開した。ホンチャルーク首相は、法律の制約がありこの冬は無理だが、次の冬には引き下げる可能性が生じると発言した。

 汚職対策でも、進展はない。ゼレンスキーは、前政権の関係者による汚職のうち、最も重大なものについての調査を徹底すると述べていたが、誰も罪には問われていない。それのみならず、大多数の汚職スキームを現政権の関係者が引き継いでいるという疑惑も生じている。オリガルヒとの関係にしても、ゼレンスキーはすべての大物との良好な関係をすぐに築き、誰も罪に問われたりしていない。

 ミンスクでの3者コンタクトグループでウクライナを代表しているクチマ氏はこの夏、ドネツクおよびルハンスク人民共和国との通商封鎖を解く可能性に言及した。しかし、ゼレンスキー大統領のミンスクでの代表者がそれを軌道修正し、両人民共和国で国有化された資産が元の所有者に返還されることを要求した。国有化の対象になったのが主にアフメトフ氏の企業だったことを考えれば、この方針転換を主導したのはアフメトフだったと考えることができる。

 結局のところ、ゼレンスキーは、落ち込んだ支持率を立て直すには、ドンバス和平交渉しかないと決断したのだろう。ただ、オリンピックの「参加することに意義がある」と同様に、ゼレンスキーもこの交渉で勝とうとしているのではない。ゼレンスキーとその側近たちにとって、広範な自治をドンバスに与えるというミンスク合意は、完全な履行ができないものである。それを受け入れれば、社会的支出とインフラ再建でウクライナ財政に多大な負担が生じ、その一方でキエフ中央政府がコントロールできない資金の流れが生じる。そこで、ゼレンスキーとしては、たとえ長引いたとしても、ドンバスに対する全面的支配を取り戻すことを目指し、そのために時間を稼ぐことにしたのだ。あるいは、ゼレンスキーは米国で政権交代が起きるのを待って、より支援を当てにできそうな民主党政権に期待しているのかもしれない。


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 カザフスタンの対中国国境の地点に、「ホルゴス-東の門」という経済特区がある。中国との国境協力を主眼に設けられた特区であり(中国領の側にも対応するホルゴス国境施設があるが)、中国から鉄道で来たコンテナ貨物が1,435mmの標準軌から1,520の広軌の台車に積み替えられる一大拠点ともなっている。

 このほど、A.スマグロフ「国際協力拡大の枠内での『ホルゴス-東の門』特区ドライポートの発展展望」『科学の諸問題』(2016年No.4)という論文を見付けた。こちらのサイトからダウンロードできる。ごく短い論文であり、ホルゴスについての情報は他でも色んな形で得られるとは思うが、こういう風に論文形式になっていると、こちらも自分の論文に引用しやすいというメリットがあり、助かる。

 それで、この論文の中に、カザフ側のホルゴスへの中国による投資に関する情報が出ており、個人的にこの件はこれまで未確認だったので、有益だった。論文によれば、2015年9月、カザフスタンと中国は、ホルゴス経済特区と連雲港市における上海協力機構国際ロジスティックゾーンの諸プロジェクトを共同で発展させるための戦略的協力関係に関する協定を締結した。この協定では、中国がホルゴス特区への資金供給として6億ドルの直接投資を行うことがうたわれていた。この協定は全面的に、中国によって表明されたシルクロード経済ベルトの一環として位置付けられた。ただし、協定は大枠を定めたものであり、現在のところ、それを実行する具体的な措置についての情報は伝えられていない、とされている。


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 RIAノーヴォスチのこちらのページに、2019年のロシアの十大ニュースというのが出ているので、以下のとおり項目だけ簡単に整理しておく(ロシア圏のこの手の企画は、キリの悪い数字である場合が少なくないが、今回はたまたまキリ良く十大になっている)。順番が重要性に応じているのかは不明。経済以外の分野の十大ニュースも出たら追ってお伝えしたい。

  1. 「ナショナルプロジェクト」が始動
  2. 「シベリアの力」で天然ガスを東方シフト
  3. 天然ガスのウクライナ領トランジット継続で合意
  4. 石油パイプライン「ドルージバ」が有機塩素化合物で汚染
  5. 米国の制裁でロシアがドル建て債を起債できなくなる
  6. 付加価値税を18%から20%に増税
  7. 個人事業者を対象とした簡易課税制度導入
  8. 中銀、段階的な利下げ策に転じる
  9. 自動車保険の国家統制を緩和
  10. 主権インターネット法

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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「『イワン・チャイ』って知ってますか?」です。よかったらご笑覧ください。

 個人的に、今年度はロシア北方地域の調査事業を抱えているので、9月と10月に現地調査に出かけ、結局「マンスリーエッセイ」でも年内はその土産話に終始することとなりました。ロシアの北方諸地域、シベリアなどでは、森の恵みが名物になっている場合が多いですね。土産物売り場を覗いてみると、ハーブティーが陳列されているのを、よく目にします。その中で、「イワン・チャイ」と銘打った商品が多いことに気が付いた、というお話です。


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 GLOBE+に、「モルドバ・バトルロイヤル 欧州最貧国で何が起きているのか?」を寄稿しました。

 私のような、モルドバに強い関心を持っている者にすら、モルドバの政治は非常に理解しづらい代物です。普通は、保守VS革新とか、親欧米VS親ロシアとか、その国の政治を見る上での軸というものがあるはずなのに、モルドバの場合はどうもそういう安定した軸が見当たりません。国が小さい割には変化が目まぐるしく、1年くらい目を離していて、久し振りに情報を収集すると、別世界のようになっていることもあります。私は、モルドバの一連の政局を眺めていて、「これって、何かに似ているな。そうだ、プロレスの『バトルロイヤル』だ」との結論に至りました。


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 こちらの記事によると、2019年12月18日付のウクライナ政府決定により、従来のようにウクライナ国民が国内パスポートでロシアに行くことはできなくなり、2020年3月1日からロシアに行くためには国際パスポートの携行が義務付けられるということである。

 ウクライナのクリムキン前外相によれば、2018年にロシアに出稼ぎに出たウクライナ国民は300万人に上るということであり、彼らはまさに国内パスポートでロシアに向かっていた。2019年1~6月にロシアからウクライナになされた個人送金は5億ドルに上った。2年前にEUとのビザなし協定が発効した際に国際パスポートの取得ラッシュが起きたが、その再現が起きるかもしれない。

 ただ、全ウクライナ国際就労企業協会では、調査機関レイティングの2017年の調査結果を根拠に(上掲の図参照)、現在ロシアで働くことを希望するウクライナ国民は6%しかいないと指摘している。


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 12月20日にサンクトペテルブルグでユーラシア経済連合の首脳会議が開催された。こちらのページでその主な成果が論じられているので、主要部分を箇条書きしておくことにする。

  • 域内貿易の制限撤廃の例外措置となっている品目が、現時点で30以上存在し、しばしば加盟諸国の経済主体間で対立点となっている。2010年代初期には40以上あったので、縮小していることは事実だが、制限措置の撤廃に向けた作業を加速すべきであるということが強調された。
  • ルカシェンコ・ベラルーシ大統領は、ユーラシア経済連合とのFTAを希望している第三国は50カ国にも達すると指摘した。
  • 今回のサミットには、アゼルバイジャンのアリエフ大統領、モルドバのドドン大統領が、オブザーバーとして出席した。両国はユーラシア統合に傾斜しつつあり、実際、モルドバはCIS自由貿易協定の加盟国だし、アゼルバイジャンも同条約に加わることを計画している。
  • 調印された重要な文章の一つが、ユーラシア経済連合における労働者の年金保障に関する協定だった。この協定により、今後連合域内の労働者は、自国で働いた期間だけでなく、ユーラシア経済連合の他の加盟国で働いた期間に対しても、年金が受け取れるようになる。なお、各加盟国は、自国の法律にもとづいて、年金を支払う。今回のルールには大部分の種類の年金と、それに付随する給付金が含まれる。協定は2020年に発効する予定である。
  • 2025年から電力共同市場を始動させるための優先的措置の計画が承認された。国をまたぐ電力網の発展、これらの電力網への接続契約の形式、中央化された取引(電子形態も含む)のルールなどを盛り込むこととなる。これにより、発電所の側は販路を全ユーラシア市場に拡大し、需要家および売電会社は最適な価格でユーラシアのパートナーから電力を購入できるメリットが生じる。
  • 単一サービス市場を機能させるための作業を活発化させることでも合意した。2015年から現在までのところ、サービス市場の60%に当たる53分野で単一市場が機能している。2022~2023年までにすべての分野での単一市場を成立させるべく、近日中に提案を取りまとめることになった。
  • 電力のみならず石油、天然ガス、石油製品の単一市場の形成も加速していくことになった。それを可能にしたのは、2018年に加盟各国がそれらの単一市場を形成するための共通化された国家プログラムを採択し、2019年には共通電力市場形成の条約に調印したということがある。
  • ユーラシア経済委員会の閣僚は4年ごとに交代しており、首相職には、アルメニアのサルキシャン氏に代わって、2020年2月1日からベラルーシのミャスニコヴィチ氏が就任することになった。

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 こちらの記事が、中国主導の一帯一路がカザフスタン経済にもたらす効果について論じているので、気になった部分だけメモしておく。

 カザフスタンのナザルバエフ初代大統領は、「中国の一帯一路政策のお陰で、我が国は海への出口を擁する国家となったわけで、我々は一帯一路を支持している」と発言している。カザフスタンと中国は、2008年に西欧~中国西部の輸送回廊の発展に関するメモランダムに調印し、2015年には両国首脳間で一帯一路の枠内での協力に関する条約に調印している。カザフ側は2014年末に策定した2015~2019年のインフラ発展プログラム「ヌルルィ・ジョル」で、一帯一路の枠内で実施されるプロジェクトとのすり合わせを図っていた。

 輸送回廊の中核となるのは、カザフスタンおよびロシア領を通る鉄道および幹線道路である。そのカザフスタン・中国区画は、2016年に完成し、カザフのホルゴスから、中国のウルムチに伸び、最終的には黄海に面した連雲港にまで至る。自動車道路の延長は3,425kmで、「2019年ユーラシア経済連合輸送回廊報告書」によれば、遅くとも2020年には完全に稼働することになっている。

 カザフスタンでの建設は完成に近付いている。対ロシア国境のマルトゥク村から、アクトベ、キジルオルダを通るシムケントまでの区画は、完全に完成した。タラス~アルマトイ間もほぼ完成し、アルマトイから対中国境までは作業が完了しつつある。さらに、カザフはこの間、2,500kmの鉄道を新規建設し、幹線となるアルマトイ~シュ間は複線となった。

 2018年にはベトナム~中国~カザフスタン~欧州という大陸間鉄道ルートが開設され、ハノイからカザフを経由してドイツのデュイスブルクに1,686のコンテナが輸送された。その逆の物流も機能しており、カザフの生産者は中国やベトナムの港湾へのアクセスを得ることになった。ナザルバエフが、我が国は海への出口を確保したと述べたのは、このことである。

 カザフスタンの対中国境に位置する「ホルゴス・東の門」も、中国の資金援助を受けて建設されたものである。ただ、ホルゴスの優遇的な関税規則の結果、2013~2017年にホルゴスを通ってきた輸入貨物のうち、関税の対象となっているのは45%だけであり、特に中国との貿易では60~90%が密輸という問題が生じている。

 カザフスタンの野党は、カザフの土地を中国に売り渡すことへの抗議行動を行っているが、それはコップの中の嵐のようなものである。真の焦点は、中国に対する債務である。ただ、中央アジアの他の国と比べると、カザフの状況は恵まれており、中国からの流入資金の60%は融資ではなく直接投資である。また、カザフの対外債務に占める対中の比率は、2013年には10.6%だったが、2018年10月1日では7.4%と、かえって低下している。


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 こちらこちらこちらなど各メディアで報じられているように、ロシア・ウクライナ・欧州委員会の3者は12月20日、懸案となっていたウクライナ領を通じてロシア産ガスを欧州市場にトランジット輸送する問題に関し、合意に達した。ロシアとウクライナは、輸送問題および債務問題の合意に関するプロトコールに調印した。

 2018年2月末にストックホルム仲裁裁判所が下した判決により、ロシア側のガスプロム社はウクライナ側のナフトガス社に25.6億ドルを支払う義務を負っており、金利を含んだ額は30億ドルに達している。ナフトガスはガスプロムの在外資産を差し押さえる動きをちらつかせつつ、債務額に相当する天然ガスの供給を現物支給で受ける交渉に応じる用意があるとしていた経緯がある。

 今回の合意の詳細については、12日にウクライナ・エネルギー相が会見を開いて明らかにするという。

 こちらの記事によれば、ナフトガスのコボレフ社長は、ロシア側が欧州原則にもとづくウクライナ・トランジットの長期契約に応じたのは、米国がノルドストリーム2に制裁を発動する動きを受けたものであると指摘した。


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rube

 前のエントリーでも触れられている、ロシアの石油税制マヌーバ実施によって生じるベラルーシ側の損失をロシアが補填するという問題、実は12月18日のこちらのニュースなどで、進展が伝えられている。結論から言えば、両国の税法典を共通化し、その上で、ベラルーシの製油所に「逆物品税」を適用するということである。逆物品税というのは、ロシア政府がロシア国内の製油所と協定を結び、特定の設備投資を行うことを条件に与えている優遇措置であり(こちらなど参照)、それをベラルーシの製油所にも認めようという話のようである。以下で記事の要旨を整理しておく。

 ベラルーシ側はマヌーバ実施による2019~2024年の自国の損失を105億~100億ドルと見積もっている。従来は、実質的にベラルーシが補助金を受け取っている形だったが、ロシア政府が2019年から段階的に石油輸出関税を廃止して地下資源採掘税によって置き換えることに伴い、補助金のスキームが機能しなくなる。

 両国間の交渉の事情を知る筋によると、交渉の結果、ロシアはベラルーシの製油所にマイナスの物品税を適用することになった。これは2019年以降の税制マヌーバの枠内で、ロシアの製油所に適用されている措置である。こうした解決策が交渉されていることは、11月にコザク副首相も述べていた。同氏によれば、経済統合の一環として税法典が共通化されれば、ベラルーシの製油所はマイナス物品税を受け取れるようになるということだった。

 しかし、このメカニズムでは補償にならないと、交渉担当者は指摘する。ベラルーシの駐ロシア大使であるセマシコが12月初頭に述べたところによると、逆物品税が現実的に導入されるのは早くても2022年である。それまでは、ロシアが補償を行うにしても、石油の価格によって、一部だけという形になる。

 いずれにしても、まず税法典を共通化しなければならず、現在その交渉が行われているわけである。


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rube

 先日も取り上げたが、12月7日の首脳会談でもすれ違いに終わったロシア・ベラルーシ関係につき、ロシア政治工学センターのこちらの記事の要旨を以下のとおり整理しておく。

 7日の会談後、ロシアの代表団で唯一、結果についてコメントしたのが、オレーシキン経済発展相だった。大臣によれば、交渉は実り多いものであり、農業、通信、税関、石油市場といった一連の分野で大幅な前進があり、石油およびガス市場に関しては両国の立場は限りなく合意に近付いた、という。

 一方、テレグラムの「ネズィガリ」というチャンネルがまことしやかに伝えたところによると、閣僚も参加して行われた会談の中で、やり取りが感情的になり、個人攻撃も伴った。ルカシェンコは何度か取り乱し、平静を取り戻すために中断を余儀なくされた。メドヴェージェフ首相はルカシェンコに対し、ロシアの閣僚に対して暴言を吐いたことを公式に謝罪するよう求めた。ロシア側からルカシェンコに対し、次期大統領選に出馬することは考え直した方がいいのではないかと指摘される場面もあった、ということである。

 セマシコ大使によれば、31項目の工程表のうち、7日の会談で3項目につき合意し、残るは8項目だという。解決できたのは、電力問題と、税関問題だった(注:あと1つは?)。一方、折り合いがついていないのが税法であり、これについては期限を1年伸ばすことになった。税制マヌーバに伴う全面的な補償は、2022年1月1日以降に解決されることになる。ロシアは2015年から税制マヌーバを開始した。世銀の専門家は、ロシア側がその補償を支払わなければ、ベラルーシは経済危機に陥る恐れがあると指摘する。

 ベラルーシはこれとは別に、4月に石油パイプライン「ドルージバ」で有機塩素化合物により汚染された石油が輸送された事件に対する補償7,000万ドルも求めている。ドルージバのベラルーシ区画で汚染が発見されたのは4月19日だった。ベラルーシの2つの製油所は生産を縮小し、うちモズィリ製油所では稼働停止が報告された。ポーランド、ドイツ、スロバキア、ハンガリーが汚染された石油の受入を拒否したため、ドルージバによる輸送は一時停止した。正常な石油がロシアからベラルーシに到達したのは、やっと5月の初頭だった。7月にトランスネフチは、パイプラインを汚染したことに対する補償を最大で1バレル当たり15ドル支払う用意があることを表明した。

 難航している税関の問題に関しては、2020年6月1日までにロシア・ベラルーシ双方の法基盤を正すことになっている。この問題は、ロシアに制裁対象商品が流入してしまっているグレースキームとかかわるだけに、喫緊である。9月に『コメルサント』が報じたところによると、両国の税関を一体化することまでが想定されている。しかし、ロシア側が一体の税関を創設し実質的に自分でそれをコントロールしたいのに対し、ベラルーシ側は緩やかな結び付きを求めており、折り合いが付かない。ロシア国内でも利害の食い違いがあるという指摘もある。

 「ブレミナ・グループ」というところが、ベラルーシ東部オルシャに巨大なロジスティクスセンターを建設しており、国際貨物航空便を受け入れ、入荷した第三国の商品をベラルーシ製としてロシアに輸出するというプロジェクトを進めていることも、ロシア側を懸念させている。

 ルカシェンコにとっては当然、ロシアの既存の政財界派閥で、ベラルーシとのパートナー関係から利益を得ているような勢力がプーチン体制で力を持ってくれることが、都合が良い。それは、石油利権や制裁を回避する転売ビジネスを背景とする役人・政治家たちである。それは、ロシア・ベラルーシ連合国家の現状に適応し、グレースキーム・密輸体制の中で居心地の良さを味わい、しばしばロシア国庫で儲けることも含め、会計・税制・補助金の盲点を利用している人々である。

 ロシアとベラルーシの新たな文書調印の動きに反発して、ベラルーシのミンスクでは、12月7日に700~1,000人、8日に数百人の抗議デモが発生した。こうした動きは、規模からしても、大多数の国民が反ロシア主義に共感していないことからしても、ルカシェンコにとって危険ではない。むしろ、「ルカシェンコが譲歩を迫られたら、より大規模な抗議活動を呼び起こしかねない」という形で、モスクワに対する圧力の手段として利用できるという面もある。

 そうした中、ルカシェンコは政権幹部人事を進めている。新たに大統領府長官に起用されたセルギエンコは、大統領の息子ヴィクトルのお気に入りである。セルギエンコはベラルーシKGBの幹部として、防諜、ロシアに対する謀略、ロシア・スパイ一掃の専門家であった。ルカシェンコ一家の利益のために働き、最も信頼の厚い一人である。セルギエンコ起用は、ルカシェンコがロシアと一戦交える覚悟であることを物語っている。

 大統領府副長官に起用されたチュプリスは法律家であり、憲法改正への布石との受け止め方がある。連合国家の目的のための憲法改正という見方もある一方で、より可能性が高そうなのが、ルカシェンコがカザフスタンのナザルバエフのように、将来退陣する場合に備え、国家体制を部分的に非属人化しようとしているというシナリオである。

 ルマス現首相は2018年8月に就任したばかりだが、すでに何度も大統領に辞意を伝えていると言われる。首相候補として、ベラルーシとしては異色だが、改革派のルディ駐中国大使が取り沙汰されている。ルカシェンコは2020年に政府を改造するということをすでに表明している。現在は、ルマス首相がロシアとの工程表交渉に当たっているのですぐに解任するのは難しいが、年末までにそれが達成されるにせよ未達成にせよ、それが一段落すれば可能性は出てくる。


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 引き続き、12月9日にパリで開かれた「ノルマンディー方式」による首脳会談につき、こちらのサイトから、V.ミロネンコ氏(ロシア科学アカデミー・ヨーロッパ研究所ウクライナ研究センター長)のコメント要旨を紹介する。

 ロシア側は、すべては問題なく進んでおり、我が方は何も変えるつもりはなく、ボールはウクライナ側にあるという立場をとった。それに対しウクライナ側は、もはや社会的なチェルノブイリの様相を呈しているドンバスの数百万住民の境遇を何とか改善したいという立場だった。周知のとおり、ドンバスからは250万人がウクライナ本土やロシアに逃れ、残された250万住民の境遇は、年金もなく親類と連絡がとれないなど、厳しいものとなっている。

 フランス人は格好良いポーズをとるのが好きであり、マクロンは欧州の諸問題、安全保障でのリーダーになろうとしていることが見て取れた。一方、メルケルは疲れているように思える。過去数年この紛争でメルケルは的確かつ実利的な立場をとってきたが、ロシア抜きではこの問題は解決できないということを悟り、かといって原則は曲げられないというジレンマがある。

 会談の成果については、はたから見ると、ロシアが勝ったかのように思える。ロシアの政府寄りマスコミは、ウクライナが「シュタインマイヤー・フォーマット」(ドイツ大統領がミンスク合意の実現順序について行った提案)を受け入れ、ミンスク合意が再確認されたと強調している。それだけをとれば、ミンスク合意を具体化するお墨付きが得られ、ロシアの勝利であるようにも思える。

 しかし、より広い視野で見れば、勝ったのはウクライナであり、ロシアは敗者である。ロシアのある政治家は、「お嬢さん(ウクライナ)を幻想から目覚めさせてあげなければならない」と述べていたが、実際に起きたのはまさにそれだった。そして、幻想から目覚めたのは、ウクライナだけでなく、欧州も同じである。このプロセスを注視していた皆が、交渉で何かを成し遂げようとしているのがどちらか、逆にすべて現状のままにしておこうとしているのはどちらかを目の当たりにした。ウクライナ側の若手政治家たちは、もしかしたら本当に、ロシアの路線はウクライナのみならずロシアの国益にも反している(人命、制裁、発展のブレーキ等々)のだということをプーチンおよびロシア指導部に説得できると考えていたのかもしれないが、帰途に就く時にはその試みが無益だということを悟っていた。

 形式的には、両国は停戦、捕虜の交換といった些事について合意し、4ヵ月後に再会すると約したかもしれない。しかし、全体に照らしてみれば、残念ながら、ウクライナがドンバス住民を助けることはできず、せいぜい年金の支払いくらいであり、ドンバスは衰退を続けるだろう。

 ということは、ウクライナとしては自国の問題に集中し、腐敗対策、経済発展、欧州統合の加速を進めるしかない。残念ながら、ウクライナにとっては、NATOのドアをたたくことしか、自国の安全保障を確保する道はない。


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 引き続き、12月9日にパリで開かれた「ノルマンディー方式」による首脳会談につき、こちらのサイトから、今回はYe.ガルキナという有識者のコメント要旨を紹介する。

 会談の前には、ウクライナのゼレンスキー大統領の立場が非常に悪いというイメージがあった。マクロン仏大統領はロシアとの戦略的対話の必要を説いていたし、ドイツはノルドストリームを許容した。プーチンにはゼレンスキーに圧力を行使するチャンスが大きいと思われた。しかし、サミットが近付いていたタイミングで、フランス領アルプスにおけるロシア連邦軍参謀本部情報総局の拠点問題のスキャンダル、ベルリンでのロシア人によるジョージア人殺害(ドイツは犯人はロシアの連邦保安局の工作員だと見ている)が起きた。これらが明るみに出たことで、プーチンのサミットにおける立場は当初予想されていたよりも悪化した。

 パリでの会談は、全体としてウクライナにとって有利に進んだ。ゼレンスキーにとっては、捕虜の全面的な交換で合意し、完全な停戦が取り付けられれば成功だったが、それを達成した。また、首脳会談の前、ウクライナ国民は心配していたが、それに関し交渉においてゼレンスキーが明確な線引きをしたことも、成功だった。第1に、ゼレンスキーは、ウクライナは一体的な(つまり連邦制でない)国家であると明言し、その立場を譲らなかった。第2に、ゼレンスキーは、誰もウクライナに政治的な進路を指図することはできないという立場を示した。つまり、ウクライナの方向性を決めるのは国民自身ということである。ウクライナが、領土保全の見返りとして、EUやNATO加盟を諦めると、誰かに対して約束したりしないことが明らかになった。第3に、ゼレンスキーは領土面での譲歩を一切行わないということである。たとえば、ドンバスを得る代わりにクリミアを手放すといったことは拒否した。

 ロシアおよびロシア国民にとっても、パリサミットの結果はポジティブと評価しうる。というのも、ロシア国民はウクライナとの戦争を望んでいないし、クレムリンの周辺諸国に対するアグレッシブな政策は国民の利益にならないからである。一方、ロシアの指導部に関して言うと、もしも指導部がウクライナへの攻撃を望んでいるのなら、パリサミットは成功だったとは言いがたい。ゼレンスキーは何も譲歩せず、和平には関心を持っているが、ウクライナの主権・国家性を犠牲にするつもりはないという立場を示したからである。


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 周知のとおり、12月9日にパリでいわゆる「ノルマンディー方式」による首脳会談が行われた。ドンバス紛争の解決などをめぐり、プーチン・ロシア大統領、ゼレンスキー・ウクライナ大統領、マクロン仏大統領、メルケル独首相の4者が会談に臨んだものである。

 だいぶ遅れ馳せであるが、この首脳会談の結果につき、こちらのサイトでロシアの3人の有識者がコメントを寄せている。その中から、政治工学センターのA.マカルキン氏のコメント要旨を以下のとおり整理しておく。余力があれば他の人も追って紹介したい。

 今回の会談では、勝者も敗者もいなかった。拘束力のある文書は、一つも結ばれず、意図の宣言がなされただけで、ロシア・ウクライナ双方にとって利益となる捕虜の解放を約束しあっただけだった。恩赦、国境管理、選挙などについては今後さらに精査することとなり、これは長くうんざりするようなプロセスである。原則的な解決は今のところなされていない。

 今回の会談の肝心な点は、長い中断の後に、首脳レベルのノルマンティー・プロセスが再開したということだろう。今後における焦点は、ロシアが西側との関係につきどのような決定を下すかである。クレムリンには地政学的な野心があり、それに多大な資源が傾注されており、特にウクライナについてである。これが起きてから、もう6年になり、「これからどうするのか」ということが問われている。なぜなら、2014~2015年の「ノヴォロシア・プロジェクト」の本質は、ロシアの影響下にないウクライナの政権の承認は拒むというものだからである。この路線を続けるのか、それともそれを見直して、ロシアの影響外にあるウクライナという既成事実を認め、それにもとづいて西側との合意を図るかかという問題である。


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0088

 GLOBE+に、「プーチンは21世紀のポップ・アイコンか?」を寄稿しました。

 いつの頃からだったでしょうか、ロシアではプーチン大統領を主役としたカレンダーが、定番商品として定着しました。最近では日本でもプーチン・カレンダーが一部で話題になったりしており、ネット通販で購入することも可能です。プーチンの写真や絵をデザインに取り入れたTシャツ、マグカップ、バッグなどが、土産物として売られているのもよく見かけるようになりました。今回は、そんな現象を手掛かりに、「ポップ・アイコン」としてのプーチンについて考えてみました。


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rube

 ロシア・ベラルーシ間では、1999年12月8日に結ばれた「連合国家創設条約」から20年が経つのを記念して、先日12月8日に統合を深化させるための新たな「工程表」に調印するということが、1年前から予定されていた。しかし、現実には両国の隔たりは埋まらず、12月8日の調印にこぎ着けることができなかった。一連の経緯につき、ベラルーシの専門家V.カルバレヴィチ氏によるこちらこちらのコラムにもとづきながら、以下のとおりまとめておく。

 過去1年間、ロシアとベラルーシの両国は、統合を深化させるための31項目にわたる「工程表」に調印すべく、交渉を重ねてきた。調印に設定された12月8日は、1991年にソ連解体を決めたベロヴェージ協定が結ばれた日だというニュアンスもある。

 しかし、期限となる12月8日が近付くにつれ、状況は混沌とし、11月28日にはロシア『コメルサント』紙が「共同石油・ガス市場、税制の統一をめぐって暗礁に乗り上げている」旨報じた。また、12月8日にプーチン・ルカシェンコ両大統領が首脳会談を開くという日程自体、不透明となっていった。

 対立点の一つが、ロシアがベラルーシに供給する天然ガスの価格である。これに関しては、ロシアがウクライナ領を経由して欧州に輸出するトランジット契約の延長問題がこじれている背景があり、代替の輸送路としてのベラルーシの重要度が高まるので、それがベラルーシにとって価格交渉上有利に働くという面もある。

 結局、12月8日の首脳会談は開催されず、「大山鳴動して鼠一匹」という結果となった。工程表の大部分では合意しており、残り3~4項目を首脳会談に委ねるとされていたが、不首尾に終わった。そもそも、8日の代わりに、両首脳は7日に首脳会談を行い、このことだけでも連合国家創設条約20周年という祝賀的な意味合いは失われた。しかも、20年前にはクレムリンで条約に調印したのに対し、今回はプーチンのソチでの別荘が選ばれ、これによりロシア側は今回の会談を通常の交渉へと格下げした。

 会談冒頭、マスコミの前で、ルカシェンコ側は、ベラルーシが重視するのは「平等な経済活動条件」、つまり、ロシアがベラルーシにロシア国内価格でエネルギーを供給することだと述べた。それに対しプーチンは、必要なのは統合であり、それによりベラルーシは恩恵を得るだろうと指摘した。

 会談は全体で5時間半に及んだ。最初の2時間は随行員を交えて会談し、昼食時には一対一、その後再び随行員を交えた会談となった。会談終了後、記者会見が行われなかったことを考えると、何も合意できなかったのだろう。

 ただ、20周年ということを考えると、たとえ工程表のすべてに合意できなくても、合意できた分だけでも、華々しく調印してもよさそうなものである。そうなれば、時間はかかるかもしれないが、統合は進展しているという体裁を取り繕うことができる。それすらも行われなかったということは、いかに両国の立場が隔たっていたか、推測できる。

 ソチ会談の前には、両国の専門家らは、何だかんだで妥協するのではないかと見ていた。つまり、ベラルーシがすべてではないにせよ何らかの文書に署名し、ロシア側がガスの優遇価格といった何らかの報奨を与えるというものである。しかし、どうやらロシアは、オールorナッシングの立場を貫いたようだ。31項目の工程表すべてを受け入れれば経済支援を再開するが、そうでなければベラルーシは自力でやれということである。つまり、1年前にメドヴェージェフ首相が表明した立場を貫徹したということである。ベラルーシは、「結局ロシアは以前のように助けてくれるのではないか」と高を括っていたが、今回ばかりは違った。

 12月20日に両大統領がサンクトペテルブルグで再会するということだけは決まった。つまり、交渉が続いているという表向きを取り繕うということだけは、合意したということである。


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 ロシア『フォーブス』誌の2019年9月号に、「ロシアの10大富裕ファミリー」という記事が掲載された(初めてではなく、毎年掲載されるらしい)。秋にロシア出張に行った時にこの雑誌を買い、いつかネタに使おうと思ってとっておいたのだが、そろそろ年末で大掃除をしたいということで、いつまでも雑誌を手元に置いておくのはなんだから、今回これを取り上げて廃棄することにする。上の画像は、たぶん雑誌だけについていた付録である。ただし、雑誌の記事自体は、こちらのサイトで閲覧することができるので、より詳しい情報を知りたい方はそちらをチェックされたい。

 ロシアでも、大企業ランキングとか、個人レベルの資産のランキングというのはよくあるが、フォーブス誌の今回のネタは、一族の単位で資産を比較していることに面白みがある。ロシアでオリガルヒが誕生してから20~30年が経過し、そろそろ初代が子供に資産を引き継ぐような動きも出てくるはずで、ファミリーという単位での比較は意味があるだろう。10大富裕ファミリーとその資産額は、以下のとおりということである。正直言うと、初めて聞いた名前もある。

  1. グツェリエフ家:66億ドル
  2. ロテンベルグ家:52億ドル
  3. シャイミエフ家:28億ドル
  4. ガポンツェフ家:20億ドル
  5. エフトゥシェンコ家:19億ドル
  6. ラヒムクロフ家:19億ドル
  7. リンニク家:16億ドル
  8. サルキソフ家:16億ドル
  9. バジャエフ家:15億ドル
  10. ミハイロフ(ミハイロヴァ)家:12億ドル

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scale_2400

 一般的に、国の豊かさを比較する場合に使う指標は、国民一人当たりGDPや、平均賃金といったところだろう。

 一方、こちらに掲載されている資料では、ロシア・ユーラシア諸国(それとなぜか中国をプラス)を、一人当たりGDPに加え、経済の国民にとっての効率性、医療・教育といった社会政策の充実度、住宅・公営事業といったインフラの整備といった要素を加味し、独自にランク付けしている。その結果、同諸国の本当の豊かさの順位は、以下のようになったということである。

  1. ベラルーシ
  2. ロシア
  3. カザフスタン
  4. 中国
  5. アゼルバイジャン
  6. アルメニア
  7. ジョージア
  8. モルドバ
  9. ウズベキスタン
  10. タジキスタン
  11. キルギス
  12. ウクライナ
  13. トルクメニスタン

 正直言えば、ランキングの方法論や結果としての順位には異論が出そうであり、私も単に図が可愛いから取り上げただけというところである。


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gasplmap

 なんだか、やらなければならないこと、調べなければいけないこと、読まなければならない資料などが多すぎ、途方に暮れる。そんな中で、最近は、天然ガスおよび同パイプラインに関する大きなニュースが多いということを改めて感じるわけである。

 そんな中、『エクスペルト』誌の最新の2019年12月9-15日号(No.50)に、「シベリアの力」稼働を受けた天然ガスパイプラインに関する特集記事が出ており、記事全体をすぐに熟読する余裕がないので、せめてその冒頭に掲げられた地図だけでもしみじみと眺めてみようかと思うわけである(上の地図はクリックすると拡大するはず)。

 しかし、改めてこうやって見ると、天然ガス部門においてロシアは、欧州とアジアの二正面作戦を戦っているというか、もっと言えば一人で天然ガス世界大戦を戦っているような、そのくらいの戦線を抱えている。国力のかなりの部門をこの闘争につぎ込んでいるであろうことが伺える。


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202001

 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2020年1月号。雑誌の上ではもう、2020年代の幕開けです。新しいディケイドも、よろしくお願いいたします。表紙の色も緑系の新色となり、装いも新たにお届けいたします(色決めには結構苦労した)。

 その2020年代最初の号では、「ROTOBOが切り開くロシアの新ビジネス」と題する特集をお届けいたします。基本的には、最近私どもロシアNIS貿易会が実施した事業の成果を報告する内容です。以前も、2007年8月号において、同趣旨の特集を組んだことがあります。ただ、最近当会で実施している対ロシアビジネス促進事業は、IT、医療、美容といった新規分野に関連するものが多いので、「新ビジネス」と銘打った次第です。

 服部自身は、小さな記事だけですが、「ユーラシア統合と一帯一路の『結合』は後退」、「深まるウクライナの出稼ぎ依存」を執筆。12月20日発行。


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 体調が悪いので今日は簡単なネタだけで。こちらに、欧州諸国の軍事費の対GDP比(2018年の数字)を比較した図が出ていたので、ロシア・ユーラシア諸国の数字をチェックしてみたいと思う。

 この中で、一番軍事費の比率が高いのがアルメニアであり、4.8%に及んでいる。やはり、ナゴルノカラバフ紛争を経て、アゼルバイジャンとの軍事的対峙が続いているので、それが表れたものであろう。敵対するアゼルバイジャンの側も3.8%と高い。西欧や中東欧諸国では1~2%程度のところが多いのに対し、経済水準の劣るロシアは3.9%であり、不相応に重い軍事支出を負担している形である。ウクライナは、もともとはずっと低かったはずだが、2014年の危機以降、ポロシェンコ政権の下で軍事支出を拡大し、3.8%というロシアに迫る数字となっている。これといった軍事的な敵もなく紛争も抱えていないベラルーシやカザフスタンの数字の低さは素晴らしい。


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 GLOBE+に、「ロシア版の新幹線計画がまさかの大迷走」を寄稿しましたので、ぜひご笑覧いただければ幸いです。

 ロシアでは10年ほど前に、首都モスクワからカザン市まで高速鉄道を建設するという構想が浮上しました。同プロジェクトは多分に、2018年に開催されるサッカーのワールドカップをにらんだものでした。ところが、当初目標にしていたW杯も過ぎ去ったというのに、このプロジェクトはいまだ着工にも至っていません。中国の協力を取り付け、設計作業は2018年までに完了したものの、建設工事は始まらず、2019年4月にこの事業はいったん白紙に戻ってしまいました。そうした中、別ルートのモスクワ~サンクトペテルブルグ高速鉄道を優先する動きも出てきたのです。ロシア版の新幹線計画をめぐって、何が起きているのでしょうか?


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 こちらのコラムが、ここに来てアゼルバイジャンがロシアとの関係を重視するようになっている旨論じている。ロシア人が書いたロシア目線のテキストという感じもなきにしもあらずだが、要旨をまとめておく。

 アゼルバイジャンは優先順位を見直してロシアとの関係を重視するようになっており、それは最近の両国間の高官の往来にも表れていた。アゼルバイジャンは、運輸・エネルギーのプロジェクトで繋がりの深いトルコとの戦略的関係を保持しつつも、ロシアとの既存および計画されているプロジェクトにも関心を強めている。

 アゼルバイジャンのそうした変化の一因は、EUが新たなパートナーを受け入れる熱意が低いことである。アゼルバイジャンにとってそのことは、不利な連合協定の締結を迫られながら、その結果得たのはEUからの輸入増大やいつまで続くかも不確かなビザ免除協定だけだったという隣国ジョージアの教訓からも明らかである。

 先日、アゼルバイジャンのメフリバン・アリエヴァ第一副大統領がロシアを訪問し、国家元首でもないのにプーチン大統領が直々に会談し、二国間関係に尽したとして勲章まで与えた。一部の専門家は、プーチンはメフリバンを「未来の大統領」として受け入れたと論評した。マスコミ等では、イルハム・アリエフ大統領は次期大統領選に出馬せず、妻のメフリバンにその座を譲るという観測が絶えないからである。ただ、そのことの真偽は定かではなく、確かなのは、両国関係が拡大しているという事実である。

 アゼルバイジャンの専門家によれば、最近行われた機構・人事改革の結果、政権におけるメフリバン・アリエヴァ第一副大統領の役割は高まっており、国際舞台で国を代表する役割を与えられ、それには対ロシア関係も含まれ、今般のロシア訪問団を第一副大統領が率いることになったのもまさにそのためだった。昨年、アゼルバイジャン・ロシア経済協力二国間委員会のアゼル側の共同議長にM.ジャバロフ経済発展相が就任したが、同氏はメフリバン第一副大統領のチームの一員であるという。アゼルバイジャンはロシアとの関係で社会・経済分野を重視しており、今回のロシア訪問団にも同分野の高官が多く参加していた。そして、それらの分野の機関を束ねる役割を果たしているのがメフリバン第一副大統領である。

 ここ数年、二国間の貿易は順調に伸びており、すでに25億ドルを超え、本年は30億ドルの達成も見込まれる。経済関係における投資の役割が高まっており、しかも投資は双方向となっている。特にアゼルバイジャン企業が石油精製をはじめるとするロシアの加工部門に投資をしており、たとえば国営石油会社SOCARはロシアのアンチピノ製油所の株式を取得、実質的にロシアの石油精製市場におけるプレーヤーに躍り出ている。一方、アゼルバイジャンは同国が第三国で実施するプロジェクトにロシアの参画を得ており、たとえばSOCARがトルコに開設したスター製油所に供給される原油の半分ほどがロシア産となっている。さらに、アゼルバイジャンとトルコはガスパイプラインTANAPおよびTAPが輸送するガスの一部もロシア産とすることを検討しており、ガスプロムと交渉している。

 対するロシアは、自身が主導する国際的枠組みにアゼルバイジャンの参加を得ることを目指しており、それにはアゼルバイジャンがユーラシア経済連合に加入する可能性も含まれる。現に、プーチン大統領はアリエフ大統領をモスクワでのユーラシア経済連合サミットに招待した。


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 Radio Free Europe/Radio Libertyによる上掲の動画が、中央アジア諸国の中国に対する債務の問題を取り上げている。旧社会主義圏の自由化を唱道する同機関なので、「中央アジア諸国にとって、欧米や国際金融機関と異なり、民主化や人権といった条件を付けない中国からの資金調達は手っ取り早い。その代わり中国は中国の設備や労働力の利用といった経済的条件を付けるのだ」といったことを指摘している。国別の債務額などは以下のとおりだという。

  • カザフスタンの中国に対する国家債務は123億ドル。中国はカザフに50以上の工場を建設している。カザフの石油生産の20%は中国系企業によるもの。
  • キルギスの中国諸銀行に対する国家債務は17億ドル。債務の40%以上が中国に対するもの。
  • タジキスタンの中国に対する国家債務は12億ドル。対外債務の48%強が中国に対するもの。金鉱山の80%以上が中国資本参加企業により採掘されている。
  • ウズベキスタンの中国に対する国家債務は78億ドル。
  • トルクメニスタンの詳細は不明だが、大規模なガルクィヌィシ天然ガス鉱床の開発のためにトルクメニスタンが中国から調達した融資は8億ドルに上る。トルクメン産のガスの90%は中国に供給されているが、その価格は世界価格の3分の1となっており、これによってトルクメンは債務を支払っている。

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2019-12-04-Kaz

 こちらのサイトで、アネット・ボアという専門家が、カザフスタンの対外政策、とりわけウズベキスタンを中心とした中央アジア諸国への働きかけについて論じているので、要旨を以下のとおり整理しておく。

 ナザルバエフがカザフスタンの大統領職から退き、後任がトカエフとなって、この間の注目すべき動きとして、中央アジア域内の協力関係が拡大していること、カザフの新体制が地域対話を改善しようとしていることが挙げられる。

 カザフは長らく、中央アジア固有のプレーヤーというよりも、ロシアと中央アジアを取り持つユーラシア国家としての自意識を形成してきた。しかし、2017年以降、それまで弱かった中央アジアの周辺国との協力関係強化を模索するようになった。それは多分に、ウズベキスタンという大きな市場の自由化の賜物だったが、それ以外の要因もある。

 その要因の一つは、カザフがロシアの対応を新植民地主義的なものと見なすようになっていることである。その一例がロシア主導のユーラシア経済連合であり、カザフはその実態に満足しておらず、この経済同盟に強固に縛り付けられることは望んでいない。モスクワから適度に距離を置くためにも、カザフは中央アジアの地域的な枠組みに関心を示すようになっている。

 石油依存を軽減する狙いもあり、カザフはユーラシア統合における運輸・テレコム・投資のハブになることを目論んでいる。中央アジアにおける輸送のリードタイムは世界の他地域に比べて大きいので、カザフのこの路線は中央アジア域内貿易を活性化する効果がある。

 さらに、カザフにおける人口トレンド、教育の民族主義的な方向へのシフトにより、同国指導部は中央アジア全体との紐帯を重視するようになっている。ウズベキスタンでミルジョエフ大統領が誕生し、カザフ側は両国の地理的近接性、経済的補完性、文化・歴史の繋がりなどをより意識するようになった模様である。

 また、中央アジアでは、孤立主義的なトルクメニスタンもある程度含め、域内貿易はお互いにとって利益であるという認識が広がっている。ロシアの抱える経済的問題を考えれば、なおさらである。カザフ・ウズベク関係が強化されるにつれ、中央アジア全体の域内協力が動き出し、2018年には中央アジア域内貿易が前年比35%増加した。

 ただし、カザフもウズベクも、中央アジア・レベルでの統合、機構化の議論はないとしている。以前の試みはロシアによって横取りされ、中央アジア独自の調整機構はできなかったという教訓があるのだろう。

 カザフもウズベクも、健全な競争が、外国投資の獲得など、両国経済のためになるという認識である。ただし、カザフの民間専門家の中には、ウズベクの台頭を、カザフから投資を奪ってしまうものとして、潜在的な脅威と見なす向きもある。ウズベク側はすでに一回政権交代を経験したという意味で有利なのに対し、カザフにはナザルバエフが完全に姿を消したらどうなるか分からないというハンデがある。ウズベクの人口はカザフの1.3倍で、製造業も一定の発展を見ており、安全保障面においては地域のリーダーである。その代わり、ウズベクのGDPはカザフの3分の1であり、キャッチアップ過程にある。

 カザフの貿易全体に占める中央アジア諸国のシェアは5%以下であり、ロシア、中国、欧州などの取引とは比べ物にならない。したがって、カザフは今後も、中央アジア地域のリーダーというよりは、グローバルなプレーヤーとしての立ち位置を重視し続けるだろう。


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 上掲のとおり、世界主要国の鉄道貨物輸送量(トン・キロベース)の推移を見せる動画がYouTubeにあった。ロシアのほか、ウクライナ、カザフスタンも出てくるので、とても興味深い。ちなみに、日本は国土の特性上、鉄道による貨物輸送量は決して多くはないということらしく、まったく登場しない。

 1990年代は米国がトップで、ソ連崩壊後の混乱から脱していなかったロシアは3位だった。そこから近年盛り返し、米国・中国とデッドヒートを繰り広げたすえ、最新の2017年ではロシアが世界一になっている。しかし、先日「こんにちはシベリア鉄道」と題するコラムにも書いたとおり、ロシアの貨物輸送は石炭に偏重しており、石炭輸送が国策的に奨励されているからこそそれが不釣り合いに増大してきたというのが真相である。ロシア鉄道にとってはほとんど利益にならないし、もっと言えばグローバルな環境問題に及ぼす弊害も懸念される。ロシア経済が未来志向の発展を遂げつつあって、その結果として自然にロシア鉄道の貨物輸送量も増えているというのならいいのだが、現実はそれとは異なるのだ。


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2020

 12月2日にプーチン大統領が署名し、2020年のロシア連邦予算が成立した。ロシアの連邦予算は3ヵ年のスパンで採択されることになっており、今回の予算は2021~2022年の見通しも含んでいる。

 こちらのページに、成立した予算の主要パラメーターをまとめた図が出ているので、その一部を切り取って上に掲げてみた。

 予算の前提となる経済指標は、まずGDP成長率が、2020年1.7%、2021年3.1%、2022年3.2%となっている。石油価格、天然ガス価格は緩やかな低下を予想。ルーブルの対ドル・レートも、わずかに切り下がっていくことを想定している。インフレ率は引き続き4%を上限とする。

 2020年の連邦予算は、歳入20兆3,790億ルーブル、歳出19兆5,030億ルーブル、収支は8,760億ルーブルの黒字となっている。


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 こちらの記事によると、ロシアのトランスネフチ社と、ウクライナのウクルトランスナフタ社は12月3日、ウクライナ領を通じて石油をトランジット輸送する契約を10年間延長することで合意した。両社が既存の契約への追加契約に調印したものであり、これにより契約は2029年末まで有効となった。両社の協力関係の基本点は変わらないが、新たな合意にはこの地域における石油輸送サービスの変化を考慮した条項の修正も盛り込まれている。なお、2019年1~10月の実績で、ウクルトランスナフタは欧州およびウクライナの需要家のために1,261万tの石油を輸送しており、うちトランジットが1,064万tだった。

 焦点になっている天然ガスの話かと思ったら、石油だった。朗報なのではないだろうか。こうやって、両国の利益の一致するところから少しずつでも関係を広げていった方が、結局は両国の戦略的利益にも適うというのが、私の見解である。


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belaes

 こちらの記事が、稼働目前の「ベラルーシ原発」(同国初となる原発)をめぐる動きについて伝えている。私は1号機は年内に稼働すると理解していたのだが、この記事によると年明けの1月になるようだ。

 それで、ベラルーシ原発は対リトアニア国境から近いので、この間リトアニアがずっと安全上の懸念を表明していた。今回の記事によると、リトアニアとベラルーシの対立を仲裁するため、フィンランドが音頭を取って、フィンランド・ベラルーシ・リトアニアの環境専門家が集いベラルーシ原発の問題について話し合う会合を提案したものの、リトアニア当局はこの提案を蹴ったということである。リトアニアの主張によれば、この問題は、リトアニア・ベラルーシの二国間問題ではなく、したがって本件を両国間で話し合うことには意味がない。リトアニアとしてはより広範な枠組みで本件を検討することを主張する。本件はEU全体の問題なので、EUの関係当局がこの問題の解決に参加することを希望する。リトアニア側はこのような立場を示しているということである。


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0086

 GLOBE+に、「ベルリンの壁崩壊から30年(後編) 屈辱から四半世紀後にリベンジしたプーチン」を寄稿しました。前回の芳地隆之さんのインタビューに引き続き、後編をお届けします。

 前回の芳地さんのお話の中で、改めて考えさせられたのは、旧東欧諸国によって自由で民主的な社会主義が試みられながら、それがソ連の戦車でことごとく潰されてきたという歴史です。いわゆる制限主権論、ブレジネフ・ドクトリンと呼ばれる論理の発動に他なりません。後編では、その延長上で、プーチン現ロシア大統領が壁の崩壊時に東ドイツで働いていたことに着目し、それが作用したと考えられるこの30年の国際政治の逆説について語ってみました。


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