ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

 「ブランド・ファイナンス」という外資系のコンサルタント会社があり、そこが2019年版のロシア企業のブランド・ランキングというものを発表した。こちらのサイトからレポートをダウンロードすることができる。正直言うと、いわゆるブランドというよりは、企業イメージ、企業価値といった感じの尺度になっている気がする。ともあれ、ここではランキングの中から上位10社だけ抜粋して紹介する。ちょっと分かりにくいのだが、「Most Valuable Brands」の順位と、「Strongest Brands」の順位という2つが掲載されており、当ブログでは差し当たり前者を取り上げることにする。Most Valuable Brandsのベスト10は以下のとおりである。

  1. ズベルバンク
  2. ガスプロム
  3. ルクオイル
  4. ロスネフチ
  5. ロシア鉄道
  6. マグニト
  7. VTB
  8. タトネフチ
  9. MTS
  10. NOVATEK
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 ロシア・ネット通販会社協会の資料を眺めていたら、ロシアの商品小売市場に占めるネット通販の比率というデータが目に留まったので、これを取り上げてみる。これによると、2018年現在でロシアのネット通販比率は5.3%で、米国の14.3%、英国の19.5%、中国の23.9%に比べてだいぶ低いということのようである。なお、日本に関しては、こちらのサイトに情報があり、日本国内のネット通販市場規模は17兆9,845億円であり、ネット通販比率は6.2%とされている。


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geru

 既報のとおり、ジョージア情勢の緊迫化を受け、ロシアのプーチン大統領は6月21日付の大統領令で、7月8日からロシアのエアラインがジョージアに乗り入れることを禁止し、旅行会社にはジョージア旅行を取り扱わないよう勧告した。

 こちらの記事によれば、このほどジョージア観光庁のM.クヴリヴィシヴィリ長官が、ロシア人観光客減の影響について語った。それによると、ジョージアは本年末までに100万人のロシア人観光客を失い、20億ラリ(7.1億ドル)の損害を受ける見通しである。2018年には140万人のロシア人がジョージアを訪れ、20億ラリをもたらしていた。2019年の見通しは170万人、25億ラリだった。なお、2018年にはジョージアを訪れるロシア人の過半数は陸路だったが、2019年1~5月には80%が空路を利用していた。ジョージアとしては、我が国が安全な旅行先であるという情報の発信に全力を尽くしていきたいと、長官は述べた。


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vaz

 こちらの記事によると、ロシア最大の地場乗用車メーカーで、ルノー=日産アライアンス傘下のAvtoVAZでは、本日7月3日から生産を全面的に停止することになった。サマラ州トリヤッチ、ウドムルト共和国イジェフスクの両工場で生産が停止する。生産停止の原因は、ニジェゴロド州ニジニノヴゴロド市のサプライヤー「アフトコンポネント」からの部品供給が途絶したことである。AvtoVAZでは、ディーラーへの完成車納入には当面問題は生じない、早期の生産再開に向け全力を尽くすとしている。また、発生する損害に対しアフトコンポネント社に賠償を請求する可能性もあるという。


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 当方、ロシアW杯終了後、海外サッカーへの関心が従来以上に低下し、海外観るくらいだったら、まだ国内のJ2の方が興味がある。それで、今季序盤戦では、J2初挑戦のFC琉球の戦いに目を見張った。非常に良く組織された好チームであり、特に2列目、3列目からの飛び出しには特筆すべきものがあった。ただ、開幕からしばらくは上位をキープしていたものの、研究・対策されたのか、さすがに最近では順位を落としている。

 残念ながら、個人的にFC琉球の選手たちの顔と名前は一致しないのだが、こちらこちらの記事が伝えるところによると、左サイドバックの徳元悠平(23)選手に、ロシアのアルセナル・トゥーラ移籍の可能性が浮上しているそうである。なんでも、トゥーラは昨シーズン、サイドバックによるアシストがゼロだった(!)とのことであり、「Wyscout」という有名なグローバル選手データベースで検索した結果、昨年のJ3、今年のJ2でアシストしまくっている徳元選手に白羽の矢を立てたらしい。トゥーラは昨シーズン6位になって、7月25日以降に行われる予選を勝ち抜けばUEFAヨーロッパリーグに出場できるので、選択としては悪くないと思う。問題は沖縄育ちの徳元選手がロシアの寒さに順応できるかだろう(笑)。


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 密やかに続けているコウノトリの紋章シリーズ。正直言うと認識にないところだったが、西ウクライナのリヴィウ州にブスク(Буськ)という街があるそうで、その市章が上掲のようなデザインとなっている。


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 第10回スラブ・ユーラシア研究東アジア大会が、昨日6月29日と、本日30日の2日間、東京大学の本郷キャンパスで開催されている。上の動画は、開会式で松里公孝先生が挨拶をされている様子。

 私自身は、昨日29日のDifferentiation or Convergence? —Changes in Political Regimes in Post Soviet Countries in the Last Decadeというパネル(下の写真参照、写っているのは私ではないが)で、“Comparing Transport Strategies of Ukraine and Belarus as Transit Nations” と題する報告を行った。ウクライナとベラルーシはともにロシアとEU、東と西の狭間に位置し、その地理的条件を活かして東西を結ぶトランジット輸送を発達させる可能性を持っている。近年は、中国の一帯一路政策が始動したことで、より一層その可能性が広がっている。現実には、ベラルーシが一定の成功を収めているのに対し、ウクライナはロシアとの対立などでそのポテンシャルを活かせていない。この報告では、初歩的な統計の整理だけになってしまったが、そうした観点からウクライナとベラルーシの実情を比較した。

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 こちらの記事によると、このほどロシア・中国間で政府間協定が結ばれ、両国間の決済通貨を現状の米ドル主体から両国通貨のルーブルおよび人民元に移行することが合意されたということである。政府間協定は6月5日に結ばれ、ロシア側からはA.シルアノフ第一副首相・蔵相が、中国側からは中国人民銀行の易綱行長が署名を行った。今回の協定は、1年ほど前に合意されていた脱ドル化の方針に沿ったものである。本来は2018年11月にロシア対外経済銀行のI.シュヴァロフ総裁の訪中時に調印される予定だったが、延期されていた経緯がある。決済の権限を与えられるのは、ロシア側のVTB銀行と、中国側の工商銀行(?)である。実現のためには、両国双方のSWIFTに相当するシステムを接合する必要がある。


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 私がここ半年ほどロシアの政策でわりと集中的に情報を集めていた「ナショナルプロジェクト」というものがある。それで、これはフェイスブックページで情報が流れてきたので、出所を示すことが難しいのだが、このほどロシア国民のナショナルプロジェクト認知度に関する世論調査が行われたそうである。その結果、ナショナルプロジェクトと称するものが存在するということを聞いたことがある国民は、44%しかいなかった。さらに、それがどのようなものか理解しているのは、7%だけだった。

 それで、ナショナルプロジェクトごとの認知度は、以下のようになっている。何と、私の研究対象である「国際協業と輸出」がビリ、次に関心のある「基幹インフラ近代化・拡張総合計画」がブービーという結果になっている。こんなロシア人も誰も知らないような政策を研究する意味があるのかという気がしてきた。

  • 保健:26%
  • 教育:20%
  • 住宅と都市環境:16%
  • 人口:16%
  • 環境:14%
  • 文化:12%
  • 科学:11%
  • 中小企業支援:11%
  • 安全で質の高い道路:10%
  • デジタル経済:8%
  • 労働生産性・雇用支援:5%
  • 基幹インフラ近代化・拡張総合計画:4%
  • 国際協業と輸出:2%

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 ロシアなど5ヵ国から成る経済同盟の「ユーラシア経済連合」では、EUなどと同じように、一応「大臣」というものがいる。こちらに見るとおり、2016年2月から通商大臣を務めているのが、V.ニキシナという女性である(上の写真)。この人物はロシアの代表者であり、ロシア経済発展省で要職を歴任、ロシア第一副首相補佐官を経て現職に就いた。

 それで、こちらの記事によると、このほどニキシナ通商相が、ユーラシア経済連合は第三国に対して共同で制裁措置をとりうると発言した。それは基本的にユーラシア経済連合のいずれかの加盟国が第三国から制限措置を受けた場合の対抗措置だが、場合によっては予防的に制裁を発動することもあると、大臣は述べた。大臣によれば、第三国がユーラシアの加盟国の一部に対してでも制裁を適用すれば、否定的な影響は他の加盟国にも広がるので、対抗措置は連合全体で検討することが理に適っており、共同での制裁が必要だと判断されれば、まさに連合レベルで対抗措置が導入されうる。また、法秩序、生命と健康の保護、国防および安全保障目的であれば、連合が共同で予防的な措置をとりうる、という。

 以上がユーラシア経済連合のニキシナ通商相の発言要旨であった。言っていることはむしろ当然であり、ユーラシア経済連合が関税同盟である以上、ロシアが他の加盟国の意向を無視してEUやウクライナに単独で制裁を適用していることの方がおかしいのである。ただ、ニキシナ大臣の本音は、「他の加盟国もロシアの意向に沿ってロシアによる制裁措置に付き合ってほしい」ということだろう。逆に、たとえば第三国がキルギスやアルメニアのような小国に何らかの制限措置を適用した場合に、ロシア主導のユーラシア経済連合が、連合として対抗措置をとることはありうるだろうか? おそらく、そんなことはまずあるまい。


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 商工中金経済研究所から発行されている『商工ジャーナル』という月刊誌がある。このほど、その「観天望気」というコーナーで、年1回の連載を開始することになり、7月1日に発行される7月号にその第1回を寄稿した。

 第1回は、「経済制裁と貿易戦争の横行する世界」と題し、ここ数年の世界経済がすっかり制裁と貿易戦争によって撹乱されていることを憂う内容だった。そして、そんな世界の中で見られる例外的現象を紹介するという意味合いで、末尾をこんな風に結んでしまっていた。

 ジョージアは、2008年8月にロシアとの軍事衝突に直面した。ジョージアは国土の一部を実質的に喪失し、両国の外交関係は今もって断絶したままである。しかし、両国の経済関係は、2013年から正常化している。今や、両国首都間を多くの直行便が飛び、ロシア人観光客が急増して、ジョージアは世界で最も急成長している観光立国となっている。

 言わば、名を捨て実を取ったジョージア。案外その方が、安全保障上の問題の解決にも近道なのではないか。

 旧ソ連地域の情勢に関心をお持ちの方であれば、この記述がここ数日間で完全に陳腐化したことをご存知であろう。6月20日にジョージアの首都トビリシでキリスト教東方正教会の議員連盟会合が開催され、その際にロシアの議員が議長席に座りロシア語で発言してしまった。悪いことに、S.ガヴリロフというその議員は、2008年のジョージア・ロシア戦争で重要な役割を担った人物だった。これにジョージアの野党議員が反発しただけでなく、議会の外では市民の抗議デモが発生し、いつしかそれは反政府デモの意味合いを強めた。トビリシが騒乱状態となったことを理由に、ロシア当局は22日、ロシアからの航空機をジョージアに乗り入れることを7月8日から禁止すると発表。また、ロシア消費者庁は24日、ジョージア産ワインに品質上の問題を発見したとして、輸入規制を強化することを発表した。

 観光とワインは、ジョージアがロシアに経済的に依存している2本柱である。それを制限することは、実質的に経済制裁の発動に他ならない。私がコラムで書いたことは、吹き飛んでしまった。

 文章を書くことは恥をかくことであり、増してや国際情勢を対象としていれば、書いたものがすぐ古くなってしまうということは、よくある。しかし、『商工ジャーナル』の「観天望気」は、大所高所の議論を披露してほしいとの注文だったので、私なりに工夫を凝らし、ジョージアの話も括目すべき新潮流として取り上げたつもりだった。それが裏目に出て、連載1回目に、出た瞬間に古びている文章を書いてしまうとは。ここ何年か続いていたトレンドが、よりによって私のコラムが脱稿した直後に、ひっくり返ってしまうとは。ジョージア情勢の急変自体が個人的にショックだったが、自分自身の間の悪さが重なり、絶望的な気持ちになってしまう。


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 GLOBE+に、「『サザエさん』に並ぶ長寿番組も! チェブラーシカだけではないロシアアニメの世界」を寄稿しました。必ずしも得意分野ではありませんが、本年はソ連/ロシアアニメにとって重要な年の1969年から50年目の節目の年ということらしく、情報を集めて書いてみました。よかったらご笑覧ください。


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 昨年の8月に、「今度は鉄道路線を廃止? どこまで続くウクライナ・ロシアの泥仕合」というコラムを発表した。そのあと、実際に両国間の鉄道路線がどうなったのかということがずっと気になっていたのだが、調べられずにいた。今般、鉄道だけでなく、航空、海運、バスも含め、両国間の交通路線がどうなっているのかについてまとめたこちらの記事を見付けたので、メモがてら書き留めておく。

 結論から言えば、ロシア・ウクライナ間の鉄道旅客輸送は、いまだに停止はされていないということである。ロシア鉄道の側は乗客の減少を理由に2014年12月にウクライナ領への乗り入れを停止したものの、ウクライナ鉄道およびモルドバ鉄道が引き続きウクライナ・ロシア間の列車を運行しているということだ。ウクライナ・インフラ省は再三にわたりロシア乗り入れ停止を唱えているものの、ロシア路線に収益を依存するウクライナ鉄道がそれに同意していないという構図らしい。また、ロシア・ウクライナ間の鉄道貨物輸送も保持されており、これは主としてウクライナ側がロシア産の石炭を輸入する必要によるものとのことである。ただし、両国とも相手国の主要鉄道輸送会社に制裁を課しており、それらの会社による自国向け輸送を禁止した状態にある。


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 ひっそりと続けているコウノトリの紋章シリーズ。ウクライナのキエフ州にレレチー村(Лелечий Хутір)という別荘地のようなところがあるらしく、そこの紋章が上掲のようなデザインとなっている。コウノトリの紋章を色々と見てきたが、このようにつがいに、雛までいるという構図は珍しい。


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 昨日の話の続き。2019年1~4月のロシアの貿易データを見ると、輸出入とも冴えない実績となっており、輸出は1,409億ドルで前年同期比わずか0.5%増にすぎなかった。

 その主原因と考えられるのが、最大の輸出品である石油の価格低下である。2019年1~4月の石油輸出は8,720万t(前年同期比1.6%増)、輸出額は394億ドル(0.6%減)であった。また、石油製品は(政策的に輸出を抑えている面もあるが)4,961万t(6.4%減)、232億ドル(8.2%減)であった。

 ただ、ロシア経済が石油価格の浮沈に左右されるのは今に始まったことではなく、だからこそ現在のプーチン政権は「非原料・非エネルギー商品」の輸出を拡大し輸出の多様化・高度化を遂げようとしていたはずである。

 では、その非原料・非エネルギー輸出はどうなっているのか? 結論から言えば、実は非原料・非エネルギー輸出も1~4月には減っているのである。ロシア輸出センターの発表によれば、1~4月の非原料・非エネルギー輸出は450億ドルで、前年同期から7.5億ドル、1.6%減少したということである。ちなみに、統計をざっと眺める限り、非原料・非エネルギー輸出のうち今年に入ってから穀物、鉄鋼などの輸出が不振となっているようである。

 まあ、経済のことなので、増える時もあれば、経る時もあるだろう。私が問題だと思うのは、ロシア政府が、非原料・非エネルギー輸出が増えた時には大騒ぎするのに、今年に入ってからその輸出が伸び悩むと、政府による情報発信がパタっと途絶えることである。増えた時は小躍りし、減った時には沈黙するというのでは、本物の取組とは言えまい。


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 ふと気になったので、今年に入ってからのロシアの貿易動向、特に貿易相手国のデータをチェックしてみた。現在のところロシア関税局から発表されているのは、2019年1~4月の数字が最新である。そこで、定期的に更新しているロシアの主要貿易相手国の表に、2019年1~4月のデータを加え、上に見るような表を作成してみた。

 なお、今年に入ってからロシアの貿易は完全に停滞しており、1~4月の輸出は前年同期比0.5%増、輸入は0.9%減という低調振りである。輸出の伸び悩みは石油価格が前年に比べ低いこと、輸入の不振はルーブル安と景気低迷が原因だろう。

 そうした中で、主要貿易相手国の顔触れには、それほど大きな変化は見られない。ただ、中国の首位は不動であるものの、伸びる一方だった同国のシェアは2019年に入りついに微減に転じた。1~4月に躍進したのが韓国であり、1~4月の時点では順位・シェアとも過去最高となっている。過去2年ほどロシアの貿易相手国としての地位を低下させていた日本は、1~4月の段階ではやや盛り返したようである。さて、2019年通年ではどんな結果になるか。


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 昨日6月20日、プーチン・ロシア大統領がテレビ番組に生出演し国民の質問や要望に直接答える毎年恒例のイベントがあった。このイベント自体が恒例化しているだけでなく、マスコミがその時間や質問数を集計することも恒例となっている。そこで、リア・ノーヴォスチに出たこちらの情報に依拠し、当ブログでも主な数字だけでもチェックしておくことにする。

 まず、上図のように、今年のホットラインの時間的な長さは、4時間8分だったということである。近年の数字としては、だいたい平均的なところだろう。

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 次に、質問の数は、上図のとおりとなっている。寄せられた質問がトータルで200万であり、プーチン大統領が今回実際に答えたのが81だったということである。質問総数が減少傾向を示したのは、プーチン政権への期待の低下と関係しているのだろうか。

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 最後に、質問の内容を分類したのが、上図である。もう10年以上、住宅および公営事業の問題が常にトップで、以下、市民の権利と自由の保護、国家・社会・政治、産業、保健・体育・観光、などと続いている。


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 目下当方、誰も興味のないような輸送部門の地味な研究に取り組んでいるところである。その一環として、ウクライナとベラルーシの鉄道貨物輸送の構造、趨勢を比較したこんなグラフを作成してみた。

 当方の目論見としては、「ウクライナとベラルーシは東西、ロシア・欧州の狭間に位置する国なので、鉄道輸送においても東西を結ぶトランジット輸送が重要な要素のはずである。しかし、ウクライナはロシアとの関係を悪化させ、その打撃で鉄道のトランジット輸送も低下しているのではないか。他方、ベラルーシは、以前からあったトランジット輸送に加え、近年脚光を浴びている中欧班列(中国と欧州を結ぶコンテナ貨物列車)の主たる輸送路になっているので、逆にトランジット輸送が増大しているのではないか」という事前の見立てがあった。

 実際に統計を集計してみると、グラフに見るように、ウクライナの鉄道トランジット輸送がここ数年で半分以下に落ちている事実は、確かに確認できた。それに対し、ベラルーシのトランジット輸送は、一貫して伸びているとはとても結論付けられず、これについては少々当てが外れた。

 これについての、私の解釈は次のようなものである。2018年にベラルーシ領を通過した中欧班列のコンテナは33.2万TEUだった。1TEU当たり10tくらいと考えると、332万tということになる。それに対し、ベラルーシの鉄道トランジット輸送は元々年間3,000万~5,000万tくらいあるので(重量×距離ベースの下図とは異なる)、中欧班列のコンテナが300万tくらいにまで拡大しても、数量的には、トランジット全体の1割くらいにしかならない。そもそも旧ソ連諸国の貨物輸送は、石炭、石油・石油製品、化学品、木材、金属、穀物といった重量のある商品が多く、コンテナが多少増えても、重量で見れば、全体に占める割合はわずかということになってしまうのだろう。

 ほとんど利益が出ていないはずの石炭輸送などと比べて、コンテナのトランジット輸送は高付加価値であり、収益という観点から言えば、ロシアやベラルーシの鉄道に多大な貢献をなしていると考えられる。しかし、ロシアやベラルーシは中欧班列のトランジット輸送による収入を発表していないようである。したがって、中欧班列の活況がトランジット国にどのような経済効果をもたらしているのかを定量的に把握するのは困難であるという結論になってしまった。

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 まったく恥ずかしい話だが、昨日になってようやく認識するに至った事実があったので、メモがてら書き記しておく。

 「中欧班列」と言えば、ユーラシア大陸を横断して、中国と欧州を鉄道のコンテナ列車で結ぶ新たな動脈として知られている。2011年から始まり、その貨物量は年々拡大している。主なトランジット国は、カザフスタン、ロシア、ベラルーシである。

 それで、遅れ馳せながら、このほど認識するに至ったのは、カザフスタン、ロシア、ベラルーシの国鉄は、そのトランジット輸送を行うために、「ユーラシア鉄道アライアンス」という合弁企業を設立しているという事実だった。ウェブサイトはこちら。3国の国鉄が3分の1ずつを対等出資しているが、本社はモスクワに置かれている。設立されたのは2017年12月12日だったようだが、それに先立っては前身となる「合同運輸ロジスティクス会社」という会社が存在したらしい。

 5ヵ国から成るユーラシア経済連合は、一歩前進二歩後退といった状況が続いているが、ある意味で鉄道輸送の分野では目覚ましい統合が進んでいるという見方もできそうだ。

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 TASSのこちらの記事が、ロシア・韓国が自由貿易協定(FTA)交渉を正式に開始するということを伝えている。両国の外相が6月17日に会談してその旨を確認しあったという。記事によれば、露韓のFTAは、2018年6月の両国首脳による共同声明で打ち出されたものということだ。

 しかし、この話はおかしいのではないか。そもそも、ロシアはユーラシア経済連合という関税同盟に加盟しているので、ロシア単独で第三国とFTA交渉をする権利はないのである。

 そこで、こちらのサイトで、くだんの2018年6月の両国首脳による共同声明を確認してみた。すると、ここで合意されていたのは、「両国はサービスと投資の自由取引に関する協定の交渉を可及的速やかに開始するために努力する」ということだと判明した。つまり、商品の自由貿易協定はここでは埒外のはずである。

 ロシア単独では制度的に不可能だが、ユーラシア経済連合と韓国がFTAを結ぶということは、理論上は考えられる。しかし、こちらの記事は、韓国側はそれを働きかけているものの、ユーラシア諸国は産業競争力の強い韓国とのFTAに後ろ向きだと伝えており、私もそのとおりだと思う。


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 ひっそりと続けているコウノトリの紋章シリーズ。モスクワ市の北の方に、コプテヴォという地区があるそうで、その紋章が上掲のようなものである。力点は最初のOにあり、よりロシア語らしく読めばコープチェヴォという感じ。


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 週刊ロシア経済(No.30、2019年6月16日)を配信しました。業務多忙につき、「週刊」と銘打ちながら、今回からしばらく隔週となります。


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 一般の方々にとっては面白くもなんともないネタだが、個人的に今日は一日ずっとこんなデータを集計していた。ウクライナのサービス輸出のうち、最大の項目は輸送サービスであるが、では具体的にどの国・地域に輸送サービスを提供しているかをまとめたものである。

 グラフに見るとおり、昔も今も、ウクライナの輸送サービス輸出の約半分は、ロシアを対象としたものである。そして、ロシア向け輸送サービス輸出の大部分は、パイプライン輸送であり、これは石油も少しだけあるはずだが、ほぼ全面的に天然ガスのパイプライントランジット輸送による収入と考えられる。

 2014年以降、ウクライナとロシアの国家間関係が険悪化してにもかかわらず、ウクライナのロシア向け輸送サービス輸出はそれなりに持ち堪えていたことが分かる。しかし、それはロシア・ガスプロム社がやむなく欧州向けガス輸出ルートとしてウクライナを活用してきたからである。輸送契約は本年で切れることになっており、ウクライナの年間30億ドル規模の収入が現在存亡の危機に立っているわけである。ロシア:その他というのは、具体的には鉄道、自動車、海運、空運などであり、これらはウクライナ・ロシア関係の悪化をダイレクトに反映して、激減している。

 「欧州」というのは、EU諸国を中心に、その他の西欧・東欧諸国も加えたものである(CIS諸国は除外)。2014年以降、ウクライナはEU統合を前面に掲げているにもかかわらず、欧州向けの輸送サービス輸出も減っている。これは、ウクライナの欧州向け輸送サービス輸出は、そのほとんどが、欧州の貨物をロシア向けにトランジット輸送することによって成り立っているからだろう。つまり、ウクライナがロシアと正常な関係を築けなければ、ロシア向けだけでなく、欧州向けの輸送サービス輸出も減る一方ということである。


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 こちらのニュースが、興味深い事実を伝えている。米国の地名評議会がこのほど、ウクライナの首都キエフの米国における正式な表記を、 "Kiev" から "Kyiv" へと変更したということである。つまり、従来のロシア語風の読み方の「キエフ」から、ウクライナ語風の読み方の「キーイウ」に変えたということだろう。

 日本でも、ウクライナ関係者の間では、ウクライナの地名・人名はウクライナ語風にカタカナに置き換えるべきだというコンセンサスがあるが、こと「キエフ」については日本でもある程度定着した読み方なのでそのままでいいのではないかという有力な意見があり、私が編集した『ウクライナを知るための65章』でもその方式で臨んだ。ただ、米国へ右へ倣えの日本国なので、今後日本での正式な呼び方も「キエフ」から「キーイウ」もしくは「キーウ」などへの変更が検討されるかもしれない。グルジアからジョージアに変更された時と同じように、もしもウクライナが国として日本に正式に要請してきたら、確実にそうなるだろう。まあ、私自身は、そうなった時は、それに倣うのみである。


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 リアノーヴォスチのこちらのサイトに、2025年までのロシア鉄道の発展計画をまとめた資料が出ていた。CGを使った、非常に凝った作りのサイトなのだが、ロシアのこういうウェブ素材にありがちなように、見てくれにこだわりすぎて、かえって内容を具体的に把握するのが難しい感じになっている。ユーザーが事実関係を理解するためだけなら、かえって普通にテキストに箇条書きでもしてくれた方が、有難い。まあ、これは産業レポートではなく、あくまでもメディアが作ったビジュアル資料なので、これはこれでアリなのかなという気もするが。比較的使えそうなものとしては、上掲のような、高速および超高速鉄道整備計画の路線図というものがあったので、それをピックアップしておく。


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 編集作業が終わったばかりの(文字通り、今終わった)『ロシアNIS調査月報』2019年7月号の中身を、どこよりも早くご紹介。今号では、小誌としては初めての試みとして、サービス貿易に焦点をあてた特集をお届けしております。もちろんこれまでも輸送や旅行といったサービスに関連した個別の記事はありましたが、サービス貿易という括りを前面に掲げた特集としては、これが初です。

 私自身は、特集の枠内では「ロシア・NIS諸国のサービス貿易を見る視点」、「ロシアのサービス輸出拡大目標」、「インバウンド観光促進を目指すロシア」を執筆、さながら一人特集のようになってしまいました。特集の枠外でも、「ウクライナのゼレンスキー劇場は第2幕へ」、「ロシア・サッカーの2018/19シーズン終了」、「キエフで堪能するクリミア・タタール料理」といったものを書いています。正直この号では楽をさせてもらおうかと思っていたのに、終わってみれば一人で50ページも書く羽目になり、なんでこんなことになったのか。6月20日発行予定。


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