ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 「ロシア最大のIT企業は、実は(最大手銀行の)ズベルバンク」などとは、ロシア関係者の間でしばしば語られることだが、それを地で行くようなニュースが伝えられた。こちらの記事によると、ズベルバンクのテクノロジー担当副社長のD.ラファロフスキーはこのほど開催された会合の席で、ロシア最強のスーパーコンピュータ「クリストファリ」を発表した。同行のAI関連のソリューションにあてるという。

 クリストファリは、ズベルバンクがNvidia社と共同で開発した。(個人的に専門用語が良く分からないが)処理能力の高い NVIDIA DGX-2にもとづき、Tesla V100を搭載しているということである。処理能力は6.7 PFLOPsに達した。これは世界では29位、欧州では7位となる。クリストファリのリゾースは、ズベルバンクのクラウドサービス「ズベルクラウド」のユーザーが、12月12日から利用可能になる。

 なお、クリストファリという名称は、旧ズベルカッサの最初の顧客であるニコライ・クリストファリ氏にちなんで名付けられた。


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 ブログのネタに困った時に使わせてもらう『論拠と事実』紙のウェブサイトに出ている図解資料。今回は、こちらのページに、1980年と2018年で、ロシア国民の主要食品の消費量がどう変わったかを示した図を取り上げてみる。

 全体としては、一般的なイメージ通りの変化が起きており、パン、ジャガイモ、乳製品、玉子などの消費量が減り、肉、魚、野菜、果物などの消費量が増えるという結果になっている。もっとも、時代も経済システムも所得水準も変わった割には、そんなに劇的な変化ではないという気もする。そうした中、一説にはソ連時代の肥満の原因との指摘もあったジャガイモの消費量が、年間117kgから59kgへとほぼ半減しており、これが一番劇的な変化かもしれない。それから、果物・ベリー類が35kgから74kgに増えたのも、大きな変化だろう。ちなみに、この図ではスイカやメロンは「ウリ類」として、果物ではなくむしろ野菜の仲間として扱われている。

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 当ブログでも何度か触れたかと思うが、ロシアの大陸部分とサハリン島を橋で結び、そこに鉄道を通すという、ロシアの野望がある。このプロジェクトは、今のインフラ総合計画にも盛り込まれているし、ロシア鉄道の投資計画にもリストアップされる方向である。

 イメージ図は上掲のようなもので、本土ハバロフスク地方のセレヒノ村にあるセリヒン駅から、将来的な橋を渡り、サハリン島のヌィシというところまで新規に鉄道を建設するというプランである。

 それで、こちらの記事によれば、サハリン州のV.リマレンコ知事は昨日、鉄道橋は2035年までに出来ることになると発言したということである。私の感覚では、ロシアで10年後、15年後にやりますというのは、実質やりませんと同じという感じがしてしまい、少なくともプーチン時代にはできないということになって、無期延期に近いニュアンスなのかもしれない。

 知事は、サハリンへの橋は2035年までに出来る、つまり作業はすでに始まっているということだ、現在は技術的・経済的な検討作業が行われている、総工費はすでに明らかになっており2,528億ルーブルだ、などと語った。

 ところで、この記事の中には、「大陸とサハリンの橋だけでなく、将来的にはサハリンと日本の北海道を結ぶ橋の建設も計画されている」などと、あたかも本件が可能性の高いプロジェクトであるかのような記述が見られる。日本は早いうちに、「絶対にやりません」と答えておいた方がいいと思う。


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 こちらに、日系企業のロシアにおけるビジネスに関係した話題が出ていたので、取り上げておく。医薬品業界のニュースである。

 ロシアのテレビを眺めていると、CMを流している業界にだいぶ偏りがあり、実は医薬品会社のCMが一番多いのではないかという気がする。その中でも、ドイツ系のStada社の宣伝が非常に目立つ。今回のニュースは、そのStada社がロシア圏における日系のタケダ社の一部の製品の権利を買い取ったというものである。

 専門用語に少々自信がないのだが、記事によれば、今回の取引は、ロシア圏における20の非処方箋医薬品の権利を、Stadaがタケダから6.6億ドルで買い取るというものであり、取引は2020年第1四半期に正式に成立する見通し。糖尿病、心血管疾患、呼吸器疾患用の薬などが含まれているという。


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 GLOBE+に、「こんにちはシベリア鉄道 世界最長路線を楽しむには何日間乗るのがベストか?」を寄稿しましたので、ご笑覧ください。

 日本では、ロシアの大動脈であるシベリア鉄道に、ロマンチックなイメージを抱いている人が多いようです。思うに、日本でシベリア鉄道が何やら情緒たっぷりの鉄道であるかのようにイメージされている一因に、「さらばシベリア鉄道」という歌があるのではないでしょうか。松本隆作詞・大瀧詠一作曲によるこの曲は、1980年に太田裕美が歌い、翌年、大瀧詠一によるセルフカバーも発表されました。念のため申し上げれば、今回のタイトル「こんにちはシベリア鉄道」は、「さらばシベリア鉄道」のパロディです。


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 少々古い7月の記事だが、目に留まったので書き留めておく。こちらによると、ベラルーシの首都ミンスクで、同市の東の郊外にあるミンスク国際空港まで伸びる鉄道を整備する計画が進行しているという。建設は2020~2021年にかけて実施される見通しとなっている。記事には書かれていないが、起点はミンスク中央駅だろう。そこから、ゴロジシチェというところまでは既存の線路を使い、そこから南に向かう支線を新たに建設して、空港に至るという青写真らしい。新たな支線の距離は18kmになるようだ。ミンスク国際空港は現在のところ自動車(バス、タクシー、自家用車)でしかアクセスできず、バスは乗客を乗せきれないことも時々あり、タクシーは値段をふっかけるので、不便となっている。

 ところで、この記事によれば、新たな支線の建設には、もう一つのポイントがありそうだ。ミンスク国際空港に隣接して、中国とベラルーシの合弁でグレートストーン工業団地が造成されている。ちょうど同じ2019年7月に、この工業団地に鉄道ターミナルを建設する方針が決まっていた。したがって、新たな支線には、乗客を空港まで運ぶという役割と、工業団地に貨物(および従業員)を運ぶという、2つの役割が課せられると考えられる。


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 こちらのページに、ロシア『フォーブス』誌によるロシアにおける外資系企業の売上高トップ50というランキング資料が出ている。これを見ると、日系のトヨタが2位、JTIが3位と、上位を占めている。トヨタは過去最高順位と思われ、最近になってロシアでのトヨタの販売が激増しているとは個人的に特に認識していなかったのだが、どういう背景があるのだろうか?

 日系では、このほか、19位に日産、22位に三菱自動車、39位にコマツが入っている。

 全体を眺めてみて、もう一つ気付くのは、これだけロシアと中国の関係が深まっていても、外資系企業ランキングの中に、ほとんど中国系が見当たらないことである。18位のファーウェイくらいだろうか。それだけ、中国企業にはまだ「ブランド」がないということなのかもしれない。


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 以前、「『欧州~中国西部』道路の通過ルート」というエントリーをお届けした。その時は、ロシアの南部を走る「子午線」という道路について主にお伝えしたが、実はそれと並行するように、もう一つの道路のプロジェクトがあり、もしかしたら東西を結ぶ主要路線としては、そちらがメインになるのかもしれない。モスクワ~カザン高速道路建設というのがそれであり、こちらに掲載されていた上の概略地図に見るように「子午線」よりも北のルートをとり、カザンから南下してオレンブルグに向かう。こちらに掲載されていたのはより詳細な地図であり、それを下に掲げる。

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 そして、今般こちらの記事が、モスクワ~カザンの高速道路建設予定について報じている。M.アキモフ副首相が記者会見で語ったところによると、この高速道路は2020年初頭から建設に着手し、2027年までに完成させる。モスクワからウラジーミルまでの145kmの新区画を建設し、それにはバラシハ、ノギンスクの迂回路も含まれる。一方、I.アラフィノフ運輸次官によれば、トリヤッチ迂回路を含む総工費は、7,300億ルーブルとなる。9月にYe.ディトリフ運輸相が述べたところによると、ロシア政府はウラジーミルまでのメイン区画と、カザンを迂回するカザン区画という2つの区画の建設を承認した。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「サハ共和国でいきなり仔馬ステーキ」です。

 先月のエッセイでも述べたとおり、今年度私はロシアの北方地域の経済動向を調査する事業を抱えており、9月の北西連邦管区の現地調査に続いて、10月には極東および東シベリアの調査に出かけてきました。極東・東シベリアで3都市訪問した中で、サハ共和国ヤクーツクについては、すでに「極寒とダイヤと馬文化のサハ共和国ヤクーツク」というコラムを書き、出張の目ぼしいこぼれ話は、もうそちらに出してしまいました。本エッセイでは、前出コラムともだぶりますが、サハ共和国の食事と馬文化に限定し、こぼれ話の続きを簡単にお伝えしております。


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 こちらのサイトに、ロシアの都市別の平均賃金ランキングという情報が掲載されている。対象となっているのは、連邦構成主体の中心都市と、その他の大都市で、計100都市。2019年1~6月の中大規模企業の平均月額賃金を比較している。表で、一番右に記されているのが平均賃金額(単位1,000ルーブル)、右から2番目に記されているのが平均賃金が当該地域の平均的な消費支出に対して占める比率(倍)であり、後者の順に順位付られている。

 上位の10地域は、モスクワ、ユジノサハリンスク、サレハルド、スルグト、ハンティマンシースク、マガダン、サンクトペテルブルグ、チュメニ、ニジネヴァルトフスク、ペトロパヴロフスクカムチャツキーとなった。メガロポリス、エネルギー産出地域の都市、そして生活コストの高い極東の諸都市が上位に来ている。

 逆に、ワースト10は、プスコフ、グロズヌィ、マハチカラ、ナリチク、イヴァノヴォ、セヴァストポリ、マイコプ、エリスタ、チェルケッスク、そして最下位がシャフティである。北カフカスの民族共和国および南部の都市、ヨーロッパ・ロシアの産業力の弱い地域の都市が目立つ。100位のシャフティは南部ロストフ州の炭坑街。

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 2019年のバカンスシーズンも終わったところだが、こちらの記事によると、今年初めから現時点までにクリミアを訪れた観光・保養客は687万人に達し、これは前年同期を10%上回っているという。なお、2018年には通年で680万人で、ソ連崩壊後の最高記録だった。

 ロシアの地域別では、モスクワ市、モスクワ州、サンクトペテルブルグ市、沿ヴォルガ管区、ウラル管区の市民が、数多くクリミアを訪れている。最も客数が多い航空便はモスクワ~シンフェロポリである。

 外国人では、ウクライナ人が一番多く、本年103.5万人がクリミアで休暇を過ごしている。以下、ベラルーシ人、カザフ人、ドイツ人と続く(ドイツではクリミアへの渡航禁止とかないのだろうか?)。

 年末年始の休暇をクリミアで過ごすのも人気であり、現時点で宿泊施設はすでに70%予約で埋まっているという。


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 GLOBE+に、「ロシアに上陸した日本のファストファッションとファストフード」を寄稿しましたので、ご笑覧ください。

 2010年に首都モスクワの高級ショッピングセンター「アトリウム」にロシア一号店をオープンさせたユニクロは、その後順調に店舗を拡大し、現在では37店に達しています。モスクワ20店、サンクトペテルブルグ8店、その他の地方が9店という内訳です。

 一方、令和の時代に入って、日本企業による新たなロシア進出のニュースが飛び込んできました。㈱松屋フーズが、北海道総合商事㈱と組んで、ロシアにおける牛めし業態「松屋」の展開を行うと発表、本年6月にモスクワに一号店を開設したものです。今回のコラムでは、日本発のファストファッション・ファストフードがロシア市場で成功するために欠かせない条件を考察してみました。


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 こちらのページに見るとおり、先日フォーブス誌が、世界の優良な雇用主のランキングというものを発表した。これは、従業員にアンケートをとり、経営者が従業員にどれだけ慕われているかを調査したもののようである。

 全世界のトップになったのは、グーグルの親会社のアルファベット社で、3年連続となった。

 このランキングで、ロシア企業としては、ノリリスクニッケル社が36位と最良の地位を占めた。以下、モスクワ取引所が138位、ロスネフチが207位、合同航空機製造コーポレーションが311位、セヴェルスターリが380位、ルスギドロが437位になっている。


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 ロシアなど5ヵ国から成るユーラシア経済連合は、域内の経済統合の進捗は怪しい面もあるが、域外の第三国との経済連携ネットワークの構築では意外に成果を挙げている印象がある。

 こちらのサイトによれば、ユーラシア経済連合は10月25日の政府間協議会の席で、セルビアと自由貿易協定(FTA)を締結したということである。

 上掲サイトによれば、ユーラシア諸国のうち、ロシア・ベラルーシ・カザフスタンの3ヵ国は、セルビアと個別に自由貿易取決めを有していた。今回の新協定は、それらを一本化するとともに、キルギス、アルメニアもセルビアとのFTAの枠組みに参加でき、また法規制関係を刷新することに新味があるということである。

 ただ、セルビアは数年後のEU加盟を目指しているはずであり、そうなれば独自の通商政策は消滅するので、今回のユーラシア・セルビアのFTAは短命に終わるかもしれない。他方、今回のようにセルビアがユーラシアに接近する姿勢を見せることが、同国のEU加盟交渉上どう作用するかは、微妙な問題であろう。


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 先日、ロシア東シベリアのイルクーツクを現地調査で訪れた際に、バイカル湖の観光特区を視察してきました。動画は、アンガラ川を右手に見ながら車でバイカル湖に向かう様子、到着したバイカル湖のビーチの様子(さすがに10月なので泳いでいる人はいない)、市場の様子、バイカル湖博物館での固有種オームリおよびバイカルアザラシの水槽、小高い丘から眺めたバイカルの全景、そして飛行機の機窓から見たバイカル湖などをご紹介しています。

 イルクーツク市街からバイカル湖までは、一番近いところでも車で2時間ほどかかり、道は結構起伏が激しい上にあまり整備されておらず、冬に雪が積もったりしたら相当厳しいでしょう。バイカル湖観光は春から初秋くらいにかけての半年限定のビジネスということになりそうです(一応スキー場などもあるにはあるのですが)。バイカル沿岸は、かつてオリガルヒが建設したお城のような別荘がありながら、それらの主が利権抗争で殺害されたりして軒並み空き家になっていたりとか、中国資本が買い上げて違法にホテルを建てようとして許可が下りず放置された建設現場などがあったりとか、前イルクーツク州知事がホテル利権に触手を伸ばしたりとか、だいぶ混沌とした雰囲気でした。


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 こちらのページに、ちょっと個人的に興味深い資料が出ていたので、チェックしておく。2018年のロシアの運輸・ロジスティクス企業の売上高ベスト10というものである。

 ただし、このランキングで対象となっているのは、基本的に自らはアセットを持たず、他の業者の運送手段(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける事業者である。1位はロシア鉄道の408.6億ルーブルとなっているが、これはあくまでもRZhDロジスチカをはじめとするフォワーダー子会社の売上高である(ロシア鉄道全体の売上高は1.8兆ルーブルくらいあるので、完全に桁違いである)。

 さて、なんでこの資料に注目したかというと、例の中国~西欧のコンテナ・トランジット輸送を手掛けるユーラシア鉄道アライアンスが、売上高227.7億ルーブルで、2位につけていたからである。ロシア/ユーラシアの運送業界では、それなりの存在に成長しつつあるということが言えそうだ(マニアックな話題ですまぬ)。


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 こちらに見るように、国際的に有力な調査機関のGfKはこのほど、欧州42ヵ国の国民の購買力を調査し、その結果概要を発表した。

 その結果、東西ヨーロッパ全体の1人当たり年間平均購買力は、14,739ユーロとなった。最も購買力が高いのはリヒテンシュタインの67,550ユーロで、以下スイス42,067ユーロ、ルクセンブルク35,096ユーロと続いている。上位グループは上掲の画像のとおりである。

 そして、ヨーロッパで最も購買力が低いのは、ウクライナの1,830ユーロだった。それに加え、モルドバ、コソボが、ワースト3だという。ただし、ウクライナの数字こそ出ているものの、残念ながら下位グループの具体的なデータはプレスリリースには掲載されておらず、重要国のロシアの数字もこれを見る限り未発表となっている。


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 次の『月報』で鉄道の特集をすることになり、ちょっと、鉄道づいているところなのである。その関連で、ロシアの鉄道車両生産動向に関する記事がこちらに出ていたので、骨子を整理しておく。

 記事によれば、ロシアにおける鉄道貨車の生産台数は、上のグラフのように推移している(単位は1,000台)。従来の最高記録は2012年の7万1,200台だったが、いったん落ち込んだ後、ここ数年回復基調にあり、2019年の予測値では7.2万~7.3万と見られ、過去最高を更新する可能性がある。金額ベースでは、付加価値税込みで、3,700億ルーブルに達すると見られる。ただし、車輪の不足により、マックスよりも1,500~2,000台ほど生産台数が押し下げられるかもしれない。2019年1~6月の生産台数は3.8万台であった。

 主なメーカー別の生産台数は、2018年上半期と2019年上半期の比較で、下図のようになっている。「合同鉄道車両会社」(OVK、主な生産拠点はレニングラード州チフヴィン)、ウラル鉄道車両工場(UVZ、生産拠点はスヴェルドロフスク州ニジニタギル)、アルタイワゴン(生産拠点はアルタイ地方ノヴォアルタイスク)が3大メーカーとなっているが、ここに来てモルドヴィア共和国を拠点とするRMレイル社が伸びている。

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 GLOBE+に、「極寒とダイヤと馬文化のサハ共和国ヤクーツク ロシアの街物語(10)」を寄稿しましたので、ご笑覧ください。

 先日、ロシアの極東地方に位置するサハ共和国の首都ヤクーツクを訪問してきました。「ロシアの街物語」のシリーズは、基本的に都市を対象にしているのですが、今回はヤクーツクの街だけでなく、サハ共和国全体について語ってみました。


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 ロシアは寒冷国なので、地球温暖化の勝ち組になるといったイメージもあり、本人たちも「北極海航路が利用可能になり我が国に有利に」などとうそぶいたりするが、もちろん現実にはダメージの方が巨大なはずである。こちらの記事が、永久凍土が溶け出すことによるロシアの損害について伝えている。ロシア連邦政府の極東・北極発展省のA.クルチコフ次官がそれについて語ったということである。

 クルチコフ次官によると、ロシアは今後、地球温暖化が自国の永久凍土地帯に及ぼすインパクトに、より大きな注意を払っていく予定である。永久凍土が溶け出すと、ロシアでは、建物、パイプラインといったインフラがダメージを受けるリスクにさらされる。問題は、北極圏では温暖化が世界の他の地域の2倍のスピードで進んでいることである。その損害は、年間500億~1,500億ルーブルに達する。損害の程度は年々大きくなっているので、問題は早急な対策を要する。その規模は非常に深刻で、パイプは爆発し、支柱は崩壊してしまうと、次官は述べた。

 その上で記事は、ロシアの石油生産の15%、天然ガス生産の80%は永久凍土地帯で行われているだけに、この問題は喫緊であり、ノリリスクニッケル社の事業なども同様だと指摘している。


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 昨日のブログに書いたとおり、今回、ヤクーツク、クラスノヤルスク、イルクーツクと現地調査をしてみて、(今日の行政区画とは別に)ブリヤートあたりまで含めた東シベリアの一体性ということを感じ、出張の最後の晩餐は、イルクーツク市内で見付けたブリヤート料理カフェで食べてみることにした。ガイドブックに載っているような立派な店ではなく、本当にたまたま目に留まった安いカフェである。

 ブリヤート人はモンゴル人に民族的に近いから、料理も共通するところが多いのではないかと思うのだが、たまたま私が選んだ料理は羊肉ではなく牛肉料理だった。上の写真の右側はスープであり、牛肉、水餃子、麺まで入っているという、なかなかボリューミーな品。そして、左側の料理は、牛肉・ホルモンのブリヤート風鉄板焼きという料理で(ジャガイモおよび玉ねぎも入っている)、かなりクセのある一皿だった。日本人は、羊などの草食動物の肉を「臭い」とおっしゃり敬遠する人が多いが、私は割と平気な方で、沖縄に行った時には山羊汁をおいしくいただいたほどである。ところが、牛肉・ホルモンのブリヤート風鉄板焼きは、不味くはないものの、味・臭いともにだいぶ強烈で、完食とは行かなかった。ビールと一緒ならもうちょっと行けたかもしれないが、ビールも白飯もなしでは限界があり、半分くらい残してしまった。

 東シベリア出張は本日までで、今日これから帰国します。


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 今回、ヤクーツク、クラスノヤルスク、イルクーツクという3つの都市で現地調査を行ってみて、「東シベリアの一体性は意外に強いのではないか」ということを感じた。もちろん、ヤクーツクのあるサハ共和国は、今日の行政枠組みでは極東ということになっているが、地理学的にはむしろ東シベリアに属すというのは、良く知られた話である。で、今回話をしたいブリヤート共和国も、昨年、シベリア連邦管区から極東連邦管区へと転籍となった。しかし、クラスノヤルスクやイルクーツクで、ブリヤートとの繋がりを感じさせる場面に出会った。

 クラスノヤルスクの街を歩いていたら、上の写真に見るように、ブリヤート食品店があったのである。私のようなロシア経済地理オタクにはどストライクのスポットであり、興奮を抑えきれず、入店してみた。

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 店内は上の写真のような感じだった。一時期のSuperflyを思わせるようなブリヤート女性の写真がまず良いではないか(これはあくまでも背景写真。働いている女性はブリヤートとは関係ないクラスノヤルスクの人だった)。ただ、全体を眺めた限り、すべてがブリヤート食品というわけではなく、ブリヤート比率はせいぜい3割といったところだった。

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 ブリヤートに限らず、シベリアの特産品として、熊、トナカイ、ヘラジカ、ビーバー(!)など、様々な動物の肉製品がある。このあたり、ジビエ料理とかもうちょっと開発したら、シベリア観光の目玉になりそうな気もするのだが、どうだろうか。全部、サラミソーセージ風に加工してしまうので、やや面白味が低下する。私は、店内の写真を撮らせてもらうために、アリバイ的に肉製品を1点購入したが、法律上、日本には持ち込めないはずであり、お土産にしたり、色々買って試せないのが残念である。

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 これは缶詰だが、ブリヤート製品には、それと分かるようなマークが付けられていた。


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 昨日概要だけ紹介した穆尭芊・徐一睿・岡本信広(編著)『「一帯一路」経済政策論 プラットフォームとしての実像を読み解く』(日本評論社、2019年)。我々ロシア地域の関係者は、やはり新井洋史氏による第6章「東北内陸 ―近くて遠い『借港出海』の進展は?」にとりわけ大きな関心を覚える。

「借港出海」とは、海への出口を持たない内陸国が、近隣国の港を利用して海への出口を確保し貿易を行うことを指す。この第6章で具体的に論じられているのは、中国東北部の吉林省および黒龍江省のケースであり、両省の場合は自国の大連港に出るよりもロシアや北朝鮮の港を借りた方が距離的に近いことから、これまでも様々な輸送ルートが検討・開拓されてきた。

 

 問題は、現在も続く両省による借港出海の模索が、今日の一帯一路政策とどのように関係していくかだろう。一帯一路は、一般的には、中国と欧州を結ぶものとイメージされることが多く、中国東北地方から東に向かう借港出海はそれにはマッチしないのではないかという疑問も湧く。しかし、実際には吉林省および黒龍江省は、以前からの借港出海の試みを、今日では一帯一路の名の下で推進するしたたかさを見せているということである。第6章の締めくくりでは、以下のように論じられており、なるほどと納得させられた。

 歴史的な出自が異なり、一見無関係に見える政策を、黒龍江省や吉林省はいとも簡単に「一帯一路」に結び付け、しかも停滞気味だった状況を打破する契機として活用している。政策主体の工夫次第で、いかなる政策であっても「飲み込む」ことができる「一帯一路」の懐の深さを示す好事例である。


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 このほど、ERINA北東アジア研究叢書の10作目として、穆尭芊・徐一睿・岡本信広(編著)『「一帯一路」経済政策論 プラットフォームとしての実像を読み解く』(日本評論社、2019年)が刊行された。目次を整理しておくと以下のとおり。

序 章 プラットフォームとしての「一帯一路」(徐一睿・穆尭芊)
第1章 地域開発政策-地域一体化への新展開とは?(穆尭芊)
第2章 地方財政-財政格差の再拡大をどう防ぐか?(町田俊彦)
第3章 インフラ整備-地域間の格差是正に寄与しているか?(徐一睿)
第4章 農村・農民-農村を発展させられるか?(岡本信広)
第5章 人流・物流-鉄道輸送の経済効果をどの程度変えるか?(南川高範)
第6章 東北内陸-近くて遠い「借港出海」の進展は?(新井洋史)
第7章 海上シルクロード-「海運強国」は実現可能か?(朱永浩)
終章  政策評価-「一帯一路」はプラットフォームになりえるのか?(岡本信広)
あとがき(穆尭芊)

 中国の一帯一路政策を扱った文献はあまた存在するが、本書はやや異色な部類に属すと思われる。というのも、同政策が国際関係論的な角度というよりも、中国の国内経済的な観点に主軸を置いて論じられているからである。もちろん、「異色」ではあっても、このアプローチが正鵠を射ていないというわけではなく、むしろこれまで同政策の研究で欠落していた部分を埋める貴重な作業ということになろう。

 個人的に特に注目した部分については、明日触れることとしたい。


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 ベラルーシのミンスク郊外に、ベラルーシと中国が共同で設立した「グレートストーン」という工業団地がある。こちらの記事によれば、このほど同工業団地で、ベ中合弁のエンジン工場「MAZ-Weichai」が開設された。出資したのは、中国山東省濰坊市を本拠とするWeichai Powerである。2014年から、ミンスク自動車工場(MAZ)においてユーロ4、ユーロ5の環境性能に適合したWeichai ブランドのエンジンが生産されてきたが、新たに専用工場を開設したものである。これにより、従来はロシアのヤロスラヴリから調達していたディーゼルエンジンを自前で賄うことが可能となった。投資総額2,000万ドルのうち1,400万ドルを中国側が出資した。同工場での国内調達比率は30%だが、ベラルーシ政府はそれを50%に高めることを課題に掲げている。協力の次の段階として、やはり同工業団地内にトランスミッション工場が建設され、その作業はすでに始まっている。

 さらに、こちらの記事によると、グレートストーン工業団地の入居企業は、すでに55社に上っている。工業団地のA.ヤロシェンコ総裁は、入居企業数は、本年中に60に達し、2020年末までには80に増大させたいとの抱負を示した。


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 GLOBE+に、「ロシアの玄関口、シェレメチェボ空港とスキー場の温泉旅館は似ている?」を寄稿しましたので、ぜひご笑覧ください。

 編集部の方でだいぶ奇抜なタイトルを考えてくれましたが、言わんとしていることは、シェレメチェボ空港が強引な増改築を繰り返している結果、迷路のように複雑なレイアウトになっているのではないかということです。上の図は私の苦心の作です(笑)。


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 本日10月14日まで、ロシア極東サハ共和国のヤクーツクに滞在し現地調査を行いました。昨日、食品市場を見学してきたので、その動画です。冒頭だけは屋外ですが、大半は「農民市場」という名でちゃんと整備された施設なので、割と小綺麗です。カメラを首からぶら下げて、歩き回っているだけなので、構図や画質が甘いのはご容赦を。

 今回、こちらに来て、食生活の面で良く分かったのは、馬肉、それも仔馬の肉がごく一般的に食べられているということ。仔馬の肉をロシア語で「ジェレビャチナ(Жеребятина)」と呼ぶというのは、今回初めて知りましたが、動画にもその肉が陳列されている様子が出てきます。仔馬の肉は、生後半年くらいが食べ頃のようで、おそらく春に生まれると思うので、ちょうど今頃が「旬」ということらしいです。


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Armenian_Railway

 恥ずかしながら、アルメニアの鉄道に関して、これまで個人的に認識していない点があった。安直ながら、ウィキペディアのこちらこちらのページによると、2008年からアルメニア鉄道はコンセッション契約により、ロシア鉄道に経営が委ねられているということである。2008年2月13日にエレヴァンにおいてロシア鉄道とアルメニア側とのコンセッション契約が期間30年で締結され(延長の可能性もあり)、ロシア鉄道が設立した100%現地法人の「南カフカス鉄道」がその経営に当たっているということだ。

 ただし、契約から十余年を経過し、このコンセッション契約は必ずしも上手く行っていないようである。南カフカス鉄道側が投資や納税の義務を怠っているとしてアルメニア側が不満を示せば、ロシア側も2019年9月になって運輸省が本来の契約期限前の撤退の可能性をほのめかすなど、隙間風が吹いている。

 他方、アルメニアは敵対的な国と隣接する内陸国であり、鉄道の国際路線が発達していないという問題がある。ソ連崩壊後、対立するトルコ、アゼルバイジャンとの鉄道路線は廃止された。現時点では、アルメニアの国際鉄道路線は、ジョージアのトビリシに伸びるものだけである。他方、以前は、トビリシからさらにアブハジア経由でロシアまで行けたものの、現在はジョージアとアブハジアの敵対関係により寸断されている。ロシア鉄道としては、子会社を作ってアルメニアにテコ入れしても、ロシア~アルメニア間は鉄道では繋がれていないということになっているわけである。

 そうした中、こちらの記事によれば、先日ロシア鉄道のベロジョーロフ社長とアルメニアのパシニャン首相が会談し、両者の協力拡大で合意、特に黒海をフェリーで運航することを検討することになったという。詳しいことは書かれていないが、要するに、エレヴァンからトビリシに向かった列車が、黒海沿岸の港(おそらくポチあたり)に進み、そこからフェリーで黒海を通り、ロシアのクラスノダル地方のいずれかの港に着いて、アルメニアからロシアまでの一貫輸送を実現しようということだと思う。

 さらに、こちらによれば、両者は南カフカス鉄道の業務を「正常化」する問題についても討議したという。「正常化」ということは、近年それだけただならぬ状況に陥っていたということなのだろう。


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modernizacii_bama

 こちらの記事が、ロシア鉄道が2020~2022年の投資プログラムを策定中であり、このほどその草案が明らかになったということを伝えている。ただし、私がロシア鉄道のHPで探してみたところ、現時点ではHPにその草案が掲載されたりはしていないようである。

 上掲記事によれば、ロシア鉄道は2020~2022年に2兆4,220億ルーブルの投資を実施する。うち、先に連邦政府が決定した「基幹インフラ拡張・近代化総合計画」の枠内で、13のプロジェクトを実施し、それに向けた投資は9,612億ルーブルとなる。

 なお、上掲記事にはないが、他の複数のメディアが伝えるところによると、大陸とサハリンを結ぶ橋も、3ヵ年投資プログラムに盛り込まれた由だ。(色んな意味で)楽しみである。


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 これはしばらく前の6月のニュースになるが、こちらが伝えていたとおり、ロシア連邦政府は、経済・社会発展が特に立ち遅れている10の地域を指定し、当該地域を特定の閣僚が担当するという体制を導入した。具体的には、上の地図に見るような地域と閣僚の対応関係になっている。

 それについての続報になるが、こちらのサイトが伝えるところによると、ロシア政府は10月10日に閣議を開き、問題となっている10の地域ごとに個別に発展プログラムを策定し、状況改善のための具体的な作業に着手するよう、閣僚らに指示したということである。


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