ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

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 しばらく前に、こちらなどで、ロシアにおける高速鉄道建設の動きについてお伝えした。ロシアでは高速鉄道はこれまでずっと掛け声倒れに終わっていただけに、今回もどうなのかとやや疑いの目で見ていたわけだが、その後の動きを見ると、どうもプーチンは本気らしい。少なくとも、パイロットプロジェクトとなるモスクワ~サンクトペテルブルグ路線に関しては、現任期中に是が非でも実現する決意なのだろう。

 こちらに見るとおり、プーチン大統領は4月5日、ペテルブルグ路線の建設に向けた一連の指示を、M.ミシュスチン首相に発した。

 中でも注目される措置として、建設プロジェクトに向け、2025年に3,000億ルーブル以上を国民福祉基金から拠出するよう命じた。これは供与ではなく貸し付けであり、年利1%の融資とされている。

 また、ロシア鉄道、ズベルバンク、沿線諸地域に対し、今年6月末までに、サンクトペテルブルグ路線の運賃を決定するよう命じている。


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 こちらのサイトに、2024年第1四半期(1~3月期)のロシア連邦財政執行状況が掲載されたので、上掲のとおり定番グラフを更新した。財政の動向は、引き続き堅調であり、大きな綻びは見られない。

 2024年1~3月の歳入は8兆7,190億ルーブルで、前年同期を53.5%上回っている。非石油・ガス歳入は、付加価値税などの税収が拡大しており、前年同期比43.2%増。石油・ガス歳入も、石油価格上昇などの影響で、前年同期比79.1%増を記録した。

 1~3月の歳出は9兆3,260億ルーブルで、前年同期比20.1%増だった。1~3月の財政収支は6,070億ルーブルの赤字で、赤字はGDPの0.3%であった。


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 以前、「甚だ不完全ながら発表された2023年のロシア貿易統計」というエントリーをお届けした。要するに、2023年のロシアの貿易動向については、ごく大掴みな概況しか発表されていないわけである。貿易パートナーに関しては、国別のデータはなく、大陸別の数字が発表されたのみであった。

 そうした中、国営ノーヴォスチ通信のこちらの記事が、ロシアの貿易相手国側の統計にもとづき、ロシアと各国との貿易額を列挙するという作業を試みている。国営通信社がそんなことをするくらいなら、税関または統計局が国別の貿易額くらい正式に発表したらどうかという気もするが、ともあれ興味深い試みではあるので、チェックしておくことにしよう。

 2023年のロシアの輸出入総額が7,101億ドルであったことは明らかになっている。これはロシア自身の正式な発表値だ。それに対し、今回の記事によれば、相手国側のミラーデータを整理すると、中国:2,401億ドル、インド:649億ドル、トルコ:565億ドル、ベラルーシ:550億ドル、カザフスタン:260億ドルというのがベスト5だったということである。上位5ヵ国だけで60%を占める。

 そんな具合に、主要国のミラーデーターを、ロシアの輸出入総額で割り、各国の順位とシェアを示したのが、私の作成した上表である。2022年まではロシアの公式統計、2023年はミラーデータという変則的なものだが、全体像はご理解いただけるのではないかと思う。

 従来、ロシアの貿易相手国として上位に来ることはなかったUAEが、一気に8位にランク入りしており、しかも同国のみ1~9月の数字なので、通年ではおそらく6位か7位くらいになるだろう。ロシアの石油迂回輸出ルートになっているものと見られる。


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 こちらの記事によると、このほどロシアのD.マントゥロフ副首相(産業・商業相を兼務)が、ロシアの石油・ガス産業で設備の国産比率が高まっている成果につき語ったということである。

 マントゥロフ副首相によると、ロシアの石油・ガス産業における設備の国産比率は、2014年の時点では43%にすぎなかった。それが、2023年には65%に高まった。さらに、2024年には70%の達成を見込んでいるという。

 2015年以来、石油・ガス設備メーカーへの国家支援策として、600億ルーブルが支出されてきた。機械メーカーはそれに応え、輸入代替のソリューションを160以上提供した。なお、2035年までの製造業発展戦略によれば、石油・ガス産業における設備の国産比率を2035年までに90%に高めることを目標に据えている。


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 こちらのページに見るように、昨日日本政府はロシアに対する追加制裁を発表した。この中に、欧米に同調して、ロシア産の非工業用ダイヤモンドの輸入を禁止するという措置が含まれている。この措置の実質的な効果について、こちらの記事でロシアの専門家が論評しているので、以下で抄訳しておく。

 投資会社ベクトルXのチーフ・ストラテジストであるM.フダロフは、日本への輸出はごくわずかなので、日本がロシアの非工業用ダイヤモンドの輸入を禁止したことに実質的な影響はないと指摘する。

 同氏によると、工業用以外の供給は、ロシアの輸出のわずか10%にすぎない。しかも、日本向けの輸出量はまったく取るに足らない。ロシアのダイヤモンドの主な輸出先はインドと中国である。

 ノーヴォスチの試算によると、ロシアは2023年に少なくとも20億ドル相当のダイヤモンドを世界市場に輸出したが、日本は全輸出量のわずか0.05%にすぎない。日本は昨年、ロシアから91万ドルのダイヤモンドを輸入した。他方、日本へのダイヤモンドの主な供給国は、インド(日本の輸入額の55%)、ベルギー(16%)、イスラエル(9%)である。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 前週には、ビートルズが1位から5位までを独占するという衝撃の出来事があったが、その牙城は割と早く崩れ、今週3位にはTerry Stafford - Suspicionが食い込んだ。エルヴィス・プレスリーが1962年に吹き込んだアルバム収録曲のカバーである。

その頃ソ連では
1964年1月24日:ソ連国家計画委員会付属石油精製・石油化学国家委員会の議長にV.フョードロフ氏就任。

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 ロシアの大陸側とサハリン島を橋で結ぶ構想が検討されていることについては、以前「日本が巻き込まれてはいけないロシアの『サハリン橋』を巡る迷走」というコラムで論じた。サハリン島はユーラシア大陸とは、狭い海峡によって隔てられている。その最狭部であるネベリスコイ海峡は、幅がわずか7.3kmしかない。ロシア人ならずとも、「どうにかして橋やトンネルで大陸と繋げられないか?」というのは、誰もが考えることだろう。

 私の認識では、しばらくこの話題は聞かなかったが、こちらの記事によると、4月3日にV.プーチン大統領がV.リマレンコ・サハリン州知事とビデオ会議を行い、その席で橋建設の問題が取り上げられたということである。

 記事によると、今回のビデオ会議で、大陸とサハリンを結ぶ橋を建設したら、費用はどのくらいかかるのかと、大統領が州知事に問い質した。これに対しリマレンコ知事は、「様々な数字が取り沙汰されたが、だいたい、橋自体が3,000億ルーブル、それに向かう連絡道路の建設が3,000億ルーブルと言われていた。橋はコンセッション方式で建設することが可能。連絡道路は利益を生み出さないので、それは地域開発施策ということになる。橋そのものよりも、連絡道路やインターチェンジの方が高くつく」と答えたということである。

 上掲地図はコメルサントが作ったもののようだが、赤の点線部分が連絡道路で、それが高くつくという話なのだろう。


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 遅くなりましたが、北大SRCの講演シリーズ「危機を生きるウクライナと世界」の一環として2月21日に服部が行った「経済から見たロシア・ウクライナの継戦能力」と題する講演を、このほどYouTubeにアップしましたので、ぜひご覧いただければ幸いです。

 なお、同じシリーズの講演動画も、以下のとおりご紹介しておきます。

YouTube用20240221服部

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 こちらの記事は、ウクライナの鉄鋼輸出を最も阻害している輸入制限措置は、米国によるものだという看過できない事実を指摘している。上図に見るとおり、各国の制限措置によるウクライナの年間鉄鋼輸出の喪失は、米国が80.5万t、エジプトが50.0万t、ロシア主導のユーラシア経済連合が32.5万t、その他が7.0万tだという。以下、記事の要旨を整理しておく。

 現時点で、ウクライナ産鉄鋼に対し、11ヵ国(または経済ブロック)が計33の輸入制限を科している。

 このうち、EUは、戦争で苦しむウクライナの苦境に配慮し、6の制限措置を一時的に停止しており、それにはセーフガード関税割当も含まれる。現在、海路での輸出が制約されている中で、地続きのEUによるこの措置は重要なものだった。

 一方、米国は、通商拡大法232条をウクライナに対し免除しているが、その特例は2024年半ばをもって切れる。しかも、米国によるウクライナ産鉄鋼に対する7のアンチダンピング措置は今でも有効である。これらの措置はウクライナ産鉄鋼のすべての商品グループをカバーしており、米国への完成鋼材の輸出はほぼ不可能となっている。

 その結果として生じているウクライナの輸出機会の喪失は、年間80.5万tに及ぶ。敵国ロシアが盟主となっているユーラシア経済連合の5措置による喪失すらも上回っている。

 米国の7の措置のうちの4は、2004年以前に導入されたものだ。当時ウクライナは2,800万tの鉄鋼を輸出していたわけで、2023年の330万tは比べ物にならないほど少なく、米国の措置は完全に時代遅れになっている。

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 こちらの記事によると、ロシアの輸出額(商品+サービス)の対GDP比は、2023年に23.3%に留まり、これは少なくとも対比可能な統計が得られる2011年以降では最低の数字だったということである(上図参照)。言い換えれば、2023年の3.6%という上々の経済成長率は、もっぱら内需の拡大によってもたらされたことが裏付けられたと言えよう。

 2023年の23.3%という比率は、2022年の27.7%から低下しただけでなく、2021~2022年平均の27.5%も下回った。

 輸出から輸入を引いた純輸出も、2022年は対GDP比15%、2011~2021年平均では20%を超えていたのに対し、2023年には4.3%に留まった。


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 私が注目し追っている統計に、ウクライナの個人送金(レミッタンス)受入額というものがある。このほどウクライナ中央銀行が2023年のデータを発表したので、上表を更新した。クリック・タップで拡大してご利用を。

 要するに、国内で良い働き口が乏しかったウクライナでは、多くの国民がEU圏などの外国に働きに出ており、そこから本国への仕送りが国民経済にとり重要な要素となってきたわけである。ウクライナにとり「影の基幹産業」だったと言っていい。

 ロシアのウクライナ侵攻は、当然レミッタンスにも小さからぬ影響を及ぼしているはずである。成人男性は基本的に出国を禁止されており、国外に避難している女性・子供・お年寄りでは現地の労働力ニーズにマッチするとは限らないからである。

 上表に見るとおり、個人送金の受入は、ここ数年はGDPの8%前後で推移していたが、2023年には5.3%に低下し、やはり若干下火になったことをうかがわせる。

 なお、隣国ポーランドをはじめとするEU諸国からの送金の比率が年々高まっており、2023年には69.6%に達した。


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 モルドバに「再生」という中道左派政党がある。議会の101議席中、4議席を占めるだけの小政党ではあるが、どうもロシアがテコ入れを図っている節がある。こちらの記事によると、このほどモスクワで開催されたCIS諸国国際経済フォーラムに、同党のA.ネステロフスキー議員が出席し、対ロシア制裁参加への反対や、モルドバの食品輸出にとってのロシア市場の重要性などを訴えたということである。以下、記事を抄訳しておく。

 ネステロフスキー議員は、次のように訴える。「モルドバは反ロシア制裁の約80%に参加したが、政府がこの決定で打撃を与えたのは、自国の生産者に他ならなかった。彼らは、商品の主な買い手であったロシア市場を失ったのだ。」

 モルドバの農家が使用する肥料の90%はロシアとベラルーシから輸入されている。「現在、モルドバの農家はEUから肥料を買わざるを得ない。制裁と政府の反ロシア政策のせいで、石油製品、ガス、電力の価格が高騰している。これは生産者やすべての国民を直撃している。親欧米派のモルドバ政府は、ロシアとの接触を避け、これらの問題に対処していない」と同議員は述べる。

 モルドバは主にリンゴをロシアに輸出しているが、プラム、ブドウ、チェリー、缶詰製品もロシアに輸出している。ここ数年、モルドバの農家は年間約20万tのリンゴをロシアに出荷している。他方、EUへのモルドバ産リンゴの供給は5万tの割当によって制限されており、欧州市場での品質要求はロシアよりも厳しい。今年、モルドバを支援するため、欧州議会はモルドバ産果実の割当量を倍増することを承認してはいるが。

 2022年以来、モルドバでは農業生産者による大規模な抗議行動が起きている。昨年、農業関係者は数百台のトラクターで政府庁舎に押しかけ、今年は国境や道路を何度も封鎖した。


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 昨日、『日本経済新聞』の「経済教室」欄に、私の「大統領選後のロシア 『大砲もバターも』路線、綱渡り」という解説が掲載されましたので、よかったら参照してみてください。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、ついにこの時が来てしまった。ビートルズがビルボードの1位から5位までを独占するという、伝説の週である。その事件自体は当然知っていたが、具体的にいつなのか、どの曲がくだんの5曲なのかは明確に把握しておらず、今年に入ってから、いつかいつかと、そわそわしていたわけである。それにしても、同一アーティストでありながら、その5曲が、キャピトル、トリー、スワン、ヴィージェイと、4つの異なるレーベルから出ていたというのも、今日からすると信じられない。さらに言えば、上位5曲以外にも、この週には31位、41位、46位、58位、65位、68位、79位にビートルズの曲がチャートインしていた。恐ろしや。言い忘れたが、今週の推し曲は1位のCan't Buy Me Loveで。

その頃ソ連では
1964年4月3日:ベラルーシ共和国のミンスク自動車工場の生産台数が累計20万台を達成。

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 石油関連施設がウクライナから攻撃を受けたことなどで、ロシア国内の石油製品の供給体制にまた不安が持ち上がっている。そうした中、同盟国のベラルーシには2箇所の製油所があり、ベラルーシがロシアにガソリン等の燃料を供給する動きに注目が集まっている。この問題に関し、ベラルーシ側の専門家であるA.ハリトンチク氏がこちらのインタビュー記事で見解を述べているので、以下その発言要旨を整理しておく。

 最近ベラルーシがロシアに供給したとされる3,000tのガソリンなど、まったく微々たるものだ。ロシアでは毎週75万~80万tのガソリンが生産されているのである。

 ベラルーシの製油所で生産された石油製品は、年間600万tがベラルーシ国内に供給され、900万tが輸出される。それから比べても、3,000tはとるに足らない量である。

 これから増える可能性もあると言うが、第1に、少なくとも現時点では、ロシア側が特に必要としていない。ロシアにおけるガソリンの生産減は、たとえば3月18~24日の1週間で、前週比7%減にすぎなかった。しかも、すべてがウクライナのドローン攻撃による減産ではない。季節的要因や、プラントの計画的な修繕もあるだろう。

 ロシアはガソリンの10%を輸出していたが、3月から輸出を停止しており、国内市場で10%の不足が生じても、輸出していた分を回せば、自ら補える。

 現在の問題はむしろ輸送にある。被害を受けたロシアの製油所は欧州部に位置しており(元々ロシアの製油所が欧州部に偏重)、そこでの生産が縮小したということは、別の地域から原料を運んでこなければならない。ところが、中国との貨物が増えた関係で、鉄道では輸送キャパシティや貨車の不足が生じている。

 それではこうした状況でロシアがベラルーシからガソリンの供給を受けるのが有利かというと、ここでもやはり輸送の問題がある。ベラルーシも(欧州との対立で)たとえばカリ肥料にしても鉄道で中国向けの供給を増やしており、ロシア向けにガソリンを供給するための貨車を調達できるかという問題がある。

 もう一つ、価格の問題がある。現在ベラルーシの石油製品はロシアの港を経由してUAEまで運ばれ、そこから第三国に向かう。このスキームは、ロシアに供給するよりも収益性が高い。

 いずれにしてもベラルーシがロシア市場を埋めるのは物理的に無理である。ロシアは年間4,500万tのガソリンを生産する。一方、ベラルーシの製油所は昨年、1,600万tの石油を精製し、1,500万tの石油製品を生産し、うち850万~900万tを輸出したと見られる。フル操業なら2,400万tを精製でき、国内消費分を除けば、1,500万~1,600万tの石油製品(ガソリンだけではない)の輸出余力がある。

 そのすべてをロシアに向けるためには、当然価格に合意する必要がある。しかし、それは理論上の可能性にすぎない。結局のところ、肝心なのは輸送だからだ。そして、輸送はロシアとベラルーシの双方にとって深刻な問題である。


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 専門外なので、モスクワでのテロ事件については特にフォローも情報発信もしていないが、こちらの記事が現場となったクロックスシティの経済損害額と保険処理の問題について伝えているので、簡単に整理しておく。なお、現場は、かつて自動車展示会が盛大に開催された見本市会場を併設しており、私なども足繁く通った場所なだけに、個人的にも心は穏やかでない。

 記事によると、クロックスで発生したテロ事件による火災の被害額は100億ルーブルを超える可能性があり、その調査や損害の清算には最長で2年かかるという。保険市場関係者がタス通信に語った。

 同氏によると、この種の損失の検証は長期間に及ぶと考えられる。というのも、燃焼生成物が建物の他の部分を損傷し、高温が隣室の金属構造物の強度特性を侵害する可能性があるため、損傷量の評価と構造的特徴の詳細な評価が必要だからである。

 これは決して、保険会社が意図的に手続きを長引かせるということではない。保険会社は、瓦礫の撤去、隣接する建物の構造強度検査、建物再建の見積もり作成、焼失した建物と他の建物の冬期間の断熱費用、その他多くの支出項目などのために、前払金を支払う可能性もある(それらが保険契約に含まれていればの話だが)。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「あれから20年:そろそろ単著を書かないとヤバい」です。よかったらご笑覧ください。


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 我が国としては珍しく(日本以外でも似たようなものだが)、モルドバをテーマとした本が昨年暮れに出た。このほどそれを読んでみたので、紹介してみたい。片山芳宏『モルドバ大使からの報告 国際交流分野を志す若者の皆さんへ』(ザメディアジョン、2023年、1,430円)である。

 著者の片山氏は、前駐モルドバ大使であり、大使としてのモルドバでの奮闘が本書で綴られている。特徴的なのは、全ページカラー印刷になっていることであり、美しい写真が数多く掲載されている。

 その一方で、本書ではモルドバそのものについての情報や分析は、必ずしも至れり尽くせりというわけではなかった。モルドバを掘り下げて分析するというよりも、ご自身の半生を振り返ること、外交官としてのキャリア、大使館の業務、国際交流の醍醐味のようなことに主眼のある書である。その意味では、「国際交流分野を志す若者の皆さんへ」というサブタイトルが非常に示唆的であり、これから外交官や国際交流を目指すような学生さんなどにとっては、感化されるところが大だろう。

 モルドバに関し、本書で知った面白い点として、実は同国は世界屈指の競技ダンス強豪国なのだそうだ。偶然にも、片山大使は競技ダンスをライフワークとされているということで、モルドバでのダンス生活に関する記述はとても興味深いものだった。


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 ちょっと変なことに気が付いてしまったので、メモがてら記しておく。ロシアの各地域にはГИБДДというコード番号が割り振られており、基本的には自動車のナンバーで使用するためのものだが、他の用途に使われることもある。上掲の地図を参照。

 それで、ロシアが併合を宣言しているウクライナ南部・東部の4地域に、すでにそのコード番号が割り当てられたことが判明した。「ドネツク人民共和国」が80、「ルガンスク人民共和国」が81、ヘルソン州が84、ザポロジエ州が85となっている。

 それで、番号が飛んでいて変だなと思ったのだが、調べてみたところ、ロシアではプーチン体制下で「自治管区」が廃止された経緯があり、それによって生じた空き番号を、ウクライナから奪った4地域に割り振ったことが分かった。

 具体的に言うと、80はザバイカル地方に吸収されて消滅したアガ・ブリヤート自治管区、81はペルミ地方に吸収されて消滅したコミ・ペルミャク自治管区、84はクラスノヤルスク地方に吸収されて消滅したタイムィル自治管区、85はイルクーツク州に吸収されて消滅したウスチオルタ・ブリヤート自治管区の番号だった。自治管区番号のお古とは、雑な扱いという気がしないでもないが。


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 当ブログの2月26日の記事で、私はこんなことを述べた。

 ウクライナへの全面侵攻開始2周年と、ナヴァリヌイ死去が重なり、ここ2~3日でまた欧米日の対ロシア制裁がバタバタと追加発表された。色々ありすぎて、全容を把握できない。昨年後半くらいの時点で、「国際社会による対ロシア制裁措置をすべて合計すると、1万3,000件ほどになる」と、よく言われていた。しかし、ここ2~3日の追加措置で、1万5,000件くらいにまで増えたかもしれない。誰か数えてくれ。

 しかし、実際には、2月22日付でロシアRIAノーヴォスチ通信によるこちらの記事が出ており、そこでノーヴォスチが独自に集計した制裁の件数がバッチリ出ていたのだ。今般、ようやく記事の存在に気付いたので、遅れ馳せながらこれをチェックしてみる次第である。

 この時点で西側が導入していた対ロシア制裁は、1万5,628件であった。ただし、同時点ですでにEUの第13次制裁パッケージが内定しており、それを加えると1万5,821件になるということであった。

 ただ、ノーヴォスチの集計は、2022年2月のロシアによる全面軍事侵攻開始後に導入された制裁措置のみをカウントしたものである。規模は小さかったが、ロシアによるクリミア併合が起きた2014年から2022年2月にかけて導入された制裁もあるわけで、ノーヴォスチはそれは対象外にしていて、少々惜しい。

 その点、Castellum.Alというサイトによるこちらのページの方が、2014-2022.2の制裁措置も集計に加えており、より網羅的と思われる。これによれば、全面侵攻前の対ロ制裁が2,695件、全面侵攻後の対ロ制裁が1万6,587件であり、2月12日現在、計1万9,282件となっている。国別の内訳を示したのが下図だが、なぜかEU加盟国であるフランスが単独の国として名前が挙がっている。

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 こちらの記事が、ロシアの東シベリア/極東において、中国向けのガスパイプライン「シベリアの力」と、極東のサハリン~ハバロフスク~ウラジオストク・ガスパイプラインを接続する工事が始まったということを伝えているので、以下要旨を整理しておく。なお、上掲地図は、こちらの記事に出ていたものが分かりやすかったので、そこから拝借した。要するに、地図で点線になっているアムールGPPとハバロフスクとの間を接続するという話である。

 ガスプロムの発表によると、同社はこのほど、「シベリアの力」と、サハリン~ハバロフスク~ウラジオストクの極東パイプラインを接続すべく、ベロゴルスク~ハバロフスク区間の建設に着手した。その距離は800kmに及ぶ。同社では、「東方ガス供給システム」という基幹パイプライン網の構築を目指しており、今回の工事はその第一歩となる。また、他の区画の設計作業にも着手した。

 東方ガス供給システムは、ロシア東部におけるガス輸送能力を総合的に発展させ、将来的にはロシア西部のガスインフラと接続することを目指している。それにより、国内の需要家への供給が安定・柔軟化し、またシベリア・極東諸地域のガス化に新たな可能性が開ける。

 2022年にプーチン大統領が、ロシア諸地域のガス化プログラムを拡大する必要性を唱え、またヨーロッパ・ロシア部のガスシステムをシベリアの力および極東パイプラインと接続する課題も提起していた。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 ついにビートルズが1位から4位までを独占。そんな中、ビートルズやストーンズのルーツになったアメリカ本家R&R、R&Bも、まだ粘ってはいた。今週11位の Tommy Tucker - Hi-Heel Sneakers も、そんな一曲ではないだろうか。シカゴの老舗黒人インディーレーベル「チェス」のサブレーベルであるチェッカーからの一曲。チェスレーベルの創始者はご存じベラルーシ・モトリ出身のユダヤ人、チェス兄弟。

その頃ソ連では
1964年:中央アジアでムバレク~タシケント~シムケント~ビシケク~アルマトィのガスパイプライン建設始まる。

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 ロシアTASS通信のこちらの記事は、ワシントンポストの報道を引用する形で、欧米企業がロシア産チタンの輸入をなかなか断ち切れていない現実を伝えている。元記事はおそらく有料で読めないので、以下TASS記事の要旨を整理しておく。

 WPが、2022年2月以降、反ロシア制裁にもかかわらず、欧米企業がロシアで数億ドルのチタンを買い付けていることを伝えている。2022年から2023年にかけて、ロシアのVSMPO-AVISMA社はEUと米国の制裁対象とはなっていなかったため、同社は2年連続で年間3億ドル以上のチタンを西側諸国に輸出した。その大半は、英国、ドイツ、フランス、米国などのウクライナ支援国に輸出された。これらの購入は、モスクワとの経済関係を断ち切るという約束にもかかわらず、西側諸国が特定の商品をロシアに依存していることを物語っているとWPは論じている。

 米国の専門家によれば、ロシアからのチタンの供給が途切れると、軍事および民間航空機産業を支える企業が、窮地に陥る可能性があるという。

 ただ、2023年9月25日、米商務省はVSMPO-AVISMAを含むロシア、中国、フィンランド、ドイツ、オマーン、パキスタン、UAEの28社に対して、輸出制限を課すことを決定している。

 VSMPO-AVISMAはロシア・チタン産業の独占企業であり、世界の航空産業用チタンの3分の1を生産している。2023年3月7日、米ボーイング社はロシア産チタンの購入を停止したと発表した。その1週間後、VSMPO-AVISMAとボーイングの合弁会社であるウラル・ボーイング・マニュファクチャリング社は、対ロシア制裁を受け、事業停止を発表した。


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 こちらのサイトに興味深い地図が出ていたので、上掲のとおり切り取らせていただいた。地図上の各国に示された数字は、ロシア国営のアエロフロート・グループが就航している都市数を示しているそうである。多い順に上位を整理すると、以下のとおりとなる。

  • ロシア:56都市
  • カザフスタン:7都市
  • 中国:7都市
  • トルコ:6都市
  • ウズベキスタン:6都市
  • エジプト:3都市

 地図上で「12」のように見えるのは、アゼルバイジャンが2、アルメニアが1というのが重なって見えてしまっているものだろう。キューバの2こそあるものの、米大陸は皆無に近い。というわけで、見事に「友好国地図」のようになっている。東西冷戦時代ですら、欧米日への就航はあったわけだが。

 さて、こちらの記事によると、このほど発表された夏季スケジュール(3月31日から10月26日まで)により、アエロフロート・グループの路線数が前年比で7%拡大するということである。アエロフロートによる元のリリースはこちら。これにより、路線は269となり、うち149が国内線、120が国際線である。

 記事によると、夏季スケジュールでは、モスクワからサンクトペテルブルグ、ソチ、アンタリヤ、チェリャビンスク、グロズヌィ、ニジニノヴゴロド、カリーニングラード、クラスノヤルスク、カザンへの便が増便される。ただ、記事を見る限り、新たな国への就航などはないようだ。


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 色々ピンチなので、ブログはあからさまな手抜きとなるが、手抜きの時によく使うのが、ロシアの様々なネットメディア、とりわけ『論拠と事実』紙のサイトに出る図解資料である。今回も、こちらのページに出ていた、ロシアにおけるアルコール消費量のグラフを拝借することにする。正確に言えば、アルコールの中でも度数の強いスピリッツの1人当たり年間消費量(リットル)が示されており、ワインやビールなどの軽いアルコールは含まれていないようだ。グラフの2023年までが実績値であり、2024年以降はロシア政府が制定した2030年までのアルコール消費縮小プログラムの目標値となっている。

 プーチン大統領も、先日の年次教書演説で、「飲酒に関しては、ロシアでは目に見えた、良好な成果がある。極端なことはしていないが、ロシアはアルコール消費を、とりわけスピリットの消費を、大幅に低下させた。これは当然のことながら、国民の健康に影響している」と述べていた経緯があった。

 ただ、上掲グラフを見ると、戦争のストレスゆえか、2023年にはアルコール消費量は増えているが。


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 私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2024年4月号のご案内。4月号は、「ロシア・中央アジアのエネルギーをめぐる攻防」と題する特集号となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで(と言いつつ、まだHPに当該号の情報が出ていないが…)。

 服部自身は、今回の役目は軽めで、「ロシアの経済活動分類表における軍需部門の扱い」、「輸出の苦境が目立った2023年のウクライナの貿易」という短い連載記事のみ書いております。なお、前者は、3月号で書いた「ロシアの軍需産業は覚醒したのか ―戦車と無人航空機を中心に」の補足。3月20日発行予定。


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 今回のロシア大統領選挙は、いつにも増して、市民がリーダーを自由に選択するノーマルな選挙からは程遠いものになった。それを象徴する一つの現象が、プーチン候補の選挙キャンペーン用の公式ウェブサイト「https://putin2024.ru」が一応あったのだが、それがあまりに無内容であったことだった。選挙期間中の動静、経歴、推薦人一覧、イメージクリップが掲載されているだけで、選挙公約に相当するものが一切見当たらない。なお、外国からのDOS攻撃を避けるためか、昨日3月17日には日本から閲覧できなかった(私はVPNで接続)。

 2012年の時も、「http://putin2012.ru」というサイトが開設され、もうちょっとマシだったような印象があるが、もうページは閉鎖されてしまったので、確かめる術はない。2018年の時はどうたったか、ちょっと記憶にない。


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 先日、ロシア統計局から2022年の地域総生産の統計が発表された。地域総生産とは、国内総生産(GDP)を地域別にブレイクダウンしたものに他ならないが、ロシアの各統計指標の中でも最も発表が遅いのが地域総生産であり、今頃になってようやく2022年の数字が発表されたというわけである。ともあれ、ロシアが戦争に突入した2022年の地域経済情勢を知る上で興味深いので、同年に経済成長率が高かった上位20地域を選んで、上掲のとおりグラフにしてみた。

 2022年に成長率の高かったところは、辺境系の地域が多い。中でも、シベリア・極東の少数民族地域、具体的にはブリヤート共和国、トゥヴァ共和国、サハ共和国などは、ウクライナに多数の兵士を送り込んでおり、その給金や戦没者の弔慰金などで家計が潤っているはずであり、焼け太り現象が生じたものと見られる。他方、北カフカスのカバルダ・バルカル共和国、チェチェン共和国、カラチャイ・チェルケス共和国、アディゲ共和国、イングーシ共和国などの成長率も高かったが、その理由は個人的に良く分からない。

 ネネツ自治管区がトップなのは、2022年に石油が15.1%増産しており、その効果によるものだろう。サハ共和国の成長には、中国向け輸出が好調なチャヤンダ・ガス田の開発も寄与しているはずである。

 軍需生産が寄与していると思われるのが、クルガン州、オムスク州、タタルスタン共和国、サラトフ州、イルクーツク州、トゥーラ州などである。

 クラスノダル地方、ヴォルゴグラード州などは、穀物の豊作によるところが大きいか。

 ちなみに、2022年に成長率が低かった地域としては、カルーガ州のマイナス11.5%、リペツク州のマイナス8.0%など、従来工業団地や経済特区で成功していたが、侵攻後に外資系工場の撤退に揺れたところが目立った。


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 先日来、当ブログではロシアの高速鉄道計画について何度か取り上げてきたけれど、こちらが車両生産の方針につき伝えている。D.マントゥロフ副首相(産業・商業相を兼務)が延べたところによると、シナラ・グループがメインの製造業者になるということである。より具体的には、上掲の写真に見るウラル機関車工場が生産現場になるらしい。同工場はエカテリンブルグ市の北の郊外に当たるヴェルフニャヤプィシマ市に所在し、シナラと独シーメンスが対等出資で設立した合弁だった。

 記事によると、マントゥロフ副首相は、高速鉄道車両のメインの製造企業となるのは、シナラ・グループが最もふさわしいと述べた。また、やはりこの業界の大手であるトランスマシホールディング社も、コンポーネントやシステムを供給する形で事業に参加する。プロジェクトへの投資額は350億ルーブルになり、シナラは資金の80%をクラスター投資プラットフォームの優遇メカニズムを利用して調達したい意向である。高速鉄道車両生産のため、ウラル機関車工場に2棟の建屋(総面積6万平米)が建設される。100以上のロシアのサプライヤーが納入を行う。

 記事は以上のように伝えているが、ロシアに高速鉄道の技術をもたらしていた独シーメンスは、2022年5月にロシアからの撤退を決めており、今後のロシアの高速鉄道車両の生産に暗雲が垂れ込めていることは、こちらの記事なども伝えていた。ロシアがシーメンス抜きで独力でできるのかというのが焦点となろう。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 チャートがビートルズによって席巻されていたこの頃、便乗ものというか、ビートルズを題材にした曲もチャートに登場するようになる。今週73位に初登場のCarefrees - We Love You Beatlesもそんな一曲。ただ、アメリカではなくイギリスのグループのようだ。ビートルズっぽいフレーズを曲のあちこちに配置しているのが楽しい。

その頃ソ連では
1964年3月21日:ソ連とイエメン・アラブ共和国が友好条約に調印。

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