ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

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 ロシアに様々なメディアが存在する中で、個人的に思い入れが深いのは、『エクスペルト』という実業系週刊誌である。今でも、電子版を利用してはいるが、多忙につきダウンロードしてざっと目を通すくらいが精一杯で、ちゃんと読むことはほとんどできていないかな。

 『エクスペルト』誌で楽しいのは、モスクワで出ている中央版に加えて、ウラル、北西、南という地域版も出版されていることである(さすがに週刊というわけには行かず、頻度はだいぶ落ちるが)。以前はシベリアもあったのだが、いつの間にかなくなってしまった。いずれにしても、ロシア経済の中でも経済地理を研究の柱の一つとする私にとっては、一番重宝するメディアだったわけである。

 さらに言うと、以前は『エクスペルト』のウクライナ版、カザフスタン版も発行されており、これらも私好みの情報源だった。しかし、ウクライナ版はたぶん2014年の政変を機に姿を消し、カザフスタン版も2021年頃に消滅してしまったようだ。

 さて、今般気付いたのだが、いつの間にか、「エクスペルトオンライン・シベリア・極東」というウェブメディアが誕生したようだ。本家のエクスペルト系列のはずである。エクスペルトの地域割り体制では、従来、日本にとって身近な極東がカバーされていないという泣き所があったが、シベリアとセットになり、ようやくエクスペルトの守備範囲に入った形である。

 「エクスペルトオンライン・シベリア・極東」は、もっぱらウェブメディアであり、紙の雑誌を出すことはないようである。ただ、オンラインのみとはいえ、こちらに見るNo.2のように、エクスペルトの雑誌フォーマットを思わせるようなパッケージでコンテンツを提供しており、長年『エクスペルト』誌に親しんできた私などは、いまや敵国とはいえ、ちょっと嬉しくなってしまう。今のところ記事は全部無料で公開されているようだ。当該号には「シベリア・極東400大企業」などという、いかにも私好みのコンテンツも掲載されている。以前の職場で、戦争さえなければ、喜んで会員企業の皆さんに紹介したところだったが。


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 ロシアの調査会社「アフトスタット」のこちらのページに、2023年1~9月のロシアにおける乗用車(新車)販売概況が出たので、軽くチェックしておく。1~9月の販売台数は71.7万台で、前年同期比51.1%増であった。

 ブランド別の販売状況は、上表のとおり。1位のLADAこそロシアの地場ブランドだが、2位から7位までの上位を中国勢が独占し、しかも軒並み前年同期比3倍以上の販売拡大に成功している。その後、8位に韓国系のKIA、9位に日系のトヨタと続くが、これらは当然並行輸入だろう。

 中国勢の中でも突出しているのがCHERY(奇瑞汽車)で、以前からその高級車ブランドEXEEDの存在は知られていたが、新たに登場したOMODA、JETOURもCHERYのサブブランドということである。

 下に見るのが、モデル別の販売動向。ここではLADAの一連のモデルが目立つ。ベラルーシ産のGEELY COOLRAYがベスト10に食い込んできたのは朗報(誰にとって?)。

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 各種世論調査によれば、ロシアにおいて「特別軍事作戦」への支持は、積極的・消極的を合わせると、7割以上はあることになっている。それは、政府から独立したレヴァダ・センターの調査結果でも然りだ。ところが、反政府的なモスクワタイムズを昨日眺めていたら、「10~15%程度。全ロ世論調査センター長がロシアにおける現実の戦争支持率を挙げる」という記事が目にとまったので、政府寄りのVTsIOMトップが本当にそんなことを言ったのだろうかと、驚いた。

 そこで、原典であるRBCのこちらのインタビュー記事を、確認してみた。案の定、モスクワタイムズの伝え方は、少々ミスリーディングかなという気がする。以下、V.フョードロフVTsIOM所長の発言の中から、当該箇所を抄訳しておく。

 Q.ロシアには、プリゴジンとストレルコフに代表されるいわゆる「戦争党」の支持者は、どのくらいいるのだろうか?

 A.そうした人々は、特別軍事作戦の前から存在していた。しかし、軍事作戦が勃発したことで、彼らは頭角を現し、自分たちは歴史の正しい側にいるのだと感じ、自分たちのナラティブを宣伝し始めた。一時的に、政権の公式見解と彼らの内なる信念が一致した。しかし、こうした人々はさらに多くのことを要求し、政権の戦略、政策、戦闘能力を厳しく批判し、化学反応を起こした。

 このような人たちは急増しただろうか? 増えはしたが、激増ではなく、国民の10~15%程度だ。

 結局のところ、大多数のロシア国民はキーウやオデーサを占領せよという立場ではない。戦い自体は彼らにとり快いものではない。自分たちが開戦を望んだかと言えば、そうではなかっただろう。しかし、このような状況になってしまった以上は、勝たなければならない。だからこそ、彼らはロシアを、軍隊を、プーチンを支持しているのだ。1年前も、今日も、支配的なのはこのような立場である。


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 このあいだアラスカに行った時、ある湾だったか川だったかで干満の差が大きいらしく、満潮を迎える際にまるで津波のように波が逆流している光景を見ることができた。それで思い出したのが、ロシア極東カムチャッカ半島の付け根にあるペンジナ湾では干満差がきわめて大きく、それを利用した潮汐発電の構想があるという話だった。

 アラスカの風景を見て、何となく極地に近い方が干満差が大きくなるのかななどとイメージしたのだが、どうもそういうわけではなく、色んな条件に左右されるようだ。干満差世界一と言われることが多いのは、カナダのファンディ湾ということだ。

 さて、改めて整理すると、ロシアのペンジナ湾は、大陸とカムチャッカ半島に挟まれた位置関係にあり、オホーツク海シェリホフ湾の最奥部を指す。奥行きは300km、平均の幅は65km、水深は最大で62m。干満の潮差は、平均で8m、最大で12.9mにも上り、これは太平洋沿岸できわめて高いレベルである。この潮差を利用して、出力87GWの潮汐発電所を建設するという構想がソ連時代からあり、実現すればロシアのみならず世界でも圧倒的に最大の潮汐発電所となるとされている。

 それで、愛読誌の『エクスペルト』最新号(10月2-8日号)を眺めていたら、まさにこのペンジナ潮力発電所と関連プロジェクトをめぐるインタビュー記事が出ていた。現在このプロジェクトはH2クリーンエナジーという会社が手掛けているそうで、同社のA.カプルン社長のインタビュー記事となっている。そこに出ていた地図を、上掲のとおり転載させていただいた。

 このプロジェクトがなかなか実現しないのは、第1に2億ドルにも上る建設費用の巨額さ。第2に、この潮汐力を最大限に活用すると110GWにも達するが、それだとロシア全体の定格出力の半分にも達してしまい、電力が余っているカムチャッカでは持て余してしまう問題がある。

 そこで、上掲地図に見るように、湾で発電を行った上で、送電線で電力をカムチャッカ半島付け根の反対側まで運び、チリチキ町に液体水素工場、アンモニア工場を建設して、それを輸出するという方向を、現在は打ち出しているらしい。


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 ロシアの鉄道政策に関する用語で、シベリア鉄道とバイカル~アムール(BAM)鉄道を総称してВосточный полигонと呼ぶようだ。ポリゴンの語感がいまいち掴めず、適当な訳語が思い浮かばないが。シベリア鉄道とBAM鉄道の概略図として、こちらのサイトに出ていたものが良かったので、上掲のとおり転載させていただいた。

 それで、BAM鉄道とシベリア鉄道を近代化し拡張するというのは、こちらのサイトに見るとおり、2018年策定のナショナルプロジェクトの一つ「基幹インフラ近代化・拡張総合計画」に盛り込まれていた経緯がある。

 ただ、ロシアがウクライナ侵攻を開始し、それまで主力市場だった欧州の市場が閉ざされると、ロシアは貨物を欧州から中国を中心としたアジアにシフトすることを余儀なくされ、シベリア鉄道およびBAM鉄道のキャパシティ不足により、そのミッションに支障を来たした。こちらのサイトによれば、2021年の時点でシベリア鉄道・BAM鉄道の年間輸送キャパシティは1億4,440万tに留まっている中で、需要は2億8,400万tもあり、実に1億4,000万tもキャパ不足になっているということである。

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 そうしたことから、本年7月に出たこちらの記事によると、ロシア鉄道としてはシベリア鉄道・BAM鉄道の近代化プログラムを修正し、キャパシティの拡大を急ぎたい構えである。最終的に、2032年までには2億5,500万tのキャパを達成したいとしている。ただ、その財源として、財政のリザーブである国民福祉基金の資金拠出を希望しているものの、実現するかはまだ不透明である。


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 ロシアの主力天然ガス産地であるヤマル半島から、従来の欧州向けではなく、中国向けに新たにパイプライン「シベリアの力2」を敷設するという構想がある。本件に関し、こちらのコラムで、ジョセフ・ウェブスターという有識者が論評しているので、以下要旨をまとめておく。

 10月にも実現すると見られているプーチン訪中の際に、シベリアの力2の合意が発表されるという観測がある。可能性は高くないと思われるが、否定はできない。

 シベリアの力2は、資金面、技術面、経済面の困難に直面している。長期的に見ると、中国の天然ガス需要は、特に風力や太陽光が豊富な北部において、自然エネルギーやヒートポンプによる厳しい圧力に直面するだろう。パイプラインが建設されれば、ロシアは座礁資産から抜け出せなくなるか、さらに不利な条件での契約再交渉を余儀なくされる可能性がある。根本的な問題は、将来の収入源が不透明であることだ。このパイプラインは中国北部の天然ガス需要を満たそうとするものだが、同地域では太陽光および風力のポテンシャルが大きい。

 中国では、特に北部では、天然ガス需要の大部分は暖房と工業用で、発電ではない。しかも、中国による自然エネルギーとヒートポンプの大規模な導入は、シベリアの力2が稼働する前に実現する可能性が高い。シベリアの力2の建設ルートはモンゴルを経由するため、スケジュール上のリスクが大きい。

 収益は不透明だが、そのコストは相当なものになるだろう。シベリアの力2は年間500億立米のキャパシティを想定し、2019年に稼働済みのシベリアの力1の380億立米よりも容量が大きく、全長も約1,400km長い。2は1よりも長大となるため、より多くの鋼材を要する。ロシアの労働力不足が続いているため、1に比べてコストが大幅に上昇する可能性が高い。

 2の資金調達は困難なものとなる。資金調達は、1においても交渉の大きなネックだった。当時、 ロシア側は中国側に資金を提供してもらいたかったが、最終的には中国側に屈し、大半の融資を自分たちで賄った。中国が以前よりもさらに大きな影響力を持つ今、中国が新プロジェクトに融資する道理はない。

 ロシア中央銀行は最近、金利を13%に引き上げた。パイプラインを建設するために、ロシアは高金利で莫大な債務を負わなければならない可能性が高い。大規模で多国籍の複雑なインフラプロジェクトを実行する上で、ガスプロムの能力は未知数だ。

 もっとも、最終的にはそんなことは問題ではないかもかもしれない。プーチンと習近平が、その商業的な欠点にもかかわらずパイプラインに同意する可能性はある。北京とモスクワが繰り返し示しているように、地政学はしばしば経済学に優先する


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「4年振りの海外、26年振りのアメリカ」です。よかったらご笑覧ください。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、まだチャート上昇途上ではあるが、今週16位に着けているのが、Roy Orbison - Mean Woman Bluesである。この曲を演ったのはロイ・オビソンが初めてというわけではなく、エルヴィスが世に出しジェリー・リー・ルイスも取り上げてはいた。まあ、ただ、ロイのバージョンは、別の曲と言っていいほど、雰囲気はだいぶ異なる。

その頃ソ連では
1963年10月5日:1963年10月8日:ソ連を踏襲し、白ロシア・ソビエト社会主義共和国も部分的核実験禁止条約を調印。

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 先日、「ルカシェンコが作り出した中東系移民・難民問題は今?」というエントリーをお届けした。そうしたところ、こちらの記事で、興味深い関連情報が伝えられていたので、これを取り上げておきたい。

 とくに、上掲のように、移民・難民の具体的な数をグラフにしたような資料は、個人的に今まで見たことなかった。これは、ベラルーシ・EU国境を突破しようとした移民・難民の週ごとの数を示しており、見づらいが、一番左が7月1~7日、一番右が9月18~24日である。一番下の紫がラトビア、真ん中の赤っぽいところがリトアニア、上の青っぽいところがポーランドを示している。関係がありそうな出来事も上部に示されている。こうやって見ると、不法移民は毎週1,000人前後に上っており(同じ人が何度もトライしたりするのだろうか?)、ちょっと沈静化したとは言えない気もしてきた。行き先がポーランドからラトビアにシフトしているのは、前回紹介したとおりだ。結局ラトビアは9月18日にウルバヌィ・シレネの国境通過ポイントを閉鎖したということである。

 今回の記事では、G.コルシュノフという有識者が、次のように指摘している。ベラルーシは移民危機を演出するに当たって、相手国ごとに対応を変えている。ルカシェンコ体制は、ポーランドおよびバルト諸国による共同戦線を、それほど強固なものと受け止めておらず、それぞれ個別の主体と捉えている。ポーランドの強硬姿勢は国内向けのものと見切り、同国とは慎重に和解の道を探っている。リトアニアとの関係はより複雑であり、現状は「中立化の努力」と言える。同国との関係では移民カードは使い果たし、かといって他のネタもない。ラトビアとの関係では、同国に期待するところもなければ、逆に懸念するところもないので、特に同国に働きかけようとはしていない。現在移民の矛先をラトビアに向けているのは、単に消去法的な選択である。コルシュノフは以上のように指摘した。


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 プーチン・ロシアは経済関係の大イベントを好む国なので、各大都市はそれぞれのイベントというのを持っている。ウラルの中心都市であるエカテリンブルグの場合には、「イノプロム」といって、製造業や技術革新をテーマに、展示会とフォーラムを折衷したようなイベントを、毎年夏に開催してきた。ロシア政府がかなり力を入れている行事なので、私の古巣の団体では安倍・プーチン時代にこれに参加したこともあった。

 さて、こちらのサイトに見るとおり、今年はカザフスタンのアスタナでも9月25~27日にイノプロムを開催したということである。一瞬、「国際的な制裁で、ロシアでは開催しにくくなり、代わりにカザフで開催したのか?」と思ったのだけど、今年はすでに7月に通常のイノプロムは開催済みであり、今回それに加えて初めてカザフでも開催されたということのようだ。

 こちらから拝借した下の写真のように、ロシア・カザフ・キルギスの首相が一堂に会して展示を視察したりしているのを見ていると、ソ連の紐帯もそれなりに残っているのだなということを感じる。

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 もったいぶって申し訳なかったが、ロシア政府が2024~2026年の連邦予算を編成するに当たって前提としている経済予測の完結編である。

 なお、前々回の表に示したとおり、ロシアの経済予測は、基礎シナリオと、より慎重な保守シナリオの2パターンから成っている。今回、上掲で見るのは、そのうちの基礎シナリオである。保守シナリオも別表で発表されているが、今回は割愛させていただく。

 さて、今回の経済予測で注目されるのは、次のような注記がされていることである。

 ** Показатели будут уточнены по мере выхода официальной статистической информации по Донецкой Народной Республике (ДНР), Луганской Народной Республике (ЛНР), Запорожской и Херсонской областям в соответствии с Федеральным планом статистических работ, утвержденным распоряжением Правительства Российской Федерации от 6 мая 2008 г. № 671-р

 つまり、ロシア連邦に併合したと称しているウクライナ東部・南部の4地域は、現在のところロシアの統計に算入されておらず、ゆえに今回見る数字も基本的に「新領土」抜きのものであるが、「新領土」の経済活動がロシアの統計に算入され始めるに応じて、今回の予測値も調整されていく、と説明されている。

 ちなみに、上表のとおり、名目GDPに関してだけは、すでに「新領土」を入れた場合と入れなかった場合の2パターンが示されている。ここから計算すると、「新領土」がロシア全体のGDPに占める比率は、2023年時点で1.2%、2026年時点では復興が進むという想定なのか占領が広がるという想定なのかは不明だが1.6%に拡大することになっている。


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 昨日は「ロシアの予算編成の根拠となる経済見通し(上)」というのをお届けしたが、肝心の予算案については、上手くまとまった情報源がなかったので、割愛した。そうしたところ、こちらのサイトに、2024~2026年の予算案を表に整理したものが出ていたので、経済見通しの前に、まずはそれを取り上げる。

 ご覧のとおり、2024年の歳入は35.0兆ルーブルで、これは(表にはないが)GDP比19.4%となる。うち、石油・ガス歳入が11.5兆ルーブル、非石油・ガス歳入が23.5兆ルーブルで、後者が前者の2倍強というのが来年の予算の特徴である。

 2024年の歳出は36.6兆ルーブルで、GDP比20.4%。歳出は「公開部分」と「非公開部分」に分けられており、個人的にこういうのは初めて見た。これは、機微な軍事関係を隠すためと思われ、実際に「非公開部分」が来年急増するといのが気になる。

 2024年の財政収支は1.6兆ルーブルの赤字で、GDP比は0.9%となっている。


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 こちらの記事に見るように、ロシア政府は9月22日、2024年の連邦予算案を承認した(ロシアの予算は基本的に3ヵ年をスパンとしており、2025年、2026年の見通しも含む)。

 それで、連邦予算を編成する際には、経済発展省が今後3年間の公式的な経済見通しを発表し、それにもとづいて予算を組むのが通例である。今回も、こちらのページでその経済見通しが発表されたのだが、例によって、同省のページは日本からはアクセスできないので、悪しからず。

 当方は、VPN経由でこのデータにアクセスしたので、それを整理し日本語にして、上掲のとおりお目にかける。ただ、経済見通しはいくつかの表に分かれており、今朝はちょっとバタバタしているので、すぐにすべてを処理できない。なので、取り合えず上表だけをお目にかけ、GDP等を含んだ他の表は、追って追加でご紹介することにする。


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 もう1年半ほど前のものだが、こちらの記事に掲載されている図解資料が興味深い。ロシアの主要港の貨物処理能力を比較したもので、主な貨物や行き先なども付記されている。たとえば、2022年に実際にどれだけの貨物が処理されたかという数字はありふれているのだが、今回のようにキャパシティを比較した資料はあまり見たことがないので、チェックしておくことにする。

 なお、『ロシア新聞』のサイトにはよくあることだが、上図は確かに上掲記事付属の図解資料なのだが、なぜかそのページを閲覧してもページ上には表示されないという、怪奇現象となっている。

 というわけで、ロシアの港を、年間貨物処理能力の多い順に並べると、ベスト10は以下のとおりとなる。ただし、完全に網羅的かどうかは定かでなく、たとえば新興のタマニ港やサベッタ港もすでに3,000万tくらいのキャパはあるはずだが、ここには登場しない。

  1. ノヴォロシースク港(2億890万t)
  2. ウスチルガ港(1億3,000万t)
  3. サンクトペテルブルグ港(1億1,000万t)
  4. プリモルスク港(8,959万t)
  5. ヴォストーチヌィ港(6,670万t)
  6. ヴァニノ港(5,000万t)
  7. トゥアプセ港(3,800万t)
  8. ナホトカ港(2,660万t)
  9. ムルマンスク港(2,460万t)
  10. アストラハン港(1,000万t)

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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、この週の27位がチャートのピークではあったが、Ruby & the Romantics - Hey There Lonely Boyは、隠れた人気曲ではないか。1969年にEddie Holman が Hey There Lonely Girl としてカバーしたバージョンはさらに大ヒットし、それを山下達郎がライブで取り上げることにもなる。

その頃ソ連では
1963年9月30日:アルジェリアの指導者ウアリ・ブーメディアンが訪ソ。9,000万ルーブルの融資を供与。

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 2年前に世間を騒がせた、中東系移民・難民がベラルーシの対EU国境に殺到した問題。その後、あれはどうなったのだろうか? こちらの記事の中でが、A.フリードマンという専門家が最新の動きを語っているので、同氏の発言要旨を以下整理しておく。なお、上図はこちらのサイトから拝借したもので、ベラルーシと近隣諸国の国境通過地点を示している。

 ルカシェンコの仕掛けた移民・難民問題は、当初の対リトアニア、ポーランド国境から、現在は対ラトビア国境に焦点が移っている。ベラルーシ・ラトビア間には2箇所の国境通過ポイントがあるが、ラトビアではそのうちの1箇所であるウルバヌィ・シレネ通過ポイントを閉鎖するという議論が持ち上がっている(上掲地図の21番)。

 現時点では、対ポーランド、リトアニア国境では情勢が安定しており、リトアニアでは対ベラルーシ国境を閉鎖する必要はないと示唆しているほどである。ルカシェンコ体制としては、こうした2国との関係を荒立てるよりは、移民たちをラトビアに向かわせ、ラトビアの出方、同国がポーランド・リトアニアとどこまで連帯しているかを見極めようとしている。

 他方で、現時点で一定数の移民たちがまだベラルーシに留まり、ルカシェンコ体制としてはこれをどうにかして片付けなければならない。そこで、これまでは主流ではなく、最も対応が弱いラトビアに向けているという面がある。

 その結果として、ラトビアが2つの国境通過ポイントのうち1つを閉鎖することになるかもしれないが、ベラルーシにとりその痛手は大したものではなく、それくらいで済めばむしろラッキーと言える。

 現在は、仮にルカシェンコ体制が移民・難民危機を再び演出しようとしても、移住希望者をリクルートする可能性が低下している。2021年には、たまたまクルド情勢がルカシェンコに味方した形だったが、現在はそのようなリクルート適地はない。

 ルカシェンコ体制は、再び大規模な移民・難民危機を起せば、EUから国境を閉鎖されたり、ロシアと同等の制裁を科せられたりといったリスクがあることを、よく分かっている。体制は、ロシアをめぐる危機に巻き込まれることを望んでいないように思える。


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 私の所属する北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターでは、10月16日から11月10日にかけて、公開講座「どうなる? どうする? 日露関係」を開催しますので、ご案内申し上げます。

 今回の公開講座では、ウクライナ戦争を経て、我が国にとりますます重大な課題となっている日露関係を、国際関係、外交、軍事、貿易、エネルギー、漁業、文化の各専門家が、それぞれの立場から読み解き、未来への指針を示すことを目指します。

 講義はすべてオンラインで配信し、参加費は無料ですが、事前のお申し込みが必要で、先着1,000名様までとなっておりますので、早目にお申込みください。

 より詳しいご案内とお申し込みは、こちらのサイトまでお願いします。プログラムは以下のとおりです。

  • 10月16日(月)「日露ビジネスは退くも残るも茨の道」(服部倫卓・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)
  • 10月20日(金)「重大な岐路に立たされる日露漁業外交」(濱田武士・北海学園大学地域経済学科教授)
  • 10月23日(月)「日露文化交流 ―アートを通じた国際理解と地域創生」(鴻野わか菜・早稲田大学教育学部教授)
  • 10月27日(金)「ロシアから見た極東の軍事的位置付け ―2030年代の極東ロシア軍を考える」(小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター専任講師) 
  • 10月30日(月)「日露関係の現在位置 ―安倍・プーチン交渉が残したもの」(駒木明義・朝日新聞論説委員)
  • 11月6日(月)「国際関係と地政治のなかの日露関係」(岩下明裕・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)
  • 11月10日(金)「日露エネルギー協力の再評価と見直し ―ウクライナ危機とカーボンニュートラルの試練」(原田大輔・エネルギー・金属鉱物資源機構調査部調査課長)

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 ロシアの漁業、加工産業につき、非常に気になる情報をキャッチしたので、お伝えしておく。

 ロシア漁業で、漁獲量が多いのがスケトウダラであり、従来は冷凍した未加工の状態で中国に輸出し、中国の工場で「フィレ」という三枚の状態におろされていたのだが、最近ロシアで船上および陸上の加工設備が整い、ロシア自身がフィレへの加工を行うようになっているということは、以前当ブログでもお伝えした。

 それで、こちらの記事が伝えるところによると、ロシアはフィレには飽き足らず、スケトウダラをさらに「すり身」にまで加工し始めているということである。すり身に加工すればもう、カニカマ、フィレオフィッシュなど、我々が良く知る白身魚加工製品まで、一歩手前である。記事によれば、2023年上半期にロシアはアジア市場へのすり身の輸出で米国を追い抜き、トップに立ったということだ。

 それだけなら、「まあせいぜい頑張ってね」という話なのだが、問題は、ロシアの魚加工度向上に寄与しているのが、どうも我が国に主権があるはずの北方領土であるらしいという点だ。

 こちらのサイトでは、ギドロストロイという大企業が、色丹島にある「クラボザヴォツク」という工場へ投資を行い、その結果、すり身の生産が軌道に乗ったということを伝えている(上掲写真がその模様)。しかもこの記事は、「何年か前に日本の技術を用いてすり身を生産しようとしたが、その試みは失敗した」などと、まるで日本の技術に問題があったかのような書き振りになっている。また、記事によれば、択捉島にも同様の工場が建設中であるという。

 他方、ロシア動植物検疫局のこちらのページには、ロシアの各水産加工工場がどんな生産に取り組んでいるかが記されている。これによれば、すり身を生産しているのは、くだんのクラボザヴォツク工場のほか、沿海地方プレオブラジェニエ町のプレオブラジェニエ・トロール船団、ハバロフスク地方ソヴィエツカヤガヴァニ市のヴォストークルィブプロム社となっている。


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 取り上げるのが少々遅くなったが、ロシア財務省の発表により8月のロシアの連邦財政執行状況が明らかになったので、恒例によりグラフを更新しお目にかける。上図はクリック・タップし拡大してご利用を。

 8月のロシア連邦財政では、非石油・ガス歳入を軸に歳入が堅調に推移する一方、歳出はそれほど膨らまなかったので、収支は単月で黒字となった。

 1~8月の累計では、歳入は16兆9,900億ルーブル(うち石油・ガス歳入が4兆8,360億ルーブル、非石油・ガス歳入が12兆1,550億ルーブル)、歳出が19兆3,510億ルーブル、収支は2兆3,610億ルーブルの赤字(対GDP比1.5%)であった。

 赤字には違いないが、本年の連邦予算は元々GDP比2.0%の赤字で編成されており、当初の計画よりも大きく乱れるような現象は、今のところ表面化していない。例の、「軍事費が当初の倍に膨らみ、歳出全体の3分の1を占めるに至っている」という話もあるわけだが、どうやって持ち堪えているのか、本当に不思議である。


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 こちらの記事によると、米国がロシアからの肥料輸入を拡大しているということである。もとより、肥料は欧米による対ロシア制裁の対象外で、むしろ米国などは食料安全保障の観点からロシアからの肥料輸入を積極的に認める姿勢を示しているわけだが、実際に輸入量が拡大しているということのようだ。

 記事によると、2023年1~7月の米国によるロシアからの肥料輸入は、過去最高の9億4,400万ドルに上った。前年同期は9億ドルだったので、5%の拡大となる。

 本年、ロシアは米国にとってカナダに次ぐ2位の肥料供給国となっている。カナダは1~7月に28億ドルを供給した。3位以下は、サウジアラビア4.8億ドル、イスラエル2.2億ドル、カタール2.1億ドルとなっている。


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 ロシアで多数開催されるなんとか経済フォーラムの類は、一応、大規模投資を促すためのものであるという建前であり(政治セレモニーやロスコングレスの利権のためじゃないよ、キリッ)、会議終了後にはその成果が数字で発表されるのが通例である。こちらの記事が、先日の東方経済フォーラムの成果について伝えているので、取り上げておく。

 これによると、今回の第8回東方経済フォーラムの枠内で、373件の投資契約が結ばれ、その総額は3兆8,180億ルーブルに上った。極東連邦管区大統領全権代表のYu.トルトネフが明らかにした。ただしトルトネフは、「3.8兆ルーブルの投資契約すべての実現を政府が保証するものではない」と述べ、実現する割合は70%程度であるとの見方を示した。なお、今回の会議参加者は、62ヵ国から、7,000人だった。

 前回の第7回東方経済フォーラムでは、290件、3兆2,700億ルーブルの投資契約が調印された。参加者は68ヵ国から約7,000人だった。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 いやはや、超名曲が来ましたね。今週1位は、Bobby Vinton - Blue Velvet以前もボビーのBlue On Blueを取り上げたけど、Blueシリーズというべきか、立て続けに青色の大ヒットを放った。なお、Blue Velvet自体は1950年代初頭から歌われているスタンダードで、トニー・ベネットが歌ったのが最初だったのかな。

その頃ソ連では
1963年9月7日:ロシア正教会の宗教作家、ニーコン(ヴォロビヨフ)が逝去。

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 例の、中国が日本産の海産物を輸入禁止した問題。こちらの記事が、中国向けの供給で、ロシアは日本の代わりにはなれないということを語っているので、以下要旨を整理しておく。

 2023年の現時点で、中国にとりロシアは最大の海産物輸入相手国であり、1~7月に61.7万tがロシアから輸入された。

 特に、ロシア産のスケトウダラのすり身は米国産よりも安く、消費者が割安な商品を求める現状において、ロシア産すり身への需要が高まっている。

 ただし、中国市場でロシアが日本にとって代わるのは、困難である。というのも、日本が中国に供給していた主力商品がホタテ貝であるのに対し、ロシアは主としてニシン、タラ、スケトウダラ、カニを供給しているという違いがあるからだ。

 ロシア連邦漁業庁では、「我が国は、自国の得意分野でないなら、他の国にとって代わろうということは目指さない。我が国の目標は、競争力があり、品質が良く、安全なロシアの商品を、高い付加価値で、供給量を増やすことである」と説明している。


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 多忙でブログのネタに窮したので、今日はお茶濁し系で。こちらのページに、現時点でロシアから直行便で行ける国という図解資料が出ていたので、それを拝見する。

 ロシアから直行便で行ける国の数は、38ヵ国だそうである。ただ、定期便だけでなくチャーター便も含むとされており、若干微妙な気がする。地図で赤の国がロシアの航空会社でのみ行ける国、青の国が外国の航空会社でのみ行ける国、緑が両方とも可能な国ということだ。


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 古巣のロシアNIS貿易会がまとめた日露貿易の統計を眺めていて、ちょっと気になったことがあった。日本はロシアに厳しい制裁を科しているはずなのに、今年に入って、4月以降、日本の対ロシア輸出が、前年同月の水準を上回って推移しているのである。まあ、その最大の原因は明らかであり、昨年2月の侵攻ショックを受け、昨年4月以降の日本の対露輸出はしばらくきわめて低い状態が続いたので、ある程度持ち直して以降は、ベース効果により、その水準を上回っても、不思議ではない。

 そして、今年に入って、4月から7月にかけて、日本の対露輸出がかなり堅調だったのには、もう一つの要因がありそうだ。上図に見るとおり、この間、中古車の輸出が拡大していたのである。元々好調だった上に、8月から中古車輸出にも制限がかかるという情報が流れ(実際8月9日から1900cc以上の車、EV、ハイブリッド車の輸出が禁止された)、駆け込み需要が続いたと見られる。7月に至っては、日本の対露輸出の実に71%が中古車だった。

 依然として1900cc未満のコンパクト中古車の輸出は可能ではあるが、8月以降は中古車輸出の数字も落ち込み、それに伴い日本の対露輸出額全体も押し下げられることになるのではないか。


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 9月10日から13日にかけて、恒例の「東方経済フォーラム」がロシア極東のウラジオストクで開催されているところである。こちらの記事によると、その席でM.オレーシキン大統領補佐官が、2024年にロシアは財政黒字になる可能性があると発言したということである。なお、オレーシキン氏は上掲写真の左から2番目の人物で、プーチンのお気に入りとして知られている。

 記事によると、オレーシキンは概要以下のように発言した。財政の歳入は、予想の上限で推移している。2023年の財政赤字は、GDPの2%か、それを下回ることになろう。これは本年の当初予算よりも良好である。特に好調なのは非石油・ガス歳入だ。政府は向こう3年間の財政均衡化のために努力を傾注しており、収支は当初の見通しよりも良くなっている。場合によっては、2024年に財政黒字になる可能性もある。オレーシキンは以上のように述べた。


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 こちらに見るとおり、8月のロシアのインフレ率(消費者物価)が発表されたので、恒例によりグラフを更新してお目にかける。

 8月の消費者物価は、前月比0.28%増、前年末比3.70%増、前年同月比5.15%増であった。夏はロシアではデフレの季節であり、8月の0.28%増という数字は、それを考えると若干高めと言えそうである。

 8月の物価で目立ったのは、食料品が前月比0.06%減、サービスが同0.32%減と下落した一方で、非食料商品が1.14%増と突出して上昇したことである。非食料商品は輸入依存度が高く、昨今のルーブル安の影響を受けたと見られる。また、国産で賄えるはずのガソリンが、別の理由で値上がりしていることも響いている。

 中期的な傾向を跡付けるため、開戦前の2021年12月からのトレンドを見たのが、下図となる。

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 こちらの記事が、ロシアが中国向けに欧州向けの約半値で天然ガスを輸出しようとしているということを伝えている。元ネタはブルームバーグだが、そちらは有料なので、コピー記事で我慢。

 記事によると、このほどM.ミシュスチン・ロシア首相が、2026年までの展望を示した際に、ロシアは2024年に中国向けのパイプライン・ガス輸出を、1,000立米当たり271.6ドルで行うことになると発言した。他方、欧州・トルコ向けは平均で481.7ドルなので、中国向けは約半分の水準ということになる。価格は2026年にかけて徐々に低下すると見られる。

 なお、本年2023年に関しては、中国向けは297.3ドル、欧州・トルコ向けは500.6ドルとなる見通しである。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、Beach Boys - Surfer Girlは、この週の7位がピークだったようだ。ビーチボーイズが来日コンサートをやった時に、ライブでも聴いたことがあるが、幕張の夏空に溶けていくような響きが心地よかった。

 なお、B面はLittle Deuce Coupeという、これまた大名曲。「AB面で世界最強の組み合わせを一枚挙げよ」と問われたら、このCapitol 5009を挙げる人はかなりいるのではないか。

その頃ソ連では
1963年9月19日:ソ連最高会議幹部会の決定により、カザフ共和国の400万ヘクタールの土地をウズベク共和国に割譲。

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 日本のJTIとかがロシアで商売を続けていることを、批判する方がいるけど、感情的すぎません? ロシア国民から健康を奪い、タバコ代金までむしりとるなんで、素晴らしいじゃないですか。もちろん、その結果として、ロシア財政に納税をするわけだけど、ロシアにタバコ需要がある以上、誰かが作って誰かが売るわけで、いずれにしたってタバコ税収は入る。それを外資が担った方が、ロシアにとっての経済的なマイナスは大きくなるわけで。

 とか何とか言っていたら、こちらに見るとおり、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)社はこのほど、ロシアおよびベラルーシにおけるビジネスを売却する契約を結んだ。2022年3月に撤退を発表していたが、ようやくそれにこぎ着けたことになる。なお、同社は2022年上半期にロシアで12億ドルの損失を計上していた。

 BATはロシアで、Kent、Rothmans、Vogue、Dunhill、Pall Mall、Lucky Strike、Ява золотая、そして電子タバコのGloを展開している。

 今回の売却はマネジメントバイアウトの形をとり、旧経営陣の結成したコンソーシアムが受け皿となる。コンソーシアムは今後、ITMS Groupと名乗ることになる。買収金額は明らかになっていない。今後BATはロシアおよびベラルーシでの事業にはかかわらない。


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