ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 しばらく前に手にしながら、読む余裕がなかった本。末廣昭・田島俊雄・丸川知雄(編)『中国・新興国ネクサス: 新たな世界経済循環』(2018年、東京大学出版会)を、このほど改めて紐解いてみた。

 個人的に「ネクサス」という言葉に馴染みがなく、どうしてもタブレット・スマホのブランドを想像してしまうのだが、関係性を意味する単語ということであり、つまりこの本は中国と新興国との経済関係のありようを分析した論集ということになる。

 紹介文には、「経済大国となった中国は、いまだ過小評価されている。いまや中国は周辺の途上国を巻き込み、中国と新興国という新たな世界経済の構造が姿を見せつつある。変わりゆく中国の立ち位置から、ASEANとの関係、各産業における輸入・輸出の新展開を論じる」とある。

 今回は、とりあえず目次だけ掲載しておく。

序章 世界経済の構造変化と中国・新興国ネクサス(丸川知雄)
第I部 変わりゆく中国の立ち位置
第1章 中国・新興国ネクサスと「一帯一路」構想(伊藤亜聖)
第2章 中国との貿易が新興国経済に与えるインパクト(丸川知雄)
第II部 中国とASEANの水平・垂直関係
第3章 東南アジアに南進する中国(末廣昭)
第4章 深化・分化する中国・ASEAN貿易(宮島良明・大泉啓一郎)
第III部 「世界の工場」中国がもたらす対外衝動
第5章 中国の食生活の向上と新興国への影響(李海訓)
第6章 中国の石炭輸入転換による国際市場秩序と新興国へのインパクト(堀井伸浩)
第7章 中国の鉄鋼超大国化と輸出競争力の源泉(丸川知雄)
第8章 中国セメント産業の発展と技術選択・産業組織(田島俊雄)
第9章 雑貨と携帯電話における新興国市場の開拓と専業市場(丁可・日置史郎)
終章 米中拮抗の時代へ(丸川知雄)


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 上の図に見るとおり、ロシアの石炭採掘は、現状では4億t強となっている。そして、こちらの記事によると、ロシア・エネルギー省では、これを2035年までに5.5億tないし6.7億tレベルにまで高めることを見込んでいる(おそらく前者が基礎シナリオ、後者が楽観シナリオということだろう)。現在、それに沿った石炭産業発展プログラムを起草しており、9月にもそれを政府に諮る予定である。エネルギー省では、増産分は、国内の住宅公営事業によって消費されるとしている。

 こちらによると、この報告を受けたプーチン大統領は、2018年の石炭の内需が1.8億t、外需が2.1億tだったことを指摘し、外需に依存しすぎることは市場乱高下に左右されるリスクがあると指摘した。同時に、ロシアはオーストラリアやインドネシアといった採炭国と比べると産地から港への距離が遠く輸送コストが高いことが問題だと指摘し、石炭の増産と並行して採炭地の輸送・社会インフラを同時に発展させなければならないと述べた。また、こちらによると、プーチンは採炭業が環境に悪影響を及ぼしてはならないと釘を刺した。

 ただし、私の印象では、最後の「環境への悪影響」は、地球温暖化というグローバルな問題というよりは、炭鉱の周辺環境のことを言っているような気がする。


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 こちらによると、国際的な格付け機関のムーディーズは、ロシア経済の成長見通しを下方修正した。2019年のGDP予想成長率は1.6%から1.2%へと引き下げられた。2020年の成長率は1.5%とされている。なお、インフレ率は、2019年4.6%、2020年4.0%とされている。

 ムーディーズによれば、今回の下方修正の主たる要因は、米中貿易戦争の深刻化である。ムーディーズは今回同じ理由で、ロシアだけでなく、中国、日本、韓国、インド、ドイツといった主要国の成長見通しを軒並み引き下げている。


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 やや古く本年4月の記事だが、ロシアのこちらの経済系サイトに、中国の主導する一帯一路の十大プロジェクトという情報が出ていた。記事によれば、中国の習近平国家主席が一帯一路政策を発表したから6年が経ち、それ以来、世界125か国および29国際機関がこの構想に参加し、その枠内で173の協力協定が結ばれた、とされている。

 それで、記事によれば、以下に見るものが、一帯一路の枠内での10大プロジェクトということである。ただし、各プロジェクトの予算規模などが記されているわけではないので、誰がどのような基準で選んだベスト10なのかは、不明である。また、以下に見る順番がプロジェクトの規模の大きさの順に並んでいるのかも、定かでない。

  1. インドネシアのジャカルタ~バンドン高速鉄道
  2. ナイジェリアのアブジャ~カドゥナ鉄道
  3. スリランカのコロンボ港
  4. ギリシャのピレウス港
  5. ブルネイのテンブロン橋
  6. バングラデシュのパドマ橋
  7. チリのプンタ・シエラ風力発電所
  8. ロシアのヤマルLNG
  9. ベラルーシのグレートストーン工業団地
  10. ジブチの国際自由貿易ゾーン

 ご覧のとおり、私の研究対象国のプロジェクトが2つ入っている。


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 2019年上半期(1~6月期)のロシアの貿易データが発表されたので、それを眺めているところである。今年に入って、ロシアの貿易では、油価の軟化による輸出減、内需低迷による輸入減が生じていたが、上半期の数字を見ると、それがますます鮮明になってきた印象である。

 ロシア中銀発表の国際収支統計によれば、上半期の商品輸出入合計額は3,194億ドルで、前年同期比3.6%減。うち、輸出は2,021億ドル(3.9%減)、輸入は1,173億ドル(3.0%減)であった。

 ロシア連邦税関局の発表によれば、上半期の石油輸出は1億2,583万tで0.5%減、金額では585億ドルで3.2%減であった。上半期のロシアの輸出入総額に占める日本の比率は3.12%で、日本の順位は9位であった。


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 前々回前回に引き続き、小泉悠さんの新著『「帝国」ロシアの地政学 』(2019年、東京堂出版)の紹介を続けたい。

 本書においては、プーチン政権のロシアによるユーラシア統合の試みと、EUによる欧州近隣諸国政策~東方パートナーシップという東西の政策的なイニシアティブがせめぎ合って、ウクライナ危機を招来したことが、中心的なトピックの一つとして取り上げられている。本件は、私自身も研究に取り組んだので、本書の関連個所はとりわけ注意深く読んだ。

 当該の問題に関し、著者は次のような見解を述べている。

 プーチン首相が2011年に提起したEEU(ユーラシア経済連合)は、旧ソ連諸国内の経済統合による経済発展というポジティブな性格を装いつつ(実際、そのような効果は見込まれていたとしても)、それらの国々がEUの経済圏に取り込まれるのを防ぐこと=経済面でロシアの消極的勢力圏に留め置くという、よりネガティブな性格も有していたことになる。

 小泉氏のこの視点は、私にとっては新鮮で、「なるほど」とうならされた。ただ、私自身は、ユーラシア統合がロシア経済に及ぼしうるポジティブな効果(少なくともロシアの政策担当者はそのように信じた)に着目する分析を続けてきただけに、そうした側面ももう少し考慮に入れる方が公平ではないかと考える。2011年のプーチンのユーラシア統合構想は、ロシア・ベラルーシ・カザフスタンという3国の関税同盟がそれなりに上手く機能したことを前提にしたものだったし、当時ロシアの近代化が国是とされる中で、ロシアにとっての市場拡大や、イノベーション的発展といった要請が、ユーラシア統合構想に繋がった面があった。ウクライナは、単に潜在的な市場規模が大きいだけでなく、ロシアが戦略的に重視する航空・宇宙産業や原子力産業においてもパートナーと位置付けられていた。

 とはいえ、ウクライナ危機が激化するに連れ、もともとそれなりにあったと私が考えるユーラシア統合によるポジティブな経済効果といった要素は吹き飛び、小泉氏の指摘するようなネガティブな側面だけが前面に出る結果になったのは、そのとおりであろう。本書にある、「中長期的に見た場合、ロシアのこうした振る舞い(勢力圏を率いようとする大国的振る舞い)は周辺諸国の警戒感を強め、結果的に勢力圏を衰退させる作用を持つのではないだろうか」との指摘には、首肯せざるをえない。


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 GLOBE+に、「ラグビー・ワールドカップ開幕まで1ヵ月! 開幕戦で当たるロシアを改めて予習しよう」を寄稿しました。

 ワールドカップの開幕戦で日本と当たるロシアのラグビー事情に関しては、今年3月に「ロシアのラグビーは空軍・空挺軍仕込み! W杯開幕戦の日本の対戦相手を知ろう」というコラムをすでに書いていますが、今回は追加情報、最新情報をお届けいたします。


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 音楽に関連した紋章のシリーズを続けている。今回はウクライナのキエフ州にあるニチポリフカという村。ご覧のとおり、コサックがバンドゥーラという民族楽器を奏でている。


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 前回に引き続き、小泉悠さんの新著『「帝国」ロシアの地政学 』(2019年、東京堂出版)の紹介を続けたい。

 本書では、第1章、第2章で理論的考察を行い、以下の章でその枠組みに沿って、ジョージア、バルト、ウクライナ、中東、北方領土、そして北極という具体的なエリアの現象を論じるという構成になっている。非常に理に適った構成であるが、個人的には、北極を扱った第7章は、それ自体は読み応えがあるものの、本書の主題からはやや外れているかもしれないという印象を受けた。

 第1章では、先行研究にもとづきながら、ロシアの対外戦略を、西欧志向、帝国志向、大国志向の3つに分類する枠組みを採用し、今日のプーチン体制においては旧ソ連圏を勢力圏とする大国志向が主軸になっているとの理解が示されている。その上で、第2章においては、プーチン・ロシアによってその大国志向が、具体的にどのような形で展開されているのかが論じられている。結論を言えば、以下のとおりとなる。

 ロシアの理解によれば、ロシアは、より弱体な国々の主権を制限しうる「主権国家」=大国であり、その「歴史的主権」が及ぶ範囲は概ね旧ソ連の版図と重なる。その内部において、ロシアはエスニックなつながりを根拠とするR2P(保護する責任)を主張し、介入を正当化してきた。

 ただし、その際に、ロシアは必ずしも旧ソ連全域に一様に支配を行使しようとしているわけではなく、ロシアの影響圏から逃れようとしているような遠心的な国については、「ロシアが決定的に望ましくないと考える行動」(とりわけウクライナやジョージアのNATO・EU加盟)を少なくとも阻止するという対応をとっており、「現在のロシアが目指しているのは、まさにこのような意味での影響圏=消極的勢力圏を維持することであろう」と指摘されている。

 私自身も、小泉氏と同様のイメージは描いていたが、本書によってそれをより明確に理解する理論的枠組みが得られ、有益であった。


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 こちらのサイトに、ロシア国民がビザ無しで行ける国という情報が出ているので、これをチェックしてみたい。地図上で、黄色っぽい色で示されているところがビザ無しで行ける国、黄色と青のストライプになっているところ(中国しか見当たらないが)が一部地域のみビザ無しで行ける国、青がビザが必要な国である。

 CIS諸国間ではビザ無し協定のネットワークがあるので、ロシア国民は同諸国にはビザを取得することなく出かけることができる。ユーラシア経済連合のベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニアに至っては、国際パスポートの携行すら不要である(身分証明書に該当する国内パスポートは必要)。一応、現在のところはウクライナにも90日を上限にビザ無しで行けるということにはなっているが、実際に行ってみると出入国管理で不愉快な思いをしたりするので、ビザとは別の壁がある。

 旧ソ連圏以外では、中南米や、東南アジア諸国が、総じてロシア国民にビザ無しの門戸を開いている。ロシア人観光客が上得意のトルコやエジプトがビザ無しなのも当然だろう。OECD加盟の先進国でロシアにビザ無しを認めているのは韓国くらいか。


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 こちらに、ちょっと興味深い話題が出ている。ロシアなど旧ソ連5ヵ国から成るユーラシア経済連合の枠内で、統一バスケットボールリーグが創設されるというのである。最初は、「お、凄い」と思ったが、良く読んでみると、そこまで本格的な話ではないようだ。

 国境の垣根を越えた国際的なリーグ戦と言えば、たとえば米・加をまたにかけたMLBとか、欧州諸国を網羅したUEFA CLとか、そういう最高峰のコンペティションが想像されるところである。ところが、今回話に出ているユーラシア経済連合の統一バスケットボールリーグというのは、どうもそういうものではないらしい。

 ロシアのバスケットボールについては、以前当ブログで、「バスケットボールの『VTB統一リーグ』」という記事を書いたことがある。このVTB統一リーグは、ロシア国内で最もカテゴリーが上の大会であり、それと同時に、エストニア、ラトビア、カザフスタン、ベラルーシという近隣諸国のチームも加わる国際リーグ戦にもなっていることを紹介した。なお、その後、ラトビアが抜け、ポーランドの1チームが加わったようである。

 今回の記事によれば、ユーラシア経済連合の統一バスケットボールリーグに参戦するのは、アルメニアのアラガツ、ベラルーシのモギリョフ州のチーム、カザフスタンのアティラウ、そしてロシアのアルセナル・トゥーラの4チームということらしい。

 このうち、アルセナル・トゥーラに関して言えば、ロシア・スーパーリーグ2部に所属するクラブであり、上から数えれば3番目のカテゴリーにすぎない。そもそも、4チームで戦うリーグ戦に、コンペティションとしての魅力などはない。してみると、今回浮上したユーラシア経済連合の統一バスケットボールリーグなるものは、常設のリーグ戦というよりは、ユーラシア統合をスポーツ面からも演出するための、国際定期交流戦のようなものになるのではないか。


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 こちらのサイトに見るとおり、ロシア政府は2019年8月14日付の政府指令で、「2025年までのサービス輸出発展戦略」を採択した。

 個人的に、本件は注目している政策領域であり、しばらく前に「ロシアのサービス輸出拡大目標」というレポートを執筆したことがある。そこでは、ロシアが2024年までにサービス輸出を1,000億ドルにまで拡大するという目標を設定していることを指摘し、サービスの種類ごとの目標なども整理したが、今回採択されたサービス輸出発展戦略は、それをさらに膨らめたものになっている。

 今回のサービス輸出発展戦略の付属文書では、サービス輸出拡大の青写真が、楽観シナリオ、基礎シナリオ、悲観シナリオという3つのシナリオに沿って示されている。そのうち、ベースとなる基礎シナリオの数値目標を、上掲のとおり抜き出してみた。これまでは2024年までの目標がうたわれていたのに対し、今回の戦略は2025年までなので、当然、数字が1年伸びた形となっている。また、サービスの種類の分類が、以前掲げられていた目標よりも、より細かくなった。


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 ウクライナ大統領選特報:延長戦(No.27、2019年8月15日)を配信しました。要旨は以下の通り。

  • 7月21日に投票が行われた最高会議(議会)選挙の結果、投票率は49.8%と振るわなかったものの、大統領与党の公僕党は予想以上の大勝を収めた。公僕党が、比例区はともかく、小選挙区においても199議席中130議席を獲得したのは驚き。結果、公僕党はつごう254議席を獲得し、ウクライナの歴史上初めて、一つの党による単独過半数が成立した。
  • 既成政党が軒並み苦戦し、特に民族主義勢力は退潮。一方、確かな存在感を示したのが、「野党プラットフォーム・生活党」。
  • 今回の議会選は、「実質的に大統領選の第3回投票だった」とも言われ、大統領選の延長上で、国民がポロシェンコ前政権、既存のエスタブリッシュメント全体にノーを突き付ける結果となった。
  • 国民による旧体制否定の裏返しとして、公僕党に加え、ロック歌手のS.ヴァカルチュークが率いる新党「声」も議会に進出した。
  • 公僕党の候補者名簿には、議員経験のある候補者は一人もいなかった。つまり、新しいウクライナ議会は、「杉村太蔵」が200人も300人もいるような、そんな風景になる。
  • 選挙前には新党「声」が公僕党の潜在的な連立パートナーと考えられていたが、最新の情報によれば、公僕党は「声」と連立交渉は行っていないとされ、単独政権を発足させる見通し。最高会議は8月29日に招集され、早速組閣を行うことになる。
  • 議会選で大統領与党が圧勝したことは、大統領・議会・内閣のねじれを回避するという意味では、好材料。しかし、今後は全責任が大統領および与党にのしかかり、結果を出せなかった時には国民の批判を一身に浴びることに。

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 ロシアのフラッグキャリア、アエロフロート航空は、モスクワのシェレメチェヴォ空港を本拠としている。そのシェレメチェヴォでは、何年か前から、ビジネスラウンジの混雑振りが、目に見えて酷くなってきた。たぶん、ビジネスラウンジの使用条件が、緩すぎるのではないだろうか。ラウンジの面積も拡張されてはいるようだが、需要に全然追い付いておらず、座る場所も見付けられないようなケースが多い。一般客のロビーよりも、ビジネスラウンジ内の方が不快指数が高いという、訳の分からないことになっている。

 おそらくは、そんな背景があってのことであろう。こちらの記事によると、アエロフロートは2つの地方空港において、ビジネスラウンジの使用資格を変更する。アエロフロートの会員カードには、シルバー、ゴールド、プラチナという3つのレベルがあるが、今後くだんの2地方空港でラウンジを利用できるのは、ビジネスクラスの航空券を買った乗客か、最上位のプラチナ会員だけとなる。つまりは、ゴールド会員がエコノミークラスの航空券を買ったら、ラウンジは利用できないということになる(その代りマイルが3,000マイル加算される)。

 対象となる地方空港は、マグニトゴルスクとアルハンゲリスクということである。もしかしたら、この2空港で実験的に運用してみて、上手く行ったら他の地方空港や、さらにはシェレメチェヴォにも適用される可能性があるような気もする。

 なお、アエロフロートでは、今回のルール変更を、コストの都合によるものと説明している。ヨーロッパ諸国ではラウンジの利用者1人につきかかっている費用は25~40ユーロ程度だが、ロシアの小規模な地方空港では5,000~7,000ルーブル(8,000~11,000円程度)ほどかかっているということである。


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 こちらのニュース、しばらく前のものだが、見落としていたので、ちょっとメモしておく。記事によると、このほどウクライナ内閣は「2030年までのウクライナ語普及戦略 ―強い言語=成功した国家」と題する政策文書を採択したということである。7月17日付の内閣指令第596号によって採択された。この戦略を実施する結果、2030年までに、日常的にもっぱらウクライナ語を用いる、または主としてウクライナ語を用いるウクライナ国民(子供も含む)の比率が社会調査において75%以上になり、また国勢調査においてウクライナ語を母語であると申告する国民が80%以上になるという青写真が描かれている。

 以上が記事の伝えるところだが、ただし、市民の使用言語についての数値目標を国家が設定することは適切なのかという疑問は、拭えない。また、すでに新大統領が就任し、もうすぐ新議会および新内閣も発足するというタイミングで、前政権の残滓であるフロイスマン内閣が向こう10年の言語政策を決定することの適否も問われるだろう。さらに言えば、ウクライナの場合には、国民のウクライナ語使用比率云々といったこともさることながら、人口危機や国外への労働力の流出こそが喫緊の問題なのであって、ウクライナ市民が国内にしっかりと根を張って社会や経済を支えてくれるなら、何語を話そうが御の字ではないかという究極のツッコミを入れたくなる。


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 GLOBE+に、「第二次世界大戦の始まりと終わり 日本とロシアの意識はこんなにも違う」を寄稿しました。


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 こちらの記事が伝えるところによると、ロシアの金・外貨準備がサウジアラビアのそれを上回り、世界第4位に浮上する見通しになったということである。なお、上図に見るとおり、ベスト3は中国、日本、スイスとなっている。

 記事によれば、ロシアが金・外貨準備でサウジアラビアを上回るのは、8年振りとなる。サウジが油価が低迷する中でも社会支出増を続けて財政資金を目減りさせる一方、ロシアは新たな制裁への警戒もあり財政を引き締めていることが、背景にある。ロシアの金・外貨準備は過去4年間で45%拡大し、6月現在で5,180億ドルに達した。専門家は、プーチン政権が自国にとってのリファイナンスのリスクを最小化するために、節度ある財政政策を志向していると指摘している。


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 小泉悠さんの新著『「帝国」ロシアの地政学 』(2019年、東京堂出版)を紹介してみたい。ただし、語るべき点が多いので、何回かに分けて取り上げさせていただく。まず、アマゾンのサイトから紹介文をコピーさせていだくと、以下のとおり。

 ロシアの対外政策を分析し、その野望と戦略を読み解く。旧ソ連諸国、中東、東アジア、そして北極圏へと張り巡らされるロシアの新勢力圏を丹念に分析。国際社会の新秩序を理解するのに最適の書。北方領土の軍事的価値にも言及。

 ウクライナ、中東、北方四島、そして北極へ。東西南北に張り巡らされるロシアの新勢力圏。露わになるロシアの軍事的野望の向かう先は?混迷する世界秩序を理解するための必読書!

 内容的なことは追々コメントすることとして、本書全体のスタイルについて申し上げると、本書は、著者自身の現地訪問ルポ、国際情勢分析、理論的考察などが上手く折衷されている点に特徴がある。それらの要素がシームレスに繋がっているので、一般読者もすんなりと内容に入っていけ、ロシアをめぐる複雑な国際関係についての理解が深まるようにできている。

 実は、本書で披露されている現地訪問の一つには、私も同行している。しかし、私自身はその現地訪問から、小泉氏ほどの豊かな物語を紡ぐことはできなかった。書き手としての著者の力量に感服した次第である。


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 ちょっとお知らせです。旬報社より、『新 世界の社会福祉』という全12巻のシリーズが出ることになりました。その中の第5巻、仙石学先生の編による「旧ソ連東欧編」において、私が「欧州化をめざすウクライナ社会福祉のジレンマ」を執筆しています。社会福祉という分野は初めて挑戦したので、個人的には大変でしたが、ご興味のある方は手に取っていただければ幸いです。


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 こちらの記事によると、過去5年で(つまりロシアにより併合されてから)、クリミアのワイン(スティルワイン)生産が3倍に伸びているそうである。この間、クリミアのワイン醸造業には12億ルーブルの補助金が投下され、しかもその額は年ごとに拡大している。現在ではクリミアのメーカーは年間30万tのブドウを加工し、5,000万デカリットルのワインを生産することが可能である。

 以上が記事のあらましである。ただし、いくらワインの増産に成功しようが、観光客が増えようが、ロシアによるクリミア併合が正当化されないことは、言うまでもない。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2019年9-10月号の中身をいち早くご紹介。 毎年この時期にロシアの貿易データを掲載することを軸とした特集をお届けしていますが、今回は「特集◆資源依存脱却を図るロシアの貿易」と題してお送りしております。ロシアの輸出は、2018年には石油等の価格上昇で大幅に拡大したのですが、2019年に入ると価格の反落で縮小に転じています。そうした変動を緩和するためにこそ、「非原料・非エネルギー輸出」の拡大が目指されたはずですが、2019年に入ってからその輸出も縮小。ロシアの脱資源依存は古くて新しい問題ですが、あまり踏み込みはできなかったものの、今回改めてそのテーマを掲げてみた次第です。

 私個人は、「2018年のロシアの貿易統計」というメインの記事を書いたほか、「上半期ロシア経済:成長は鈍化し貿易は縮小」、「ウクライナ議会選で大統領与党が記録的大勝」という小文を執筆。8月20日発行予定。


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 我々ロシア関係者の間では良く知られた話だが、旧ソ連では「ダーチャ」という簡素な別荘を郊外に持つ市民が多く、人々はそこで家庭菜園にいそしんできた。その実りは、収穫後に食卓に上るだけでなく、保存食にも加工されて冬を越す糧となり、売りに出されて家計の足しになることもあった。社会主義のモノ不足の時代や、市場経済移行の混乱期に、商店にモノがなくても国民が飢えなかったのは、ダーチャという安全弁のお陰だった。

 それで、ロシアでも市場経済が根付き、ある程度豊かにもなるにつれ、ダーチャの位置付けも変わってきている。端的に言えば、以前のように額に汗をしてダーチャで野良仕事をするようなことは、少なくなってきた。それを裏付ける全国社会調査結果が、このほど全ロシア世論調査センターから発表されたので、それをチェックしておこう。

 この調査結果を見ると、やはり、ダーチャというものは相当ロシア国民に普及しているのだということが確認できる。「ダーチャがない」と答えた回答者は20%のみで、その他「回答困難」という者も8%いるが、それ以外の人々は出かける頻度は様々でも(一切行かないという人も含め)、ダーチャがあるようである。

 それで、ダーチャを持っている人に、それを利用する主目的を尋ねたところ、今回2019年の調査では、休暇・娯楽と答えたのが56%、家庭菜園と答えたのが32%だった。2005年の調査では、休暇・娯楽が32%、家庭菜園が60%だったから、ここ十余年ですっかり目的が逆転したことになる。


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 GLOBE+に、「旧ソ連諸国の国名をめぐるモヤモヤが止まらない」を寄稿しました。先日ブログでも触れた例の「ウクライーナ」の話題を、改めて論じてみました。


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 先日、「A.ルカシェンコがベラルーシ大統領に就任してから四半世紀(25年)」というニュースが伝えられていたのだが、当ブログではスルーしてしまった。

 しかし、こちらの話題はより重大なので、触れておいた方がいいかもしれない。本日2019年8月5日は、V.プーチンがロシア最高指導者への道を歩み初めてから、20年の節目に当たるということである。

 すなわち、ちょうど20年前の1999年8月5日、当時のB.エリツィン大統領は、安全保障会議書記および連邦保安局長官を務めていたV.プーチンを自らの下に招き、首相への就任を打診するとともに、将来的に最高指導者になることも考えてくれと言い渡した。エリツィンの回想録によれば、その時プーチンはエリツィンをじっと見て、沈黙したという。一方、プーチンの回想によれば、最初はエリツィンの提案を、自分にはその準備ができていないとして断ったが、エリツィンは「私は君を信頼する」と譲らなかった。結局、それから4日後の8月9日に、プーチンが第一副首相(首相代行)に任命され、エリツィンは「この人物こそ国をまとめられる新たな国家リーダーだ」と表明した、という経緯である。


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 音楽にまつわる紋章のシリーズを続けている。今回は、ウクライナ中部チェルカスィ州にあるカメンカ(ウクライナ語読みではカミヤンカ)の市章をご紹介。以前、「チャイコフスキーの生涯をたどる旅」というエッセイで語ったとおり、大作曲家のP.チャイコフスキーがたびたび滞在した土地であり、交響曲第2番「小ロシア」が生まれるきっかけにもなった。それにちなんで、紋章のデザインにも、竪琴が取り入れられている。


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 こちらの記事が伝えているとおり、米国務省は8月2日、ロシア政府が化学兵器の使用停止を確約していないとして、追加の経済制裁を科すと発表した。ロシアがルーブル以外の外貨建てで国債を発行する際に米金融機関が引き受けるのを禁じ、一部の米国の商品や技術のロシア向け輸出制限を強化するという内容である。2018年3月にロシアの元情報機関員を英国で化学兵器を使って暗殺しようとした事件にロシア政府が関与したとの分析を踏まえた措置。

 この追加制裁のロシアへの影響に関し、こちらの記事で、政治評論家のV.シャポヴァロフ氏がコメントしているので、その要旨をまとめておく。シャポヴァロフ氏いわく、今回の制裁は、米国が以前からちらつかせていたものであり、米国が利用しうる措置で利用されていなかった最後の手段である。ただし、それにより大きな影響を被るのは米企業側であり、彼らはそれでなくても難しいロシアとの関係構築がますます困難になるだろう。ロシアへの悪影響の可能性は、見て取れない。ロシアが長年、10年単位の年月をかけて実施してきた経済政策は、ロシアがこうした制裁に対して脆弱である状況から脱却することを一貫して進めるものだった。ロシアは現在、債務が最小限であり、世界トップクラスの金・外貨準備を有している。したがって、今回導入されたような措置で、ロシア経済が揺らぐようなことはありえない。20年前なら痛手だっただろうが、今は違う。ロシアに大きな債務はなく、米国銀行に対ロシア融資を禁止するのは無意味であり、ロシア側がそもそも借りようとしない。一見、本格的な経済制裁のように見えて、現実には何の効果もない。(だいぶ大本営発表っぽいが)シャポヴァロフはこのように語った。


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 こちらに興味深い図解資料が掲載されていたので、紹介してみたい。ロシアに80以上ある各地域(州などのレベル)において、それぞれどんなサッカークラブが応援されているかを図示したものである。なお、検索サイト「ヤンデックス」において、2018~2019年に各地域で検索された回数が一番多かったクラブを示したものということである。

 全体的な傾向は非常にシンプルであり、ある程度有力なサッカークラブが地元にあれば、その地元クラブが支持されるが、それ以外の地域はほとんどがスパルタク・モスクワ推し(地図では赤色で表示)になっている。ただし、極東地域だけはなぜかゼニト・サンクトペテルブルグ(水色)が人気があるようだ。

 こうやって見ると、スパルタク・モスクワは、日本における読売巨人軍に近い全国区の人気を誇っている、という構図に思える。ただし、そもそもが、ロシアで国内サッカーリーグを熱心に観るような向きは、完全なマイノリティだということを理解しておかなければならないだろう。確かに、モスクワからはるか離れたシベリアにおいてもスパルタクが一番人気かもしれない。しかし、たとえばイルクーツク市民でスパルタク好きなど人口の1%もいないだろうし、仮にスパルタクがイルクーツクで試合をやっても集まる観客はせいぜい3000人くらいではないか。あくまでも、「ものすごく小さなパイの中での一番人気」ということである。日本の地方都市で試合をすれば簡単に2万~3万人くらい集客できる読売巨人軍とは、浸透度がまったく異なる。


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 こちらの記事によると、ウクライナがロシア産品に対して、特別関税を導入したということである。

 記事によると、この措置は5月15日の内閣決定により決まったものであり、8月1日から施行された。ほぼすべてのロシア産品が対処となり、例外は石炭、コークス、ガソリン、液化ガス、医薬品だけである。徴収された追加関税は、国家財政の特別基金に納入され、その資金は輸入代替政策の実施に用いられる。

 また、記事によれば、さらに7月17日付の内閣決定により、パイプライン経由で輸入されるロシア産の軽油と、液化ガスについては、別途、特別関税が導入された。税率は、軽油については8月1日からは3.75%、10月1日からは4%、液化ガスは8月1日からは1.75%、10月からは3%である。この措置を受けて、主な3つの輸入業者のうち、Wexler Groupは8月からロシアからの調達を取り止め、残りの2業者も他国産に切り替える予定である。ゼレンスキー大統領は、ウクライナの軽油市場は影響を受けないと説明している。


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 こちらの記事によると、ロシアのズベルバンクはこのほど、トルコに有していた子会社銀行Denizbank の売却を完了した。売却先は、中東最大の金融グループでドバイを本拠とするEmirates NBD。取引完了の結果、Emirates NBDがDenizbankの株99.85%を保有することになった。売却額は154.8億トルコ・リラ(27.1億ドル)。当初は6月末までにすべての取引を完了する予定だったが、トルコの金融当局から許可を得るのに時間を要した。なお、ズベルバンクでは、トルコ子会社売却の理由を、制裁により制限を受けているため国際戦略を見直すことになり、ロシア国内でのズベルバンクのエコシステム発展により多くの資源を投入するため、と説明している。


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 ロシア産のガスをウクライナ経由で欧州市場向けにトランジット輸送する現行の契約は、2009年に結ばれたものだが、本年2019年末をもって満了することになっており、今後どうするかが大問題となっている。本件につき、こちらに出ている概説記事のポイントだけ整理しておく。

 ストックホルム仲裁裁判所の判決で、ナフトガス・ウクライナがロシア・ガスプロムに2013~2014年のガス供給に対する債務20億ドルを負っている一方、後者は前者に対してトランジット代金の未払い47億ドルがあることが確認され、相殺後にガスプロムの対ナフトガス債務が25.6億ドル存在することが認定された。ガスプロムはそれを不服とし、2018年3月に契約を解消する手続きを始めた。現在のロシア・ウクライナ間のガス論争で、ロシア側はストックホルム判決の問題を解消することを条件に掲げており、7月半ばにプーチン大統領がその点を明言した。だが、ロシア・ウクライナ・EUという交渉当事者3者の利害は大きく食い違っており、契約が切れるまでに残された時間は少ない。

 ロシアは短期のトランジット輸送契約を結び、ノルドストリーム2、トルコストリームというパイプラインプロジェクトを推進することを望んでいる。先日、ロシア・トルコ政府間委員会の席で、A.ノヴァク・エネルギー相が、ウクライナとのトランジット契約を1年延長することを提案していると述べた。

 ウクライナはロシアからのガス輸入を2015年に停止し、現在は長期トランジット契約を結ぶことを希望している。EUも同様の立場であり、1月の3者会合の際には新たなウクライナ・トランジット契約の主要点を提示した。年間900億立米、最低輸送料を600億立米とする10年以上の輸送契約を結ぶというものだった。

 次の3者交渉は、2019年9月にブリュッセルで開かれる。立場を明確化し、妥協を見出すために残された時間は多くない。ロシアにとってはストックホルム判決の問題を解決するのが重要だが、同時に、ノルドストリーム2、トルコストリームが遅延することによるリスクも承知している。対するウクライナとEU側は、10年契約を主張。お互いの請求を放棄する、あるいは中期契約を結ぶといった妥協的を探すことになるのかもしれない。


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