ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 ロシアでは今週、ブドウ栽培・ワイン生産に関する法律が連邦議会で審議される予定ということである。それに関連して、こちらに見るように、ロシア・ブドウ栽培・ワイン生産者協会のD.キセリョフ会長が、イズベスチヤのインタビューに応じた。

 この中でキセリョフ会長は、以下のように語っている。ブドウ栽培・ワイン生産に関する法律が成立したら、ロシアの歴史上初めてのことになるので、革命的である。1914年4月に帝政ロシアで法律が制定されたことはあったのだが、第一次大戦の勃発で吹き飛んでしまった。100年経って、第2のチャンスが生まれているので、それを活かさなければならない。ソ連にはそうした法律はなかった。ちなみにジョージア、モルドバには法律があり、それが産業の育成に一役買っている。今回の法案が成立すれば、ロシアで育てられたブドウで生産されたワインだけが、「ロシア・ワイン」と名乗ることができるようになり、安価な輸入原料の流入を抑制できる。ロシアには熱意も、技術も、ボルドーなどと同じ北緯45度線もある。それより南のウラジオストク、極東地域でもブドウ栽培・ワイン生産は可能だ。キセリョフ会長は以上のように述べた。


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 ちょうど1年前のことでしたが、「週刊ロシア経済」というYouTube動画のシリーズを立ち上げました。しかし、予想されたこととはいえ、毎週更新するのはしんどく、本年夏に更新が途切れてしまっていました。また、内容的にも、当初想定していたような定番コーナーを設けるやり方は、マンネリとなり、手間がかかるわりにはあまり意味がないということを感じるようになりました。

 そこで、今回より、「深掘り! ロシア・ユーラシア」と改名し、各回1つのテーマに絞って、不定期に発信することにしたいと思います。リニューアル第1回の今回は、11月10日にロシア・東欧学会で「一帯一路の沿線国としてのロシア・ユーラシア諸国の経済的利害」と題する報告を行いましたので、その要旨をご紹介することにしたいと思います。


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 上の画像があまりにも良かったので、こちらの記事を取り上げたくなった。キルギスの対外債務、なかでも対中国債務の問題を取り上げたものである。

 記事によると、キルギスでは対外債務の問題は常に意識されてはいたが、このところ中国に対する債務が増大し、それが喫緊の問題になっているという。確かに、下のグラフに見るとおり、キルギスの公的対外債務(黒の線)は過去10年ほどで目立って増大しており、それは中国輸出入銀行に対する債務(赤の線)の拡大と見合っている。

 これに関し、現状で債務はGDPの48%の水準だが、危機的水準は80%なので、今のところそれまでには至っていないと、S.ムカンベトフ経済相が発言した。また、「このままでは中国への債務を支払えなくなり、領土で払うはめになるのではないか」との憶測が飛び交う中、K.ボロノフ副首相は、我が国はしかるべく支払を行うと、その不安を打ち消す発言をした。

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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2019年12月号の中身を、どこよりも早くご紹介。今号は、「ロシア・NIS経済と鉄道」と題する特集号となっております。小誌では、鉄道に関連する記事は毎号のように掲載していますけれど、鉄道をメインに据えて特集を組むのは、意外にもこれが初めてとなります。

 服部自身は、「二転三転するロシアの高速鉄道計画 ―カザンかサンクトペテルブルグか」、「2020~2022年のロシア鉄道の投資プログラム」、「ウクライナ鉄道の老朽化と孤立」、「サハリンから消えゆく日本遺産の狭軌鉄道」といった記事を執筆。

 今号が、2010年代最後の号ということになります。読者の皆様には、この10年間のご愛顧に感謝を申し上げます。11月20日発行。


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 お察しのとおり、ブログのネタに困ったので、こちらのサイトに出ていた、ロシア国土の日照時間という図を紹介させていただく。

 図の中で、濃い赤が年間日照時間が2,000時間以上と長く、薄い赤が1,700~2,000時間と中間で、青が1,700時間以下と短いという色分けになっている。各都市の横には、年間日照時間と、年間の晴れの日数が記されている。

 参考までに、東京の場合は、ざっくり言うと、年間日照時間は2,000時間前後のようだ。

 図に見るとおり、気候というよりも、緯度に左右されるところが大きそうで、やはり南に行くほど年間日照時間が多い傾向となっている。

 北極圏のムルマンスクなんかは、白夜がある一方、1年のかなりの部分で極夜と称するほとんど日が昇らない日が続くので、年間日照時間は1,292時間とかなり短い。なお、ムルマンスクは晴れの日が年間54日しかないとされているが、冬に太陽が昇らないけど晴れている(曇っていない)日などは、どういうカウントになるのだろうか? ムルマンスクはオーロラ見物の拠点であり、晴れていないとオーロラは見えないと思うので、気になる。


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 こちらのサイトに出ていた情報が、なかなか興味深かった。ロシアがどんな国と自由貿易圏(FTA)の関係にあるかを整理したものである。なお、ユーラシア経済連合のパートナであるベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニアとは、ロシアはFTAよりももっと進んだ関税同盟の関係にある。

 上記資料によれば、ロシアがFTAの関係にある相手国には、3つのパターンがあるということである。

 第1に、ロシアが加盟するユーラシア経済連合がFTAを結んでいる相手であり、ベトナム、イランがこれに該当する。

 第2に、ユーラシア経済連合には加盟していないが、2011年調印のCIS自由貿易協定に参加した国であり、ウクライナ、モルドバ、タジキスタン、ウズベキスタンがこれに該当する。もっとも、ロシアはウクライナ、モルドバがEUと連合協定を結んだことへの実質的な報復としてウクライナおよびモルドバ産品に対する関税を勝手に復活させているわけだが。

 そして、第3に、かつてロシアが二国間FTAを結んだ相手国であり、ジョージアとセルビアがこれに該当するということである。ただし、セルビアに関しては先日、ユーラシア経済連合とのFTAが調印されたので、それが発効すれば、この第3の枠組みが該当するのはジョージアだけということになる。なお、今年初めに私がGUAMの会議に参加した際に、アゼルバイジャンの代表者が、我が国とロシアの間には二国間FTAが成立していると主張していたが、今回の資料を見る限り、アゼルバイジャンの名前は見当たらない。

 ロシアとジョージアの二国間FTAは、1994年に成立したということである。こちらの協定がそれであろう。ロシアはワインなどジョージアのデリケートな品目を狙い撃ちにして、通商制限措置を採ることが多いので、この二国間FTAがどれだけ実効性があるかは微妙なところだが、いずれにせよ政治的には敵対関係にある両国が一応経済面では形の上ではFTA関係にあるということは、頭に入れておいて損はないだろう。

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 GLOBE+に、「サハリンの日本遺産 姿消す統治の名残」を寄稿しましたので、よかったらご笑覧ください。

 サハリン南部には今でも、日本統治時代の遺産が、わずかに残っています。その一つに、かつて日本が敷設した軌間1,067mmの狭軌鉄道もありました。ところが、ロシアは2003年からサハリンの鉄道の軌間をロシア本土と同じ1,520mmの広軌に入れ替えるプロジェクトに着手。曲折を経て、このほど9月1日より、広軌による鉄道運行が開始されました。こうして、サハリン島における日本統治の名残が、また一つ姿を消しました。このニュースに接して、サハリンにおける貴重な日本遺産の風景を取り上げてみたくなりましたので(あくまでも私の限られた体験の範囲内ですが)、今回はこのテーマでお送りしております。


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 こちらの記事によれば、ロシア経済がウクライナ危機を背景に変調を来たしたことを受け、ロシア中銀がルーブル・レートの管理を手放しフロート制に移行してから、ちょうど5年が経ったということである。2014年の年初に1ドル=35ルーブル、1ユーロ=48ルーブルだった為替は、一時は1ドル=80ルーブル、1ユーロ=100ルーブルにまで下落した。

 記事によれば、多くの有識者が、フロート制への移行の結果、ルーブル・レートは安定したと評価している。たとえば、ブローカークレジットサービス社のV.チホミロフによれば、フロート制への移行は完全に正しく、現在では為替の安定性が大きく高まり、石油価格の変動に影響されにくくなった。新しい為替レジームへの移行は不安定性が増すリスクもあるものだが、フロート制への移行は実際に金融システムの安定性強化に繋がった。中銀は2006年10月からフロート制を検討していたことを考えれば、2014年の移行は遅きに失したことは事実であり、国家指導部がもっと早くそれを実施する意思を示さなかったことは悔やまれると、チホミロフは述べた。また、ロシア直接投資基金のD.ポレヴォイも、遅くても実施するに越したことはなく、当時の状況を考えれば、特にそうである、世界の他の資源輸出国は違う道を歩んでいるので、ロシアはこの面では進歩的な国の一つと思われる、などとコメントした。


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 これはとんでもない本が出た。カザフスタンだけでなく、ロシア・ユーラシア諸国にかかわる者全員にとっての、必読書と断言できる。岡奈津子『〈賄賂〉のある暮らし:市場経済化後のカザフスタン』(白水社、2019年)である。Amazonから内容紹介を拝借すれば、以下のとおり。

 ソ連崩壊後、独立して計画経済から市場経済に移行したカザフスタン。国のありかたや人びとの生活はどのような変化を遂げたのだろうか。独立前からカザフ人のあいだにみられる特徴のひとつに「コネ」がある。そして、市場経済移行後に生活のなかに蔓延しているのが、このコネクションを活用して流れる「賄賂」である。経済発展がこれまでの人びとの関係性を変え、社会に大きなひずみが生じているのだ。本書は、市場経済下、警察、教育、医療、ビジネス活動など、あらゆる側面に浸透している「賄賂」を切り口に現在のカザフスタンをみていく。賄賂は多かれ少なかれ世界中の国々でみられる現象だが、独立後のカザフスタンは、それが深刻な社会問題を生み出している典型的な国のひとつである。ここから見えてくるのは、人びとの価値観の変容だけでなく、ほんとうの「豊かさ」を支える社会経済システムとはどのようなものかという問題だ。豊かさを追い求めた、この30年の軌跡。

 この本を読んで、「自分が今まで見てきたつもりでいたカザフスタンは、何だったのか?」と、愕然とさせられた。自分が断片的にでも知っているつもりでいた、公式的な存在としてのカザフスタンという国とは別に、まるでパラレルワールドのように、もう一つのカザフスタンが存在したのだ。そして、どうも、そちらのカザフスタンの方が、本物のようなのである。

 本書は、カザフスタンおよび旧ソ連全般の地域研究を縦糸、政治・経済・社会学的な腐敗論を横糸とし、その両方の関心に見事に応えるものとなっている。カザフという国を知るための本であるのはもちろん(他の旧ソ連諸国のヒントも)、カザフそのものに興味がなくても、腐敗、途上国・新興国の社会、移行経済などについて大いに考えさせられる。2,420円と、この種の本としては手頃な価格でもあり、ぜひご一読をお勧めしたい。


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 「ロシア最大のIT企業は、実は(最大手銀行の)ズベルバンク」などとは、ロシア関係者の間でしばしば語られることだが、それを地で行くようなニュースが伝えられた。こちらの記事によると、ズベルバンクのテクノロジー担当副社長のD.ラファロフスキーはこのほど開催された会合の席で、ロシア最強のスーパーコンピュータ「クリストファリ」を発表した。同行のAI関連のソリューションにあてるという。

 クリストファリは、ズベルバンクがNvidia社と共同で開発した。(個人的に専門用語が良く分からないが)処理能力の高い NVIDIA DGX-2にもとづき、Tesla V100を搭載しているということである。処理能力は6.7 PFLOPsに達した。これは世界では29位、欧州では7位となる。クリストファリのリゾースは、ズベルバンクのクラウドサービス「ズベルクラウド」のユーザーが、12月12日から利用可能になる。

 なお、クリストファリという名称は、旧ズベルカッサの最初の顧客であるニコライ・クリストファリ氏にちなんで名付けられた。


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 ブログのネタに困った時に使わせてもらう『論拠と事実』紙のウェブサイトに出ている図解資料。今回は、こちらのページに、1980年と2018年で、ロシア国民の主要食品の消費量がどう変わったかを示した図を取り上げてみる。

 全体としては、一般的なイメージ通りの変化が起きており、パン、ジャガイモ、乳製品、玉子などの消費量が減り、肉、魚、野菜、果物などの消費量が増えるという結果になっている。もっとも、時代も経済システムも所得水準も変わった割には、そんなに劇的な変化ではないという気もする。そうした中、一説にはソ連時代の肥満の原因との指摘もあったジャガイモの消費量が、年間117kgから59kgへとほぼ半減しており、これが一番劇的な変化かもしれない。それから、果物・ベリー類が35kgから74kgに増えたのも、大きな変化だろう。ちなみに、この図ではスイカやメロンは「ウリ類」として、果物ではなくむしろ野菜の仲間として扱われている。

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 当ブログでも何度か触れたかと思うが、ロシアの大陸部分とサハリン島を橋で結び、そこに鉄道を通すという、ロシアの野望がある。このプロジェクトは、今のインフラ総合計画にも盛り込まれているし、ロシア鉄道の投資計画にもリストアップされる方向である。

 イメージ図は上掲のようなもので、本土ハバロフスク地方のセレヒノ村にあるセリヒン駅から、将来的な橋を渡り、サハリン島のヌィシというところまで新規に鉄道を建設するというプランである。

 それで、こちらの記事によれば、サハリン州のV.リマレンコ知事は昨日、鉄道橋は2035年までに出来ることになると発言したということである。私の感覚では、ロシアで10年後、15年後にやりますというのは、実質やりませんと同じという感じがしてしまい、少なくともプーチン時代にはできないということになって、無期延期に近いニュアンスなのかもしれない。

 知事は、サハリンへの橋は2035年までに出来る、つまり作業はすでに始まっているということだ、現在は技術的・経済的な検討作業が行われている、総工費はすでに明らかになっており2,528億ルーブルだ、などと語った。

 ところで、この記事の中には、「大陸とサハリンの橋だけでなく、将来的にはサハリンと日本の北海道を結ぶ橋の建設も計画されている」などと、あたかも本件が可能性の高いプロジェクトであるかのような記述が見られる。日本は早いうちに、「絶対にやりません」と答えておいた方がいいと思う。


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 こちらに、日系企業のロシアにおけるビジネスに関係した話題が出ていたので、取り上げておく。医薬品業界のニュースである。

 ロシアのテレビを眺めていると、CMを流している業界にだいぶ偏りがあり、実は医薬品会社のCMが一番多いのではないかという気がする。その中でも、ドイツ系のStada社の宣伝が非常に目立つ。今回のニュースは、そのStada社がロシア圏における日系のタケダ社の一部の製品の権利を買い取ったというものである。

 専門用語に少々自信がないのだが、記事によれば、今回の取引は、ロシア圏における20の非処方箋医薬品の権利を、Stadaがタケダから6.6億ドルで買い取るというものであり、取引は2020年第1四半期に正式に成立する見通し。糖尿病、心血管疾患、呼吸器疾患用の薬などが含まれているという。


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 GLOBE+に、「こんにちはシベリア鉄道 世界最長路線を楽しむには何日間乗るのがベストか?」を寄稿しましたので、ご笑覧ください。

 日本では、ロシアの大動脈であるシベリア鉄道に、ロマンチックなイメージを抱いている人が多いようです。思うに、日本でシベリア鉄道が何やら情緒たっぷりの鉄道であるかのようにイメージされている一因に、「さらばシベリア鉄道」という歌があるのではないでしょうか。松本隆作詞・大瀧詠一作曲によるこの曲は、1980年に太田裕美が歌い、翌年、大瀧詠一によるセルフカバーも発表されました。念のため申し上げれば、今回のタイトル「こんにちはシベリア鉄道」は、「さらばシベリア鉄道」のパロディです。


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 少々古い7月の記事だが、目に留まったので書き留めておく。こちらによると、ベラルーシの首都ミンスクで、同市の東の郊外にあるミンスク国際空港まで伸びる鉄道を整備する計画が進行しているという。建設は2020~2021年にかけて実施される見通しとなっている。記事には書かれていないが、起点はミンスク中央駅だろう。そこから、ゴロジシチェというところまでは既存の線路を使い、そこから南に向かう支線を新たに建設して、空港に至るという青写真らしい。新たな支線の距離は18kmになるようだ。ミンスク国際空港は現在のところ自動車(バス、タクシー、自家用車)でしかアクセスできず、バスは乗客を乗せきれないことも時々あり、タクシーは値段をふっかけるので、不便となっている。

 ところで、この記事によれば、新たな支線の建設には、もう一つのポイントがありそうだ。ミンスク国際空港に隣接して、中国とベラルーシの合弁でグレートストーン工業団地が造成されている。ちょうど同じ2019年7月に、この工業団地に鉄道ターミナルを建設する方針が決まっていた。したがって、新たな支線には、乗客を空港まで運ぶという役割と、工業団地に貨物(および従業員)を運ぶという、2つの役割が課せられると考えられる。


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 こちらのページに、ロシア『フォーブス』誌によるロシアにおける外資系企業の売上高トップ50というランキング資料が出ている。これを見ると、日系のトヨタが2位、JTIが3位と、上位を占めている。トヨタは過去最高順位と思われ、最近になってロシアでのトヨタの販売が激増しているとは個人的に特に認識していなかったのだが、どういう背景があるのだろうか?

 日系では、このほか、19位に日産、22位に三菱自動車、39位にコマツが入っている。

 全体を眺めてみて、もう一つ気付くのは、これだけロシアと中国の関係が深まっていても、外資系企業ランキングの中に、ほとんど中国系が見当たらないことである。18位のファーウェイくらいだろうか。それだけ、中国企業にはまだ「ブランド」がないということなのかもしれない。


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 以前、「『欧州~中国西部』道路の通過ルート」というエントリーをお届けした。その時は、ロシアの南部を走る「子午線」という道路について主にお伝えしたが、実はそれと並行するように、もう一つの道路のプロジェクトがあり、もしかしたら東西を結ぶ主要路線としては、そちらがメインになるのかもしれない。モスクワ~カザン高速道路建設というのがそれであり、こちらに掲載されていた上の概略地図に見るように「子午線」よりも北のルートをとり、カザンから南下してオレンブルグに向かう。こちらに掲載されていたのはより詳細な地図であり、それを下に掲げる。

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 そして、今般こちらの記事が、モスクワ~カザンの高速道路建設予定について報じている。M.アキモフ副首相が記者会見で語ったところによると、この高速道路は2020年初頭から建設に着手し、2027年までに完成させる。モスクワからウラジーミルまでの145kmの新区画を建設し、それにはバラシハ、ノギンスクの迂回路も含まれる。一方、I.アラフィノフ運輸次官によれば、トリヤッチ迂回路を含む総工費は、7,300億ルーブルとなる。9月にYe.ディトリフ運輸相が述べたところによると、ロシア政府はウラジーミルまでのメイン区画と、カザンを迂回するカザン区画という2つの区画の建設を承認した。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「サハ共和国でいきなり仔馬ステーキ」です。

 先月のエッセイでも述べたとおり、今年度私はロシアの北方地域の経済動向を調査する事業を抱えており、9月の北西連邦管区の現地調査に続いて、10月には極東および東シベリアの調査に出かけてきました。極東・東シベリアで3都市訪問した中で、サハ共和国ヤクーツクについては、すでに「極寒とダイヤと馬文化のサハ共和国ヤクーツク」というコラムを書き、出張の目ぼしいこぼれ話は、もうそちらに出してしまいました。本エッセイでは、前出コラムともだぶりますが、サハ共和国の食事と馬文化に限定し、こぼれ話の続きを簡単にお伝えしております。


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 こちらのサイトに、ロシアの都市別の平均賃金ランキングという情報が掲載されている。対象となっているのは、連邦構成主体の中心都市と、その他の大都市で、計100都市。2019年1~6月の中大規模企業の平均月額賃金を比較している。表で、一番右に記されているのが平均賃金額(単位1,000ルーブル)、右から2番目に記されているのが平均賃金が当該地域の平均的な消費支出に対して占める比率(倍)であり、後者の順に順位付られている。

 上位の10地域は、モスクワ、ユジノサハリンスク、サレハルド、スルグト、ハンティマンシースク、マガダン、サンクトペテルブルグ、チュメニ、ニジネヴァルトフスク、ペトロパヴロフスクカムチャツキーとなった。メガロポリス、エネルギー産出地域の都市、そして生活コストの高い極東の諸都市が上位に来ている。

 逆に、ワースト10は、プスコフ、グロズヌィ、マハチカラ、ナリチク、イヴァノヴォ、セヴァストポリ、マイコプ、エリスタ、チェルケッスク、そして最下位がシャフティである。北カフカスの民族共和国および南部の都市、ヨーロッパ・ロシアの産業力の弱い地域の都市が目立つ。100位のシャフティは南部ロストフ州の炭坑街。

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 2019年のバカンスシーズンも終わったところだが、こちらの記事によると、今年初めから現時点までにクリミアを訪れた観光・保養客は687万人に達し、これは前年同期を10%上回っているという。なお、2018年には通年で680万人で、ソ連崩壊後の最高記録だった。

 ロシアの地域別では、モスクワ市、モスクワ州、サンクトペテルブルグ市、沿ヴォルガ管区、ウラル管区の市民が、数多くクリミアを訪れている。最も客数が多い航空便はモスクワ~シンフェロポリである。

 外国人では、ウクライナ人が一番多く、本年103.5万人がクリミアで休暇を過ごしている。以下、ベラルーシ人、カザフ人、ドイツ人と続く(ドイツではクリミアへの渡航禁止とかないのだろうか?)。

 年末年始の休暇をクリミアで過ごすのも人気であり、現時点で宿泊施設はすでに70%予約で埋まっているという。


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 GLOBE+に、「ロシアに上陸した日本のファストファッションとファストフード」を寄稿しましたので、ご笑覧ください。

 2010年に首都モスクワの高級ショッピングセンター「アトリウム」にロシア一号店をオープンさせたユニクロは、その後順調に店舗を拡大し、現在では37店に達しています。モスクワ20店、サンクトペテルブルグ8店、その他の地方が9店という内訳です。

 一方、令和の時代に入って、日本企業による新たなロシア進出のニュースが飛び込んできました。㈱松屋フーズが、北海道総合商事㈱と組んで、ロシアにおける牛めし業態「松屋」の展開を行うと発表、本年6月にモスクワに一号店を開設したものです。今回のコラムでは、日本発のファストファッション・ファストフードがロシア市場で成功するために欠かせない条件を考察してみました。


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 こちらのページに見るとおり、先日フォーブス誌が、世界の優良な雇用主のランキングというものを発表した。これは、従業員にアンケートをとり、経営者が従業員にどれだけ慕われているかを調査したもののようである。

 全世界のトップになったのは、グーグルの親会社のアルファベット社で、3年連続となった。

 このランキングで、ロシア企業としては、ノリリスクニッケル社が36位と最良の地位を占めた。以下、モスクワ取引所が138位、ロスネフチが207位、合同航空機製造コーポレーションが311位、セヴェルスターリが380位、ルスギドロが437位になっている。


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 ロシアなど5ヵ国から成るユーラシア経済連合は、域内の経済統合の進捗は怪しい面もあるが、域外の第三国との経済連携ネットワークの構築では意外に成果を挙げている印象がある。

 こちらのサイトによれば、ユーラシア経済連合は10月25日の政府間協議会の席で、セルビアと自由貿易協定(FTA)を締結したということである。

 上掲サイトによれば、ユーラシア諸国のうち、ロシア・ベラルーシ・カザフスタンの3ヵ国は、セルビアと個別に自由貿易取決めを有していた。今回の新協定は、それらを一本化するとともに、キルギス、アルメニアもセルビアとのFTAの枠組みに参加でき、また法規制関係を刷新することに新味があるということである。

 ただ、セルビアは数年後のEU加盟を目指しているはずであり、そうなれば独自の通商政策は消滅するので、今回のユーラシア・セルビアのFTAは短命に終わるかもしれない。他方、今回のようにセルビアがユーラシアに接近する姿勢を見せることが、同国のEU加盟交渉上どう作用するかは、微妙な問題であろう。


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 先日、ロシア東シベリアのイルクーツクを現地調査で訪れた際に、バイカル湖の観光特区を視察してきました。動画は、アンガラ川を右手に見ながら車でバイカル湖に向かう様子、到着したバイカル湖のビーチの様子(さすがに10月なので泳いでいる人はいない)、市場の様子、バイカル湖博物館での固有種オームリおよびバイカルアザラシの水槽、小高い丘から眺めたバイカルの全景、そして飛行機の機窓から見たバイカル湖などをご紹介しています。

 イルクーツク市街からバイカル湖までは、一番近いところでも車で2時間ほどかかり、道は結構起伏が激しい上にあまり整備されておらず、冬に雪が積もったりしたら相当厳しいでしょう。バイカル湖観光は春から初秋くらいにかけての半年限定のビジネスということになりそうです(一応スキー場などもあるにはあるのですが)。バイカル沿岸は、かつてオリガルヒが建設したお城のような別荘がありながら、それらの主が利権抗争で殺害されたりして軒並み空き家になっていたりとか、中国資本が買い上げて違法にホテルを建てようとして許可が下りず放置された建設現場などがあったりとか、前イルクーツク州知事がホテル利権に触手を伸ばしたりとか、だいぶ混沌とした雰囲気でした。


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 こちらのページに、ちょっと個人的に興味深い資料が出ていたので、チェックしておく。2018年のロシアの運輸・ロジスティクス企業の売上高ベスト10というものである。

 ただし、このランキングで対象となっているのは、基本的に自らはアセットを持たず、他の業者の運送手段(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける事業者である。1位はロシア鉄道の408.6億ルーブルとなっているが、これはあくまでもRZhDロジスチカをはじめとするフォワーダー子会社の売上高である(ロシア鉄道全体の売上高は1.8兆ルーブルくらいあるので、完全に桁違いである)。

 さて、なんでこの資料に注目したかというと、例の中国~西欧のコンテナ・トランジット輸送を手掛けるユーラシア鉄道アライアンスが、売上高227.7億ルーブルで、2位につけていたからである。ロシア/ユーラシアの運送業界では、それなりの存在に成長しつつあるということが言えそうだ(マニアックな話題ですまぬ)。


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 こちらに見るように、国際的に有力な調査機関のGfKはこのほど、欧州42ヵ国の国民の購買力を調査し、その結果概要を発表した。

 その結果、東西ヨーロッパ全体の1人当たり年間平均購買力は、14,739ユーロとなった。最も購買力が高いのはリヒテンシュタインの67,550ユーロで、以下スイス42,067ユーロ、ルクセンブルク35,096ユーロと続いている。上位グループは上掲の画像のとおりである。

 そして、ヨーロッパで最も購買力が低いのは、ウクライナの1,830ユーロだった。それに加え、モルドバ、コソボが、ワースト3だという。ただし、ウクライナの数字こそ出ているものの、残念ながら下位グループの具体的なデータはプレスリリースには掲載されておらず、重要国のロシアの数字もこれを見る限り未発表となっている。


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 次の『月報』で鉄道の特集をすることになり、ちょっと、鉄道づいているところなのである。その関連で、ロシアの鉄道車両生産動向に関する記事がこちらに出ていたので、骨子を整理しておく。

 記事によれば、ロシアにおける鉄道貨車の生産台数は、上のグラフのように推移している(単位は1,000台)。従来の最高記録は2012年の7万1,200台だったが、いったん落ち込んだ後、ここ数年回復基調にあり、2019年の予測値では7.2万~7.3万と見られ、過去最高を更新する可能性がある。金額ベースでは、付加価値税込みで、3,700億ルーブルに達すると見られる。ただし、車輪の不足により、マックスよりも1,500~2,000台ほど生産台数が押し下げられるかもしれない。2019年1~6月の生産台数は3.8万台であった。

 主なメーカー別の生産台数は、2018年上半期と2019年上半期の比較で、下図のようになっている。「合同鉄道車両会社」(OVK、主な生産拠点はレニングラード州チフヴィン)、ウラル鉄道車両工場(UVZ、生産拠点はスヴェルドロフスク州ニジニタギル)、アルタイワゴン(生産拠点はアルタイ地方ノヴォアルタイスク)が3大メーカーとなっているが、ここに来てモルドヴィア共和国を拠点とするRMレイル社が伸びている。

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 GLOBE+に、「極寒とダイヤと馬文化のサハ共和国ヤクーツク ロシアの街物語(10)」を寄稿しましたので、ご笑覧ください。

 先日、ロシアの極東地方に位置するサハ共和国の首都ヤクーツクを訪問してきました。「ロシアの街物語」のシリーズは、基本的に都市を対象にしているのですが、今回はヤクーツクの街だけでなく、サハ共和国全体について語ってみました。


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fz

 ロシアは寒冷国なので、地球温暖化の勝ち組になるといったイメージもあり、本人たちも「北極海航路が利用可能になり我が国に有利に」などとうそぶいたりするが、もちろん現実にはダメージの方が巨大なはずである。こちらの記事が、永久凍土が溶け出すことによるロシアの損害について伝えている。ロシア連邦政府の極東・北極発展省のA.クルチコフ次官がそれについて語ったということである。

 クルチコフ次官によると、ロシアは今後、地球温暖化が自国の永久凍土地帯に及ぼすインパクトに、より大きな注意を払っていく予定である。永久凍土が溶け出すと、ロシアでは、建物、パイプラインといったインフラがダメージを受けるリスクにさらされる。問題は、北極圏では温暖化が世界の他の地域の2倍のスピードで進んでいることである。その損害は、年間500億~1,500億ルーブルに達する。損害の程度は年々大きくなっているので、問題は早急な対策を要する。その規模は非常に深刻で、パイプは爆発し、支柱は崩壊してしまうと、次官は述べた。

 その上で記事は、ロシアの石油生産の15%、天然ガス生産の80%は永久凍土地帯で行われているだけに、この問題は喫緊であり、ノリリスクニッケル社の事業なども同様だと指摘している。


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 昨日のブログに書いたとおり、今回、ヤクーツク、クラスノヤルスク、イルクーツクと現地調査をしてみて、(今日の行政区画とは別に)ブリヤートあたりまで含めた東シベリアの一体性ということを感じ、出張の最後の晩餐は、イルクーツク市内で見付けたブリヤート料理カフェで食べてみることにした。ガイドブックに載っているような立派な店ではなく、本当にたまたま目に留まった安いカフェである。

 ブリヤート人はモンゴル人に民族的に近いから、料理も共通するところが多いのではないかと思うのだが、たまたま私が選んだ料理は羊肉ではなく牛肉料理だった。上の写真の右側はスープであり、牛肉、水餃子、麺まで入っているという、なかなかボリューミーな品。そして、左側の料理は、牛肉・ホルモンのブリヤート風鉄板焼きという料理で(ジャガイモおよび玉ねぎも入っている)、かなりクセのある一皿だった。日本人は、羊などの草食動物の肉を「臭い」とおっしゃり敬遠する人が多いが、私は割と平気な方で、沖縄に行った時には山羊汁をおいしくいただいたほどである。ところが、牛肉・ホルモンのブリヤート風鉄板焼きは、不味くはないものの、味・臭いともにだいぶ強烈で、完食とは行かなかった。ビールと一緒ならもうちょっと行けたかもしれないが、ビールも白飯もなしでは限界があり、半分くらい残してしまった。

 東シベリア出張は本日までで、今日これから帰国します。


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