ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 GLOBE+に、「日本には真似できないロシアの『1ヵ月休業』 プーチンはコロナとかく戦えり」を寄稿しました。

 プーチン大統領は3月25日、新型コロナ感染拡大を食い止めるため、3月28日から4月5日までを休日に指定し、自宅に留まるよう国民に呼びかけました。そして、4月2日に再度、国民向けのテレビ演説を行い、この特別休日を4月30日まで延長すると表明したのです。公的機関、生産の中断が難しい企業、医療機関・薬局、生活必需品の商店および生活に必須のサービス業を除いて、基本的に企業を休業させる(ただし、その間の被雇用者の給与は保証する)という大胆な決定です。

 日本では、政府や都道府県がお願いベースで自粛を要請したり、テレワークを推奨したりする煮え切らない状態が続いてきました(そんな日本でも、いよいよ緊急事態宣言が秒読みのようですが)。是非は別として、プーチンの号令一つで、企業活動を1ヵ月以上もストップできるロシアは、やはり日本とはまったくお国柄が異なるとしか言いようがありません。


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 私が利用することの多いレヴァダ・センターの世論調査結果を見ると、ロシア国民のうちプーチンを信認するという回答者の比率は、3月に低下したようである。上の図に見るとおりだ。

 他方、全ロシア世論調査センターでは、もっとこまめに毎週調査を実施している。その結果、プーチンを信認するという回答者の比率は、下図の紫の線のようになっている。これによれば、3月15日には68.4%、3月22日には67.0%と低下したが、3月29日には71.1%と回復に転じている。

 これは要するに、ロシア国民は、3月10日の新たな改憲案(もっと具体的に言えばプーチンの任期の初期化)は否定的に受け止めた向きが少なくなかったが、コロナ問題を受けた3月25日の1週間休業宣言(その後さらに延長)は歓迎した人が多かった、ということではないだろうか。前掲のレヴァダ・センターの調査時期が明記されていないのだが、3月の半ば頃だったと考えれば、辻褄が合う。日本では、コロナ問題への対応の不手際で安倍政権の支持率が悪化しており、今のところロシアはそれとは様相が異なると言えそうである。

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 アルファバンクのN.オルロヴァ氏は、ロシアを代表する民間エコノミストだが、普段は、ロシア経済は硬直的で成長余力がほとんどないといった悲観的なことを言いがちな印象がある。しかし、最新のこちらの記事で、今般の新型コロナウイルス危機のロシア経済への影響についてのコメントを見ると、思いのほか楽観的なことを述べており、ちょっと意外な感じがする。

 オルロヴァ氏によれば、確かに2020年第2四半期(4~6月期)のGDPは強制休業の打撃を受け崩れるが、2020年通年のGDPはマイナス1.0%に留まるということである。もっと大幅なマイナス成長を予想する専門家が多い中で、あえて楽観論をとる根拠として、オルロヴァ氏は以下の7点を挙げている。

  1. 2008年、2014年は金融市場の逼迫による銀行融資危機で、2008年には銀行が流動性不足に直面して融資を引き締め、2014年には金利が急上昇した。それに対し、現在は中銀が大量の流動性を供給しており、金利政策にも変化はない。
  2. 現在最も苦しんでいるのは中小企業およびサービス部門だが、これらはロシア経済の基幹部門ではない。
  3. ロシア企業は伝統的に需要が減退すると賃金カットで対処する傾向があるが、現時点では労働市場は売り手市場であり、企業が賃金をカットすることにはなりにくい。
  4. 過去の経済危機は財政の引き締めにも起因していたが、過去2年で財政の基準となる石油価格はバレル50ドルにまで引き下げられており、仮に今後半年か1年で油価がその水準に戻れば、連邦財政が経済の縮小に拍車をかけることはなさそう。
  5. ロシアの輸出の主力は資源であり、世界の需要低下は供給量よりも価格下落に反映される(つまり実質GDPは減らない)。ルーブルの為替政策がロシア生産者の競争力を最大限に保護するものであることも、これに繋がる。
  6. 人々の移動が困難になっていることで、ロシア国民の外国旅行が減り、外国からの出稼ぎ労働者の流入が減るので、ロシアの国際収支、GDPにとっては有利となる。
  7. ロシアは広大な国土を有し、大都市では経済活動停止の影響が大きくなっても、地方ではそれが緩やかになる可能性がある。

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 60年前のアメリカヒットチャートを振り返ってみようのシリーズ。画像はクリックまたはタップで拡大します。

 今週は、上位ではなく、あえて下位の84位、エルヴィス・プレスリーのStuck on Youに注目してみたい。というのも、周知のとおりエルヴィスは1958年に兵隊にとられ、その輝かしいキャリアの中断を余儀なくされた。1960年3月2日に除隊となり、除隊後初めて録音してシングルカットされたのが、このStuck on Youだったのだ。それが、この週の84位に早速登場したというわけである。軍隊在籍時もレコードはちょこちょこと出てはいたが、Stuck on Youが真の意味でのキングの復帰作であったことは間違いない。というわけで、お帰り、エルヴィス!


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 ロシアの株式市場は、上図に見るとおり、一頃の急落が一段落し、若干の回復に転じているようだ。先日、当ブログで「油価およびルーブルの下落には歯止めがかかる」ということをお伝えしたら、その直後から油価が再び下落に転じるという気まずい出来事があったので、株価についても太鼓判を押すのはためらわれるのだが、一応現時点では回復基調ということになっている。

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 さて、以前「週刊ロシア経済」で「Myロシア投資」というコーナーをやり、その時に申し上げたとおり、私は少額ながら東証に上場されている「RTS連動型投信(1324)」というETFを保有し、自らロシア経済の浮沈を体感するようにしている。その過去5年間の値動きを示したのが、上図である。このETFは、ロシア本国のRTSと連動するように値決めされていくので、当然のことながら、昨今のロシアの株安に連動して、RTS連動型投信(1324)も下落している。

 ちなみに、私自身のこの銘柄の平均購入価格(何度かに分けて買った)は118円であり、今現在はそれが117円になっているので、ちょっとだけ損をしている格好だ。ただし、以前も申したとおり、私は長期保有の放ったらかし投資だから、短期的な値動きに一喜一憂はせず、また買い足すチャンスくらいにしか思っていない。

 それで、「Myロシア投資」というコーナーをやっていた時に、報告しそびれていたポイントがある。今般、確定申告に向け、自宅に届いた過去1年分くらいの書類を整理していたところ、下に見るようなものが出てきたので、ちょっとお目にかける。RTS連動型投信(1324)は、ETFとはいえ、一応は株式投資なので、年に一度配当があるのである。ロシア企業が頑張って稼いだ分を、おこぼれとして、頂戴できるのだ。

 私はRTS連動型投信(1324)を現在28万円ほど保有しているのだが、それに対して、1年間の配当は16,776円。配当利回りは6%ということになり、悪くない数字だ(ただし、昨今の油価下落は、ロシア株の配当にも響くだろう)。日本の銀行の普通預金で16,776円の利子を得ようと思ったら、いったいいくら預けなきゃいけないのかという話だ。むろん、株価変動のリスクはあり、投資は各自の自己責任でお願いしたいが。なお、下の計算書で、課税がなされていないのは、NISAだからである。

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 色々バタバタしており、ブログでは、他のところの用事のために作成した図表を転用するなどしてしのいでいるが、これもその一つ。ユーラシア経済連合の主要経済指標に、加盟各国が占めるシェアを示したグラフを更新したので、お目にかける。

 ご覧のとおり、主要指標のだいたい8割くらいをロシア1国が占めるという、非常にアンバランスな力関係になっている。ベラルーシとカザフスタンの2国はまだしも一定の寄与をしているが、キルギス、アルメニアという2つの小国の存在感は微々たるものであり、あまりにも狭いのでデータラベルも貼れないということになっている。


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rube

 ロシア・ベラルーシの経済成長率を、石油価格と対比しつつ示すこの図は、時々更新しているのだけれど、2019年の数字が出揃ったので、それを反映して最新版を作成した。見づらかったら拡大表示してください。

 ロシアの経済成長率が油価とほぼ連動しているのはご存じの方も多いだろうが、実はベラルーシも同じである。ベラルーシでは、ロシアから原油を輸入して、それを石油製品に加工し、欧州市場等に輸出することが、最大の稼ぎ口だからである。それに加え、ロシアへの経済依存度が高いために、ロシアが油価に翻弄され、さらにそのロシアにベラルーシが翻弄されるという作用も生じる。


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 こうした世情の中、私事で恐縮ですが、本日令和2年4月1日付で、一般社団法人ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所の所長に就任いたしました。やることが特に変わるわけではありませんが、これまでにも増して研鑽を積んでまいる所存です。引き続きよろしくお願いいたします。


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 こちらのサイトに見るように、ロシア中央銀行は3月30日、国内市場での金(ゴールド)の買い入れを4月1日から停止すると発表した。今後の購入政策については、金融市場の動向を見ながら決めていくという。

 この中銀の決定に関し、こちらの記事が背景を解説しているので、以下のとおり要旨を整理しておく。

 ロシア中銀は2014年から積極的に金を購入していたが、2018年の880万トロイオンスという記録的な購入に比べ、2019年には510万トロイオンスに低下していた。近年の購入量を整理すれば、以下のとおりである。

2014年:550万
2015年:670万
2016年:640万
2017年:720万
2018年:880万
2019年:510万

 2014~2019年累計で4,000万トロイオンスあまりを購入した。2020年に入り、1月、2月と、それぞれ30万トロイオンスに縮小していた。

 近年、ロシア中銀は世界最大の金の買い手となっていた。専門家たちの見るところ、金購入は脱ドル化の一環であり、欧米による制裁が拡大する限り、今後もその状態が続くだろうとされていた。

 しかし、中銀は金・外貨準備に占める金の割合を、20%程度の目安に置いていたと見られる。2020年3月1日には、その比率が21%に達し、金額では1,200億ドル相当の金準備を抱えるに至った。これは、コロナ感染の影響で金の価格が上昇したため、金・外貨準備に占めるその比率が拡大したものだった。したがって、たとえ金を追加購入しないとしても、当面、金の比率が拡大していくと見られ、これは金・外貨準備の多角化という観点からマイナスである。専門家によれば、結局のところ金はそれほど流動性の高くない資産であり、現下の市場の情勢からして、流動性を確保しておく必要がある。また、財政ルールの枠内で、従来中銀は外貨を購入するだけだったが、3月には初めて売却するようにもなり、その観点からもより流動性の低い金の比率が拡大することは望ましくなかった。


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 GLOBE+に、「中国がユーラシアに築く新型コロナ対策のシルクロード」を寄稿しました。

 中国での新型コロナウイルス感染拡大にもブレーキがかかり、3月10日に武漢を視察した習近平国家主席は、湖北省での感染は基本的に抑え込んだと宣言しました。この「勝利宣言」あたりが転換点だったでしょうか、中国は支援を受ける側から、遅れて感染が広がった諸外国を支援する側へと回ります。ロシア・ユーラシア諸国も例外ではなく、現在では同諸国のほとんどが、何らかの形で、新型コロナ対策の支援を中国から受け入れています。今回のコラムでは、この現象を取り上げています。


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 多忙であり、簡単に作れるブログのネタにも事欠き、困り果てたので、時々更新している石油価格とロシア・ルーブルの対ドル為替レートのグラフをお目にかけて、お茶を濁すことにする。

 結論から言えば、油価およびルーブルの急激な下落には、ひとまず歯止めがかかった模様である。油価は3月18日が底で、それ以降は若干持ち直している。ルーブルはそれ以降も下落が続いたが、先週になって回復傾向に転じた。

 PS:週が明けて、再び油価の大幅下落が伝えられている。間の悪いエントリーになってしまい、お詫び申し上げます(昨晩用意したネタだったので)。


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 こちらのサイトに見るとおり、コロナウイルス感染の拡大を受け、全ロシア世論調査センターが3月21日に、全国の1,600人の成人回答者を対象に、買い溜めに関する意識調査を実施したということである。

 その結果、現時点で、買い溜めをしておいた方がいいという回答が11%、しなくていいという回答が87%だった(回答困難が2%)。どちらかというと、若い世代や、首都住民の方が、買い溜め志向が強い。

 そして、買い溜めをしておいた方がいいという回答者のうち、過去2~3ヵ月に実際に食料品を買い溜めしたという人が43%、まだしていないという人が57%であった。

 全回答者を対象に、どんな食料品は買い溜めしておく意味があるかを、5つまでの複数回答で尋ねたところ、穀物の挽き割り:49%、缶詰:31%、砂糖:27%、パスタ類:25%、小麦粉:22%、塩:16%、油:15%、食肉:15%、ソバの実:11%、などが挙がった(肉は冷凍しておくのかな?)。

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 以上が全ロシア世論調査センターの調査結果だが、実際にはロシア社会にはもっとパニック的な雰囲気があり、特にここ10日か1週間ほどその空気が強まっているのではないかと、個人的には推測する。


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19600328

 60年前のアメリカヒットチャートを振り返ってみようのシリーズ。画像はクリックまたはタップで拡大します。

 さて、今週16位につけているDriftersのThis Magic Momentについては、是非とも触れておかなければいけないだろう。時代を超越した名曲だと思うのだが、意外にもこの週の16位が最高位だったようだ。


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 こちらに見るとおり、ロシアのプーチン大統領は3月25日の大統領令で、4月22日に予定されていた改憲に関する国民投票を延期することを決定した。新しい投票日はこれから調整することになる。

 本件に関し、こちらのサイトで、政治工学センターのA.マカルキン氏が論評しているので、要旨を以下のとおり整理しておく。

 改憲に関する国民投票は、年内に実施されるだろうが、その時には政治的リスクが高まっている可能性が強い。プーチンは、下院、上院、地域議会が同日に改憲案を承認し、必要な手続きは踏みながら、その発効がいつになるか分からないという、奇妙な状況を作ってしまった。

 政権は投票の実現に向けぎりぎりまで全力を挙げたが、次第に投票実施は不可能であることが明白になっていった。最初は注目を集めていた改憲問題も、コロナの流行や油価・ルーブルの下落に主役を奪われた。高齢者も多い投票組織スタッフに、この状況で作業を強いるのは、酷なことである。決定打となったのが、プーチンがコロナ対策の特別病棟を訪問し、欧州の大流行の二の舞になってはいけないと発言したことであり、それ以降、大統領の国民向けスピーチの準備が始まった。プーチンは、2014年の時と同じように、共通の敵を前にして国民を束ねる存在として、国民に語り掛けた。

 延期された投票がいつ実施されるかは、まだ明らかでない。パンデミックが落ち着いていたら6月かもしれない。あるいは、統一地方選挙と同日の9月かもしれない。しかし、国民投票と地方選挙はまったく異なる意味合いであり、たとえば不人気な現職知事が改憲を支持する発言をすると、かえって有権者が反発する恐れもある。

 さらに、政治状況は刻々と変化し、政権は次々と新たな課題に直面し、それがいつ終わるかも不明である。現時点であれば、国民のムードは読みやすく、それは「危機の時には現政権の下に団結する」というものである。しかし、パンデミックが収束した後では、団結効果が薄れている可能性がある。経済状況、失業、ビジネスへのダメージがどうなっているか不明である。ロシアはトランプの米国のような大規模な経済対策は打てない。ロシアの国家的な優先事項は安定と安全保障であり、国の支援を期待できるのは、年金生活者、公務員、軍事・治安関係者、そして経済の基幹となるような大企業だけである。旅行会社、外食といった大都市のサービス部門は、その対極にある。銀行預金の利子に対する新たな課税などは、預金が乏しい公務員や年金生活者にはウケるかもしれないが、大都市のアッパーミドルの不興を買うことになろう。

 こうした状況での国民投票実施は、政治的リスクが高まる。かといって政権が宙ぶらりんの状態を続けたり、国民投票をやめてしまったりすることもできない。投票をやめたら、政権の面目が潰れ、国民の反政権的ムードが高まる恐れがある。おそらく、中断の時期をなるべく短くし、何としても今年中に投票を実施するように全力を尽くすだろう。その際に依拠するのはやはり、安定的な支持層である年金生活者と公務員である。


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 昨年秋からユーラシア経済連合加盟が取り沙汰され、今年1月にミルジヨエフ大統領がその検討を指示していたウズベキスタンだったが、こちらの記事によると、このほど同国政府は、当面はユーラシア経済連合のオブザーバーに留まることが適切との結論に達したということである。ウズベキスタン政府がその旨の文書を作成し、議会に諮ることとなった。これに先立っては、関係省庁の代表者から成る作業部会が設置され、16の産業部門への影響が検討されたほか、コンサルや研究機関、内外の専門家からの聞き取りも行われた。

 ウズベキスタンとしても、過去3年改革開放政策を実施し、経済の一層の発展と輸出増のためには、ユーラシア経済連合とのより緊密な連携が喫緊の検討課題となっていた。ウズベキスタンの輸出の80%はロシア、カザフスタン、キルギスというユーラシア諸国をトランジットして行われており、また完成品の50%は同諸国に輸出され、品目によっては80%に達するものもある。

 今回浮上したオブザーバーという方式は、最もシンプルな協力形態であり、経済主権の一部を超国家機関に移譲したりする必要はない。オブザーバーになることで、ウズベキスタンは連合の会合に代表者が出席し(むろん採決には参加できないが)、採択された文書(機密文書以外)へのアクセスを得て、ユーラシア経済委員会と恒常的にコンタクトができる。オブザーバー資格の期限は設けられていない。今回ウズベキスタンとしては、差し当たりオブザーバーの資格を選択することで、自国のどんな製品がユーラシア市場に輸出するのに有望かの情報を得て、輸出促進をしやすくなる。なお、将来的な加盟の可能性は、あるとしても遠い将来であり、専門家筋によればその可能性は10%もない、ということである。


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 ツイッター界隈で、ディープラーニング翻訳のDeepLというのが話題になってたので、「使用頻度の高い英和とかはともかく、ロシア語はどうなのかな?」と思い、冷やかしてみた。そしたら、ちゃんとロシア語も使え、しかも予想以上の完成度で、驚かされた。グーグル翻訳を軽々と抜き去っている。

 たとえば、冗談で、以下のような日本語を放り込んでみる。

 私の名前は服部です。もちろんあだ名に決まってます。出身は静岡県って知ってました? 貿易促進団体に勤務しています。私の趣味はサッカー観戦と音楽鑑賞です。行け、ディナモ・キエフ! この翻訳ツール、優れものだな。でも、結局カネをむしりとられるのではないかという心配も、あるとかないとか。

 これを、Google翻訳で訳すと、以下のようになる。

 Меня зовут Хаттори. Конечно, прозвище решено. Знаете ли вы о префектуре Сидзуока? Work Я работаю в организации по продвижению торговли. Мои хобби - смотреть футбол и слушать музыку. Иди, Динамо Киев! Этот инструмент перевода великолепен. Но не стоит беспокоиться, что деньги будут сняты.

 一方、DeepLでは、以下のようになる。

 Меня зовут Хаттори. Это, конечно, прозвище. Ты знаешь, что я из префектуры Сидзуока?  Я работаю в организации по содействию торговле. Мои увлечения - смотреть футбол и слушать музыку. Вперед, Динамо Киев! Этот инструмент перевода отлично подходит. Однако есть опасения, что в конце концов у них могут отобрать деньги или нет.

 どうだろう、全体的にDeepLの方が個々の語句ではなく文脈を捉えて、的確なロシア語にしてくれていることが分かる。たとえば、Googleで「決まってます」を「решено」と単に単語を対応させているだけなのに対し、DeepLはちゃんと文意を捉えて訳している。特にぐっと来るのはディナモ・キエフのくだりで、Googleの「Иди」という直訳に対し、DeepLでは「なるほど、これはスポーツチームの話だな」とAIが読み取って、スポーツの応援でよく使われる「Вперед」にしてくれているわけである。最後はわざと「あるとかないとか」なんて曖昧な日本語を使ってAIの精度を試してみたが、やはりDeepLの方が破綻は少ない。

 うーむ、自動翻訳が、しかも日露ですら、ここまで来ちゃったのか。何人か、仕事を失う知り合いの顔が浮かぶ。


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 GLOBE+に、「新型コロナでの五輪延期論をも味方につけるロシア プーチンは国益を譲らない」を寄稿しました。

 前回3月17日のコラムでは、ロシアでは今のところ新型コロナウイルスの流行は比較的軽微であるということをお伝えしました。15日までの情報にもとづいて執筆したものでしたが、実はその後、ロシアでの状況は大きく変わりました。感染者数は加速的に増加し、22日までに367人に到達。もちろん、感染の中心地とされているような国に比べれば、まだ桁違いに少ないものの、ロシアももはやパンデミックと無縁ではなくなってきたことは確かでしょう。

 今回は、東京オリンピック・パラリンピックにおけるロシア選手団の処遇などを中心に語っております。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「幸か不幸か、今のところ仕事にまったく影響がない」です。つまらない独り言ですが。


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 ウクライナの貿易データを整理していたら、重大なことに気付いた。2019年、中国が初めて、ウクライナの最大の貿易相手国に躍り出たのである。

 伝統的に、ウクライナ最大の貿易相手国は、ロシアであった。2014年の政変後は、ロシアとの貿易は急減したが、それでも2018年までは国単位で見ればロシアが最大の貿易パートナーである状態が続いていた。しかし、2019年になって、ついにそれに終止符が打たれた。同年には中国がウクライナの輸出入総額の11.5%を占め、9.2%のロシアを抜いて、トップに立ったのである。表に見るように、輸出入とも、中国が1位、ロシアが2位となっている。2019年には、ウクライナの対中国輸出が63.3%増、輸入が20.9%増であったのに対し、対ロシア輸出は11.2%減、輸入は13.6%減であり、その勢いの差が出た。

 ウクライナの愛国者の皆さんは、「不俱戴天の仇が最大の貿易相手国」という不名誉な状態が解消され、喜んでおられるだろうか。


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 ウクライナ統計局より、このほどようやく、2019年のGDP統計が発表された。2019年の名目GDPは3兆9,746億グリブナ。2019年の実質経済成長率は、3.2%となった。2018年が3.4%だったから、やや減速した形である。

 若干気になるのは、2019年第1~3四半期までは成長が見られたものの、第4四半期になってそれがストップしてしまったことである。すなわち、各四半期の成長率は(季節調整値の前期比)、第1四半期0.8%、第2四半期1.0%、第3四半期0.3%、第4四半期0.0%となっている。

 2019年には、家計による最終消費が11.9%、総固定資本形成が14.2%伸びており、これが成長の要因と考えられる。また、主な産業部門の成長率は、農林水産業1.3%、鉱業▲1.5%、製造業1.0%、建設業23.0%、商業3.6%、運輸3.5%、ホテル・外食7.1%、情報・通信7.5%などとなっている。


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 この週末に開幕したベラルーシのサッカーリーグは、今日の世界ではきわめて稀なことに、観客を入れて普通に開催されている。個人的にFBやツイッターで、「皆でベラルーシリーグを観よう!」と呼び掛けたりしたのだが、どうやって観たらいいのかというごもっともな声を想定し、上に開幕節の一つであるシャフチョール・ソリゴルスクVSトルペドBelAZのダイジェスト動画を貼っておく。なるほど、客入りの悪さは気になるが、確かに普通に観客を入れている。こうやって見ると、ベラルーシのサッカーリーグというのも、それなりにヨーロッパのプロのサッカーリーグらしくなってきたという気がする。それと、この対戦は、ベラルーシカリとBelAZという、ベラルーシを代表する国営大企業同士のダービーマッチという萌えポイントもある。世界屈指のカリ塩鉱脈と、世界最大のダンプカーの対決だ。

 さて、このサッカーの話でも象徴的なように、西欧も、旧ソ連圏も、どちらも厳戒態勢になる中で、その狭間に位置するベラルーシが、なぜ一人だけのんびり構えているのかというのは、なかなか不思議である。ちなみに、ベラルーシは何もしていないのに、周りの国がすべて国境を封鎖してしまったものだから、結果的にベラルーシも周辺国との往来が閉ざされた格好になっている。

 いみじくも、こちらの記事が、ルカシェンコ大統領の思考と行動について論じている。かいつまんで言うと、次のようなことだという。ルカシェンコにとってみれば、国のトップは国家そのもので、秩序こそ肝要であり、国家指導者がパニックを見せるなどもってのほか。ルカシェンコは自らが作り上げてきた安定神話の囚人となっており、長年にわたりベラルーシは世界の荒波の中の安定の孤島であるとしてきた。リーマンショックの時でさえ、ベラルーシには危機はないとうそぶいた。現在もそれを繰り返し、「世界はコロナウイルスのせいで正気を失っている」と称しているのである。また、ルカシェンコはソ連崩壊、カラー革命、リーマンショックなど、すべて誰かの陰謀のせいにする。鳥インフルエンザの時には、製薬会社の陰謀だと指摘した。しかし、こうした姿勢をとり続けることは、ルカシェンコにとってリスキーでもある。もしもベラルーシ国内でコロナウイルスの犠牲者が急増するようなことがあったら、自分が非難されるからである。一方、ロシアが国境を封鎖したことについてルカシェンコが憤慨したのは、それにより「連合国家」などというものが存在しないことが白日の下にさらされてしまったからである。ベラルーシは長年にわたりロシアの特別な同盟国を自任してきたわけだが、ロシアはカザフスタンやアゼルバイジャンとの国境は封鎖していないのに、ベラルーシとの国境は閉じてしまった。かつて対ロシア国境開放に立ち会ったことを拠り所にしているルカシェンコにとって、「国境封鎖」という言葉は屈辱的である。しかも、事前通告なしに。むろん、経済的損失も生じる。ルカシェンコは、周囲で生じている変化に適時に対応することができず、残された唯一可能なことは憤慨することだけだったのだ。


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 60年前のアメリカヒットチャートを振り返ってみようのシリーズ。画像はクリックまたはタップで拡大します。

 今週は、The PlattersのHarbour Lightsを取り上げてみようか。個人的に、この歌はヤマタツのサウンドストリートで覚えたんだよな、懐かしい。もちろんBoz Scaggsのハーバーライツとは別物(笑)。


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kouri

 ロシアで小売販売される商品に占める輸入品の比率というデータは、ロシア統計局が輸入代替の進捗状況を示すための指標として定期的に更新しているものであり、このたび2019年のデータが発表されたので、それを上図のようにグラフにしてみた。

 確かに、輸入依存度は、2000年代に比べれば、低下している。しかし、ウクライナ危機の状況下でルーブルが下落し、また欧米からの食品禁止措置を採ったことなどにより、2017年くらいまでは輸入品比率の低下が顕著に見られたものの、それ以降は輸入代替は頭打ちであり、ここ2年はかえって輸入比率が若干盛り返している。品目別の状況を見ると、輸入代替生産が着実に進捗したと評価できるのは、食肉分野くらいである。

 ただし、直近ではルーブルが急激に下落に転じており、その影響で2020年には再び国産品の優位が多少強まるかもしれない。


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 コロナ問題に起因する世界経済危機、OPEC+協議の物別れを受け、石油価格の下落が止まらない。上の図に見るのはブレント油価の推移だが、18日モスクワ時間昼過ぎに27.9ドルまで低下。28ドルを下回ったのは、2016年1月以来だという。

 ロシア経済にとっても、まったく当てが外れた格好である。下の表に見るように、ロシア政府は2020~2022年の連邦予算を編成するに当たって、石油価格の想定を、2020年57ドル、2021年56ドル、2022年55ドルとしていた。財政も黒字だし、この原資を使ってナショナルプロジェクトに邁進する構えで、そのためにこそ1月にミシュスチン新内閣が起用されたようなものだ。ところが、このところのミシュスチン内閣の政策措置を見ると、コロナ問題の緊急対策ばかりであり、ナショナルプロジェクトの話はどこかに行ってしまった感がある。しかも、油価が想定の半分程度の水準まで落ち込んだとなると、先立つものも怪しくなってくる。

2020

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 モルドバ内政については、しばらく前に「モルドバ・バトルロイヤル 欧州最貧国で何が起きているのか?」というコラムをお届けした。その中で解説したとおり、昨年成立したモルドバ内閣は社会主義者党による単独政権で、民主党がその成立を後押しはしたが入閣はせず、キク内閣は社会主義者党による少数派単独内閣に留まっていた。しかし、こちらの記事が伝えているとおり、このほど社会主義者党と民主党の連立協定が成立して後者が入閣、不安定な少数派内閣の状態に終止符が打たれた。

 その結果、閣僚がかなり入れ替わり、再統合担当副首相(再統合というのは沿ドニエストル地域を回復するという意味だろう)、外務・欧州統合相、国防相、経済・インフラ相、文科相を民主党が占めることになった。対外関係を中心に、結構重要なポストを民主党に譲った印象である。


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 ロシアのプーチン政権は、非原料・非エネルギー商品の輸出を拡大するという目標を掲げているわけだが、2019年は鉄鋼や穀物の市況低迷のためロシアの同輸出は伸び悩んだ。同輸出の促進を担当している「ロシア輸出センター」のウェブサイトを確認したところ、こちらのニュースのコーナーに、2019年の実績がひっそりと出ていた。結論から言えば、2019年に同輸出はどうにか縮小は免れ、微増に終わったということのようだ。

 すなわち、2019年の非原料・非エネルギー商品の輸出は1,545億ドルで、前年比0.2%増だった。微増ではあるが、これは一応、過去最高額ということになる。非原料・非エネルギー商品の輸出は、数量ベースでは、2019年に2.7%拡大した。ロシアの輸出全体に占める非原料・非エネルギー商品のシェアは、2018年の34.3%から、2019年の36.5%へと拡大した。

 多くの部門は数量ベースで輸出を拡大したが、穀物や魚介類などは数量ベースでも低下しており、これは前年が豊作などの影響で特別に輸出が盛んだったからだ。

 産業・商業省では、2019年暮れに非原料・非エネルギー輸出を計算する上での方法論を改訂しており、それに伴い過去のデータも修正した。その結果、2018年の同輸出額は1,514億ドルから1,542億ドルへと修正された。

 2019年の非原料・非エネルギー輸出1,545億ドルのうち、12.6%に当たる195億ドルが、ロシア輸出センターが参加して行われたものだった。1.1万の輸出企業が同センターのサービスを利用した。

 PS 今回ご紹介した情報をロシア輸出センターが動画にしたものが3月17日に配信されたので、以下に貼っておく。


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 GLOBE+に、「コロナ禍の世界でしたたかに立ち回るプーチン・ロシア」を寄稿しました。

 なお、本稿は3月15日までの情報にもとづいて執筆したものです。3月16日になって、ロシア政府が、3月18日から5月1日までの間、外国人の入国を制限することを決めるという大きな動きがありました。というわけで、残念ながら本稿は発表された時点ですでに情報が古くなってしまっておりますが、その点はご容赦ください。


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 こちらのサイトで、「最新グローバルデジタルトレンド2020」という情報が伝えられている。世界各国のデジタル、モバイル、ソーシャルメディアの利用状況を比較したレポートである。

 この中で、人口に占めるソーシャルメディアの利用状況を比較したのが、上図である。私の関心国であるロシアは、世界平均の49%よりもやや低い48%となっている。日本は65%。正直言えば、ロシアはもっと高いかと思っていた。

 一方、「16歳から64歳のインターネットユーザーが1日にソーシャルメディアを使用する平均時間」という指標を見ると、下図のとおり、ロシアは世界平均の2時間24分をやや上回る2時間26分となっている。全体として、途上国・新興国ほど使用時間が長く、先進国ほど少ないという傾向になっている。日本は主要国では極端に短い45分となっているが、本当だろうか?

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 こんな新刊のご紹介をいただいたので、取り急ぎこちらでも共有させていただく。稲垣文昭・ 玉井良尚・ 宮脇昇(編)『資源地政学: グローバル・エネルギー競争と戦略的パートナーシップ』(法律文化社、2020年)。

 「地政学的観点から資源をめぐる国際政治動向を学ぶ。「接続性」概念から地政学的経路や障壁を俯瞰したうえで、資源貿易が政治体制や民族問題の構図にどのような影響を与えているのかを考察し、世界で起こっている資源をめぐる争いのダイナミズムを捉える視座を提供する。」という内容。

 余力があれば、後日、中身についてもうちょっと詳しくコメントさせていただきたいと思う。


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 もはやコロナ感染の主戦場はヨーロッパへと移り、欧州蹴球界も無観客へ、そして試合の開催自体を延期・中止へと、急激に舵を切っている。「ところで、ロシア・プレミアリーグはどうなってるのかな?」と思ってチェックしてみたところ、この週末も元気に開催しているようである。上に見るのは、昨日のアフマト・グロズヌィVSディナモ・モスクワ戦の模様。

 ご覧のとおり、バッチリ観客を入れて開催している。惜しむらくは、スタジアムも素晴らしいところなのに、集客がせいぜい数千程度と見られることか。目下最下位のアフマトは、残留争い佳境なのにな。

 いずれにしても、世界の主要リーグで、ロシアのようにいまだに普通に試合をしているところは、もはや稀だ。ロシア・プレミアリーグとしては、退屈で死にそうな世界のサッカーファンに向けて、アピールするチャンスなのではないか。

 それから、最近ロシアのサッカー事情を良くフォローしてなかったので、ロシア・プレミアリーグでもVARが導入されているということを、この動画で初めて知った。

 3月15日追記:残念ながら、その後の情報によると、本日15日のソチVSクラスノダル戦は、クラスノダル地方行政府の方針にもとづき、無観客で開催されることが決まったそうである。さらに、3月17日にロシア・プレミアリーグの総会が開かれ、その場でリーグ戦の中断が決定される可能性があるということである。


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