
今まであまり使ったことがなかったが、IEAが毎月出している石油市場に関するレポートというのがあり、こちらに最新の8月号(7月の動きを概観)の要旨が出ている。ロシアに関連する部分だけ、つまみ食いさせてもらう。
レポートによると、ロシアの石油輸出は、年初には日量800万バレルの水準だったが、7月には740万バレルとなった。
米国、英国、EU、日本がロシアからの石油輸入を停止・縮小したため、ロシアから同諸国への輸出は開戦後日量220万バレル低下した。220万バレルのうち、3分の2を、ロシアは他の市場にシフトさせた。
ロシアの石油輸出収入は、数量減と価格低下の両方により、6月の210億ドルから、7月の190億ドルに低下した。
ロシアの減産が予想されていたよりも軽微だったため、世界の石油供給見通しも上方修正されている。ロシアの欧・米・日・韓への輸出が開戦後日量220万バレル低下したが、インド、中国、トルコなどへのシフトや、季節要因で高まっているロシアの国内需要により、減産が緩和されている。7月になっても、ロシアの石油生産量は開戦前の水準を日量31万バレル下回っているだけで、輸出量も58万バレル下回っているにすぎない。
ただ、EUによるロシア産石油・石油製品禁輸が2023年2月に発効すれば、ロシアは日量130万バレルの石油と100万バレルの石油製品の新たな輸出先開拓を迫られることになろう。
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