ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

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 私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2024年4月号のご案内。4月号は、「ロシア・中央アジアのエネルギーをめぐる攻防」と題する特集号となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで(と言いつつ、まだHPに当該号の情報が出ていないが…)。

 服部自身は、今回の役目は軽めで、「ロシアの経済活動分類表における軍需部門の扱い」、「輸出の苦境が目立った2023年のウクライナの貿易」という短い連載記事のみ書いております。なお、前者は、3月号で書いた「ロシアの軍需産業は覚醒したのか ―戦車と無人航空機を中心に」の補足。3月20日発行予定。


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 今回のロシア大統領選挙は、いつにも増して、市民がリーダーを自由に選択するノーマルな選挙からは程遠いものになった。それを象徴する一つの現象が、プーチン候補の選挙キャンペーン用の公式ウェブサイト「https://putin2024.ru」が一応あったのだが、それがあまりに無内容であったことだった。選挙期間中の動静、経歴、推薦人一覧、イメージクリップが掲載されているだけで、選挙公約に相当するものが一切見当たらない。なお、外国からのDOS攻撃を避けるためか、昨日3月17日には日本から閲覧できなかった(私はVPNで接続)。

 2012年の時も、「http://putin2012.ru」というサイトが開設され、もうちょっとマシだったような印象があるが、もうページは閉鎖されてしまったので、確かめる術はない。2018年の時はどうたったか、ちょっと記憶にない。


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 先日、ロシア統計局から2022年の地域総生産の統計が発表された。地域総生産とは、国内総生産(GDP)を地域別にブレイクダウンしたものに他ならないが、ロシアの各統計指標の中でも最も発表が遅いのが地域総生産であり、今頃になってようやく2022年の数字が発表されたというわけである。ともあれ、ロシアが戦争に突入した2022年の地域経済情勢を知る上で興味深いので、同年に経済成長率が高かった上位20地域を選んで、上掲のとおりグラフにしてみた。

 2022年に成長率の高かったところは、辺境系の地域が多い。中でも、シベリア・極東の少数民族地域、具体的にはブリヤート共和国、トゥヴァ共和国、サハ共和国などは、ウクライナに多数の兵士を送り込んでおり、その給金や戦没者の弔慰金などで家計が潤っているはずであり、焼け太り現象が生じたものと見られる。他方、北カフカスのカバルダ・バルカル共和国、チェチェン共和国、カラチャイ・チェルケス共和国、アディゲ共和国、イングーシ共和国などの成長率も高かったが、その理由は個人的に良く分からない。

 ネネツ自治管区がトップなのは、2022年に石油が15.1%増産しており、その効果によるものだろう。サハ共和国の成長には、中国向け輸出が好調なチャヤンダ・ガス田の開発も寄与しているはずである。

 軍需生産が寄与していると思われるのが、クルガン州、オムスク州、タタルスタン共和国、サラトフ州、イルクーツク州、トゥーラ州などである。

 クラスノダル地方、ヴォルゴグラード州などは、穀物の豊作によるところが大きいか。

 ちなみに、2022年に成長率が低かった地域としては、カルーガ州のマイナス11.5%、リペツク州のマイナス8.0%など、従来工業団地や経済特区で成功していたが、侵攻後に外資系工場の撤退に揺れたところが目立った。


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 先日来、当ブログではロシアの高速鉄道計画について何度か取り上げてきたけれど、こちらが車両生産の方針につき伝えている。D.マントゥロフ副首相(産業・商業相を兼務)が延べたところによると、シナラ・グループがメインの製造業者になるということである。より具体的には、上掲の写真に見るウラル機関車工場が生産現場になるらしい。同工場はエカテリンブルグ市の北の郊外に当たるヴェルフニャヤプィシマ市に所在し、シナラと独シーメンスが対等出資で設立した合弁だった。

 記事によると、マントゥロフ副首相は、高速鉄道車両のメインの製造企業となるのは、シナラ・グループが最もふさわしいと述べた。また、やはりこの業界の大手であるトランスマシホールディング社も、コンポーネントやシステムを供給する形で事業に参加する。プロジェクトへの投資額は350億ルーブルになり、シナラは資金の80%をクラスター投資プラットフォームの優遇メカニズムを利用して調達したい意向である。高速鉄道車両生産のため、ウラル機関車工場に2棟の建屋(総面積6万平米)が建設される。100以上のロシアのサプライヤーが納入を行う。

 記事は以上のように伝えているが、ロシアに高速鉄道の技術をもたらしていた独シーメンスは、2022年5月にロシアからの撤退を決めており、今後のロシアの高速鉄道車両の生産に暗雲が垂れ込めていることは、こちらの記事なども伝えていた。ロシアがシーメンス抜きで独力でできるのかというのが焦点となろう。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 チャートがビートルズによって席巻されていたこの頃、便乗ものというか、ビートルズを題材にした曲もチャートに登場するようになる。今週73位に初登場のCarefrees - We Love You Beatlesもそんな一曲。ただ、アメリカではなくイギリスのグループのようだ。ビートルズっぽいフレーズを曲のあちこちに配置しているのが楽しい。

その頃ソ連では
1964年3月21日:ソ連とイエメン・アラブ共和国が友好条約に調印。

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 こちらに見るとおり、ロシア統計局が2月のインフレ率(消費者物価上昇率)を発表したので、恒例によりグラフを更新してお目にかける。グラフはクリック・タップで拡大。

 2月のロシア消費者物価は、前月比0.68%増、前年末比1.55%増、前年同月比7.69%増だった。1~2月の平均では前年同期比7.56%増だった。上図は月別の推移を示したもの。

 下図は、物価を食料品、非食料商品、サービスに分けて、その水準の月別推移を跡付けたものである。引き続き、直近では青果物を中心に食品の値上がりが目立つ。

 ただ、高金利で物価を抑制しており、また為替も足元では比較的安定しているため、インフレの動向にも全体的に大きな変化は見られない。

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 先日、「新幹線5路線の建設をぶち上げたプーチン」という話題をお届けしたが、その続報的な情報である。こちらの記事によると、このほどロシア鉄道のO.ベロジョーロフ社長が連邦議会の下院で発言し、高速鉄道の建設期間について述べた。

 以前伝えられた情報によれば、5路線に順番を付けて、1路線ずつ建設していくというようなニュアンスであった。それに対し今回ベロジョーロフ社長は、一気に複数の路線建設に着手し、10~15年内にほぼすべてのプロジェクトを実現すると述べ、より前のめりの姿勢を示した。ただ、S.コブゼフ副社長は先日、5路線のうちモスクワ~サンクトペテルブルグは2028年暮れか2029年の開通を見込んでいると述べており、いずれにしてもペテルブルグ線が先行してパイロットプロジェクトにはなりそうだ。


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 ロシアの主力の輸出石油ブランドであるウラル原油の価格推移を示したような便利なグラフがどこかにないかと思って探したのだが、決定版と言えるものは見当たらなかったので、自分で作ることにした。それが上図である。

 こちらの記事によれば、2023年のウラルの年平均価格は、1バレル当たり62.99ドルだったということである。前年の76.09ドルからは下がったが、G7の設定した上限価格の60ドルは上回った。しかも、これはあくまでもウラル原油だけの数字であり、極東のESPO原油、ソコル原油などはそれよりも高いはずなので、それらも含めれば、ロシアの石油輸出全体の平均価格はさらに高いだろう。

 それで、以前「石油税収の立て直しを急ぐロシア」というエントリーでお伝えしたとおり、ロシアのウラル原油の指標が実態から乖離するようになったため、ロシアは石油に対する地下資源採掘税の基準としてウラル原油相場を利用するのを見直し、ブレント価格マイナス一定のディスカウント幅という制度に移行した。当該の措置は2023年4月に発効し、4月にはブレントからマイナス34ドル、5月にはマイナス31ドル、6月にはマイナス28ドル、7月以降はマイナス25ドルと、ディスカウント幅は段階的に縮小していった。

 個人的に、その後の動きをフォローできていなかったのだが、こちらの記事によると、ディスカウント幅はさらに縮小していくということである。整理すると、以下のとおりとなっている。

  • 2023年9月1日から:マイナス20ドル
  • 2024年:マイナス15ドル
  • 2025年:マイナス10ドル
  • 2026年:マイナス6ドル

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 ブルームバーグのこちらの記事は、有料購読者でないと全文は読めないが、プーチンが大統領選での再選というみそぎを終えたあと、ロシアで大規模な増税が実施されるとの見通しを伝えている。

 ブルームバーグがロシア政府関係者から伝えられたところによると、ロシアはウクライナでの戦費がかさんでいることをにらみ、4兆ルーブル(440億ドル)規模の大型増税に踏み切ることを検討しているという。

 まず、個人所得税について。現状では、年収500万ルーブル未満が13%、500万ルーブル以上が15%の税率になっている。これが、現在検討されている案によれば、年収100万ルーブル未満が13%、100万~500万ルーブルが15%、500万ルーブル以上が20%になる。

 また、法人税を20%から25%に引き上げることも検討されている。

 プーチン政権は、前回も、再選直後の2018年6月に付加価値税を18%から20%に引き上げることを決めた。今回も、大統領が6年の新たな任期を取り付ければ、不人気な政策を実行に移すのに都合の良いタイミングだと、政府では考えているという。


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 こちらのサイトに見るとおり、このほどM.ミシュスチン・ロシア首相が署名した一連の政府決定により、3つの新たな経済特区が設立されるとともに、2つの既存の経済特区の拡大が決まったということである。連邦政府の経済発展省が取り仕切るロシアの経済特区にはいくつかの種類があるが、今回はいずれも工業生産型特区となっている。

 中国などでは経済特区は外資導入の切り札になったが、ロシアの場合は必ずしも外資に主眼があるわけではなく、国内・国外問わず投資家を呼び込もうという措置ではある。ただ、それにしても、今のロシアのように国際的に孤立して外資の進出は期待しにくく、国内の民間投資もそれほど活性化する様子はないにもかかわらず、こうした情勢下で特区を拡充するというのは、ややピンと来ない政策ではある。

 ともあれ、今回特区の新設が決まったのは、まず沿ヴォルガ地域のモルドヴィア共和国のサランスク市リャンビルスキー地区に設置される経済特区「システマ」がある。建材、電気設備、電子・光学機器、化学品、機械製造などの企業入居が見込まれている。333億ルーブルが投資され、775名分の雇用が創出される。

 もう一つ、南部ロストフ州のノヴォチェルカッスク市に、経済特区「ロストフスカヤ」が設置される。トレーラー、業務用冷蔵設備、ガス液化などを中心に、86億ルーブルの投資と790名以上の雇用創出を見込んでいる。

 さらに、モスクワの北西に位置するトヴェリ州のカリーニン地区とコナコフスキー地区に、経済特区「エマウス」が創設される。ポリエチレン管、板金、索道、建材などの投資が予定されている。170億ルーブルの投資と8,400人の新規雇用を見込む。

 以上が3つの新たな特区であったが、このほかにも、カルーガ州バブィニノ地区の特区、リペツク州のリペツク経済特区の敷地拡張もあわせて決定された。


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 ロシア財政の石油・ガス歳入に関するこちらの論考に興味深い表が出ていたので、上掲のとおり拝見することにする。国際石油価格と、ルーブルの対ドル為替レートにより、ロシア連邦財政の石油・ガス歳入がどう変動するかを示したものである。表の単位は兆ルーブル。ちなみに、2024年の連邦予算では、11.5兆ルーブルの石油・ガス歳入を見込んでいる。

 表では、ヨーロッパの基準油価であるブレントの1バレル当たりドルでの価格が、横軸に示されている。当然、油価が高い方が石油・ガス歳入も高まることになる。

 注目されるのは、為替の影響である。表では、1米ドル当たりのルーブル・レートが、縦軸に示されている。ルーブル安になる方が、石油・ガス歳入が拡大することが示されている。しばらく前にある専門家が、1ドル当たり1ルーブル安くなるごとに、国庫には1,000億ルーブルの追加歳入が入ってくると指摘していたが、この表はだいたいそれに近い構図を示している。


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 こちらに見るとおり、ロシア財務省が2月までの連邦財政執行状況を発表したので、恒例によりグラフを更新してお目にかける。グラフはクリック・タップで拡大。

 戦争に、選挙のバラマキが重なったのか(?)、財政の拡大が続いている。一応歳入も拡大しているが、歳出もまた拡大基調だ。2024年の連邦予算は1兆5,950億ルーブル(対GDP比0.9%)の赤字で編成されていたが、1~2月の執行実績で赤字はもう1兆4,740億ルーブル(対GDP比0.8%)に達している。ただし、以前に比べると、ロシアの財政当局は予算執行を前倒ししている傾向があり、このまま赤字が数倍に拡大するということは、おそらくないはずである。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 まだチャート上昇中だが、今週46位のSearchers - Needles And Pinsに何となく目が留まってしまったので、今週はこれを聴いてみることにしたい。英チャートでは1位で、米ビルボードでも最終的には13位まで上がる。ビートルズに続け。

その頃ソ連では
1964年2月27日:ベラルーシ共和国のミンスクで無線技術大学が開校(現在のベラルーシ国立情報・通信技術大学)。

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 以前も取り上げたことがあったが、シベリア鉄道とバイカル~アムール(BAM)鉄道を総称してВосточный полигонと呼ぶ。定訳があるのか分からないが、とりあえずここではロシア鉄道の東部管区と呼ぶことにしようか。それで、東方シフトを急ぐロシアは、その東部管区の輸送キャパシティ拡大を図っている。このほど、こちらの記事で、そのキャパシティ拡大の軌跡を描いた便利な図が掲載されていたので、上掲のとおり転載させていただいた。2023年の1億7,300万tまでが実際の輸送容量であり、2024~2032年は見通しとなっている。

 一方、こちらの記事では、ロシア鉄道のA.シロ副社長がコメルサント紙のインタビューに応じており、東部管区の輸送実績について語っている。それによると、2023年の実際の輸送量は、キャパシティを下回る1億5,050万tに留まったということである。副社長によると、工事を段階的に進めた結果、1億7,300万tという輸送容量を達成したのは2023年末であり、年平均をとると輸送容量は1億5,980万tほどだったということである。また、キャパがあっても、それがフル活用されるためには諸条件が揃う必要があり、そうしたことから2023年の実際の輸送量が1億5,050万tに留まったということのようである。


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 2012年から2024年に至る第3~4期のプーチン体制で、一時期かなり騒がれながら、結局実現しなかったのが、高速鉄道計画だった。最初はモスクワ~カザン線を建設すると言っていたのが、いつの間にかモスクワ~サンクトペテルブルグ線にすり替わり、他にも色んな構想が浮上したが、結局一つも実現しなかった。

 しかし、第5期を見据えたプーチン政権は、再び高速鉄道の構想を語り始めた。個人的にあまりフォローできていなかったが、こちらの記事によると(上掲画像もそこから拝借)、2023年8月17日にナショナルプロジェクト「高速鉄道の発展」が採択されており、そこで高速鉄道5路線の建設という方針が制定されたということのようである。

 そして、プーチンが2月29日に行った年次教書で、改めてこの計画が示された。プーチンは、「モスクワとサンクトペテルブルグを結ぶ最初のルートは、トヴェリと古都ヴェリーキーノヴゴロドを通過する。その後、カザンおよびウラル山脈、ロストフナドヌーおよび黒海沿岸、兄弟国ベラルーシのミンスク、その他の需要のある方面へと高速鉄道を敷設する」と述べた。

 一方、こちらの記事によると、ロシア鉄道のS.コブゼフ第一副社長も、高速鉄道の建設計画について語った。それによると、1.モスクワ~サンクトペテルブルグ、2.モスクワ~エカテリンブルグ、3モスクワ~アドレル、4.モスクワ~ミンスク、5.モスクワ~リャザン、という建設の順番になるという(上掲地図にもそのような番号が割り振られている)。


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 これは、一般の皆様向けの情報発信というよりは、完全に個人的な調べものだ。当ブログでは先日、「ロシアが北極域の範囲にハンティ・マンシの2地区を追加」という話題をお届けした。それで、ハンティ・マンシ自治管区と言えばロシア随一の産油地域であるが、くだんの北極域追加2地区は、石油生産という観点からはどうなのだろうかということが気になって、調べてみた。

 しかし、統計局の公式統計集には、ハンティ・マンシ自治管区の地区ごとの石油生産量というデータは見当たらなかった。そこで一般の記事を漁ったところ、どうにかこちらの記事で欲しいと思っていたものに近いデータを入手することができた。2021年1~10月の地区別石油生産量が出ており、まあほぼ通年の生産シェアと同じだろうと判断し、この数字を使うことにした。

 こうやって見ると、ハンティ・マンシ自治管区の石油生産は、スルグト、ネフチェユガンスク、ハンティマンシースク、ニジネヴァルトフスクという4つの地区にかなり集中している。そして、北極域指定が決まっている2地区のうち、ベロヤルスキー地区の石油生産量はごくわずかで、ベリョーゾヴォ地区に至っては現状で数字がゼロであることが分かった。前回の記事によれば、ベリョーゾヴォ地区は「チュメニ石油発祥の地」として知られ、西シベリアの資源開発の起点と考えられているということだったが、枯渇してしまったのだろうか。

 つまり、ハンティ・マンシ自治管区の2地区を北極域に指定しても、ロシア北極域の石油生産規模はほとんど増えないということのようである。


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 3日連続でこの話題になるが、先日のプーチン・ロシア大統領による年次教書演説で、個人的に注目したものに、住宅ローンの問題があった。ロシアではしばらく前から、政府の補助による低利住宅ローンが施行されていた。いくつかのプログラムがあり、その概要をまとめたのが上表である。ロシアは現状で政策金利が16.0%という高金利経済ながら、これらのプログラムを活用すれば、ごく低い金利で住宅ローンが借りられるのである。

 これらのプログラムは、元々はそれぞれに経済・社会的な狙いがあった。優遇ローンはCOVID-19後の経済・社会再生策、極東・北極ローンは地域振興策、ITローンはウクライナ侵攻後のIT技術者国外流出への対応策、「新領土」ローンは占領地ロシア化が目的である。しかし、いつしかプーチン政権の人気取り政策へと変質し、利用期限は何度か延長されて現在に至る。そして、国策による危うい住宅官製バブルが生じていた。

 それで、先日のプーチン教書で、やはりと言うべきか、一連の低利住宅ローンプログラムは延長する方針が示された。ただし、「優遇ローン」に関しては、従来は新築住宅購入者であれば誰でも利用できたわけだが、教書の中では言及がなかった。国家政策が住宅市場を歪め、国庫にも負担を強いていたことから、低利ローンはよりターゲットを絞って運用していくべきだという議論が高まっていたので、借り手の条件を問わない優遇ローンは、打ち切りになるのかもしれない。また、ITローンについても、教書では言及はなかった。

 一方、幼い子供がいる家庭が対象となる「家族ローン」に関しては、プーチンは教書で以下のように述べた。

 過去6年間で、何百万ものロシアの家族が住宅事情を改善し、そのうち家族向け住宅ローンの助けを借りて改善した家庭が90万以上あった。このプログラムは2018年に始まった。政府は常にその使い勝手を改善してきた。最初は子どもが2人以上いる家庭が対象だったが、次に子どもが1人の家庭も対象となった。家族ローンの利用期限は今年6月までだったが、私は基本条件を維持したまま2030年まで延長することを提案する。特に、6歳までの子供がいる家庭には、金利はこれまで同様6%に据え置かれる。さらに、現在3人目の子供が生まれると、国はその家族の住宅ローンの一部、45万ルーブルを肩代わりしている。私はこの規定を2030年まで延長することも提案する。今年はこのために500億ルーブル近くの財源が必要となり、必要額はさらに増えていくが、そのための資金はある。

 最終決定と採択が必要なもう一つの追加決定として、特に小都市や、新しいアパートが少量しか建設されていない、あるいはまったく存在しない地域のために、家族ローンの特別条件を規定するよう政府に要請する。頭金の額や金利など、重要な指標を決定するために、できるだけ早くこれを実行する必要がある。

 一方、極東、北極、「新領土」については以下のとおり述べている。

 極東・北極圏、ドンバス、ノヴォロシアの住民を対象とした金利2%の特別住宅ローン・プログラムも継続する。また、特別軍事作戦の参加者や退役軍人も、これらの地域と同様の有利な条件でローンが利用できる。

 というわけで、上表では、今回のプーチン教書による提案を、赤い字で示した。


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 先日、プーチン・ロシア大統領が行った年次教書演説では、2030年を期限とする政策目標の表明が目立った。2030年がキリの良い年というのもあるが、当然のことながら、今月の大統領選というセレモニーで再選という形をとれば、新たな6年の任期が終了するのが2030年なので、第5期の施政方針という意味合いもあっただろう。

 それで、こちらの記事によると、プーチンが教書で述べた取り組みを実行に移すためには、2030年までに17兆ルーブルの資金が必要ということである。これは、プーチンその他の幹部が直接そう表明したわけではなく、プーチンが教書で述べた措置を踏まえ、明らかになっている財政データや政権幹部の個々の発言などを合計し、RIAノーヴォスチ通信が独自に2024年から2030年末までの合計額を算出した額ということである。

 主な支出項目は(記事の書き振りが分かりにくいが)、公営事業インフラの改修:4.5兆ルーブル、子供手当などの社会分野:3.3兆ルーブル、地域の発展支援:2.3兆ルーブル、科学の発展:2.3兆ルーブル、経済発展:1.2兆ルーブル、都市インフラの開発:1.0兆ルーブルなどとなっている。


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 こちらに見るように、2月29日にプーチン・ロシア大統領が年次教書演説を行った際に、概要以下のように述べた。

 ロシアは2023年に世界平均を上回る成長を遂げた。成長率で、EU主要国だけでなく、すべてのG7諸国をも上回った。過去10年間で築かれた基盤がものを言った。今日、経済成長のうち非資源部門が占める割合は90%を超えている。ロシア経済は高度で、技術的で、つまりはより安定したものになっているのである。今日、購買力平価ベースのGDPで、ロシア経済は欧州最大であり、世界でも5位である。今の成長のテンポと質からすると、近い将来に我が国がもう一歩前進すること、すなわち世界の4大経済国入りすることも可能だ。そうした発展は家計所得の上昇に直接的に転化することとなろう。

 さて、問題は、世銀のこちらのページから作成した上図のとおり、現在、購買力平価ベースのGDP規模の世界4位は、日本であることだ。つまり、今回プーチンが名指しで述べたわけではないが、ロシアが購買力平価GDPで世界4位になるということは、我が国を抜くことを意味するわけである。そんなことが可能なのだろうか?

 この問題に関し、こちらの記事の中で、ロシア独自の格付け機関であるNRAのS.グリシュニン専務理事がコメントしているので、その要旨を整理しておく。グリシュニン氏いわく、日本を追い越すには、ロシア経済が10年間で毎年4%以上成長し、なおかつ日本経済が年率1.5%以下の成長率に留まる必要がある。ただし、日本ではインフレが進行し、今後2年以内に早くも購買力平価ベースのGDPが縮小する可能性があり、そうなればロシアはより早く日本に追いつくことができる。もっとも、そのためにロシアは官民を問わず、大規模な投資を行う必要がある。こうした投資がインフレを加速させてはいけないが、実質的に開放された経済では非常に難しい。他方、現在ランキングでロシアの下にいる国々についても忘れてはならない。成長するとはあまり信じられていないドイツや、人口ボーナスによって成長ペースが大幅に上乗せされる可能性のあるインドネシアやブラジルが控えている。もっとも、現状のロシアの5位というのも、あらゆる混乱、改革、制裁を考えれば、非常に高い成果である。グリシュニンは以上のように述べた。


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 こちらの記事が、ブルガリアのロシア原油輸入をめぐる動きを伝えているので、要旨をまとめておく。

 2022年12月5日にEUがロシア産原油の禁輸を決めた際に、例外的に輸入継続が認められたのが、ハンガリーなどがドルージバパイプラインを通じて輸入している分と、ブルガリアの海上輸入であった。ブルガリアに関しては、2024年末までタンカーで輸入することが認められた。しかし、今般ブルガリア議会はその期限を待たずに、3月1日からロシア原油を禁輸することを決定したものである。

 Politicoが入手したブルガリア議会向けの非公開報告書によると、2023年2月5日に免税措置が導入されて以来、ブルガスに所在するロシア系ルクオイル社保有の製油所は、10億ドルを稼いだ。それに対しルクオイル側は、しかるべく税金を納め、ブルガリア財政に対する義務を完全に果たしていると主張した。とはいえ、ロシア原油を制限しようとするブルガリアの方針を踏まえ、ルクオイルは製油所の戦略を見直し、場合によっては売却も辞さないとしていた。

 駐ブルガリア・ロシア大使は、ルクオイルの製油所に関する当局の決定は、大企業に対する文明的な規制からは程遠いと指摘した。大使は、同社に対する圧迫にもかかわらず、製油所を割安な価格で購入しようなどということは不可能だと警告した。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 ビートルズを筆頭とするブリティッシュインベイジョンの時代に差し掛かりつつあったこの頃。地元アメリカ勢で気を吐いていたのがモータウンであり、またビーチボーイズだった。そして、もう一つ忘れちゃいけない。フォーシーズンズもまだ健在。Four Seasons - Dawn (Go Away) は、ビートルズの壁に阻まれて3位が最高だったが、大ヒットには違いない。

その頃ソ連では
1964年3月6日:ウクライナの画家、演劇人、グラフィックデザイナー、アナトーリー・ペトリツキー氏がキーウで逝去。享年70歳。1920年代にウクライナ演劇が形成された当時、彼は前衛的で革新的な舞台美術家であり、伝統文化と現代性を有機的に結びつけ、ウクライナ演劇の発展を決定づけた。

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 こちらの統計月報に見るとおり、このほどロシアの2023年賃金統計の概況が明らかになった。以下、簡単に見ておくことにする。コメルサントのこちらの記事も参照。

 ロシア統計局発表によると、2023年のロシアの平均月額賃金は、73,709ルーブルだった。これは、名目で前年比14.1%増、実質で同7.8%増となる。最新の12月時点では、平均月額賃金は103,815ルーブルであり、これは名目で前年同月比16.6%増、実質で同8.5%増であった。

 ちなみに、2023年全体の平均月額賃金の前年比増加率は上述のとおり14.1%だが、特に高かった部門は以下のとおりである。やはり、軍需関係が目立つという印象だ。一見、衣類は関係なさそうだが、イヴァノヴォ州あたりで軍服をせっせと縫っているのが効いたのかもしれないし。

  1. 衣類生産:23.9%増
  2. 電気設備:23.7%増
  3. 完成金属製品:23.5%増
  4. その他の輸送機器:22.2%増
  5. コンピュータ・電子・光学機器:22.0%増
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 珍しくモルドバの話題。こちらの記事が2023年のモルドバの商品輸出入実績について伝えているので、それをチェックしておく。

 モルドバ統計局の発表によると、2023年のモルドバから外国への商品供給は40億4,800万ドルで、前年比6.5%減だった。ただし、そのうちモルドバ自身による輸出は28億7,000万ドルで前年比3.2%減であり、残りは第三国商品の再輸出の11億7,800万ドルで13.7%減だった。

 外国への商品供給の65.4%はEU向けで、その額は26億4,600万ドル(4.3%増)だった。CIS諸国向けは8億9,680万ドル(14%減)だった。

 外国への供給の主要品目は、機械・電気機器が15.4%、穀物・同製品が10.6%、ガソリン・石油製品が9.8%(主にウクライナへの再輸出)などであった。

 国別で最大の供給先はルーマニアで14.2億ドル、ウクライナが6.0億ドル、イタリアが2.6億ドルなどとなっている。

 商品輸入は86億7,300万ドルで、前年比5.9%減だった。その約半分の41.9億ドルがEUから(4.1%減)、CISからは16.1億ドル(26.3%減)だった。

 その結果、2023年の貿易赤字は46億2,500万ドルに上り、輸出は(再輸出を含めても)輸入の46.7%しかカバーできていない。

 この記事を読んで初めて意識し、統計をちょっと調べてみたが、モルドバはルーマニアから(トルコ、ブルガリアからも?)一定量の石油製品を輸入し、その半分くらいを国内で消費し、残りの半分くらいをウクライナに再輸出するというスキームがあるようだ。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「最近の私の音楽ライブ観賞モード」です。研究とは何の関係もない雑談ですが、よかったらご笑覧ください。


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1743

 以前から懸案であったEUによるロシア産ダイヤモンドの輸入禁止措置は、年末にまとまったEUの第12次制裁パッケージでようやく正式決定した。この状況にロシアはどのように対応していくのだろうか。こちらの記事が、ロシア財務省(貴石輸出分野を担当)の姿勢につき伝えているので、以下抄訳しておく。

 ロシアは、他のダイヤモンド産出国、特にアフリカ諸国とのパートナーシップを強化し、新たな市場を開拓している。ロシア財務省の広報局が、このように伝えた。

 これに先立ち、A.シルアノフ財務相は、EUがロシアからのダイヤモンド輸入に制裁を加えても、制裁を加えた側にはメリットがなく、ロシアは販売市場を再構築すると述べていた。同大臣が指摘したように、ロシアからのダイヤモンド輸出は継続されることになる。

 ロシアからEUおよびG7諸国へのダイヤモンド輸入規制が2024年1月1日に発効し、3月1日からはG7諸国が第三国で加工されたロシア産ダイヤモンドの輸入を段階的に制限し始める。この措置を統制するため、9月までに追跡・認証メカニズムを構築する予定となっている。その際に、この制裁の実施において主導的な役割を担うのは、世界最大のダイヤモンド取引・加工の中心地であるアントワープ市を擁するベルギーである。


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1742

 こちらのサイトこちらの記事によれば、2月26日付の大統領令により、ロシアの新たな軍管区制が制定されたということである。3月1日から施行される。それを示したのが上図。

 大きな変更としては、私の理解によれば、まず従来の西部軍管区を分割するような形で、新たにモスクワ軍管区、レニングラード軍管区を設けた。また、北極海艦隊は従来、軍管区と同等の位置付けだったが、今回その資格を失い、レニングラード軍管区の一部という位置付けになる。これらの変更は、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟により発生した脅威に対抗するためとされている。そして、ロシアが併合を宣言しているウクライナ南東部の「ドネツク人民共和国、「ルガンスク人民共和国」、ザポロジエ州、ヘルソン州が、南部軍管区の構成に加えられた。


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1740

 ウクライナへの全面侵攻開始2周年と、ナヴァリヌイ死去が重なり、ここ2~3日でまた欧米日の対ロシア制裁がバタバタと追加発表された。色々ありすぎて、全容を把握できない。昨年後半くらいの時点で、「国際社会による対ロシア制裁措置をすべて合計すると、1万3,000件ほどになる」と、よく言われていた。しかし、ここ2~3日の追加措置で、1万5,000件くらいにまで増えたかもしれない。誰か数えてくれ。

 さて、新たな制裁措置をめぐる一連の報道の中でも、一番私の目に留まったのが、こちらに見るように、ロシア内陸部のタタルスタン共和国にあるアラブガ経済特区が、米国による制裁の対象になったというニュースだった。特区自体と、その幹部と、いくつかの入居企業までもが制裁対象になったとされている。これは言うまでもなく、イランのカミカゼドローン「シャヘド」のロシア現地生産が、アラブガ経済特区で始まっていることを受けた措置だろう。同特区には他にもドローン関連メーカーが入居しており、それらも軒並み対象となった。

 アラブガ経済特区は、かつては外資企業の受け皿として有望視され、日本から視察団を派遣したりもしたものだったが、いまや殺人ドローン生産のメッカになり、米制裁を科せられるとは。「ロシアの経済特区の特質」などという文章を書いた身としては、さすがに胸に迫るものがある。


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 2023年10月1日にロシアが導入した新たな輸出関税がある。これは、特定の品目を対象に、為替レートに応じて可変する輸出関税を課すというものである。この税のその後の動向につき、こちらの記事が伝えているので、以下要旨を整理しておく。

 2024年に入ってから、ロシア税関は為替連動輸出税を460億ルーブルを徴収した。ただ、昨年暮れは月当たり280億〜290億ルーブルが徴収されていたが、それに比べると今年に入り1ヵ月当たりの徴収額は250億~260億ルーブルとなっており、30億ルーブル低下している。連邦税関局のR.ダヴィドフ局長代理が明らかにした。

 2023年10月1日より、ロシアは幅広い品目にルーブルの為替レートに連動する輸出関税を導入した。特にアルコール、タバコ、魚介類、乳製品、砂糖、菓子、チョコレート、鉱業製品、鉄・非鉄、貴金属、肥料に適用される。

 2023年10月の輸出関税率は通関価格の7%、11月と12月は5.5%であった。2023年10月から12月にかけて、肥料には10%の税率が適用された(肥料の種類により異なるが、1t当たり1,100ルーブル、1,800ルーブル、2,100ルーブルを下回ることはない)。

 長官代理によると、為替連動輸出税は、税収増のためというよりも、対ユーロ、対ドルでのルーブルの為替レートの変動による市場調整を目的とした措置である。昨年の徴収総額は約1,400億ルーブルであった。


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 私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2024年3月号が発行されたので、ご紹介。3月号は、「ロシア・ウクライナをめぐる地政学と地経学」と題する特集号となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。

 私自身は、いずれも特集の枠内で、「ロシアの軍需産業は覚醒したのか ―戦車と無人航空機を中心に」というレポートを寄稿したほか、「ウクライナの農業と鉄鋼業に光明は見えたか」、「港湾貨物量で見る侵攻後のロシア産業・物流」という連載記事を書いております。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、42位にThe Beatles - My Bonnieというのが入っており、「あれ、ビートルズにそんな曲あったっけ?」と思ったのだが、確認したところこれはイギリスのトニー・シェリダンという歌手が1960年代初頭にハンブルグで無名時代のビートルズをバックに録音した曲であり、それをついに全米で爆発したビートルズ・ブームにあやかって、「ビートルズ名義」で発売したということらしい。

その頃ソ連では
1964年2月2日:インスブルック冬季オリンピックで、ソ連のスピードスケート選手リディア・スコブリコヴァが4つ目の金メダルを獲得。一回の冬季五輪で4つの金メダルを獲得した初の女性に。

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