ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 ロシアの『プロフィール』誌(2019年9月9日号、No.34)に、ロシア独自開発のスマホに関するコラムが出ている。要点は以下のとおりである。

 ロシアではPC、スマホ等の一般消費者向けエレクトロニクス商品の生産はほぼ行われていないが、時折市場にはロシア独自開発とされる商品が投入されることがある。

 代表的なのは、Yota Devicesが発表したYotaPhoneのシリーズで、e-linkスクリーンというものが裏側のパネルに据えられているものだった。2013年に投入されたが、価格が高くデザインが物議を醸したことで、市場には受け入れられなかった。第2世代のYotaPhoneはデザインが改善されたが、やはり市場には浸透せず、結局、2世代合わせて10万台以下しか売れなかった。

 その数年後、Inoiというブランドが登場し、2019年第1四半期には格安スマホ部門でトップに立ったこともあった。Inoiはアンドロイドだけでなく、オーロラOSの将来版であるセイルフィッシュOSでもスマホを開発している。マスコミでは、Inoiが公務員用スマホの主要候補とされている。

 最近では、ヤンデックス・スマホが注目を集めている。2018年にヤンデックス・ステーションが発表され、スマートホームの構成要素となりつつある。ヤンデックス・テレホンは、ヤンデックスのサービスをプリインストールした廉価スマホである。

 他にもロシアにはBQ、Texet、Maxvi、Itelといったブランドがあるが、それらのスマホはすべて外国の部品を使って中国で組み立てられている。


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 音楽・楽器に関連した紋章のシリーズをお届けしている。リトアニアのヴィルニュス近郊にラバノラス町というところがあるそうで、そこの紋章が上掲のようなデザインとなっている。イノシシがバグパイプを奏でながら歩いている面白い図柄である。


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 こちらに、サッカーの国際移籍市場の動向と、そこにおいてロシアが占めるポジションに関する記事が出ている。以下、記事の要点を整理しておく。

 ロシアのサッカーが選手獲得に費やす費用は、2010年代の初頭に急増した。2012/13シーズンに、ロシア・プレミアリーグは選手獲得に3.3億ユーロを投じ、ドイツ、スペイン、フランスのリーグを抜いた。2013/14シーズンも3.2億ユーロだった。かくして、ゼニトではフッキとヴィツェルが、アンジではエトーとロベカルがプレーするリーグとなり、外国からロシア・リーグへの関心も高まった。

 しかし、その後、ウクライナ危機、経済危機が起こり、スターたちはロシアを去り、新規の選手獲得は最小限となった。それが、2019年になってロシア・プレミアリーグの選手獲得は再び活気付き、2.4億ドルが投じられた。しかし、専門家たちは、サッカーは経済の一部であり、経済危機の影響が消え去ったなどということはありえないという。実際、現時点で巨額を投じているのは上位の一部のクラブだけである。もしもサッカー界全体が活気付いているなら、プレミア下位のクラブも資金を投じるはずだが、そうはなっていない。スパルタク、クラスノダル、ディナモ、ゼニトの4クラブだけで、移籍金総額の4分の3を占めている。

 なお、ロシア・プレミアリーグ所属クラブの選手の市場価値は、以下のとおりとなっている(額は100万ユーロ)。

  1. ゼニト・サンクトペテルブルグ:201.4
  2. クラスノダル:148.5
  3. CSKAモスクワ:135.2
  4. ロコモティヴ・モスクワ:133.1
  5. スパルタク・モスクワ:93.4
  6. ディナモ・モスクワ:69.5
  7. ルビン・カザン:41.1
  8. アフマト・グロズヌィ:40.3
  9. ロストフ:33.9
  10. アルセナル・トゥーラ:33.5
  11. ソチ:28.9
  12. ウラル・エカテリンブルグ:25.2
  13. オレンブルグ:21.5
  14. ウファ:21.0
  15. クルィリヤ・ソヴェトフ・サマラ:18.9
  16. タンボフ:12.2

 この夏の移籍市場で最も目立ったのは、3年振りにUEFAチャンピオンズリーグに出場し、資金もガスプロムの支援で潤沢なゼニトだった。ゼニトは過去数年の不景気の時期も例外的に積極的な補強を行ってはきたが。ゼニトは、オレンブルグのリーダーだったA.ストルミンを獲得した。最初はストルミンはルビンに移籍すると言われていたが、オレンブルグのスポンサーはガスプロムの子会社であり、天の声が振ってきて、移籍先がゼニトに変わったという。ゼニトはさらに、ロコモティヴのミランチューク兄弟に4,500万ユーロでオファーを出したが、ロコ側が引き留めに成功した。

 その一方でゼニトは、余剰人員をFCソチに売却することに成功した。FCソチのような新興クラブが1,200万ユーロを出したのは異例だが、ソチのスポンサーもまたガスプロムの子会社だというのがミソである。

 この夏の市場で、最大の移籍は、ゼニトが4,000万ユーロでマルコムを獲得したことであった。この額はかつてゼニトがフッキやヴィツェルを獲得した額と同じであり、だからこそ「ロシアのサッカーは危機を乗り越えた」という言説も語られた。しかし、この間、西欧のマーケットはさらに拡大を遂げた。フッキやヴィツェルはクラブでも代表でもリーダーの本物だったが、マルコムはバルセロナの控えにすぎず、まだ目立った活躍はしていない。西欧のビッグクラブは様々な分野のスポンサーを獲得し、新規市場開拓にも余念がないが、ロシアは相も変わらず国営企業、国家財政だけが頼りである。唯一、西欧のクラブと平等な収入源は欧州カップ戦だが、そこで勝てなくなっているという問題がある。

 ある有識者は、次のように指摘する。マルコムの4,000万ユーロは現在の市場では適正だが、問題は今日のロシアで30億ルーブルもの資金を1人のサッカー選手に費やすのが適切かということだ。ガスプロムの支配株は国家に属しており、これは実質的にゼニトの資金の一部は血税ということである。国民の所得水準が低下している中で、こうした支出は社会に対する不道徳ではないのだろうか。

 


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 当方、今年度はロシア北方地域の経済発展動向を調査する事業を抱えており、その一環としてまずコミ共和国スィクティフカルでの調査を終えたところ。

 全般的にご当地グルメの乏しいロシアながら、民族共和国に来た以上は、多少は民族料理を食してみたいものである。面談相手に尋ねたところ、「スパスキー」というレストランでコミ民族料理を出しているということだったので、昼食に出かけてみた。

 この店、ソヴィエツカヤ通り22番にある。この通りは昔スパスカヤ通りと言って、街はまさにこの通りから始まったという由緒ある界隈で、それゆえに店もスパスキーと名乗っているわけだ。なお、店の入り口が2つに分かれており、右の方が安いカフェであり、左の方がくだんのスパスキーなので、ご注意いただきたい。また、昼時は安価なランチメニューが主体のようで、コミ料理を含む正式なメニューは言わないと出てこない。

 さて、メニューを眺めてみたところ、3ページくらいにわたって、コミ民族料理が掲げられていた。広大な針葉樹林が広がるコミ共和国だけに、森の幸と、トナカイ・ヘラジカの肉が主な食材となっているようだ。ただ、店員によると、実際にはヘラジカの肉は未入荷ということだった(昼時だったからか、あるいは季節の関係もしれないが)。

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 そんなわけで、まず選んだのが上に見る「コミ風マッシュルームスープ」という品。際立った個性はなく、ロシア料理にもありそうな雰囲気だったが、マッシュルーム、ジャガイモ、ニンジンなどが入っている優しい味のスープだった。

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 そして、メインは、店員に勧められた「イジマ風の肉」という品(イジマというのはコミ共和国にある村)。スープ、メインと壺入り2連発となってしまい、インスタ的には減点。トナカイの肉をシチュー風に煮込んだ料理である。上に赤い木の実(名前は不案内)が乗っており、全体としてもやや酸味がかった味だった。トナカイの肉は細かく切られているが、やや硬め。茶色い見た目はビーフシチュー風ながら、日本の美味しいビーフシチューに比べると、何か一味足りない感じがあり、私は塩を振って食べてしまった。

 PS 店のBGMが、現代ポップスながら、明らかにロシア語とも英語とも違う言葉であり、「おお、これがコミ語なのか!」と感動しかけた。しかし、良く聴いてみると、ラテン系の言葉に思えてきて、「ペルケ」なんてフレーズが出てきたから、たぶんイタリア語だったのだろう。せっかくコミ料理を売りにするなら、内装、BGM、店員のコスチュームなどもそれ風にすればいいものを、現代イタリアポップスとはまったく意味不明であり(店主の趣味か?)、ちょっと残念に思った。


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 先日簡単にご紹介した益田実・山本健(編集)『欧州統合史:二つの世界大戦からブレグジットまで (Minerva Modern History 1)』(ミネルヴァ書房、2019年)。サブタイトルに「ブレグジット」を掲げているだけあって、さすがに本書におけるその問題についての解説は説得力のあるものになっている。マスコミ報道では、イギリスとEUの駆け引きとか、イギリス国内のゴタゴタだとか、どうしてもそういう側面に偏重しがちだが、本書ではイギリスとEUの関係史、離脱決定に至る経緯はもちろん、イギリスが実際にEUから離脱した場合に双方に及ぶ結果や影響などについて具体的に書かれており、非常にためになる。

 特に、個人的に認識を新たにさせられたのは、第9章の333~334頁の次のようなくだりである。

 イギリスにとって同じく重要なのは、EU以外の国や地域との関係構築である。というのも、関税同盟と共通通商政策はEUの排他的権限であったため、1973年のEC加盟以来イギリスはどの国や地域とも直接通商関係を結んでおらず、離脱すればイギリスはEU域外の国・地域との通商協定がなくなってしまうからである。現在EUは50以上の国や地域とさまざまな通商協定を締結しているが、それに代わってイギリスは、離脱後に世界の国々と新たに通商協定を締結しなければならない。その作業量は膨大であり、交渉自体も数年かかると言われている。加えて、長年通商関係はEU任せであったことから、イギリス政府にはこの分野に精通した専門家が不足しており、またEUから離脱して一国となったイギリスの交渉力は著しく弱まることになる。

 うむ、これは個人的にまったく盲点だったが、言われてみれば確かにそのとおりであろう。そして、これは一例であり、おそらく当のイギリス国民が現在明確に意識していなくても、EUから離脱することによって生じる不利益や空白などは、膨大に存在するということなのだろう。


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 ちょっと遅かったような気がしないでもないが、こちらおよびこちらのページに見るとおり、ロシア連邦国家統計局は9月9日、ようやく2019年第2四半期(4~6月期)と上半期(1~6月期)のGDP成長率の速報値を発表した。ただ、発表された数字は、以前に示されていた推計値と変わらないものであった。すなわち、第2四半期の成長率は前年同期比でプラス0.9%、上半期全体では前年同期比でプラス0.7%となっている。四半期ごとの成長率を跡付けたのが、上のグラフである。

 GDPを産業部門別に見ると、2019年上半期のパフォーマンスが良好なのは、3.8%増の鉱業である。一方、製造業は0.6%増、建設はプラマイゼロと低調。農林水産業は0.4%減、情報・通信は0.6%減とマイナスを余儀なくされている。たまたま今年の数字がそうなっているだけならいいのだが、何だかますます、地下資源に依存する国になりつつあるような危惧も覚える。


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 こちらの記事によると、ロシアは、国策企業の「合同エンジン・コーポレーション(ODK)」の尽力により、従来ウクライナから供給を受けていた軍艦用エンジンの国産化に成功したということである。ODKのYu.シモチン主任設計士がRIAノーヴォスチ通信に語った。

 シモチン主任設計士によると、ODKはロシア国防省から、8,000~25,000馬力のガスタービンエンジンをロシア海軍用に開発する発注を受け、M70というエンジンシリーズの開発にこぎ着け、その任務を遂行した。

 経緯を記すと、2014年にロシアとウクライナの軍需協力が途絶したあと、ロシアは軍艦向けガスタービンエンジン調達の問題に直面し、たとえば黒海艦隊向けのフリゲート艦の建造が中止に追い込まれたりした。これを受け、ルィビンスクのODKサターン工場で国産ガスタービンエンジンの生産に着手する決定がなされた。2014~2017年にサターン工場で実験・設計作業が行われ、無事開発にこぎ着けた。


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 個人的なことながら、当方、本日から2週間ほどロシア出張です。いつも申し上げることながら、このブログが入居しているライブドアブログは、ロシアではなぜかアクセス禁止であり、ブログの管理画面にもアクセスできないので、更新が不能となる。一応、奥の手を使って更新を続ける予定ではあるけれど、もしも更新が滞ったら、そのような事情によるものなので、ご容赦いただきたい。

 さて、GLOBE+に、「ゼレンスキー・ウクライナ新大統領が仕掛けた電撃戦」を寄稿しました。

 ゼレンスキー大統領率いるウクライナの新体制成立の過程を眺めていて、特徴的だと思ったのが、同政権が短期決戦志向と言おうか、非常に「急いでいる」ということです。今回のコラムでは、そのあたりを論じてみました。


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 こちらの記事などが伝えているとおり、ロシア・ウクライナ・欧州委員会の三者が、9月19日にブリュッセルにおいて、天然ガスの供給とトランジットに関する交渉を行うことが明らかになった。マロシュ・シェフチョヴィチ欧州委員会副委員長兼エネルギー同盟担当委員が、当該の情報を確認した。

 シェフチョヴィチは自らのツイッターで、「私は交渉の進展が、冬季を前に、市場と需要家にポジティブなシグナルを送ることになると確信している」とコメントした。ウクライナのN.ボイコ・エネルギー次官も、9月19日交渉実施の事実を確認している。ウクライナ側からは、O.オルジェリ・エネルギー相、A.コボレフ・ナフトガス社長が交渉に参加することになる。ロシア・エネルギー省はまだコメントを出していない。


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 半年ほど前の記事だが、こちらに興味深い図解資料が出ていたので、これを取り上げてみたい。

 記事によれば、ロシア連邦天然資源・環境省が、初めての試みとして、ロシアに埋蔵されている地下資源の総額を産出したということである。その結果、地下資源の総額は2017年の末時点で55.2兆ルーブル(直近の為替レートでは8,385億ドル、90兆円)となり、これはロシアのGDPの60%に相当する。ただし、これは開発ライセンスを付与されており、開発計画も存在する資源に限る数字ということである。

 資源別の内訳では、石油39.6兆ルーブル、天然ガス11.3兆ルーブル、瀝青炭2兆ルーブル、鉄鉱石8,080億ルーブル、ダイヤモンド5,050億ルーブル、金4,800億ルーブルとなっている。

 埋蔵量は、石油90.4億t、天然ガス14.47兆立米、金1,407t、ダイヤモンド3.8億カラットとなっている。

 「開発ライセンスを付与されており、開発計画も存在する資源に限る」と聞いて、安心した。ロシアは年間5億t程度は石油を掘っているので、石油の埋蔵量が90.4億tしかないとしたら、20年ももたないことになってしまうからである。


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 音楽・楽器に関連した紋章のシリーズ。ロシアのリャザン州にプラヒノ村というところがあり、上に見るとおり、その紋章には太鼓とラッパが描かれている(理由は不明だが)。


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 こちらの記事に見るように、今般開催された第5回東方経済フォーラムの席で、サハ共和国のA.ニコラエフ首長が、「レナ川橋」の建設を猛プッシュする一幕があった。サハ共和国の見解によれば、橋の建設によりロシア極東と北極圏を結び付けることが可能になる。サハ共和国が交通網で隔絶されているという問題を、極東発展ナショナルプログラムは解決すべきだ。橋ができれば、インフラの制約が軽減され、全ロシア領土の経済的結合レベルが向上する。大規模な鉱山が稼働し、非資源部門のプロジェクトへの投資も流入する。橋は、アムール~ヤクーツク鉄道、ヴィリュイ、コルィマ、レナという3つの連邦道路、5つの地域道路、ヤクーツク河川港、ヤクーツク国際空港を連結することになる。2025年までに橋が開通すれば、サハ共和国市民のうち通年で交通インフラにアクセルできる市民の比率が20.9%から83%に高まる。北方供給の費用が減るので、財政の節約にもなる。というのが、サハ共和国側の主張である。

 それで、レナ川橋については、かねてからサハ共和国当局が要求していたプロジェクトのようで、こちらに専用サイトもある。端的に言うと、次のような話らしい。これまでサハ共和国の首都ヤクーツクは、鉄道が繋がっておらず、陸の孤島のような位置付けだった。それを、アムール~ヤクーツク鉄道と称し、南部のアムール州からヤクーツクに至る幹線鉄道を現在建設中で、それが上に掲げた地図の赤いルートになる。ところが、同鉄道はヤクーツク市そのものには到達せず、レナ川を挟んで川の対岸にあるニジニベスチャフというところが終点ということになっている(2番目の地図で青いフラグが立っているところ)。これではヤクーツク市が受ける恩恵が低下してしまうので、レナ川を渡る橋を架け、鉄道がヤクーツク市中心部まで到達できるようにしてほしいというのが、サハ共和国の連邦に対する要求事項ということのようである。


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 こちらの記事によると、ロシアとベラルーシは本年12月8日に二国間の統合に向けた新たなプログラム文書(複数)に調印する予定で、現在その準備作業を進めているということである。

 1999年に連合国家創設条約が成立してから、ロシア・ベラルーシ両国は野心的な統合を目指す姿勢を後退させ、さらに2015年にユーラシア経済連合が発足してからは、二国間から多国間の統合へと軸足を移していた。それが、ここに来て改めてロシア・ベラルーシ連合国家という二国間の枠組みでの統合深化がアジェンダに上ってきたということになる。

 記事によれば、ベラルーシ側のD.クルトイ経済相が、記者団に以下のように語ったということである。いわく、重要な問題が未解決だが、ロシアとベラルーシは12月8日に統合のためのプログラム文書(複数)に調印することになる。同日までに統合プログラム(単数)と、ロードマップのパッケージがワンセットで策定されることになる。12月8日というのは両国大統領がサンクトペテルブルグで合意したものであり、これは動かせない。文書には両大統領が署名することになる。また、両国は一連のデリケートな問題、とりわけ天然ガス問題についての一連の協定を準備している。それらの作業を現在行っているところであり、毎日何らかの修正が加えられ、延々と交渉が続いている。ガス価格については個別の政府間協定となり、年末までに結ばれるだろう。行動ブログラム自体は枠組み的なもので、具体的な諸問題はロードマップの方に明記される。ロードマップが策定されるのを受け、2020年を通して法令に落とし込む作業が開始される。そして、2021年1月1日から主要分野において共同市場が始動する。

 以上がクルトイ経済相の発言内容である。なお、記事の補足情報によれば、2018年12月にプーチン・ルカシェンコ両大統領の合意により、統合発展のための政府間作業グループの設置が決まり、6月末に両国首相の会合で11月までに統合のロードマップの中身につきすべて合意して12月には統合プログラムを提案するということが決まった由である。


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 これは、ロシア極東のウラジオストクで開催されている東方経済フォーラムの枠内での出来事である。こちらの記事によると、ロシアのプーチン大統領は4日にインドのモディ首相と会談し、その後の共同記者会見で、(ロシアなど5ヵ国から成る)ユーラシア経済連合とインドは、自由貿易圏(FTA)創設のための交渉を行う用意があると表明した。プーチン大統領は、「FTAの創設により貿易を多様化する新たな可能性が生まれると確信する。これは双方共通の目的であり、近いうちに当該協定を策定するための交渉第一ラウンドが行われることになる」と発言した。

 服部の理解によれば、これまでユーラシア経済連合はインドとは単なる「協力協定」のようなものを結ぶ意向とされていたので、FTAという話は今回初めて出てきたものではないかと思う。

 なお、いつも申し上げるように、ユーラシア経済連合という多国間組織の通商戦略を、ロシア一国の大統領が軽々しく発言してしまうのは、不適切であろう。同じことをキルギスの大統領がやったら、ロシアは激怒するはずである。


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 中国の東莞市(とうかんし)というところについては、個人的に認識していなかった。場所は、上の地図に見るように、香港および深圳の後背地のようなところである。ウィキペディアからの丸写しになるが、「改革開放前は現在の市域の多くは赤土が広がる貧しい農村だったが、1980年代末から広州と深圳、香港の中間に位置することから、香港企業、台湾企業の委託加工先や工場建設の好適地として、衣料品、日用雑貨、玩具、電子製品、パーソナルコンピュータまで、重工業以外の各種工場が林立する工業地帯に変貌した。特に、パソコン部品は世界の供給拠点として重要な地位を占める。また、輸出に必要な包装用段ボールを製造するための製紙工業もさかんで、中国最大の工場群もある」ということである。

 さて、今回お伝えしたいのは、その東莞とベラルーシが、物流で繋がったという話である。こちらの記事が伝えている。

 記事によれば、このほど東莞の国際ロジスティクスセンターにベラルーシから貨物が到来した。ベラルーシ産木材1,500tである。ヨーロッパから鉄道を利用して東莞に外国の貨物が届くのは、これが初めてのことである。46両から成る貨物列車は、ミンスクを出発し、対ロシア国境の満州里を経由して、当地に到着。全長11,884kmの行程を、28日間で走破した。東莞から欧州方面に輸出用の貨物列車が初めて出たのは2016年6月であり、その後の3年間で16,600本の列車が運行され、計24万tの貨物を運んだ。今回、初めて輸入貨物を受け入れたことにより、広東省~欧州の中欧班列路線は、双方向の輸送ルートとなった。これにより、往路と復路のアンバランスという課題が解消に向かうことが期待される。なお、供給されたベラルーシ産木材は、家具生産に用いられるという。


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 私個人は無関係だが、本日4日から6日まで、ロシア極東のウラジオストクで、「第5回東方経済フォーラム」が開催される。

 フォーラムの花形と言えば、投資案件の署名である。こちらの記事によると、2015~2018年に同フォーラムの枠内で総額8.7兆ルーブルの投資契約が調印されたということである。最高記録は2018年であり、総額3兆1,080億ルーブルに上る220件の調印があった(むろん、その多くは調印だけして実際には始動していなかったり、同じ案件についての合意を形を変えて繰り返したりしているわけで、8.7兆ルーブルの真水がロシア経済に注がれたわけではないが)。

 記事によれば、過去の大型契約のベスト10は、以下のとおりだという。

  1. 9,480億ルーブル。2015年に結ばれたアムール・ガス加工工場。
  2. 7,960億ルーブル。2017年に結ばれたナホトカにおける石油化学・石油精製工場。
  3. 5,000億ルーブル。2016年に結ばれたアムール・ガス化学工場。
  4. 3,877億ルーブル。2016年に結ばれたナホトカ肥料工場。
  5. 3,600億ルーブル。2018年に結ばれたチュコトのバイムスカヤ銅・金鉱山開発。
  6. 2,100億ルーブル。2018年に結ばれたアエロフロートによるスホーイ・スーパージェット100機購入。
  7. 985億ルーブル。2016年に結ばれたマガダン州ナタルキンスコエ金鉱の開発。
  8. 695億ルーブル。2018年に結ばれたカムチャッカLNGターミナル。
  9. 630億ルーブル。2016年に結ばれたサハ共和国ヴェルフネムンスコエ・ダイヤモンド鉱山の開発。
  10. 600億ルーブル。2015年に結ばれたボリショイカメニ湾におけるズヴェズダ造船所への投資。

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 GLOBE+に、「イスラムとロシア正教が共存するロシア第3の首都カザン ロシアの街物語(9)」を寄稿しました。タタルスタン共和国の首都カザンは、ロシア第3の首都、ロシアのスポーツの首都、ロシアのイスラムの首都など、様々な顔を持っています。


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 ウクライナ大統領選特報:延長戦(No.28、2019年9月2日)を配信しました。昨年12月から続けてきた動画シリーズも、ついに最終回となりました。

 新たに選出された最高会議(議会)が8月29日に初招集され、同日、ホンチャルーク(ゴンチャルーク)首相率いる新内閣が発足。首相がウクライナ史上最も若い35歳であるだけでなく、内閣の平均年齢も39歳で、フレッシュな顔触れの内閣が誕生しました。

 専門家の間では、「ゼレンスキーは、自分だけに依存するような人物を首相に据えたかった」、「ホンチャルークは政治的というよりも技術的な首相である」といった指摘が目立ちます。政策的には、親欧米路線、新自由主義的な路線を採ると見られています。

 恐らく、今回の政権交代劇は、独立ウクライナ史上、最も深甚な政治体制の刷新でしょう。しかし、ウクライナの改革・再建がきわめて困難な事業であることに変わりはなく、ゼレンスキー政権の前途は多難なものになると予想せざるをえません。


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 音楽や楽器に関係した紋章のシリーズを続けている。先週に引き続き、タンバリンが登場する紋章である。ロシアのザバイカル地方にあるアンドロンニコフスコエ村というところの紋章だ。ここは、元々エヴェンキ族が住んでいたエリアに、ロシア人が入植し、両民族が融合してできた村ということである。ゆえに、両者を象徴する、伝統楽器のタンバリン(左右に赤紫色で描かれているもの)と、教会の十字架が掲げられている。


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 しばらく前に執筆参加者の一人からご恵贈いただいた本を、改めて拝読しているところ。益田実・山本健(編集)『欧州統合史:二つの世界大戦からブレグジットまで (Minerva Modern History 1) 』(ミネルヴァ書房、2019年)である。

 欧州統合、EUに関する解説書、研究書の類は、あまた存在する。そうした中で、本書の特徴は、「統合史」というタイトルからも分かるとおり、欧州統合の前史から今日までを、基本的に時系列的に解説している点にある。おそらく、EUに関する書籍で一番良くあるパターンは、制度論、通貨統合、農業政策、構成国の拡大といったテーマ別・分野別にそれぞれの分野の第一人者が論じたものをコンパイルするというものではないか。本書を手に取るまでは、私も漠然とそのような本なのかなとイメージしていたのだが、実際には年代別に9つの章が設けられており、また基本的には一人1章という割り振りになっていて、各執筆者は同時代の重要事項にすべて言及することとなる。

 寄せ集めの論集と異なり、一貫した方針で通史を描くという本書を作り上げるにあたっては、さぞかし骨の折れる編集作業になったのではないかと想像する。しかし、その甲斐あって、本書では欧州統合の流れを、前後左右の出来事と照らし合わせながら論じることで、よりリアルに理解できるようになっていると感じた。

 たとえば、東野篤子による第8章「ビッグ・バン拡大からリスボン条約へ」によれば、中東欧諸国のうち、ブルガリアとルーマニアのEU加盟交渉は2004年末に妥結し、2007年1月に加盟が実現したが、これが後に思わぬ形でEUを揺るがす、一つの伏線になったという。というのも、それまでイギリスはEUの中東欧への拡大に好意的だったものの、ブルガリア・ルーマニアの加盟以降は態度を硬化させ、中東欧からの移民流入増大を警戒するようになったということだ。

 このような思わぬリパーカッションは、東方拡大だけを、あるいはブレグジットだけに注目していたら、見過ごしてしまいそうな現象である。欧州統合というと合理的な制度設計に従って推進されているというイメージを抱きがちだが、現実には様々な要因がカオス的に絡み合って動いてきたのだということが、通史だからこそ浮き彫りとなる。


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 しばらく忘れかけていたが、そう言えばモスクワに北京ホテルというのがあった。かつての中ソ蜜月時代の名残であり、昔のモスクワでは中華料理を食べられるレストランは貴重だった。ただし、ソ連末期だったか、連邦崩壊直後だったか、一度だけ食べに行ったら、恐ろしくマズかった記憶がある。

 北京ホテルに関しては、日本語版ウィキペディアに記事があったので、抜粋の上引用させていただく。

 設計者は、ドミートリー・チュチェーリン。ホテルはスターリン様式によってデザインされている。1939年に着工し1955年に完成した。当初、中ソ両国の友好のシンボルとして建設が計画された。ホテルは高級ホテルの水準で計画され、11階建て、最上階の11階には天井の高さ6メートルの豪奢なスィートルームが配置された。1955年12月15日、モスクワ市ソビエト執行委員会はホテルの1階に中華料理のレストランと喫茶店を開くことを決定した。この中華レストランは1990年代前半まで、モスクワ市内で唯一のエスニック料理店であった。

 それで、こちらの記事によると、どうも北京ホテルは身売りされることになり、競売にかけられたということのようである。しかし、入札期限の8月29日までに応札がなかったため、競売は成立しなかったと、記事は伝えている。

 何とも、時代の移ろいを感じさせる話題である。北京ホテルだけに、中国資本が買収する、といったことにはならないのだろうか?


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 こちらの記事などが伝えるように、新たに選出されたウクライナの国会、最高会議は8月29日に初招集され、ゼレンスキー大統領率いる公僕党が提案したオレクシー・ホンチャルーク(ゴンチャルーク)氏を首相に承認した。290の賛成で可決された。

 ゼレンスキーは事前に、実績のあるエコノミストを首相に起用したいというようなことを述べていたので、どちらかというと法律専門で知名度もやや劣るホンチャルークの起用は、少々意外だったかもしれない。ビジネス環境を重視した人選だろうか。


 オレクシー・ホンチャルーク氏は、1985年7月7日生まれの35歳。出身地は不明であり(ヴィンニツャ州との説あり)、チェルニーヒフの学校を卒業したことは知られている。大学で法学を専攻し、民間企業で法務関係の仕事をした。2009年に被害投資家救済協会のトップに就任。第一ウクライナ工業投資会社の副社長を務める。2015年に「効率的管理オフィス(BRDO)」のトップに就任し、2019年5月まで務めた(BRDOはEUの支援で創設された分析センター)。2013年に仲間とともに「人々の力」党を創設し、2014年に議会選を前にA.サドヴィーの自助党と合併交渉を行ったが、自助党による吸収合併を主張したサドヴィーと折り合わず、「人々の力」は議会選に独自に打って出て0.1%の得票に終わった。この間、ゴンチャルークはI.シェフチェンコ環境・天然資源相の顧問を務める。2014年にはS.クビフ第一副首相・経済相の顧問。2019年5月28日にゼレンスキー新大統領の下で大統領オフィス副長官に任命されていた。

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 こちらの記事によると、このほどトヨタの幹部は、ロシアでエアバッグおよび燃料タンク部品の現地調達を検討していることを明らかにした。同幹部は、「当然のことながら、我々は、将来的にどのような部品を現地調達できるかを検討している。具体的な決定は今のところないが、検討リストには、エアバッグ、燃料タンク部品等がある」と述べた。

 記事によれば、トヨタはロシア連邦産業・商業省との間で、10年間の「特別投資契約」を結んだところである。サンクトペテルブルグ市に所在する自社工場に、同契約の枠内で、200億ルーブルを投資することになる。ペテルブルグ工場では、生産モデルのラインナップの見直し、設備更新を進める。


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 モスクワの空の玄関口、シェレメチェヴォ空港では第3滑走路の建設が続けられてきたが、こちらの記事によると、9月1日に運用が開始されるということである。本来であれば新滑走路は2018年のサッカー・ワールドカップに間に合わせるはずだったが、何度か延期され、2019年9月までずれ込んだ。第3滑走路の開設により、シェレメチェヴォ空港の1時間当たりの最大発着数は、現状の70から100にまで拡大する。シェレメチェヴォでは今後、本年2019年内に新ターミナルC1(処理能力年間2,000万人)、2021年にはC2(1,000万人)の稼働が予定されている。

 さて、今回の第3滑走路でユニークなのは、新滑走路が道路を挟んだ向こう側の敷地にあるようで、航空機が自動車道路を越えられるように、巨大な橋が建設されていることである。上の動画がそれを紹介したものだが、今後は飛行機が道路の上の橋を渡っていく面白い光景が見られそうだ。


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 GLOBE+に、「プーチン政権が陥った袋小路 『4つのロシア』論から読み解く」を寄稿しました。

 ロシアでは、9月8日が統一地方選挙の投票日となっており、その一環として、首都モスクワ市の市議会選挙が実施されます。そのモスクワ市議会選で、野党系の候補の立候補が認められなかったことから、モスクワでは市民による大規模な反政府デモが続いています。今回は、ナターリヤ・ズバレビチという学者が唱えている「4つのロシア」という議論に依拠しながら、プーチン体制のロシアが陥った袋小路について考察してみました。


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 これは結構ビックリなニュースだ。ウクライナ南東部のザポリージャに、モトル・シチというエンジンメーカーがある。ロシアの軍用ヘリに搭載されるエンジンも生産している名門企業で、現在ロシアは必死に同社への依存脱却を図っているところだ。それで、こちらの記事によると、そのモトル・シチの株式の50%超を、中国のSkyrizon社およびXinwei Groupが買収したということである。モトル・シチの広報担当重役が明らかにした。現在、ウクライナ独禁庁の許可を待っているところだという。

 それで、この話には、宇・中・露だけでなく、米もかかわってくるのである。上掲の記事によると、米トランプ政権のボルトン補佐官が中国企業による買収を安全保障上の脅威と受け止め、水面下でその阻止に動いているということである。ちなみに、モトル・シチに関しては2年前にも中国系の投資家による50%超の買収話が持ち上がり、その時にはウクライナ保安庁が株式を差し押さえて取引が中止になったという。


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20190826No.2

 HP更新しました。マンスリーエッセイ「増税を前に真夏の爆買い」です。よかったらご笑覧ください。


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 音楽に関連した紋章のシリーズを続けている。今回は、ロシア東シベリアのクラスノヤルスク地方にあるヴェルフネインバツク村の紋章。上方に描かれているのが、タンバリンということである。タンバリンといっても西欧的なものではなく、おそらくここはシベリアの先住民の村で、その伝統楽器なのだろう。


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 末廣昭・田島俊雄・丸川知雄(編)『中国・新興国ネクサス: 新たな世界経済循環』(2018年、東京大学出版会)の紹介を続けさせていただく。

 本書の中でも、第1章「中国・新興国ネクサスと『一帯一路』構想」(伊藤亜聖)は非常に多面的かつ情報量豊かで、決定版に近い論考と思われる。ただ、この章を読み終え、「よし、これで一帯一路のことは良く分かった」と思うよりも、むしろ一帯一路なるものの掴みどころのなさ、研究する上での難しさを思い知らされた気がする。

 伊藤によれば、一帯一路政策が対象としている地理的範囲は、実は明確でないという。一般に、65ヵ国の沿線国が対象とされることが多いものの、それは俗説に過ぎないし、65ヵ国の具体的な顔ぶれにも複数バージョンがあるということである。ともあれ、代表的な説によれば、(服部の個人的な研究対象地域である)旧ソ連諸国や、やはり関心国である中東欧諸国が、すべてその対象国となっていることは、間違いないところのようだ。ただ、実際には中国がアフリカ等を対象に実施する投資プロジェクトも、一帯一路の一環として位置付けられることが多く、その地理的範囲を特定することは意味をなさないということのようである。

 恥ずかしながら、29ページに掲載されている一帯一路の「六大経済回廊」という枠組みを、個人的に知らなかった。六大のうち、私の研究対象地域にかかわるのは、①中国・モンゴル・ロシア経済回廊、②新ユーラシアランドブリッジ経済回廊、③中国・中央アジア・西アジア経済回廊である。驚いたことに、ロシアのモスクワ~カザン高速鉄道プロジェクトは、①の一環ということになっているようだ。中国と欧州を結ぶコンテナ貨物列車「中欧班列」は、②に位置付けられている。さらに、トルクメニスタンと中国を結ぶガスパイプラインも、③の一部として、一帯一路政策に含まれているとは知らなかった。

 ただし、個人的に気になって調べたところ、ロシアから中国向けのガス輸出パイプライン「シベリアの力」は、一帯一路の枠内とは位置付けられていないらしい。あれだって中国との共同プロジェクトに変わりはないのだが。


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 機体そのものに問題があったわけではなかったが、今年モスクワで起きた重大事故により、ますますイメージが悪くなってしまったロシア国産機「スホーイ・スーパージェット(SSJ)」。こちらの記事によると、外国のエアラインとして唯一SSJの運用を続けていたメキシコのインタージェット航空が、このほど保有していたSSJの売却を決めたということである。これで、SSJは完全にロシア国内でのみ使われる旅客機ということになってしまう。

 記事によると、インタージェットではSSJを22機保有していたが、実際に定期運航していたのは6機にすぎず、残りは半年以上、駐機場に停めてある状態だった。インタージェットは、ロシア・アエロフロートの49機に次いで、SSJを多く保有している会社だった。インタージェットは保有する22機すべてを売りに出し、買い手を探すことになるが、すでに1機を解体して復元は不能なので、実際に売るのは21機という説もある(その他にも諸説)。インタージェットでは最近のペソ安により燃料が高騰して財務状態が悪化し、保有機の売却を決めたという。


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