ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

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 こちらのサイトに見るように、このほど駐日ウクライナ大使館より重大な意思表明があった。ウクライナの地名を、ウクライナ語の発音に即して表記するべきだとのメッセージである。具体例を示したのが上掲のものである。

 ここで主張しているのは、「ロシア語読みではなく、ウクライナ語読みで」ということなので、私個人は以前からその方針をとっているし、当方としてまったく異存はない。私が編集した『ウクライナを知るための65章』でも、そうなっている。しかし、上で充てられているカタカナ読みを見ると、ムィコライヴのように、ロシア語との違いを過度に強調した翻字になっている気がするし、そもそも日本外務省が最近「ヴ」を使わないという方針を打ち出した中で、果たしてこれだけ「ヴ」を多用する方式が日本に定着するのかという疑問がある。

 最大の問題は、国名自体を、ウクライーナと、長音にすべきだとしている点だろう。もちろん、発音がそれに近いことは、そのとおりであろう。でも、それを言うなら、ロシアだって、現地語発音はラシーヤである。ロシア人が、「我が国の言語と独自性を尊重するため、ロシアではなくラシーヤと呼んでください」などと主張するだろうか? 日本には日本の読みやすさ、これまでの経緯というものがあるのであり、読み方が完全に間違っているというならともかく、伸ばす伸ばさないなどは日本人の感覚や慣習が優先されるべきだと、個人的には思う。

 前にも言った通り、ウクライナ国家が日本政府にこうした読み方の受入を正式に要請して来て、それが公式に決まったら、個人的にもその方式に移行することはまったくやぶさかでない(ただし「ヴ」のあるクィイヴは日本政府は使わないだろうが)。それは、単なる「決め」の問題である。


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 ロシア連邦国家統計局のこちらのページに、2019年上半期(1~6月期)のロシアの鉱工業生産実績が出ている。これによれば、上半期の鉱工業生産は前年同期比2.6%増、うち鉱業が4.0%増、製造業が1.9%増、電気・ガスが±0%、水道・廃棄物処理が1.5%増となっている。2019年上半期の主な品目の生産実績は以下のとおり。

  • 石炭:2億1,300万t(前年同期比0.6%減)
  • 原油(ガスコンデンセート含む):2億7,800万t(2.5%増)
  • 天然ガス:3,320億立米(2.9%増)
  • 石油精製:1億4,000万t(2.5%減)
  • ガソリン:1,940万t(2.6%増)
  • 化学肥料(100%成分換算):1,200万t(2.0%増)
  • 鉄鋼の完成鋼材:3,080万t(0.2%増)
  • 乗用車:78.4万台(1.7%増)
  • 貨物自動車6万8,400台(4.5%減)
  • 発電:5,630億kWh(1.3%増)

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 中国の一帯一路政策の枠内で、中国と欧州を輸送路で結ぶという構想では、現在までのところ、鉄道によるコンテナ輸送「欧州班列」が実績を挙げている。それに対し、自動車道路で東西を結ぶ「子午線」の建設プロジェクトも推進されている。このほど、こちらのサイトに、その子午線のロシア部分のルート図が出ていたので、上掲のとおり紹介する。

 図に見るとおり、道路「子午線」のロシア部分は、対カザフスタン国境から、対ベラルーシ国境まで伸び、ロシアの6つの州を経由するということである(注:上の地図では計8州のようにも見えるのだが、どうなのだろうか?)。子午線全体では、中国の上海からドイツのハンブルグまでで、全長8,445kmとなる。

 なお、ロシアが2018年に制定した「2024年までの基幹インフラ近代化・拡張総合計画」により、本件はすでに公式的に承認されている。同計画の一環である連邦プロジェクト「欧州~中国西部」では、モスクワ~カザン高速鉄道の一部区画建設、ヴォルガ川に橋を架けトリヤッチ市を迂回する工事、有料道路「子午線」のロシア区画建設という3つの事業を盛り込んでいる。


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 『週刊ロシア経済』(No.32、2019年7月15日)を配信しました。今回から、特定のトピックスを選び、それに関する情報を集中的にお伝えする方式に転換しました。初回は、「経済的観点から見たロシアとジョージアの反目」です。


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 先週は作曲家プロコフィエフの生誕地であるウクライナのソンツィフカというところの紋章を取り上げたが、その延長上で、なし崩し的に、音楽に関係した紋章のシリーズに突入した。今週は、ウクライナ・ヴィンニツャ州のブライリフ(ロシア語ではブライロフ)町の紋章。以前、「チャイコフスキーの生涯をたどる旅」というエッセイで触れたとおり、作曲家チャイコフスキーが足跡を残したところで、ゆえに紋章にも楽譜が描かれている。


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 こちらの記事によると、ロシア・ルーブルが世界で最も過小評価された通貨であることが判明したということである。これは、例の英エコノミストが発表しているビッグマック指数の話である。

 記事によると、米国ではビッグマックが5.74ドルであるのに対し、ロシアでは130ルーブルであり、これは約2ドル程度である。ゆえに、ルーブルは実際の購買力より64.5%過小評価されており、マクドナルド購買力による適正レートは、1ドル=22.65ルーブルになる、ということである。


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 先日、ウクライナが米国産の石油を購入するという動きがあった。この出来事をどう読むべきか、こちらの記事が論じているので、要旨をまとめておく。ロシアのリア・ノーヴォスチの記事なので、ウクライナの動きを辛辣に論評する内容になっているが、悪しからず。

 クレメンチューク製油所に、米国からのバッケン種の石油が入荷しようとしている。7月4日にタンカー「ウィズダム・ヴェンチャー」がオデッサ港に入港し、そこからパイプラインを通じてクレメンチュークに運ばれている。購入したのは、製油所を保有するI.コロモイスキーのウクルタトナフタ社である。

 マスコミでは今回の取引を、6月1日に発効したロシアの石油禁輸への対抗策だと論じている。しかし、対抗策としては、弱い。2018年のウクライナの石油輸入が800万t超えだったのに対し、今回の輸入はわずか7.5万tだ。確かに、8月にもう一度、同量を輸入する予定だが、たとえウクルタトナフタが毎月7.5万tを輸入したとしても、ウクライナの輸入全体の数%にすぎない。

 クレメンチューク製油所一つにとってみても、これは多い量ではない。クレメンチュークに主に石油を供給しているのは、半官半民のウクルナフタ社であり、2018年の国内採掘量は145万tであり、そのほぼ全量をクレメンチュークに供給した。また、クレメンチュークはアゼルバイジャン石油も購入している。クレメンチュークは2018年にはトータルで220万tの石油を調達した。

 2017年にクレメンチュークの石油精製量は12%増加して250万tに達し、それをさらに拡大していく計画を立てていた。しかし、ガソリンの販売不振で、実際には生産が低下する。2018年夏には貯蔵施設が石油製品で一杯になり、そのため生産量を技術的に許容されるぎりぎりの日産5,000tまで引き下げた。製油所を抱えるウクルタトナフタの経営陣は、販売不振はベラルーシからの輸入のせいだとし、2018年11月、国家安全保障国防会議に、ベラルーシ産ガソリンに対するアンチダンピング調査を開始するよう要請した。同社は、ベラルーシとロシアは石油製品輸出に補助金を適用していると主張したが、ウクライナ政府はこの要請を無視した。2019年3月、製油所は政府に石油製品に対する輸入割当を導入するよう要求したが、これも受け入れられなかった。コロモイスキーは作戦を変え、ガソリン物品税を25%引き下げることを主張したが、政府は応じなかった。

 そうした中、ガソリン価格は、ウクライナのドライバーたちにとって受け入れられないほど、割高なものとなっていた。所得に対するガソリン価格という指標で、ウクライナはあるランキングの61ヵ国の中で、59位という劣悪な結果になった。こうしたことから、ウクライナのドライバーたちはガソリン車をLPG車に改造し、ガソリンの半額程度のLPGにシフトするようになっており、現在ウクライナにはLPG改造車が300万台も走っていると言われる。

 こうした状況下では、米国石油の調達は、経済的にはまったくの焼け石に水である。大洋の向こうの国から石油を買ってガソリンを生産しても、とてもウクライナの消費者には買う余裕がない。しかも、ロシアは7月1日からLPG輸出を全面的に再開しており、またカザフスタンの製品についてもロシア領を経由してウクライナに輸出することを認めているわけで、したがって今後もウクライナではガソリン需要低下が続くだろう。

 というわけで、ウクライナが米国産石油を買った理由は、一つしかない。それは、ワシントンに恭順の姿勢を示すことである。それにより、第1にノルドストリーム2の問題で、第2にドンバス和平の問題で、米国の全面バックアップを取り付けようとしているのだろう。しかし、ウクライナの購入量は微々たるものだし、そもそも米国はウクライナによるロシア産ガスのトランジットが止まり、欧州により高値でLNGを輸出したいと思っているので、ウクライナの思惑は外れることになるだろう。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2019年8月号の中身を、どこよりも早くご紹介。今号では、「日ロ経済関係は仕切り直しへ」と題する特集をお届けしております。大阪でのG20関連と、ペテルブルグ国際経済フォーラムでの日ロ会合の模様を報告することを軸とした内容。過去数年の日本の対ロシア・アプローチは、経済協力の拡充により、領土問題解決および平和条約の締結に向けた環境を醸成するというものだったと思います。しかし、ここに来て、積年の懸案の解決のためには、より一層粘り強い取り組みが求められることが、浮き彫りとなってまいりました。「仕切り直しへ」というタイトルには、そのようなニュアンスを込めたつもりです。私自身は、今回は完全な脇役で、「ウクライナとベラルーシの鉄道トランジット輸送」、「2019プーチン・ホットライン」という記事を書いただけです。7月20日発行予定。


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 ロシアなど5ヵ国から成るユーラシア経済連合と、イランは、2018年5月17日に暫定自由貿易協定というものに調印している。これは、両者間において、すべてではなく、限定的な品目表についてFTAを形成し、しかる後に、全面的なFTAの締結を見込むというものである。こちらの記事によれば、ロシアは2018年11月に協定の批准を行い(ロシア以外のユーラシア諸国の批准状況は不明)、イランは2019年6月10日(?)に批准を行った。そして、イランのロウハニ大統領は、暫定協定を実施するための法案を関係省庁に送付した。

 暫定FTAはあくまでも経済の協定であり、ロシアとイランの地政学な接近と見るのは大袈裟だと思うが、米国主導でイラン包囲網を形成しようとしているまさにその時に、このような進展があると、どうしてもそのような目で見られがちである。


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 本日は編集を担当している調査月報の締め切り日にて、簡単な記事でご容赦いただく。ロシア連邦関税局が2019年1~5月のロシアの貿易統計を発表したので、前回の1~4月に引き続き、特に貿易相手国のデータを取り上げてみたい。まあ、1~4月から1カ月分の数字が加わっただけなので、そんなに大きな変化はないが。

 ロシアの貿易パフォーマンスは、相変わらずパッとしない。2019年1~5月の輸出は1,727億ドルで前年同期比2.1%減、輸入は932億ドルで前年同期比2.2%減であった。

 貿易相手国のベスト10は上掲のとおりで、この1ヵ月では米国が順位・シェアとも上昇している。日本は第9位、3.21%で、あまり状況は変わらず。


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 ロシアの世論調査機関「レヴァダ・センター」が、国民の余暇の過ごし方についての調査を行い、その結果がこちらに出ているので、話の種に取り上げてみよう。

 余暇の中でも、ここでは読書にフォーカスしてみたい。ロシア人は、ソ連時代からしばしば「世界で最も読書をする国民」と言われており(あるいはそのように自称しており)、実際のところはどうなのだろうかという関心からだ。貴方はどのくらいの頻度で文学作品を読みますか?と回答者に尋ねたところ、1994年と2019年の比較で、結果は上表のようになった。娯楽の多様化、ネットやスマホの普及で、読書習慣が低下していることは、間違いない。ただ、日本などに比べれば、ロシアの方がまだ文学作品に触れる機会は依然として多いのかもしれない。


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 コウノトリの紋章シリーズを続けてきたけれど、ちょっと気分を変える。上に掲げたのは、ウクライナ・ドネツク州にあるソンツィフカという村の紋章。なお、2016年までは「赤」を意味するクラスネという名前だったが(上掲の紋章はクラスネのままになっている)、ポロシェンコ政権の反共産主義・ソビエト主義的地名廃止キャンペーンの一環として、ソンツィフカに変わったようだ。唐突にこの村を取り上げたのは、ここが大作曲家のS.プロコフィエフの出身地と知ったからだ。紋章の上段は石炭が採れることを、下段は偉大な作曲家の生誕地であることを表しているのであろう。もしかしたら、このまま石炭か音楽の紋章シリーズに突入するかもしれない。


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 またロシアのネット通販についての話題である。一昨日述べたように、ロシアでも諸外国と同じようにネット通販が拡大してきたが、ロシアの場合は、消費者が国外のネット通販業者(とりわけ中国系のアリババ・グループのサービス)に直接注文を出してしまい、国内業者を圧迫していることが問題となっていた。その現象については、1年ほど前にGLOBE+の「ロシアにとって踏んだり蹴ったりな中国アリババのネット通販」というコラムで論じたことがある。ところが、その国外ネット通販の状況が、だいぶ変わってきているということである。

 転機の一つとなったのが、税制の変更である。こちらの記事でまとめられているとおり、従来はロシアの消費者は1ヵ月当たり1,000ユーロを上限に、国外通販サイトから、関税無しで商品を購入することができた。それが、2019年1月1日からは、無税枠が1ヵ月当たり500ユーロに引き下げられた。さらに、2020年1月1日からは、無税枠が200ユーロに引き下げられることが決まっている。記事によれば、無税枠引き下げの結果、2019年1~3月にロシアの消費者が国外ネット通販に際して支払った関税は2億ルーブルに上り、前年同期から3倍に拡大したという。

 さらに、こちらの記事は、ロシア郵便による国外ネット通販商品の配達数が、2018年1~3月の9,580万件から、2019年1~3月には9,220万件に低下したということを伝えている。


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 「ブランド・ファイナンス」という外資系のコンサルタント会社があり、そこが2019年版のロシア企業のブランド・ランキングというものを発表した。こちらのサイトからレポートをダウンロードすることができる。正直言うと、いわゆるブランドというよりは、企業イメージ、企業価値といった感じの尺度になっている気がする。ともあれ、ここではランキングの中から上位10社だけ抜粋して紹介する。ちょっと分かりにくいのだが、「Most Valuable Brands」の順位と、「Strongest Brands」の順位という2つが掲載されており、当ブログでは差し当たり前者を取り上げることにする。Most Valuable Brandsのベスト10は以下のとおりである。

  1. ズベルバンク
  2. ガスプロム
  3. ルクオイル
  4. ロスネフチ
  5. ロシア鉄道
  6. マグニト
  7. VTB
  8. タトネフチ
  9. MTS
  10. NOVATEK
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 ロシア・ネット通販会社協会の資料を眺めていたら、ロシアの商品小売市場に占めるネット通販の比率というデータが目に留まったので、これを取り上げてみる。これによると、2018年現在でロシアのネット通販比率は5.3%で、米国の14.3%、英国の19.5%、中国の23.9%に比べてだいぶ低いということのようである。なお、日本に関しては、こちらのサイトに情報があり、日本国内のネット通販市場規模は17兆9,845億円であり、ネット通販比率は6.2%とされている。


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 既報のとおり、ジョージア情勢の緊迫化を受け、ロシアのプーチン大統領は6月21日付の大統領令で、7月8日からロシアのエアラインがジョージアに乗り入れることを禁止し、旅行会社にはジョージア旅行を取り扱わないよう勧告した。

 こちらの記事によれば、このほどジョージア観光庁のM.クヴリヴィシヴィリ長官が、ロシア人観光客減の影響について語った。それによると、ジョージアは本年末までに100万人のロシア人観光客を失い、20億ラリ(7.1億ドル)の損害を受ける見通しである。2018年には140万人のロシア人がジョージアを訪れ、20億ラリをもたらしていた。2019年の見通しは170万人、25億ラリだった。なお、2018年にはジョージアを訪れるロシア人の過半数は陸路だったが、2019年1~5月には80%が空路を利用していた。ジョージアとしては、我が国が安全な旅行先であるという情報の発信に全力を尽くしていきたいと、長官は述べた。


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 こちらの記事によると、ロシア最大の地場乗用車メーカーで、ルノー=日産アライアンス傘下のAvtoVAZでは、本日7月3日から生産を全面的に停止することになった。サマラ州トリヤッチ、ウドムルト共和国イジェフスクの両工場で生産が停止する。生産停止の原因は、ニジェゴロド州ニジニノヴゴロド市のサプライヤー「アフトコンポネント」からの部品供給が途絶したことである。AvtoVAZでは、ディーラーへの完成車納入には当面問題は生じない、早期の生産再開に向け全力を尽くすとしている。また、発生する損害に対しアフトコンポネント社に賠償を請求する可能性もあるという。


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 当方、ロシアW杯終了後、海外サッカーへの関心が従来以上に低下し、海外観るくらいだったら、まだ国内のJ2の方が興味がある。それで、今季序盤戦では、J2初挑戦のFC琉球の戦いに目を見張った。非常に良く組織された好チームであり、特に2列目、3列目からの飛び出しには特筆すべきものがあった。ただ、開幕からしばらくは上位をキープしていたものの、研究・対策されたのか、さすがに最近では順位を落としている。

 残念ながら、個人的にFC琉球の選手たちの顔と名前は一致しないのだが、こちらこちらの記事が伝えるところによると、左サイドバックの徳元悠平(23)選手に、ロシアのアルセナル・トゥーラ移籍の可能性が浮上しているそうである。なんでも、トゥーラは昨シーズン、サイドバックによるアシストがゼロだった(!)とのことであり、「Wyscout」という有名なグローバル選手データベースで検索した結果、昨年のJ3、今年のJ2でアシストしまくっている徳元選手に白羽の矢を立てたらしい。トゥーラは昨シーズン6位になって、7月25日以降に行われる予選を勝ち抜けばUEFAヨーロッパリーグに出場できるので、選択としては悪くないと思う。問題は沖縄育ちの徳元選手がロシアの寒さに順応できるかだろう(笑)。


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 密やかに続けているコウノトリの紋章シリーズ。正直言うと認識にないところだったが、西ウクライナのリヴィウ州にブスク(Буськ)という街があるそうで、その市章が上掲のようなデザインとなっている。


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 第10回スラブ・ユーラシア研究東アジア大会が、昨日6月29日と、本日30日の2日間、東京大学の本郷キャンパスで開催されている。上の動画は、開会式で松里公孝先生が挨拶をされている様子。

 私自身は、昨日29日のDifferentiation or Convergence? —Changes in Political Regimes in Post Soviet Countries in the Last Decadeというパネル(下の写真参照、写っているのは私ではないが)で、“Comparing Transport Strategies of Ukraine and Belarus as Transit Nations” と題する報告を行った。ウクライナとベラルーシはともにロシアとEU、東と西の狭間に位置し、その地理的条件を活かして東西を結ぶトランジット輸送を発達させる可能性を持っている。近年は、中国の一帯一路政策が始動したことで、より一層その可能性が広がっている。現実には、ベラルーシが一定の成功を収めているのに対し、ウクライナはロシアとの対立などでそのポテンシャルを活かせていない。この報告では、初歩的な統計の整理だけになってしまったが、そうした観点からウクライナとベラルーシの実情を比較した。

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 こちらの記事によると、このほどロシア・中国間で政府間協定が結ばれ、両国間の決済通貨を現状の米ドル主体から両国通貨のルーブルおよび人民元に移行することが合意されたということである。政府間協定は6月5日に結ばれ、ロシア側からはA.シルアノフ第一副首相・蔵相が、中国側からは中国人民銀行の易綱行長が署名を行った。今回の協定は、1年ほど前に合意されていた脱ドル化の方針に沿ったものである。本来は2018年11月にロシア対外経済銀行のI.シュヴァロフ総裁の訪中時に調印される予定だったが、延期されていた経緯がある。決済の権限を与えられるのは、ロシア側のVTB銀行と、中国側の工商銀行(?)である。実現のためには、両国双方のSWIFTに相当するシステムを接合する必要がある。


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 私がここ半年ほどロシアの政策でわりと集中的に情報を集めていた「ナショナルプロジェクト」というものがある。それで、これはフェイスブックページで情報が流れてきたので、出所を示すことが難しいのだが、このほどロシア国民のナショナルプロジェクト認知度に関する世論調査が行われたそうである。その結果、ナショナルプロジェクトと称するものが存在するということを聞いたことがある国民は、44%しかいなかった。さらに、それがどのようなものか理解しているのは、7%だけだった。

 それで、ナショナルプロジェクトごとの認知度は、以下のようになっている。何と、私の研究対象である「国際協業と輸出」がビリ、次に関心のある「基幹インフラ近代化・拡張総合計画」がブービーという結果になっている。こんなロシア人も誰も知らないような政策を研究する意味があるのかという気がしてきた。

  • 保健:26%
  • 教育:20%
  • 住宅と都市環境:16%
  • 人口:16%
  • 環境:14%
  • 文化:12%
  • 科学:11%
  • 中小企業支援:11%
  • 安全で質の高い道路:10%
  • デジタル経済:8%
  • 労働生産性・雇用支援:5%
  • 基幹インフラ近代化・拡張総合計画:4%
  • 国際協業と輸出:2%

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 ロシアなど5ヵ国から成る経済同盟の「ユーラシア経済連合」では、EUなどと同じように、一応「大臣」というものがいる。こちらに見るとおり、2016年2月から通商大臣を務めているのが、V.ニキシナという女性である(上の写真)。この人物はロシアの代表者であり、ロシア経済発展省で要職を歴任、ロシア第一副首相補佐官を経て現職に就いた。

 それで、こちらの記事によると、このほどニキシナ通商相が、ユーラシア経済連合は第三国に対して共同で制裁措置をとりうると発言した。それは基本的にユーラシア経済連合のいずれかの加盟国が第三国から制限措置を受けた場合の対抗措置だが、場合によっては予防的に制裁を発動することもあると、大臣は述べた。大臣によれば、第三国がユーラシアの加盟国の一部に対してでも制裁を適用すれば、否定的な影響は他の加盟国にも広がるので、対抗措置は連合全体で検討することが理に適っており、共同での制裁が必要だと判断されれば、まさに連合レベルで対抗措置が導入されうる。また、法秩序、生命と健康の保護、国防および安全保障目的であれば、連合が共同で予防的な措置をとりうる、という。

 以上がユーラシア経済連合のニキシナ通商相の発言要旨であった。言っていることはむしろ当然であり、ユーラシア経済連合が関税同盟である以上、ロシアが他の加盟国の意向を無視してEUやウクライナに単独で制裁を適用していることの方がおかしいのである。ただ、ニキシナ大臣の本音は、「他の加盟国もロシアの意向に沿ってロシアによる制裁措置に付き合ってほしい」ということだろう。逆に、たとえば第三国がキルギスやアルメニアのような小国に何らかの制限措置を適用した場合に、ロシア主導のユーラシア経済連合が、連合として対抗措置をとることはありうるだろうか? おそらく、そんなことはまずあるまい。


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 商工中金経済研究所から発行されている『商工ジャーナル』という月刊誌がある。このほど、その「観天望気」というコーナーで、年1回の連載を開始することになり、7月1日に発行される7月号にその第1回を寄稿した。

 第1回は、「経済制裁と貿易戦争の横行する世界」と題し、ここ数年の世界経済がすっかり制裁と貿易戦争によって撹乱されていることを憂う内容だった。そして、そんな世界の中で見られる例外的現象を紹介するという意味合いで、末尾をこんな風に結んでしまっていた。

 ジョージアは、2008年8月にロシアとの軍事衝突に直面した。ジョージアは国土の一部を実質的に喪失し、両国の外交関係は今もって断絶したままである。しかし、両国の経済関係は、2013年から正常化している。今や、両国首都間を多くの直行便が飛び、ロシア人観光客が急増して、ジョージアは世界で最も急成長している観光立国となっている。

 言わば、名を捨て実を取ったジョージア。案外その方が、安全保障上の問題の解決にも近道なのではないか。

 旧ソ連地域の情勢に関心をお持ちの方であれば、この記述がここ数日間で完全に陳腐化したことをご存知であろう。6月20日にジョージアの首都トビリシでキリスト教東方正教会の議員連盟会合が開催され、その際にロシアの議員が議長席に座りロシア語で発言してしまった。悪いことに、S.ガヴリロフというその議員は、2008年のジョージア・ロシア戦争で重要な役割を担った人物だった。これにジョージアの野党議員が反発しただけでなく、議会の外では市民の抗議デモが発生し、いつしかそれは反政府デモの意味合いを強めた。トビリシが騒乱状態となったことを理由に、ロシア当局は22日、ロシアからの航空機をジョージアに乗り入れることを7月8日から禁止すると発表。また、ロシア消費者庁は24日、ジョージア産ワインに品質上の問題を発見したとして、輸入規制を強化することを発表した。

 観光とワインは、ジョージアがロシアに経済的に依存している2本柱である。それを制限することは、実質的に経済制裁の発動に他ならない。私がコラムで書いたことは、吹き飛んでしまった。

 文章を書くことは恥をかくことであり、増してや国際情勢を対象としていれば、書いたものがすぐ古くなってしまうということは、よくある。しかし、『商工ジャーナル』の「観天望気」は、大所高所の議論を披露してほしいとの注文だったので、私なりに工夫を凝らし、ジョージアの話も括目すべき新潮流として取り上げたつもりだった。それが裏目に出て、連載1回目に、出た瞬間に古びている文章を書いてしまうとは。ここ何年か続いていたトレンドが、よりによって私のコラムが脱稿した直後に、ひっくり返ってしまうとは。ジョージア情勢の急変自体が個人的にショックだったが、自分自身の間の悪さが重なり、絶望的な気持ちになってしまう。


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